あらすじ
買い物で、得だと思って選んだものが、よく考えればそうでなかったことはありませんか。こうした判断ミスをもたらす思考のクセは、「認知バイアス」と呼ばれます。認知バイアスは、無意識のうちに判断ミスを引き起こす、いわば思考の錯覚。その不思議な世界を気鋭の脳研究者がひもときます。認知バイアスの古典例から最新例までクイズ形式で実感することで、自分の持つ思考のクセだけでなく、他人のココロの動きまで分かります。
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Posted by ブクログ
これはかなりの名著ではないか。
人の認知バイアスをクイズ形式で80問紹介している。正常性バイアスや現状維持バイアスなどの認知バイアスは知っていたが、他にもいろいろある。というか、自分らしさだと思っていたものすら脳の合理化の癖の結果であることも多くて、読んで驚くやら恥ずかしいやらですごく楽しかった。
こんなバイアスを後生大事にすべきではなく、さっさと研究して、これを前提に過ごしていきたいと思う。
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行動経済学から、人の脳に生じるバイアスやヒューリスティックなどが気になり、この本にたどり着いた。そういった類いのことを面白く、そして多彩にまとめていて、手元に置いておきたい本だと感じた。
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難しい専門的な言葉が多々登場しますが、イラストや具体例などを交えてあったので、非常にわかりやすく、読み易かったです。人の脳ってかなり自分勝手なんだな〜ということを学べました。
それと、時々皮肉ったような著者のコメントが書かれていたのも面白かったです。
本書を通して、認知バイアスとマーケティングが関連していることを知って興味を持ったので、巻末の「推薦図書」にも載っていた行動経済学の本も読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
まさに、タイトルどおり人の心の盲点の指摘で満載でした。最初は、能力の低い人ほど自分を過大評価するのはなぜだろうという疑問からこの本を買いましたが、とても、興味深く勉強になりました。中には、本当にそうなのだろうかと首をひねりたくなる内容も2つほどありましたが、是非、実験して確認してみたいものです。
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バイアスについて勉強を始めた私に取って本当に良い本に巡り合いました。
80ものバイアスについて網羅的に説明してある。
クイズ形式・ケーススタディ形式で考える機会を与えてくれ、その後答えをみて学ぶと言うスタイルが素晴らしい。
バイアス名が英語名併記なのも良い。
池谷先生らしく、軽快でユーモラス。
本書はアンコンシャスバイアスの入門書としてもとてもおすすめです。
Posted by ブクログ
”あなたは、「世間の平均」に比べれば、それなりに公平に振る舞っている方でしょうか?”
そんなアンケートをとると、ほぼ100%の人が”平均より公平に振る舞っている”と答えるそうです。
・・・人は自分のクセに無自覚であるという事実に無自覚です。他人のクセには容易に気づくことができても、案外と、自分自身のクセに気づかないまま自信満々に生きているものです。最大の未知は自分自身なのです・・・(はじめに)
脳研究者による、まじめな「あるある本」です。1日あればざっと読めますので、肩の力を抜いて、息抜きに是非どうぞ!
Posted by ブクログ
ヒトが物事を判断するときそれは何によって判断していると言えるのか。本当に自分がそれを判断したと言い切れるのか。そもそもその自分というものをどの程度本当に理解しているのか?そうした問いに脳科学の観点から答えてくれる一冊。
ココロの盲点はバイアスにある。ではそのバイアスを取り除けば”正しい判断”を下すことが本当に出来るのだろうか?この本では様々なバイアスを提示する中で、それらとうまくつきあうヒントを与えてくれる。大切なことは、そうしたバイアス(つまりココロの盲点)があるということを認識した上で物事を判断している、ということを知ることだろう。そうすればその判断の妥当性がどこまであるのかということもおのずと分かるかもしれない。
Posted by ブクログ
認知バイアス=脳のクセについて一問二~複数択形式で学べる。
それにしても脳って信用できないんですね~。
自分の脳だけ信用できないのかと悩んでました。
いろんな’思い込み’は人間にありがちだったりするんですね。
もちろん自分にも。
80個の専門用語が出てくるけれど、文章も平易で解説も分かりやすかった。
ユニークで洗練されたイラストも良いです。
本の後ろの方に参考文献が記されているので、もっと深く知りたくなったときにも便利。
錯視用語と図形の紹介も50例。
巻末に本文に出てきた認知バイアス用語の索引がちゃんとあるのが感心した。
設問タイトルが文学や話題になった文言などのパロディになっているものもあるのに遊び心を感じてニヤリ。
Posted by ブクログ
Q:1000人に1人かかって死亡する感染症がある。それに対抗するワクチンがあって、でもそれは10000人に一人副作用で死亡する。
これをきいた母親はどうする人が多いか?
