浅井晶子のレビュー一覧

  • 裏切り 上

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    ケイト・リンヴィル シリーズ第1作!3作目『罪なくして』がおもしろかったので、これも読んだ。

    女性作家だからバイオレント系、スリル系ではないはずという想定で読んでいるが、そうでもない。
    それでも、バイオレンスシーンがつぶさに描写されているわけではないので、実は心理的スリルでそう感じるのかも。ひーやひやさせられっぱなしの上巻だった。

    『警察・スパイ組織解剖図鑑』にある本書の紹介に「主人公ケイト・リンヴィルの自己肯定感の低さ…!」とあるが、本当にそのとおり。『罪なくして』は、そうでもないように思えたが、本書で確認できた。

    登場人物の他人への批判的なものの見方や自省的な考え方(つまり根暗)が、

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    2025年05月24日
  • 誘拐犯 下

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    「誘拐犯」下巻。
    前回、上巻で何も起こらなさすぎて…とこぼし、
    下巻はどうなることかと心配したが、
    スリリングな展開、来ました!
    なかなかに楽しめた。

    読みながら、いったいこの誘拐犯の犯人は誰なのか?と考えていた。
    容疑者候補はたくさん出てくるものの、
    犯人らしき人物が見当たらないので
    後半どんな展開になるかと思ったら…なるほど、
    そういうことだったのか!な結末。

    今回、不幸な主人公ケイトにようやくしあわせが訪れるか?というのも見どころ?の一つであったのだけど、
    そこもまた納得のエンディング。

    なんだかんだ文句言いつつ
    このネガティヴヒロインの行く末が気になり
    次作も読んでしまうんだろう

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    2025年05月13日
  • 誘拐犯 上

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    ケイト・リンヴィルのシリーズ第二弾。
    最近読むミステリー、上下巻に分かれたものの多いこと!
    そして悲しいことに
    たいてい上巻では事件の進展がない。
    今作はその最たるもので、出だしはすごくワクワクしたのに、その後はのらりくらりとした展開で
    読むのがかなりしんどかった。
    ケイトはあいかわらずのネガティヴ思考。
    スカボロー署のケイレブも依然として断酒に苦しんでいる。

    下巻で驚かせてくれないと、もう第三弾読まないかも知れないよ〜。

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    2025年05月09日
  • メトーデ 健康監視国家

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    幸福だとか自由だとか、わからなくなってきた
    新しめのフランス小説に手を出してみたところ二つ続けてヒットしたということで、安直な発想で歩いていた海外小説コーナーで目を惹かれたSF小説。ドイツ、というだけで無条件にちょっと良いし。
    テーマは面白かったものの、淡白な印象に少し読みづらさを感じたからか、入り込み具合も浅かったような。
    健やかで幸せに生きたいし自由でありたいと考えてきたし、きっとこれからもそうだろうけれど、やっぱり考えすぎないほうがいいかな

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    2025年04月20日
  • 罪なくして 下

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    こっちが死んであちらが生き残るか。展開上の理由は示されているものの、それって作者のサジ加減次第なわけで、この作者なかなか意地悪だなと。

    スコップは、化学分析の手がかりになるものと思ったけど。プロファイリングや科学捜査をもっと取り入れて事件を解決してほしい。現代のお話なんだから。
    そこは百歩譲っても、あの終わり方。苦手。

    とはいえ、シリーズの既刊2作は読みますよ。

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    2025年04月19日
  • メトーデ 健康監視国家

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    コロナ禍のあの息苦しさ。この本はそれを思いださせる。

    舞台は「心身が健康であることが義務」の世界。国家が市民を監視、管理する。街は無菌状態。みなそれを疑問に思わず生きている。

    ある事件が起こり、男が投獄、無実を訴えながら自死する。弟の無実を信じる姉が、その判断を下した社会システムに疑問を持ったがゆえ、思わぬ展開に巻き込まれる。

    いったん社会からレッテルが貼られると、一挙手一投足すべて悪意ある「ストーリー」に沿って解釈される恐怖。(「誰とも」が「ダレトモ」になる場面はぞっとした!)

    でも主人公である姉は信じる道を進む。強い。

    コロナ禍を彷彿させるが、あとがきによると2009年刊行。コロ

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    2025年03月20日
  • 罪なくして 下

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    ネタバレ

    CL 2025.3.18-2025.3.20
    二人の主人公がどちらも問題を抱えていて、決して優秀な刑事というわけでもないところが他の作品と一線を画す。
    シリーズが進むに連れてケイトの魅力がわかってきて好きになってきたけど、警察ミステリでこの結末もまた斬新。
    本作はシリーズの転換期になるのかな。

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    2025年03月20日
  • 罪なくして 上

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    CL 2025.3.15-2025.3.18
    このシリーズの1作目があまり好みでなかったので少し批判的に読んでいたけど、今作は引き込まれる。場面展開が早くてついページを捲る。
    下巻に期待。

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    2025年03月18日
  • メトーデ 健康監視国家

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    不健康でいることさえ犯罪となった完全管理社会。その中で不可解な事件を追う主人公のサスペンス。社会に属するものは健康であるべきという公の思想と、個人は愚行権を行使する自由を有するという対立の未来を描いたディストピア小説。

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    2025年01月09日
  • 誕生日パーティー

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    面白くなるかも…と思いながら読んでいたれど、
    政治的な内容がちょっと好みではなく、、
    面白くなる前に断念…(涙)

    でも評価はかなり良いので、
    いつか再チャレンジする予定!

