浅井晶子のレビュー一覧
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凄惨な殺人事件。その被害者は元警部でその娘はスコットランドヤードの刑事ケイト。このケイトの造形がとてもいい。孤独で同僚とも打ち解けることが出来ず落ちこぼれのように思われている。そのケイトの父が殺害されたことで地元警察に協力する。でもそこでもなかなか上手くいかない。次第に見えてくる父の秘密と殺人が終わらない事件。捜査で出会う刑事たちとの微妙な距離感。派手さはないけれどとても緊迫感のある展開と事件の奥にある被害者や関係者の人生の秘密や裏切り。冒頭から強く惹きつけられる力のある作品。シリーズ第二作の刊行も決まっているということもとても嬉しい。
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ネタバレドイツクラウスニッツに到着した難民達のバス、アメリカニューヨーク州スタテンアイランドで脱税たばこを売っていたと疑われて警官に取り囲まれたエリックガーナー、共に一方的な他者の憎しみが描かれている。バスの中の難民一人一人の境遇があるにも関わらずな難民として不可視な存在として全てを排除しようとしているのである。かたや黒人というだけで常に恐怖の一旦として疑われ、警察に取り囲まれ命を落としてしまった彼は本当に言葉で言い表すことができない。
偏った見方をしてしまうアメリカ国内の歴史もあるのだと思うが、現代でまだ起こりうる、起こり続けているこれらの問題に対して個人個人がよく考えて行動をしていくしかないのかな -
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読み終えた後、3回以上、メイ家の章を中心に読み返して、やっと状況が理解できました。
口数の少ない上の弟、これがキムなのですね。
パーティーの場面から、ずっと明言が避けられ、まるで、キムが語っているかのように物語が進み、ずっとずっと騙されながら読み進めました。
カンボジアに暮らす、2つの家族、
オーストラリアで、2人の難民を受け入れた1つの家族、
それぞれに苦悩があり、3つの家族はそれぞれの世代で様々な運命を辿って絡まり合っていく様、
読者を翻弄するかのように、時も場所も語り口も次々と移ろい、誕生日パーティーと共にフィナーレへと向かっていき、最後は一気読みでした。
翻訳でしたが、少しも違和感を -
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ネタバレ唐突に提示される父親の誕生日パーティーへの誘いのメール。
まさに前作『国語教師』の始まりような感じだったので、似たような話かと思いきや、まさかの負の歴史の悲劇と教訓、罪と後悔の物語。
物語への吸引力、読後の胸に残る思いは間違いなく星5つ級。
だが、クメール・ルージュ時代の描写が辛すぎる。
辛すぎて途中読むことをやめたくなることも多々あった。
様々な困難はあるにせよ、この時代、この国に生まれ心豊かな日々を送れていることのありがたさを嚙み締めずにはいられない。
いくつもの時代、場面、目線を変えての構成がこれまた前作を彷彿させ、周到に組まれた展開の妙に引き込まれていくと共に、辛い描写のほど良い息 -
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2019年?冊目。(最近レビュー執筆怠り数え忘れた...)
『憎しみに抗って──不純なものへの賛歌』から注目していたジャーナリスト、カロリン・エムケの新刊(原書の出版は2013年で、『憎しみに抗って』よりも前)。
年末年始、他に読みたい本がたくさんあるけれど、これは連休中にもう一度読み返さなければいけない...今年の自分にとって、本当に大事なテーマで、消化して整理するにはまだまだ時間がかかる。現段階の雑感だけでも言葉にしておきたい。
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「言葉にし得ない体験」をめぐる考察。
極度の暴力や不正に遭った人が失った言葉に対して、どんな言葉も及ばず「それ」としか形容できなくなってしまった -
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2018年18冊目。(再読)
〉2018年17冊目。
〉読み始めてすぐに心臓がばくばくし、読み終えてすぐに「もう一度読まねば」と急き立てられた。
の通り、初読の直後にもう一度読んだ。思うところが多すぎて、それでもまだうまくまとまらない。長く付き合うことになる一冊。
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2018年17冊目。
読み始めてすぐに心臓がばくばくし、読み終えてすぐに「もう一度読まねば」と急き立てられた。
近年悶々と考えていたことが、物凄い密度の言葉で語られていた。
言葉の力が強過ぎて、「陶酔して盲目にならぬよう、気をつけて読まねば」とも思うくらいに。
流入する難民、異なる人種、性的マイノリティ -
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ここのところ読書スピードが上がらず
読むのに苦労していたが(集中力が続かないのは年齢のせいかな?と心配していたが)
本作は2作合わせて1週間かからず。
おもしろければ読める。
ちょっと安心。
さて、後半もなかなかの出来だった。
本の半ばでまた声を出しての絶叫。
何冊読んでも引っかかっちゃう。
くそ〜〜!ミスリード!
でもそれがミステリーの醍醐味。
いつもケイトの私生活のパートや
捜査での暴走ぶりにやきもきしながらも楽しく読めてしまう。
男性絡みではまたまたため息…なエピソード満載。
だけどケイトは少し大人になったと感じた。いやもう44歳だけど。
シリーズは続くんだろうな。
ケイレブの今後 -
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彷徨うということ
“霧のロンドン”、古く冷たい建物に曇天ばかりの空をもつ街、少し都会を離れると、荒涼とした台地と陰鬱な太陽が照らす、イギリスという国のイメージ。
“彷徨う”という言葉がとてもよく似合う。
自分を“見失う”
からだはここにいるのに、ココロは漂よっていて、何処にも向かうべきところがない。
それも一つの“失踪者”なんだろう。
他者を“束縛する”
若くして脊髄障害を負った男、孤独な田舎の高齢者の男、一応の成功と家庭を持ったにも関わらず自分のコントロール下においていないと絶えず不安に苛まれている男、怒りの爆発、暴力の果てに相手が取る驚愕に陶酔し、制御不能となる男、この物語に登場す -
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ネタバレこれは今年度のベスト10にランクインするのではなかろうかと思える良作。
饒舌なシーラッハというような印象。
シーラッハと「饒舌」は相反するものだが、主人公エーファが弁護士で過去の自分の携わってきた事件を振り返っていくというスタイル、その扱ってきた事件のひとつひとつのあらましに妙にリアリティを感じる描写、そして事件のオチが醸し出すどうにも暗澹とした気持ちになる、一筋縄ではいかない人間の暗部を日の目に晒す様がそう感じさせた。
シーラッハのように切れ味鋭く、ときに不親切とも思えるほどの感覚的な文章という訳ではなく、いたって読みやすく書き込みがされているという点が「饒舌な」という印象に由来する。