【感想・ネタバレ】暗黒の瞬間のレビュー

あらすじ

30年以上のキャリアに幕を引くことを決意した、ベルリンの刑事弁護士エーファ。凄腕で知られる彼女は、多くの忘れがたい事件を手がけてきた。11人が被告人となった裁判で1人だけ無実の者がおり、全員がそれは自分だと主張している。1人を救うため10人を無罪とすべきか。厄介だがよく議論される類の事件だと思われたが……。ひとつの証言、発見、弁護活動でその姿が一変する平凡な裁判、そして異常な裁判――。驚異の新人による、息を呑むような完璧なる連作短編ミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これはすごい!!
「人が罪を犯すのは、人生における最も弱く、最も暗い瞬間です」という作者の言葉通り、人間の暗い面が描かれた法廷ミステリ。ひとつひとつの短編は短く読みやすい。早々に主人公は過去の事件を引きずっていることが示唆されつつ、彼女に何があったのか、とひきこまれる。最後円環が閉じるように幕が下ろされ、重い余韻が感じられた。

主人公エーファはときに過剰ともいえるほど真摯に事件や真実に向き合う。残虐で救いようのない事件でも、淡々と語られるのは弁護人であるエーファの視点ゆえだろう。
ウガンダ人の犯罪と彼が作り出した結末。ひとりの無実の者を救うために、十人の罪ある人間を無実にしてよいのか。事件のその先には、被害者や加害者の人生がある。白黒はっきりしないグレーの領域と後味の悪さが印象に残っている。

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

ドイツの法学者が書いた弁護士が主人公のミステリ小説。三宅夏帆さんおすすめで読みました。
原告の言い分を逆手に取って依頼人を救おうとしたりと、法学に精通している著者だからこそ書ける物語だなぁと感じます。
短編ミステリ集ですが、どの物語も初めて読む新鮮な設定です。とても面白い!

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

法律家が書いたミステリということで、シーラッハを連想もするが、また別の後味。主人公が60代女性であるからか。また、その主人公の、事件に対してや自分の人生に対しての迷いや葛藤がリアルに描かれるからか。面白かった。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ良かった。

犯した罪と、
それに対する償いや罰が
どうにも釣り合っていない世界は、
終始、不安定なままだ。

それでも連作のラストで示される
主人公の決断が、
その揺らぎきった世界に
一瞬だけ、澄んだ空気を通すようで
不思議と読後感が悪くない。

この本に出会えて本当に良かった。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これは面白い〜!
凄すぎた。9編あって、それぞれ短い話なのにこんなに濃密なストーリーを描けるなんて!
数行読むだけで一気に引き込まれて最後まであっという間だった。こんなに面白いのは勿体ないからゆっくり読みたい……けど気になって読んじゃう。
前評判通りです。
浅井晶子さんの訳が素晴らしく読みやすいのもあってほんとに一瞬だった。

どの話が良かったかと言うと全部になる。
その中でも特に良かったのは「塩」
この話から物語全体が繋がった感覚がした。
典型的な形で進むのに情報の出し方がほんとに上手い。余分なことが少ないのに余白がいっぱいあるように感じられる!すごい。
育児を押し付けるクソ男に責任転嫁されても、罪を感じている彼女は否定せず罰を受けようとするが……これの裁判結果は普通ならスッキリするはずなのにってところが本作全体の魅力ですね、シンプルでオーソドックスなのに面白い〜!
「強姦」と「少年兵」もかなり面白い。
どの話も終わりで安心させてくれないのがいい。

そしてやっぱり主人公の人物造形がいいですね。
60代の女性で、パートナーがいて、仕事人間でって感じがいい。
続きが出るらしいのも嬉しい。
これは読みたい!

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

『暗黒の瞬間』プルーフ版先読みキャンペーンに
当選して読みました。

読み始めてから、2日で完読。
この小説の中に出て来る人たちの行く末が気になり、通勤のカバンに入れ、通勤時やお昼休みに読みました。
登場人物は皆、知人たちであるかのようでした。

人の、他人には知られたくない、
見せたくない部分を曝け出すのが法廷。
その場で露わにされていきます。

正義、悪意。
弱さ、エゴ。
緩慢、狡猾。

加害者を守るのが弁護士という仕事ですが、
これまでいろいろな事件のニュースを見て
「なぜこんな非情な犯人を弁護するんだろう。」と思うことが多々ありました。

今回『暗黒の瞬間』を読み、『完全ではない裁判』があり、誰かを守りたい、誰かを罰したいという人の気持ちは、天びんの上において正確に秤ることができないのだと認識しました。

何度も出てくる“シュテファン・ハインリヒ” という名前。
全ての話しにその人物への贖罪の気持ちが根底にあるのだけど、
果たしてその気持ちがその後の裁判に生かされているのだろうか?という疑問もありました。

それもまた正確にはかれない人の気持ち、それぞれの正義なんでしょうか。
読者が “この話しの結果はこうなって欲しい” と思う(願う)方向とは
違う方に振れてしまうのも、それぞれの正義なんでしょう。

手元に置いて、これから何度も読み直しをしたい小説です。

ミステリーの新しい作家さんの誕生がうれしいです。

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2026年02月17日

Posted by ブクログ

東京創元社の先読みキャンペーンに応募して発売前のプルーフ版ってやつを読ませてもらいました。

連作短編形式の法廷ミステリという点では確かにシーラッハ系。けど、シーラッハ作品よりは人の温かみがあって幾分エンタメ寄りで、文章もマイルドで読みやすかったです。

何のための罪を誰のために裁くのか?って問いが読後じんわり身体に染みてきて、「良い本を読んだな〜」っていう満足感がある。第1の事件〜第7の事件が重なり合った上で第8の事件が決定打となって、遂に「私の暗黒の瞬間」である第9の事件に向き合うための扉が開く…っていう構成がバチッと効いてる。
且つ、一つ一つの短編がキャッチーで面白く、“これ多分最後に何かヤバいことが待ってるぞ”っていう予感でページを捲らせる牽引力もあった。

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

難解な専門用語や冗長な裁判シーンなどに邪魔されることのない、とても読み易い法廷ミステリー。法律学者兼裁判官の著者が現実にかかわった案件を基にしているというだけあってリアルな9つの事件は、いずれも衝撃的で重い結末が待ち受ける(少年兵〜塩〜人食いと続く3編が特に辛い)。最後の最後で主人公が下す一手は痛快だが、それでも苦味が残って後を引く読後感。ドイツの法制度も興味深いものがあった。ミステリー作家デビュー作とは思えない面白さで、早くも続編が出るらしい。楽しみ。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

まさに人間の暗黒の瞬間を描いた法廷ミステリ。
著者が法学者で裁判官な上、実際に経験した裁判などから各事件の土台としているらしい。
やはり人間が一番恐ろしい。強くそう思った。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

久しぶりに読んだ海外作品。女性弁護士が人間の心の奥底にうずまく欲望や醜悪さ、白黒で分けられない曖昧さの狭間で葛藤しながら、様々な事件に立ち会うミステリーでした。読みやすかったです。

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2026年03月11日

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