浅井晶子のレビュー一覧

  • 裏切り 下

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    とある人物の存在がわかってから怒涛の展開。スリルが素晴らしいです。事実が分かると、確かに酷い!と思いますね。のうのうとしてられるの?レベルです。圧倒的な筆致、今回も楽しませていただきました。スーパーじゃない主人公にも好感持てます。

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    2022年08月07日
  • 裏切り 上

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    いいですねー、この書きっぷり。ベースとなる事件にサイドストーリーがかぶさる、どうなっていくのかページを捲る手が止まらず、ゾクゾクします。いろんなことが浮かんできて、その中の一つが的を射るかも。でも、驚愕のラストに期待します。さあ、下巻!

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    2022年08月06日
  • 裏切り 上

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    スコットランドヤード刑事のケイトと父親の惨殺事件。片や子を巡る実母と養父母の不穏な出来事。どうなるのかハラハラして読み進めたら少し道筋が見えそうになった所で上巻が終わる。早く下巻が読みたいと思える作品。

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    2022年08月02日
  • なぜならそれは言葉にできるから――証言することと正義について

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    言語化することは、その治療的側面からとても深い意義がある。その人の内面の課題を解決するためには、内面を言語化するしか方法がないと私は思っている。
    カウンセリングにしろ、トラウマ治療にしろ、その基本は「傾聴」することだ。すべてそこから始まる。ナラティブセラピーしかり、メンタライジングしかり。発達の未熟さから言語化が難しい幼児は「表現」でその代替行為をする。絵を描いたり、工作をしたり、箱庭療法なんかもその一つだ。言語にするなり形にして表すなりすることで、内面にあるイメージ、感覚、感情を整理し、内面を客観的にして初めて自分自身の状況を把握できるのだろう。「治療」というが、つまるところ、自分自身で自分

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    2022年07月23日
  • 誕生日パーティー

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    ポルポト暗黒時代のカンボジアと、その地獄から生還した者たちのその後を描く。過去と現在を往来しつつ、次第に伏線が回収されていく結構。それにしても、偏った情報しか与えられず、間違った思想に流されていくさまとか、一部の狂気が圧倒的な犠牲者を生むさまとか、今これを読むと、どうしてもロシアを思い浮かべずにいられない。戦争を止めろ。

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    2022年03月23日
  • トニオ・クレーガー

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    トーマス・マンの自伝的小説。若い頃の作品のせいか、自分の小説家という境遇と一般的な人々の乖離という悩み自体が若書きという感じ。文章の端々にベニスに死すや魔の山の萌芽が感じられてその後の作家的な成長を予感させる作品。

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    2022年02月12日
  • イエスの意味はイエス、それから…

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    旧西ドイツに生まれた著者、カロリン・エムケは、日本ではまだメジャーではないジャーナリストだ。
    現在は議論の場を設けたり、幅広いテーマで著作活動を行なっており、精力的な活動を行なっているという。
    彼女、そして本書に出会えたことは、大変良い出会いであった。

    日々、私には何ができるのだろう、とか、なんとなくの違和感とか、不快とは言えないけれど、モヤっとすることがある。
    それは会社での会話だったり、新聞の投書だったり色々なのだが、こんなことが一例としてあげられる。
    ある日の新聞のオピニオン欄で、女性の生理用品を買えないことについて、識者や読者の意見が載っていた。
    読者である年配の男性は、たかが数百円

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    2021年06月13日
  • なぜならそれは言葉にできるから――証言することと正義について

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     強制収容所での拷問、戦時中の集団強姦など、悲惨な体験をした被害者たちの話を聞いてきた著者。彼らが「それ」としか呼ぶことができない体験を言葉にしていくことの意義や、その過程で聞き手側に望まれる態度について論じるエッセイ集。後半は、故郷についてや、旅をすることについても語っている。

