【感想・ネタバレ】パテカトルの万脳薬 脳はなにげに不公平のレビュー

あらすじ

人気の脳研究者が「もっとも気合を入れて書き続けている」週刊朝日の連載が待望の文庫化。右手を握ると記憶力がアップする!? など、知れば知るほど不思議な「脳」と科学の最新知見。本書の装丁も手掛ける寄藤文平さんとの文庫版特別対談も収録。

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脳というハードはどのようなくせがあるのか、意識というソフトはハードによってどう規定されているのか、という初心者向けのさっくりとした内容。
ハエにも人間の鎮痛薬が効くということに驚いたが、よく考えたら人間の薬って、動物実験が行われているから当然なのかも。
それを当然と思わず驚いてしまうというのが癖なのか。

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2020年06月03日

Posted by ブクログ

一般的な通説や多くの人が当たり前のように信じていることが、脳科学の視点から検証すると全く違う事実が浮かび上がる。
池谷さんの脳科学に関する著書を読んだのは3作目。だが科学者たちに知られていない脳に関する発見はまだこんなにもあるのかと驚くと同時に、日々賢い人たちが集まり頭を悩ませながら、こんなにも身近な「脳」を解明するために多種多様な実験がなされていることにおもしろさを感じる。脳科学の世界は本当に奥深いし興味深い。

なかでも特に印象に残ったのは以下の3つ。
・顔は性格を反映する
顔と内面は無関係ではなく、ヒトの脳は顔の特徴から「信頼できる」「子どもが好き」「攻撃性」等の内面の情報を的確に読み取ることができる。

・人の心を動かす「言葉」とは?
「ウソをつかないで」と「ウソつきにならないで」。犯罪心理学の研究によると、相手にウソをつかせない効果が高いのは後者。犯罪を犯すとき、好んで罪を犯す人は少なく、多くは止むに止まれず犯罪に走ることが多い。その時の心理は「本来の自分は善良なのだが、今回ばかりは特別だ」と心に蓋をする。だから「ウソをつかないで」という一回の行動に言及するよりも、「ウソつきにならないで」という人格そのものに言及するほうが心に届く。

・未来の自分は想像よりも変化する
人は自分の状況やモノの価値は未来もあまり変わらないと思い込む傾向がある。さらに好み、性格や個性も「自分は一貫している」と思い込む傾向がある。どちらかと言うと、現在の自分はそれほど確固たる存在ではなく、「将来どんな変化が自分に起こっても不思議ではない」と人生設計しておくほうが想定外の事態にも順応できると言える。

日々新たな発見がなされるこの奥深い世界を、もっと知りたいと感じた。池谷さんは間違いなく、脳科学に対する世の中の興味を強める大きな一因を担っていると感じる。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

池谷さんの本は何冊も読んでいますが、いずれもおもしろくハズレがありません。本書は最新の論文からトピックを集めたもので、一つの記事が3ページに収められています。
手軽に読めて、息抜きにもちょうどいい本です。

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2023年09月09日

Posted by ブクログ

雑誌に寄せたエッセイをまとめた本

この本を読むのは初めてではないのだが
初めて読んだかのように
ほ〜、ふ〜ん、と感心できた

多分またいつかこの本を開いたとしても
新鮮な感動を得て
誰かに教えてやらずにはいられないと思う

脳は(心は)複雑で単純

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2023年03月18日

Posted by ブクログ

人間の脳の働きをとても楽しく愉快に、様々な研究事例をもとに解説してくれる。著者池谷氏の知識習得量に圧倒された。

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2020年01月10日

Posted by ブクログ

パテカトルの万脳薬 脳はなにげに不公平
著:池谷 裕二

パテカトルはアステカ文明の神話に登場する神である。酒の神、ひいては「薬」をつかさどる神として古代メキシコで崇められていた。その謎めいた存在が、脳そのものの不思議さを彷彿とさせ、薬学部で脳の研究をしている著者には、とくにお気に入りの古代神である。

本書は著者が、「週刊朝日」で2011年12月から続けている連載エッセイのコーナー等のエッセイをとりまとめたものである。構成は以下の4章から成る。
①好運は伝染する
②人類2.0
③脳の不思議な仕様
④「心」を考える

著者のお話を直接聞ける機会があり、その講演の素晴らしさから本書を手に取った。お話と本作は「脳」という点では共通するものの少し毛色は違っていた。

どちらにも言えることは「脳」の知識がない私たちにもおもしろ楽しく読ませて(聞かせて)くれることである。難しく話したり書いたりすることはできるが逆はなかなか出来ない。本書ではその時の最新の論文からクスっと笑えるような話題を織り交ぜながらわかりやすく興味を持続させてくれるように書かれている。

「脳」への興味は深まるばかりである。

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2019年07月21日

Posted by ブクログ

脳科学にまつわる様々な知見を、日常の風景や出来事、なんとなくの思いなどと組み合わせて、書かれた本です。脳科学本は自身の主張を展開するために都合がよい研究のみを採用したり、内容が同じものになりやすかったりしますが、そういうことはなく、著者の興味が幅広いためか、初めて聞く内容が多く、興味深く読めました。興味を引き出すような書きっぷりでよいと思います。

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2019年05月20日

Posted by ブクログ

「心」を考える、が面白かった。いろんな知識がコンパクトにまとめられていたのだが、一気読みしてしまったがために、逆に印象に残らない読書になってしまったかもしれない。機会があれば別の本も読んでみようかな。

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2024年06月14日

Posted by ブクログ

乾坤一擲けんこんいつてき 西アフリカの内陸国ブルキナファソの先住民 赤の魅力は原始的に獲得された性的信号ではないか 遺伝的寄与 大雑把な近似で 既に進化の過程でえりすぐり選りすぐり抜かれています 「進化」と「疾患」の絶妙なバランスの上に 世俗的な観点で盛り上がりました そのX染色体は50%の確率で母方の祖父由来となります 環境は芸術開花の刺激ホルモンです じしつ耳疾の原因には諸説ありますが 画家でもゴッホやターナーは赤色が認識できない色覚マイノリティだったと言われます 憧憬と渇望は芸術の駆動力になるのでしょう ドーピング対象の感冒薬が飲めず 実際の癌の発生率は暢気に想像するより遥かに高い筈なのに 現在の自分の状況や趣向は今後も変わらないと勘違いするからだ この生得的な思考癖こそが 英語で表現すれば「マインド」と「ソウル」に対応する二つです 諸行無常や色即是空は独特の概念ですし 枯山水かれさんすい 「無」に「0」という有形記号をあてる行為は、「無いこと」の可視化です。 アウトプットすることで、心の不安定さを解消できることが研究でわかっているんです。

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2020年09月16日

Posted by ブクログ

脳と心の関係は早く解明されてほしい。

本のタイトルにもなっている「不公平さ」が安定した状態だというのはなんとなく納得する

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2019年07月02日

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