浅井晶子のレビュー一覧

  • 暗黒の瞬間

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    引き締まり、鍛え上げられた身体のような感じの作品だった。無駄がなく、全てが必要なものだけでできていて、滋味深い。じっくりと丁寧に取った、ほんの少しの塩味だけの出汁をお椀でいただいたような。海外作品にありがちな、なんとなく引っかかる感じがない翻訳も大変すばらしい。こういうの、他にも読みたいが、なかなか出会えない。

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    2026年08月23日
  • 暗黒の瞬間

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    誰でも罪を犯す側になりうる怖さ。
    その時に真実のみを語れるか。
    自己防衛や保身のために嘘をつかずにいられるか。
    人生において取り返しのつかない状況になった時、
    「ひと」として自分に何が残るか。
    自分に置き換えて考えた時、自分はどんな判断をするのか、何を語るのか、真実のみを語れると自信を持って思うことができずに読んでいて怖かった。
    ものすごく良書。今後の作者の本に期待大。

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    2026年08月23日
  • 誘拐犯 下

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    え、まさか…と予想した先からそれを裏切られる感覚。見事に騙されました。しかも事件解決したと思いきや、これまた予想外の出来事が待っていた。
    上巻でも書いたけど、物語の視点がころころと変わるのに混乱しないで読み進められる。複雑な事件だけれど、状況が少しずつクリアになっていく感じでより頭にすーっと入っていく。と思いきや、その先にはまた予想外の展開が待っていて最後まで満足度高いです。

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    2026年08月22日
  • 孤独な夜 下

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    ネタバレ

    雪の降り頻る夜、車の中で惨殺された女性。被疑者と思われる男の指紋は、9年前に起きた暴行事件の現場で採取されたものと一致した。ケイトたちは男の行方を追うも、今度は男が死体となって発見される。さらには、消えた介護士の行く先々で関係者が殺害されるという事件まで発生。
    これらの事件はどのように繋がっているのか、事件の鍵を握る女性アナはいったいどんな秘密を抱えているのか。最後まで息つく暇なく一気読み。

    クリスマスの夜の輝きには似つかわしくない、暗く陰惨な雰囲気が終始漂っている。このシリーズの魅力はなんといっても主人公のケイトにある。新たな上司パメラのもとで事件を追うケイトは、相変わらず孤独を抱えていた

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    2026年08月17日
  • 孤独な夜 下

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    これは文句なしに面白かった!!読むのが止まらない、勢いのまま下巻読み切りました。
    事件と事件の繋がりに何かあるだろう、どうなるんだろうと推理して読んだものの、まんまとハメられてしまいました。
    そして何より、今回はケイトもケイレブも少し人として前進したのでは?!
    孤独な夜は誰にでもある。登場人物たちの辛さ、寂しさ、誰もが持つ弱さ。コイツぜんぜんダメみたいな登場人物もいたけど、パメラみたいに前を向いた人もいてよき。ケイレブはもうちょい頑張って欲しかった。
    ああ、続きが読みたいなあ。このシリーズ、オススメです!

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    2026年08月16日
  • 孤独な夜 上

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    4作目にして1番面白いかも。
    主人公ケイトの自己肯定感ゼロは相変わらず。
    ケイレブも、他登場人物すらダメなヤツばっかりで、全然かっこよくないのですが、それでも愛着が湧いてきます。ケイトの持つ孤独や私ダメだわ感は誰かしらどこかに持ってるものだからかな。
    点で起きる事件がどう繋がって行くのか、それはスリリングで読むのが止まらず。いざ下巻へ。

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    2026年08月15日
  • 裏切り 上

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    面白かった。
    ミステリーとして面白いのはもちろん、登場人物がそれぞれに抱えている人生の問題がいちいち身につまされた。けれどなぜか、そこから希望が湧くという変な反応。
    作者の力なのか、私が今おかれている状況のせいなのか、それはわからない。
    もしかすると、自分に問題があるとわかっていても、前に進んだり後ろに戻ったりしながら少しずつ少しずつ生きていけばいいんだという説得力かもしれない。