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    2024年10月25日
  • メトーデ 健康監視国家

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    ネタバレ

    健康であることが個人の権利ではなく義務となった超健康管理監視社会「メトーデ」で弟の事件をきっかけに転落していく女の物語。

    弟の起こした事件の真相がだいぶ早い段階で予想がつく程度のカラクリ、さらにメトーデがどれほど大衆の生活に国家宗教レベルで根付いているのかの描写が少なかったせいで、あまり世界観に没頭できなかった。そのままストレートバッドエンドな展開かと思わせておいてのひねりの効いたバッドエンドは良かった。翻訳小説ならではの読みづらさがある。

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    2024年09月22日
  • 裏切り 下

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    確かに意外性のある犯人設定ではあるが、そこに至るまでが長い。

    結局本筋には関係のない話が多すぎて中盤は大きくダレてしまう。特にあの監禁家族のエピソードなんて全体を大きく締めているが必要だっただろうか?

    文章も上手いしキャラは濃厚に描き分けられているが、どのキャラもトラウマが大きすぎて感情移入しにくい。
    シリーズ化は分かるが次回はどうなんだろう?

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    2024年08月16日
  • 裏切り 上

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    ドイツ製の刑事サスペンス。
    多彩な人物の視点で、猟奇的な2件の殺人事件を追う。

    それぞれのキャラが丁寧に描き込んであり、一見無関係な人々が徐々に結びついていく展開は面白い。
    若干話がもたつく場面もあるが、後半の展開に期待できる。

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    2024年08月10日
  • 誘拐犯 上

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    CL 2024.3.11-20243.13
    このシリーズの特徴は、主人公が有能に見えないことかな。ケイトはうんざりするくらい自己評価が低いし、ケイレブたちも他の警察小説ほど捜査に慣れていないように見えてしまう。前作ではそこがこの作品をつまらなくしていると感じたけど、今回は意外とそういう人間くさいところに好感が持てる。

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    2024年03月13日
  • 誘拐犯 下

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    ネタバレ

    ・あらすじ

    前作から3年後、実家処分のためにスカボローへ戻ってきたケイト。
    滞在したB&Bの一人娘アメリーが行方不明となり、同時期に過去誘拐された少女サスキアが遺体で発見されるという事件が起こった。
    結局アメリーは海で発見されるが事件の事を決して話さず捜査は難航する。

    また機能不全家族のもとから逃げだし行方不明となったマンディ。
    それぞれの少女行方不明事件には関連があるのかケイトは独自に調査を始める。

    ・感想
    相変わらず孤独に苦しむケイトとアルコール依存症に苦しむケイレブがいて更に出てくる登場人物皆が病んで歪んでる。

    特にマンディの攻撃性が強すぎてそりゃ生き難いだろうなって感想。

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    2024年02月25日
  • 憎しみに抗って――不純なものへの賛歌

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    ネタバレ

    やっと読めた。
    半分くらいから、頭に入ってこなくてつらかった。
    なぜだろう...
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    憎しみに憎しみで返すのでなく、
    なぜそうなっているのか前提や状況に知ろうとすること。

    人種、マイノリティ差別がテーマだけど、
    日々の周りの人への憎しみへの心構えとしても参考になるもの

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    2023年12月23日
  • トニオ・クレーガー

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    ノーベル賞作家のトーマス・マンの自伝的小説。『魔の山』はいつか読もうと思いながらずっと読めていない。

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    2023年10月26日
  • 憎しみに抗って――不純なものへの賛歌

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    差別について、違う表現方法で同じことが繰り返し繰り返し書かれている。
    ジャーナリストであり、同性愛者である作者。「駅で拍手をしたことが一度もなくても、私は軽蔑される人間たちのひとりなのである。私の愛し方ゆえに。考え方、書き方ゆえに」という一文が印象に残った。

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    2023年07月18日
  • 最終法廷 ~ヨアヒム・フェルナウ弁護士~

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    法廷、とは言ってもリーガルミステリーではない。前半は沢山の登場人物や込み入った内容でストーリーが頭に入って来なかったし主人公も魅力がなかったが、最後の最後でめちゃ変わった。諦めずに読んでよかった。東西ドイツの微妙な雰囲気も良かった。
    ひとつ、小学館さんにお願いしたい事、どうか登場人物のページを見開き右側ページにして頂きたい。兎に角読み難い。

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    2023年04月01日
  • 裏切り 下

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    上巻の感想で「サミーが可愛くない」と書いたけど下巻では思わず涙がにじむほど頑張っていて愛しく思えた。けれどやはりそこまで心に残る話ではなかった。
    真犯人は私が考えてたひとと違った。
    上巻のはじめに事件の場面は書かれているが、かなり終盤にならないとその事実はほとんど出てこないので、考えてもまずわからないようになってる。
    真相はよくできているけれど、それまでの前置きやミスリードが多すぎる。そして登場人物のほぼ全員がそれぞれ問題を抱えているけれどそれについては何も解決してないような…
    全てしっかり明かされたのに、気分的にはいまいちすっきりしない。現地でこれがそこまで売れた理由もわからなかった。翻訳の

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    2023年03月13日