     印象に残った部分を抜粋。

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     こういった理解不能な世界は、子供たちとは違った形で大人たちを脅かす。「残虐の規範」に直面したとき、誰よりもまず打撃を受けるのは大人たちだ。別の規範、別の秩序のもとで育ってきた彼らは、新たな規範を理解することができないのだ。(P.35)
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     アウシュヴィッツでの

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    2020年01月03日
  • 憎しみに抗って――不純なものへの賛歌

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    自分が傷つけられたことには意識的である。反対に人を傷つけたことには、気がついていないのだろう。多分、これまで、何気なく人を傷つけきたのだろう。
    多数派である限り気がつくことができない。さまざまな人がいる。よく対話をすることなくして、安易な思い込みでの発言や、軽はずみな発言は控えなければならない。
    自分が自分らしく自由にいられるためには、ひとが傷つかないように気遣う必要がある。

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    2019年02月16日
  • 失踪者 上

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    ドイツの国民的人気作家のミステリ。
    舞台はなぜかイギリスが多いようで、今回もそう。

    元ジャーナリストのロザンナが復帰後初仕事として、行方不明事件を取材することになる。
    それは5年前、ロザンナ自身の結婚式に招いた幼馴染のエレインが失踪したというもの。
    霧でジブラルタルへ向かう飛行機が欠航となり、やむなくエレインはとある弁護士の家で休んだのだが、以来行方がわからない‥
    疑われた弁護士は家庭も仕事も評判も失ったが、何の証拠もあったわけではないのだ。

    エレインの行動を追うロザンナ。
    弁護士を疑うエレインの兄。
    一方、妹を殺されたアンジェラ一家の悲しみと、誰かから逃げているパメラの章が交互に描かれ、

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    2018年07月31日
  • 悪徳小説家

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    いやあ、これは面白かった。ピカレスクものになるんだろうけど、型にはまらないユニークな一篇だ。主人公は実に悪いやつなんだが、なぜか共感させられてしまう、その書き方が秀逸。「悪」って一体何なのかと考え込んでしまう。ラストはもう一つスッキリしない感じもするが、まあいいか。

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    2017年01月05日
  • 悪徳小説家

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    確かに、「太陽がいっぱい」と比べたくなる。(主人公の人物造型、××が×から出てくる、あたり。)
    結末がちょっとどうなのという感想をちらほら見かけるが、私は嫌いじゃないなー。

    この虚無感、殺伐とした感じ、クールな感じが、50年代風に思えて、時々出てくる携帯やカーナビなどの小道具に、あ、そうか現代だったのか…とハッとする。
    好みです。

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    2016年08月02日
  • 暗黒の瞬間

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    久しぶりに読んだ海外作品。女性弁護士が人間の心の奥底にうずまく欲望や醜悪さ、白黒で分けられない曖昧さの狭間で葛藤しながら、様々な事件に立ち会うミステリーでした。読みやすかったです。

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    2026年03月11日
  • 罪なくして 下

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    「罪なくして」というこのタイトル、
    なんとなくわかるようなわからないような言い回しに感じられ、原題をしらべてみると、
    (ドイツ語なので英語に翻訳)
    “Without guilt”

    日本語だと、罪がない状態で、とか罪なしに。
    英語だと罪悪感なしに、とか罪の意識がない、となり
    またまたちょっと微妙な違いを感じてしまう。

    前者だとすると
    罪はないのに巻き込まれた感のある青年を。
    後者なら人を殺めることに躊躇のない
    犯人であるもう1人の男を指すように思う。

    とにかく今回はとてもスピーディーな展開で
    途中まではワクワクしながら読んだけれど、
    結末はすごく放り出されたような終わり方で
    えー、この先が

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    2025年07月26日
  • 裏切り 上

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    ケイト・リンヴィル シリーズ第1作!3作目『罪なくして』がおもしろかったので、これも読んだ。

    女性作家だからバイオレント系、スリル系ではないはずという想定で読んでいるが、そうでもない。
    それでも、バイオレンスシーンがつぶさに描写されているわけではないので、実は心理的スリルでそう感じるのかも。ひーやひやさせられっぱなしの上巻だった。