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    2026年08月12日
  • 孤独な夜 下

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    やっばり、シャルロッテ・リンクが大好きだ。
    読みやすくて心理的な描写が多いのでミステリーと心理サスペンスが両方楽しめるような気がする。
    相変わらずのハラハラな展開に翻弄されてあっという間に読み終わってしまった。
    続編早く出ないかなあ。

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    2026年08月09日
  • 孤独な夜 下

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    相変わらずおもしろかった。
    人間の弱い心を克明に描き出すのが本当に上手いね。

    登場人物に共感できないのに感情移入させられちゃう。
    モノローグやセリフで「寂しい」って言うだけじゃなく、寂しいヤツってこういうことするよなーっていう行動をちゃんと取る。
    上手い俳優の演技に近いかもしれない。

    今回の重要人物・アナの、嘘を重ねてドツボに嵌っていく過程は臆病者のリアルそのものだったし、
    随所でインサートされる犯人の回想も、いかにもありそうな細かいイヤ~なエピソード連発で酷いもんでした(褒めてる)
    なるほどこりゃ精神捻じ曲がるわって説得力あった。

    事件の真相に迫るステップとか凶行がエスカレートするスピ

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    2026年08月07日
  • 暗黒の瞬間

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    30年以上のキャリアに幕を引くことを決意した、ベルリンの刑事弁護士エーファ。凄腕で知られる彼女は、多くの忘れがたい事件を手がけてきた。11人が被告人となった裁判で1人だけ無実の者がおり、全員がそれは自分だと主張している。1人を救うため10人を無罪とすべきか。厄介だがよく議論される類の事件だと思われたが……。ひとつの証言、発見、弁護活動でその姿が一変する平凡な裁判、そして異常な裁判――。

    素晴らしいリーガル・ミステリ。

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    2026年07月11日
  • ポルトガル限界集落日記

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    ドイツ語圏翻訳者が、ベルリンからポルトガルの限界集落住民10人のところに引っ越した。一番近い人家は1キロ先で、山向かいのS村。ポルトガルにはポルトガル時間というものがあり、家の改修を頼むと1年半やるやると言われつつほったらかされたりする。この時は他に頼み直して修繕した。だがポルトガル人は謝ってくれる。ドイツ人は謝らないので、清々しい気分になれる。

    夏には村でお祭りがあり、人口が100人ほどに膨れ上がる。ミサも行われるが、鐘は住民たちがみんな手にベルを持っている。神父さんがギターをパイプオルガンがわりに聖歌を歌う。抽選会でチョリソー2キロが当たる。多すぎてお裾分けしまくる。

    庭に葡萄畑があっ

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    2026年07月02日
  • 罪なくして 下

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    ネタバレ

    すっかりはまってしまったシャルロッテ・リンクのケイトシリーズ。
    今回もすごく面白かった。
    今まではケイトが勝手に犯人探しをはじめて…という感じだったけど、今回はケイレブが停職中なのでいつもと逆のパターン。
    最後の最後に、ここで終わり!?というような出来事があって次作が気になりすぎる。
    7月末に次作発売になるようなので予約することに決めた。

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    2026年06月14日
  • 誘拐犯 下

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    ネタバレ

    ケイト刑事シリーズ2作目。
    とにかくケイトが自分に自信がなくて後ろ向きな性格なので、こんな主人公なかなか珍しいと思う。
    はじめての恋愛でやっとわくわくしてきたのに、まさかの展開。まあ何かあるとは思ったけど…
    3作目が早く読みたい!

