池谷裕二のレビュー一覧
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池谷裕二先生はコメンテーターのイメージが強いが、物凄く頭が良くて物凄く誠実な方ということが伝わってくる。脳の仕組みを非常に分かり易く解説している。高校生に対して端折ったり誤魔化したりするのではなく、抽象的かつ専門的な話を具体例に落とし込みながら分解し論点整理しながら必要な要素を漏れなく端的に講義している。また講義に対する高校生の理解度や質疑応答が凄い。第3回の講義のときには、確実に私の知識レベルは高校生たちに負けている自信がある。その反応を見ながら池谷先生が説明を変えたり新たな気づきを得たりする様子がわかる。まさに脳内神経の仕組みのような講義。読みやすく、科学的探究心と知識刺激を満たしてくれる
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4歳と2歳の子育てに奮闘する者として、色々な箇所で「うちの子はこんなこと、この時期ではまだ出来てなかった」と少し落ち込んだり、「この著者のパパ、『うちの子はもうこんなことできます』って誇らしいんだろうな」と少しイラっとしながら読んでしまった。うちの子たちの成長は平均的だとは思うけど、この著者の長女ほどは成長が早くないのは、「私たちの子供への向き合い方が足りないからかな?」と自信もなくなったりした。著作も自分の子の成長を他の子と比べなくて良いって書いるのに。頭では分かってはいるけど、そもそも「私は我が子の成長を全く周りの子の成長と比較しません!」って親はいるの?でももちろん「あーそうそう!この時
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上大岡トメさん×脳科学者の池谷裕二先生による"のうだま"シリーズ第2弾。
さくっと読めて、参考になる。特に、記憶力が年齢とともに衰えるわけではない、ということに勇気づけられた。
○記憶力の減退は加齢のせいではない。記憶の総量が増えている分、必要なデータにアクセスできないから。
○物覚えが悪くなったと感じるのは、人生に慣れて好奇心をなくしているから。
○記憶力が上がるのは、θ波が出ているとき。これは、何かに興味を持ち、好奇心が活発に働いているときに海馬から出る。
○就寝1~2時間前が、記憶のゴールデンタイム。
○一夜漬けよりは、2日に分けた方が長く記憶に定着する。
○脳は入 -
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三日坊主や飽きっぽさの理由を脳の構造から説明するとともに、やる気が続くコツを漫画も交えて面白くわかりやすく解説した本。
脳は飽きっぽくできているが、脳の中にはやる気スイッチもあり、"淡蒼球"を動かすことがそのコツ。
淡蒼球は自分の意思では動かせず、次の4つがコツ。
B: Body (体を動かす) →体が動くと運動野が動いて淡蒼球も連動。
同様に、無理にでも笑っていれば楽しくなってくる。
E: Experience (いつもと違うことをする) →すぐに慣れてしまう脳に刺激を。
R: Reward (ご褒美を与える)
I: Idemotor (なりきる) →脳は騙されやすい -
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脳の研究者である著者2人が人工知能の現状と未来の可能性について数々の研究結果をもとに書いた一冊。
脳のしくみや人工知能の研究の軌跡を本書で学び、人工知能は自ら学習することにより進化を遂げた歩みを感じることができました。
視覚の観点からみても機能でカバーするのではなく、脳を直接刺激することで認識する方法の研究を行ったり、精神疾患を診断できるようになるためにバイオマーカーを確立したりするなどさまざまな研究が進んでいて脳と人工知能を用いた研究の最前線を知ることができました。
また、イーロン・マスクによる脳と人工知能を繋ぐ試みや東大合格やノーベル賞受賞などを目指す試みの研究が進んでいることも本書で知 -
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脳とAIの融合研究の過去、現在、未来として、その時々での最先端の研究例が紹介されていて、どのように研究が進んできたかよくわかる。
その進展の早さには驚くばかりだが、そこには多額の研究資金と多くの研究者がいたことを忘れてはならない。
白川英樹先生の"日本人にノーベル賞受賞者が多いのは、私たちは日本語で書かれた教科書を使い、日本語で学んでいるからかもしれない。"という言葉も印象的。英語ができることよりも、母語でより深い思考をすることの重要性を述べられたものだが、AIの発展がそれを助けてくれるかもしれない。
脳はまだまだ解明されていないことが多く、AIと融合することで、いろん -
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どこで知ったのか全然忘れてしまったのだけれど、タイトルを妙に覚えていたのでバリューブックスさんでポチった。
脳の研究をしている著者が、20年前に卒業した母校で脳科学の最前線を講義したものを収録している。
最前線とは言え、2009年初版なので、今とは少し変わっていることもあるんだろうか。
まず、全校生徒の前で行った講義が第一章。興味深くて、わりと身近で、感覚的にわかりやすい脳科学の実験の例を羅列しながら、脳について面白おかしく解説してくれる。ここのパートは理解し易くて本当に読んでいて面白かった。
そして、第二章以降がその講義で興味を持った生徒たち9名を選んで3日間行われた連続講義。
日を -
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著者30代での中高生への講義の書籍化で、内容も若々しく溌剌としている。
ブルーバックス初版2007年、2023/3は40刷。帯には朝日、毎日、日経新聞の書評があり、朝日書評は「何度も感嘆の声を上げた。これほど専門的な内容を、これほど平易に説いた本は珍しい」と絶賛。20万部突破。
内容は盛り沢山。科学的な神経細胞やシナプスの話から、・意識や感情とは、・「見る」と脳の解釈、・言葉と抽象思考、・記憶のあいまいさの理由、等々、話はどんどん広がり、理解はしきれないが大脳生理学の先端とその広がりに触れた気がする。
読み終えて、人間の脳って、意識って、とても不思議と改めて感じた。 -
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講談社 ブルーバックス
池谷裕二 進化しすぎた脳
中高生に行った大脳生理学について講義録。脳と体、脳と心、意識の条件など 大脳生理学の立場から説明
脳と体の関係性は意外。環境に適応する以上に進化してしまった脳と 脳をコントロールする体という意外な関係性
驚いたのは、人差し指と唇が異常に大きく描かれた 人間のホムンクルス(大脳との関係性から感覚器として重要なものを大きく示す図)。人差し指と唇の重要性を意識したことがなかった
科学者の倫理観を超えた脳解明の野心に執念を感じる。戦争により脳を欠損した兵士の症状研究やネズミにラジコンを埋め込んで自由自在に操る実験から 脳科学を進歩さ