    『警察・スパイ組織解剖図鑑』にある本書の紹介に「主人公ケイト・リンヴィルの自己肯定感の低さ…!」とあるが、本当にそのとおり。『罪なくして』は、そうでもないように思えたが、本書で確認できた。

    登場人物の他人への批判的なものの見方や自省的な考え方(つまり根暗)が、

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    2025年05月24日
  • 誘拐犯 下

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    「誘拐犯」下巻。
    前回、上巻で何も起こらなさすぎて…とこぼし、
    下巻はどうなることかと心配したが、
    スリリングな展開、来ました!
    なかなかに楽しめた。

    読みながら、いったいこの誘拐犯の犯人は誰なのか?と考えていた。
    容疑者候補はたくさん出てくるものの、
    犯人らしき人物が見当たらないので
    後半どんな展開になるかと思ったら…なるほど、
    そういうことだったのか!な結末。

    今回、不幸な主人公ケイトにようやくしあわせが訪れるか?というのも見どころ?の一つであったのだけど、
    そこもまた納得のエンディング。

    なんだかんだ文句言いつつ
    このネガティヴヒロインの行く末が気になり
    次作も読んでしまうんだろう

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    2025年05月13日
  • 誘拐犯 上

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    ケイト・リンヴィルのシリーズ第二弾。
    最近読むミステリー、上下巻に分かれたものの多いこと!
    そして悲しいことに
    たいてい上巻では事件の進展がない。
    今作はその最たるもので、出だしはすごくワクワクしたのに、その後はのらりくらりとした展開で
    読むのがかなりしんどかった。
    ケイトはあいかわらずのネガティヴ思考。
    スカボロー署のケイレブも依然として断酒に苦しんでいる。

    下巻で驚かせてくれないと、もう第三弾読まないかも知れないよ〜。

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    2025年05月09日
  • メトーデ 健康監視国家

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    幸福だとか自由だとか、わからなくなってきた
    新しめのフランス小説に手を出してみたところ二つ続けてヒットしたということで、安直な発想で歩いていた海外小説コーナーで目を惹かれたSF小説。ドイツ、というだけで無条件にちょっと良いし。
    テーマは面白かったものの、淡白な印象に少し読みづらさを感じたからか、入り込み具合も浅かったような。
    健やかで幸せに生きたいし自由でありたいと考えてきたし、きっとこれからもそうだろうけれど、やっぱり考えすぎないほうがいいかな

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    2025年04月20日
  • 罪なくして 下

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    こっちが死んであちらが生き残るか。展開上の理由は示されているものの、それって作者のサジ加減次第なわけで、この作者なかなか意地悪だなと。

    スコップは、化学分析の手がかりになるものと思ったけど。プロファイリングや科学捜査をもっと取り入れて事件を解決してほしい。現代のお話なんだから。
    そこは百歩譲っても、あの終わり方。苦手。

    とはいえ、シリーズの既刊2作は読みますよ。

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    2025年04月19日
  • メトーデ 健康監視国家

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    コロナ禍のあの息苦しさ。この本はそれを思いださせる。

    舞台は「心身が健康であることが義務」の世界。国家が市民を監視、管理する。街は無菌状態。みなそれを疑問に思わず生きている。

    ある事件が起こり、男が投獄、無実を訴えながら自死する。弟の無実を信じる姉が、その判断を下した社会システムに疑問を持ったがゆえ、思わぬ展開に巻き込まれる。

    いったん社会からレッテルが貼られると、一挙手一投足すべて悪意ある「ストーリー」に沿って解釈される恐怖。(「誰とも」が「ダレトモ」になる場面はぞっとした!)

    でも主人公である姉は信じる道を進む。強い。

    コロナ禍を彷彿させるが、あとがきによると2009年刊行。コロ

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    2025年03月20日