池谷裕二のレビュー一覧
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「単純な脳、複雑な「私」」が消化不良だったため、急遽本書を購入。といっても105円。
本書のタイトルは、『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』とあるが、目次を見ればわかるように、サブタイトルにあるような脳の仕組みに関する説明がほとんどで、記憶力を強くするための方法は第6章にあるのみ。
なので、脳の仕組みを知りたい方には面白く読めると思うが、記憶力を強くする方法を知りたい人にはより適切な本があるはず。
しかしながら、頭を軽く叩いただけでも脳細胞は死んでしまうことや、年齢と記憶力には関係がないこと、一方で、覚えることができる記憶には適齢期があることなど、勉強になったことも -
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なかなか面白い脳科学の話。
美的感覚は後天的なもの。女性がセックスで声を上げるのは自分のテンションを上げるための古典的条件づけ。早漏は遺伝。オルガズムは男女一緒。他人の不幸で報酬系が活動する。アダルトビデオを見た男の汗のにおいを女は無意識で様々な脳部位を活発化する。石庭なんかでは黄金比が気付かず使われている。ストレスから逃げ道があると思うだけでストレスホルモンの上昇量が5分の1になる。現代人は忙しいというより暇になった。それで余計なことを考え自殺するのでは。薬指に比べて人指し指が短いほどペニスか大きい。ラバーバンドイリュージョンという錯覚。幼い頃大脳皮質が薄いと成長後に大きくなる可能性が高い。 -
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心理学でいう「認知バイアス」と呼ばれる脳のクセを学べる一問一答集。人間の直感って当てにならないなぁと感心します。
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「陸軍士官学校に所属する候補生のうち、10年後により出世していたのはどちらの志望動機を挙げていた人?①将来将校になって国に貢献したい、②軍隊そのものが楽しそう」
(内発的動機付け―Intrinsic Motivation)
「交通ルールを破ることが多いのは?①普通車、②高級車」
(上流階級バイアス―Upper Class Bias)
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など、読者がクイズ形式で回答し、1ページめくると解説と認知バイアスの名称が書かれています。 -
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創作コンテンポラリー料理 次々と湧き出す話題が、予想外の相転移を見せるグルーヴ感はインプロビゼーション(即興演奏)の臨界点に達しています。最高の人間讃歌 脳の暗黒エネルギー95% 「心」の深淵 サノレックス合法ですけど効き目は覚醒剤と同じですよマジンドール 統合失調症の発病率は人口に1% 錯視図 ゴッホの絵画には、幻想や奇抜さを意図した「演出」とは違う迫力を感じます。 恋愛感情が生殖活動のための口実として存在するんだったら、その星には恋愛感情は必要ないですよね。 性器を刺激されると、そのとき見えているものを好きになることが知られています。所謂「古典的条件付け」ですね。とくに女性では、こうして好
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継続は力なり。この格言に異を唱える人はいない。だが継続がいかに難しいことか……。運動、勉強、ダイエット、家計簿、ブログ、掃除、早起き、禁欲(?)等々。何かを始めてみても続かずに終わってしまい、ふがいない思いを抱えている人は多いと思います。この本はそんな人に向けて書かれています。三日坊主になってしまうわけ、やる気を持続させる手法を脳科学研究者にインタビューし、イラストを多用して漫画的に説明しています。
本ではまず、飽きて三日坊主が起きるのは、脳での「馴化」という作用のためで、寧ろ当然と理解します。そして、やる気になることと、脳の部位「淡蒼球」が活性化することが同値だと言っています。つまりやる気 -
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脳科学の見地から思考や哲学、脳にまつわる話題のトピックスなどを幅広く紹介する。
読めば読むほど本当の自分っていうのがわからなくなります。
気になったトピック
「うれしい気分の時には表層的な安易な状況判断する可能性がある」
「自分の意志で何か行動した時はそれを論理づけるように感情が生じる」
「安全の確保=情報の利用、リスク=情報の収集」
「脳は入力より出力を重視するように設計されている」
「自動メンタル連合(無意識)という、物や言葉に対する反射によって刺激に対する反応は既に決定づけられている。よって思考や理由は後付けである。」
「その反射は過去にどれほど良い経験をしてきたかに依存する。また頭 -
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献本でいただきました。ありがとうございます。
日本人は英語が話せないと言われるが、多少文法がおかしくても相手は補って聞いてくれる、むしろ「発音が下手=英語が話せない」と思われるという話にはなるほどと思った。
カタカナ英語が悪いわけではなくて、当てはめるカタカナが違っているという話。変に英語っぽく発音しようとせずにそのまま書いてある通りのカタカナで発音すればいいと書いてあるが、長い文章になればなるほど言うのが難しい(笑)
ただ「oはアと発音する」とか、単語ベースで発音を改善できる法則がたくさん紹介されているので非常に参考になると思う。
あとはやはり開き直りが大事という話。日本人なのだからネ -
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ネタバレ面白かった。練習問題形式で、認知バイアスについての知識を深められるようになっているのだが、練習問題形式だからこそ、筆者が書くように「この情報はこんな風に使う機会があるのか。ならば覚えておこう」(P80)と脳が判断してくれるので、印象深くかつすんなりと理解でき、記憶として定着してくれている(はず)。私は心理学の講義で教わったものが多くあったのだが、だから余計に実践的に復習できたように思えた。
ただ、練習問題形式であることの欠点として、ちまたにあふれるお手軽心理テスト的な読まれ方をされてしまうかも…とも思った。きちんと参考文献など示してあるのだが、その文字があまりにも小さい。真面目にこの本を読んで