1・ワクチンをうつ
2・ワクチンをうたない
答え 2 が多い。
ワクチンで死亡する可能性があったとしても、ワクチンがうたないよりは死亡率は下がるにもかかわらず。
こういった思考の癖(わな)は自分にもあてはまりそう。自分の脳にだまされないように気をつけなきゃと思った。
ほかにもたくさん脳の癖がわかる設問がたくさん。心理学と似てるようで違う。
脳の癖から脱出したら、可能性が広がりそう。
Posted by ブクログ
読みやすいわかりやすい面白い。
みんなとは具体的に3人以上
嘘つきにならないでね。人間としての本質を否定されることに抵抗を感じる
みれば欲しくなる。衝動を冷静なときに想像できない。
数字の直感はあまり当てにならない。
鳥はモンティ・ホール問題を解く
ゆっくり歩かせると、老齢に関する言葉を単語リストから見つけやすくなる
日本人>シマウマ>白地に黒
黒人>シマウマ>黒地に白
Posted by ブクログ
池谷裕二さんの本は定期的に読みたい。
ユーモアの理解力のない人は「自分はユーモアがわかる人だ」と実力以上に自己評価する(ダニング=クルーガー効果)
思い浮かぶ顔があるなー笑
全部覚えていろんなところで使いたいけど、覚えきれない!
Posted by ブクログ
難しい本かな〜と思ってなかなか開けずにいたけど、めちゃくちゃ読みやすくて、面白くてすぐに読めた!!
クイズ形式で、思考のクセを楽しみながら学べた。
あまり実用的じゃないかな?って思ったけど全くそんなことはなく、
日常のもやっとすることに対しても「思考の癖がそうだもんな…」となって気が楽になった。
あと、相手だけじゃなくて、自分もやってるんだ!!と気づけた。
Posted by ブクログ
脳のクセの傾向として数字に騙され易いっていう話。
認知バイアスについて、クイズ形式で書いてある。
読みやすく面白かった。
ただ、イラストがちょっと邪魔だと感じてしまった。
「人は自分のクセに無自覚であるという事実に無自覚」
Posted by ブクログ
「自分では気づかない、ココロの盲点」(2013)が評判がよかったので、「完全版」に仕立て直ししたもの。30項目から80項目に増やしている。とは言え読んでものもある。脳のクセを科学的に分かりやすく書かれていて面白い。
[自我消耗]
『自制心や意志力は、筋力に似て、有限リソースです。がんばった後は、やる気や忍耐力、ときには道徳観さえも削がれます。若い人ほどこの傾向が強いことが知られています。
たとえば午後は、朝からの疲れが溜まっているため、午前よりもウソの頻度が20%も増えます。入試が終わると脱力したり(燃え尽き症候群)、重要な仕事が終わった後の打ち上げ会では飲みすぎて泥酔したり、旅行先で財布の紐が緩んだり、ダイエット中に怒りっぽくなったりするのも、同様の原理が働いています。車を買うという一大決心をした直後に、営業マンが「今ならカーナビを2万円の特価で追加できますよ」と畳み掛けるのは、消耗した精神の弱みをつく典型的な作戦です。大きな決断をした直後に別の問題について深く考えるのは難しいものです。なお、脳のエネルギーはブドウ糖です。消耗した自制心は、ブドウ糖を補給することで回復します。』
[モラル正当化効果~善行後の愚行]
『脳は自分をモラルのあるタイプの人間であると自認すると、それを埋め合わせするかのように反モラル的行動を正当化します。だから良い行動をとった後は、「次は少しくらいよいだろう」とモラルに欠ける行動をとる確率が高まるのです。
週末にたっぷり家族サービスした後は、翌週つい遅くまで飲んで帰宅してしまいます。
環境に優しいエコ商品を買った後は、つい利己的に振る舞いがちです。
カロリ-ゼロのダイエット炭酸飲料に合わせて、つい甘いケーキを注文してしまいます。
いつも忍耐強い人が、何かのきっかけで驚くほど激怒したりするのも、同じ心理が働いているのかもしれません。なお、この現象は、アメリカの企業で、黒人女性を採用した後に、非黒人系の男性を採用する傾向があることから発見されました。
[知識の呪縛]
「知る」とは世界の歪曲化。知識は判断を歪めます。脳は一度知ってしまうと知らない人の立場でものごとが考えられなくなります。その結果、自分の知っていることは相手も知っていると期待する傾向があります。
japanese cannot read the font
