あらすじ
買い物で、得だと思って選んだものが、よく考えればそうでなかったことはありませんか。こうした判断ミスをもたらす思考のクセは、「認知バイアス」と呼ばれます。認知バイアスは、無意識のうちに判断ミスを引き起こす、いわば思考の錯覚。その不思議な世界を気鋭の脳研究者がひもときます。認知バイアスの古典例から最新例までクイズ形式で実感することで、自分の持つ思考のクセだけでなく、他人のココロの動きまで分かります。
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Posted by ブクログ
バイアスについて勉強を始めた私に取って本当に良い本に巡り合いました。
80ものバイアスについて網羅的に説明してある。
クイズ形式・ケーススタディ形式で考える機会を与えてくれ、その後答えをみて学ぶと言うスタイルが素晴らしい。
バイアス名が英語名併記なのも良い。
池谷先生らしく、軽快でユーモラス。
本書はアンコンシャスバイアスの入門書としてもとてもおすすめです。
Posted by ブクログ
Q:1000人に1人かかって死亡する感染症がある。それに対抗するワクチンがあって、でもそれは10000人に一人副作用で死亡する。
これをきいた母親はどうする人が多いか?
1・ワクチンをうつ
2・ワクチンをうたない
答え 2 が多い。
ワクチンで死亡する可能性があったとしても、ワクチンがうたないよりは死亡率は下がるにもかかわらず。
こういった思考の癖(わな)は自分にもあてはまりそう。自分の脳にだまされないように気をつけなきゃと思った。
ほかにもたくさん脳の癖がわかる設問がたくさん。心理学と似てるようで違う。
脳の癖から脱出したら、可能性が広がりそう。
Posted by ブクログ
「自分では気づかない、ココロの盲点」(2013)が評判がよかったので、「完全版」に仕立て直ししたもの。30項目から80項目に増やしている。とは言え読んでものもある。脳のクセを科学的に分かりやすく書かれていて面白い。
[自我消耗]
『自制心や意志力は、筋力に似て、有限リソースです。がんばった後は、やる気や忍耐力、ときには道徳観さえも削がれます。若い人ほどこの傾向が強いことが知られています。
たとえば午後は、朝からの疲れが溜まっているため、午前よりもウソの頻度が20%も増えます。入試が終わると脱力したり(燃え尽き症候群)、重要な仕事が終わった後の打ち上げ会では飲みすぎて泥酔したり、旅行先で財布の紐が緩んだり、ダイエット中に怒りっぽくなったりするのも、同様の原理が働いています。車を買うという一大決心をした直後に、営業マンが「今ならカーナビを2万円の特価で追加できますよ」と畳み掛けるのは、消耗した精神の弱みをつく典型的な作戦です。大きな決断をした直後に別の問題について深く考えるのは難しいものです。なお、脳のエネルギーはブドウ糖です。消耗した自制心は、ブドウ糖を補給することで回復します。』
[モラル正当化効果~善行後の愚行]
『脳は自分をモラルのあるタイプの人間であると自認すると、それを埋め合わせするかのように反モラル的行動を正当化します。だから良い行動をとった後は、「次は少しくらいよいだろう」とモラルに欠ける行動をとる確率が高まるのです。
週末にたっぷり家族サービスした後は、翌週つい遅くまで飲んで帰宅してしまいます。
環境に優しいエコ商品を買った後は、つい利己的に振る舞いがちです。
カロリ-ゼロのダイエット炭酸飲料に合わせて、つい甘いケーキを注文してしまいます。
いつも忍耐強い人が、何かのきっかけで驚くほど激怒したりするのも、同じ心理が働いているのかもしれません。なお、この現象は、アメリカの企業で、黒人女性を採用した後に、非黒人系の男性を採用する傾向があることから発見されました。
[知識の呪縛]
「知る」とは世界の歪曲化。知識は判断を歪めます。脳は一度知ってしまうと知らない人の立場でものごとが考えられなくなります。その結果、自分の知っていることは相手も知っていると期待する傾向があります。
japanese cannot read the font
Posted by ブクログ
メンタルの解説書ではなく、ひたすら様々な認知バイアス(判断ミス)について箇条書きで分かりやすく説明してある。
一つひとつの認知バイアスに対して質問が作ってあり、それに回答すると、対応する認知バイアスが簡潔に説明されている。全部で80あまりあって、これ一冊で有名なところから気付いてなかったところまでよくわかるが、一方で説明が短すぎて物足りない。質問形式で分かりやすくしてあるのもいいが、これが足かせにもなっているようで、無理な設定も結構ある。
今からこのジャンルで勉強する人には、辞書的な使い方が出来て便利かも。
Posted by ブクログ
面白かった。練習問題形式で、認知バイアスについての知識を深められるようになっているのだが、練習問題形式だからこそ、筆者が書くように「この情報はこんな風に使う機会があるのか。ならば覚えておこう」(P80)と脳が判断してくれるので、印象深くかつすんなりと理解でき、記憶として定着してくれている(はず)。私は心理学の講義で教わったものが多くあったのだが、だから余計に実践的に復習できたように思えた。
ただ、練習問題形式であることの欠点として、ちまたにあふれるお手軽心理テスト的な読まれ方をされてしまうかも…とも思った。きちんと参考文献など示してあるのだが、その文字があまりにも小さい。真面目にこの本を読んで、さらに深く原典にあたってみたいという人にもこの文字の小ささはちょっとつらい。紙面の都合上仕方ないのだろうけど、この点はちょっと残念だった。
なお、この本はこのサイトの献本企画に当選し送付していただいた。良い本をご送付いただけて感謝です。
Posted by ブクログ
脳にそなわった「勘違い」する思考回路──「認知バイアス」の不思議な世界をクイズ形式で体感。
「講談社BOOK倶楽部」内容紹介より
脳というのは実にさまざまな勘違いをするものなのだなぁと改めて思った.脳は自分のいいように解釈するものだということが分かっていれば、今後選択何かを選択するときに、本当にそうかな?と立ち止まって考えるといい選択ができるのか、と思うが、、、じゃあ、最初に書いてあった直感で選んだ方が正しいことが多いというのは矛盾するのか?ということになる?
好きか嫌いかの判断と、正しいか正しくないかの判断をごちゃまぜにすると、上記のような矛盾に感じてしまうんだろうな.