池谷裕二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
小学生の鋭い疑問に、脳科学者とイラストレーターが、ハートウォーミングに答えていく。
池谷さんが答えた後、ヨシタケさんが同じ質問に、少し違った角度から、ユーモラスなイラストの「解答」を添える。
身につくまでの時間は?
同じ間違いをしなくなるには?
暗記、記憶力を高めるには?
ぼくのやる気スイッチはどこ?
緊張しなくなるには?
自信を持つには?
このあたりは池谷さんの面目躍如。
というか、『受験脳の作り方』など、これまでの本と重なる内容もある。
面白いのは、こんな質問とお悩み。
どうしたら本が好きになれるか?
いじめたなくならないのはなぜ?
AIが発達するのに、勉強をしなくちゃいけない?
ど -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書の終わりに、著者は、アウトリーチ活動について述べていた。アウトリーチ活動とは、研究者が、専門家ではない一般の人たちとの対話の場を持ったり、一般書を著したり、易しい講演を行ったりと、その労力をいわゆる社会活動についやすことである。
本書は、著者の出身高校の現役学生に対し、全校講演を行った内容と、その内容に特に興味を示した9名に対し、その後行われた3日間に渡る特別講義の内容を収めたものである。すなわち、後輩学生たちへのアウトリーチ活動の記録である。
アウトリーチ活動については、賛否あり、「一般向けにかみ砕く行為は真実の歪曲」などという否定意見もあるそうだが、本書を読む限り、科学的なテーマに -
Posted by ブクログ
ネタバレ「自分では気づかない、ココロの盲点」(2013)が評判がよかったので、「完全版」に仕立て直ししたもの。30項目から80項目に増やしている。とは言え読んでものもある。脳のクセを科学的に分かりやすく書かれていて面白い。
[自我消耗]
『自制心や意志力は、筋力に似て、有限リソースです。がんばった後は、やる気や忍耐力、ときには道徳観さえも削がれます。若い人ほどこの傾向が強いことが知られています。
たとえば午後は、朝からの疲れが溜まっているため、午前よりもウソの頻度が20%も増えます。入試が終わると脱力したり(燃え尽き症候群)、重要な仕事が終わった後の打ち上げ会では飲みすぎて泥酔したり、旅行先で財 -
Posted by ブクログ
パテカトルの万脳薬 脳はなにげに不公平
著:池谷 裕二
パテカトルはアステカ文明の神話に登場する神である。酒の神、ひいては「薬」をつかさどる神として古代メキシコで崇められていた。その謎めいた存在が、脳そのものの不思議さを彷彿とさせ、薬学部で脳の研究をしている著者には、とくにお気に入りの古代神である。
本書は著者が、「週刊朝日」で2011年12月から続けている連載エッセイのコーナー等のエッセイをとりまとめたものである。構成は以下の4章から成る。
①好運は伝染する
②人類2.0
③脳の不思議な仕様
④「心」を考える
著者のお話を直接聞ける機会があり、その講演の素晴らしさから本書を手に取った