Posted by ブクログ
認知バイアス(脳のクセ)に関して、クイズ形式でわかりやすく説明してます。
面白かったですし、単に面白いだけでなく、それにあてはまる学説名や、根拠となる論文も示されているので、認知バイアスのインデックスにもなっています。
今後何かあったら、それが認知バイアスでないか振り返ってみようかと思います。が、きっとそれとは気がつかないのだろうなぁ。
巻末の錯視も面白いです。
Posted by ブクログ
ヒトの脳がどうなっているのか、についての池谷さんの本。
自分では公平で正しい判断をしていると思いがちな我々も
実は、脳的には勘違いや偏見に満ち溢れている、ということがよくわかる。
ときどき読み返しては、あー自分はこれあるかも、と振り返るのに利用したい本。
すぐ読める点もオススメです。
Posted by ブクログ
池谷裕二先生の著作は面白く、欠かさず読むというここ最近の傾向。積読している期間が長かったけれども、ついに読んだよ、この作品。
心理学を齧った経験もあることから、慣れ親しんだ効果ばかり。心理学と経済学が合わさった行動経済学も脚光を浴びるようになってきて、人間って不思議、人の心のバイアスってもう非合理とか、いろいろ思うわけですが、バイアスを知り尽くして有効な一手を打ち続けるということになるのでしょう。
特筆すべきことは、
・記憶が定着するのは、テストを解くことでその知識を使ってみること
・記憶力は歳をとっても衰えない
Posted by ブクログ
はじめは薄くてクイズ集程度?と残念な気持ちになってしまいましたが、巻末の認知バイアスのまとめがよかった。まとめに加えて、あとがきに構想5年、と書いてあり、この本の意味がわかった気がしました。
あくまでもこれは入門書なんですね。
脳科学の本を読んできた蓄積がある方には物足りないかもしれません。
Posted by ブクログ
心理学でいう「認知バイアス」と呼ばれる脳のクセを学べる一問一答集。人間の直感って当てにならないなぁと感心します。
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「陸軍士官学校に所属する候補生のうち、10年後により出世していたのはどちらの志望動機を挙げていた人?①将来将校になって国に貢献したい、②軍隊そのものが楽しそう」
(内発的動機付け―Intrinsic Motivation)
「交通ルールを破ることが多いのは?①普通車、②高級車」
(上流階級バイアス―Upper Class Bias)
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など、読者がクイズ形式で回答し、1ページめくると解説と認知バイアスの名称が書かれています。
解説自体はとても短く簡潔に書かれており、ひとしきり感心した後はすぐに次ページへ進みたくなります。でも面白かった、の一言で終わらせてしまうには少々勿体ない本です。自分の日常に重ね、商品の適切な売り方だったり、苦手なあの人への交渉術などに活用できそうなものも。本を開いた時々で今の自分に必要と感じる数ヵ所を頭に留めるだけでも、日常が少し良い方向に進みそうな気がします。
個人的には上記に書いた「陸軍士官~」の問いと解答を読んで、“好きこそ物の上手なれ”のフレーズが浮かびました。高尚な目的や理由がなくたって、好きというシンプルな気持ちを持続させていれば自ずと成果を出せることが多いようです。仕事でもプライベートでも、様々な場面で自分のやる気を上げる活力になりそう。
Posted by ブクログ
メンタルの解説書ではなく、ひたすら様々な認知バイアス(判断ミス)について箇条書きで分かりやすく説明してある。
一つひとつの認知バイアスに対して質問が作ってあり、それに回答すると、対応する認知バイアスが簡潔に説明されている。全部で80あまりあって、これ一冊で有名なところから気付いてなかったところまでよくわかるが、一方で説明が短すぎて物足りない。質問形式で分かりやすくしてあるのもいいが、これが足かせにもなっているようで、無理な設定も結構ある。
今からこのジャンルで勉強する人には、辞書的な使い方が出来て便利かも。
Posted by ブクログ