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    2026年06月07日
  • 裏切り 下

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    シャルロッテ・リンクの本を読むのは「沈黙の果て」「失踪者」に続いて3作目。
    こちらもすごく面白かった!
    定年退職した元警部の父が自宅で殺害され、一人娘のケイトが長期休暇を取って実家に帰ってくる。
    自身も刑事であるケイトが父を殺した犯人を探そうとするが他にも事件が起きて…
    まずケイトの自己評価が低さにびっくりする。
    父を亡くしたショックもあるんだろうけど、とにかく暗い性格なので主人公としては珍しいというか、そこが新鮮だった。
    続きが気になるハラハラさと、物語がどう転がっていくのか楽しみでぐいぐい読んでしまった。
    シリーズものということでこれは2作目もすぐ読まなくちゃ!

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    2026年06月03日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    ドイツの作家さんはほとんど初めてかも。(ミヒャエル・エンデくらいかな)
    この作家さんは法律家でもあるとあって、とにかくリアリティがすごい。
    まるで自分がその事件そのものの目撃者かであるように感じさせてくれて、気づけば没入している。

    内容としてはいくつかの事件にまつわる短編を読み進めるうちに、主人公エーファの暗黒の瞬間が浮き彫りになってくる、という連作短編集の構成。

    ひとつひとつの物語についても考えさせられるし、全体を通してみたときにエーファの弁護士人生の暗黒の瞬間が浮き彫りになっていくところが、読みたいのに読みたくない何とも暗い気持ちにさせてくれる。
    人は誰でも間違えるし、時にはとんでもな

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    2026年06月01日
  • 暗黒の瞬間

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    正しいとはなにか法律とかはなにかと読者の価値観を揺らしてくる作品。
    連作短編で一貫して上記のテーマをつきつけてくるしタイトル通りどの短編にも人の暗さ黒さをみせてきて「自分ならどうするだろうか」と考えさせられる。
    どの短編も面白かったけれど今作のテーマを短い中で伝えてくる「正当防衛」、罪と罰の関係について考えさせられる「塩」、被害者と加害者が逆転する「強姦」が特に良かった。

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    2026年05月24日
  • 暗黒の瞬間

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    連作短編集は、せっかくどっぷりハマった世界から離れることなく、違った角度から短編ごとに楽しめるのでそもそも好きなのだが、これはまた、ものすごく面白いじゃないですか!
    最初の「正当防衛」で掴まれました。
    そして、主人公の弁護士エーファがここまで事件に真剣に向き合うのはなぜか、それが短編の最後に投げかけられる。なにか、あるんだね、最後に明かされるんだね、と思いつつ次々読み進む。
    どの事件も、判決が出た後に、思いがけないことが起こる。コントロールできないものがいつも残される。

    どの事件も専門家ならではの、法律の穴があり、そうきたか!と唸らされるのだけど、「強姦」は特に、おー、そんな方法が!と驚かさ

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    2026年05月20日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    おもしろかった!
    60代の女性弁護士エーファが主人公の連作短編リーガルミステリ。
    法を守り、被告人に過剰な罪を与えないようにすればその人の心まで救えるかというとそれはまた別の話なんだなと。
    「正義」とはなんなのか?正しい選択をすることの難しさを考えさせられた。

    どの話もよかったが、特に心に残ったのは「少年兵」、「塩」、「人食い」、「強姦」。


    「正当防衛」
    強盗を殺してしまった場合、正当防衛と認められるには。

    「生かしておく」
    人を殺してしまっても、まだ生きてると世の中に思わせることで完全犯罪とする。殺人者の冷酷さと、被害者のやるせなさ。シュテファンの件での後悔がまたひとつエーファの罪を

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    2026年05月14日
  • 暗黒の瞬間

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    弁護士たる彼女の正義が、貫かれる瞬間に得られるものは…その正義の源は…
    軽やかに読ませるのに、湿度も伴う。

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    2026年05月13日
  • 暗黒の瞬間

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    連作短編小説ですが、海外ミステリーでここまで連作短編小説の出来が高いの始めて!

    連作短編小説としての仕掛けも良かったが、ひとつひとつの話も切れ味鋭く最後まで飽きなかった。

    そして今作がデビュー作とは天晴です!!

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    2026年04月19日