面白かった。練習問題形式で、認知バイアスについての知識を深められるようになっているのだが、練習問題形式だからこそ、筆者が書くように「この情報はこんな風に使う機会があるのか。ならば覚えておこう」(P80)と脳が判断してくれるので、印象深くかつすんなりと理解でき、記憶として定着してくれている(はず)。私は心理学の講義で教わったものが多くあったのだが、だから余計に実践的に復習できたように思えた。
ただ、練習問題形式であることの欠点として、ちまたにあふれるお手軽心理テスト的な読まれ方をされてしまうかも…とも思った。きちんと参考文献など示してあるのだが、その文字があまりにも小さい。真面目にこの本を読んで、さらに深く原典にあたってみたいという人にもこの文字の小ささはちょっとつらい。紙面の都合上仕方ないのだろうけど、この点はちょっと残念だった。
なお、この本はこのサイトの献本企画に当選し送付していただいた。良い本をご送付いただけて感謝です。
Posted by ブクログ
読み物としてとても面白い
「人間が好きになる脳の取扱説明書」
と紹介されているが
逆に人間ってアホやな〜と思ってしまった。
一つだけ覚えた用語は
ジンクピリチオン効果
これは忘れられないだろうな
Posted by ブクログ
”本当の自分の姿に気づかないまま一生を終えるなんてもったいないーー。せっかく人間に生まれてきたのですから、自分の認知バイアスについて知っておくのは、決して悪いことではありません。(略)本書は、心の盲点を知るための手引き、いわば「心の辞書」です。(「はじめに」より)“
錯視は例として視覚的に分かりやすいが、私たちの脳には自分では気づかない「クセ」がたくさんある。本書は、そんな「認知バイアス」をドリル形式で解説したものになっている。
脳の「クセ」自体は、別に悪いものではない。なんとなれば、それらは外界から入ってきた情報を効率良く処理・解釈するよう脳が学習した「直感」であるからだ。しかし、この直感に頼りすぎていると、事実を正しく認識できない場面があるというだけではなく、思わぬ不都合を引き起こしかねないのも事実である。私たちは、自らの脳に偏見のフィルターがかかっていることに対して自覚的でなければならないのだ…
と、少し堅く書いてみたが、本書は肩肘張らず気軽に読めるものになっている。一問一問の解説も、時々専門用語が出てくるとはいえ分量が1ページ前後なのでスラスラと読める。正直なところ、1つのバイアスの解説に費やすのが1ページだけというのは少々物足りなくも感じたのだが、後書きによれば、むしろ短すぎるぐらいに文字数を絞りつつ本格的な内容を紹介するという筆者の狙いだそうだ。確かに、短い中にもよく内容が纏まっていて、一般向けだからといって騙されている感じはしない。ただ、より詳しい情報を盛って書いてもらっても、僕は喜んで読むと思う。こう書くと逆に失礼になるかもしれないが、出典の論文も明記されているのはさすが東大教授。
Posted by ブクログ
認知的な歪みをテーマに、一問一答でバイアスに気づかせることを目的としている。
気になった台詞は、「『わかった』という錯覚は自己充実的な快感をもたらしますが、しかし、『わかったことはもうよい』という知識欲減退を誘導して思考停止も併発しますから、『わかった』という感覚には弊害も少なくないのです。」
一問一答形式なのでちょっとした待ち時間におすすめ。
Posted by ブクログ
辞書的に使える。80+225項目!
説明は若干わかりにくい文章もあるけど、これだけ多くの認知バイアス事例を挙げられていること、「自分のクセに無自覚であることに無自覚」の記載。最大の未知は自分自身。
Posted by ブクログ
脳にそなわった「勘違い」する思考回路──「認知バイアス」の不思議な世界をクイズ形式で体感。
「講談社BOOK倶楽部」内容紹介より
脳というのは実にさまざまな勘違いをするものなのだなぁと改めて思った.脳は自分のいいように解釈するものだということが分かっていれば、今後選択何かを選択するときに、本当にそうかな?と立ち止まって考えるといい選択ができるのか、と思うが、、、じゃあ、最初に書いてあった直感で選んだ方が正しいことが多いというのは矛盾するのか?ということになる?
好きか嫌いかの判断と、正しいか正しくないかの判断をごちゃまぜにすると、上記のような矛盾に感じてしまうんだろうな.