浅井晶子のレビュー一覧

  • 誘拐犯 上

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    上巻ははっきり言って退屈だった。
    シリーズ前作の『裏切り』と同じような場面ばかりで。
    もちろん舞台は異なるのだけど、あおられるざわざわとした不快な不安感は前作とまるで同じもので少しうんざりしたのだった。
    下巻は夢中になって読んだ。予想を裏切る話の展開に読むのを止められなかった。

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    2026年08月27日
  • 孤独な夜 下

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    ネタバレ

    2026年の30、31冊目は、シャルロッテ・リンクの「孤独な夜」です。「裏切り」「誘拐犯」「罪なくして」に続く、ケイト・リンヴィル巡査部長を主人公とするシリーズ4作目です。
    日本にもついていない女探偵として知られる葉村晶がいますが、ケイトの不運・不幸さは、それ以上です。
    ようやく出来た恋人に裏切られる、スコットランドヤードを退職して、ケイレブのいるスカボロー署で勤務し始めたら、そのケイレブ自身が辞めてしまう。ケイトは、常に孤独です。(猫のメッシーはいますが)今回も、ついに恋い焦がれるケイレブとそういう関係になりますが、2人共に酔っ払った上での成り行きからというものでした。
    今回の事件は、大きく

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    2026年08月24日
  • 誘拐犯 上

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    シリーズ2作目。物語の視点がころころと変わり、また登場人物が多いわりには全く混乱することなく読み進められる安心感がある。さすが。
    疑わしい容疑者はたくさんいるものの、どれも決定打に欠けていて全く予想ができない。下巻も楽しみ。

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    2026年08月19日
  • 裏切り 上

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    ロンドン警視庁の刑事ケイトの父親が、ヨークシャーの自宅で惨殺された。地元警察に遠慮しながらも、独自に事件を追う。登場人物がそれぞれに辛い過去を抱えており、濃厚な人間ドラマだ。後半はスピード感もあり、一気に読んでしまう。

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    2026年08月12日
  • 暗黒の瞬間

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    ドイツのミステリーだからか、作者が法律家だからか、リアリティーがあり、ぞくっとする箇所がいくつかあった。
    あまり背景描写はなく、淡々と硬い文章で進むけれど、不思議に読み進める。けれども、ひとつの事件が終わるたびに、ため息がでて、ひと休みしたくなる。あまり覚えのない読後感でした。

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    2026年08月02日
  • 暗黒の瞬間

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    非常に面白い。
    これはあらすじを見るのと、実際に読むのでは全く感じ方が違う。
    あらすじを見た段階ではスルーしたんだけど、書評を読んで気になって読んでみたら呆然とした。
    主人公は仕事に熱心に取り組んでいるし人間の情も持ち合わせている。だからこそ板挟みになっている。法律は万全ではない。その中で利益の為に嘘をついたり、相手に罰を与えたいと嘘をついてしまう。そのせいで自分の思った結果にならないこともある。
    人間の弱さとか悪意とか読んでいて苦しくなるが、主人公が人間的に共感できる感覚を持った人であるところに救われる。

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    2026年08月02日
  • 暗黒の瞬間

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     法は人を救わない。
     社会で共有されたルールであり、ひとつの判断基準でしかなく、そこに正義は無い。
     法だけで人を救うことはできない、その事実を何度も繰り返し思い知らされる。そんな物語だ。

     老境に差し掛かった一人の女性弁護士が、かつて自身が関わることとなった九つの事件を淡々と綴ってゆく。現実にありえたかもしれない物語に、底冷えのするようなリアリティを感じてしまう。
     主人公は、法に携わる者として常に公正であろうと真摯に努めている。
     しかしながら、本書に描かれた事件は、依頼人の嘘やたくらみにより意図したものとは真逆の結果となってしまうものばかりだ。
     法を利用して罪を逃れようとする者、法

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    2026年07月31日
  • ポルトガル限界集落日記

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    浅井さんの言語も文化も違う国で村の人たちとも上手くやって行きながら楽しく過ごす姿が素敵。アセニョーラの話は自分がコロナ禍で体験したことと重なって、ところ変わっても同じことがおきてたんだなぁと胸がギュッとなった。その後のアセニョーラの復活に嬉しくなった。
    読んでいていちばん驚いたのは、現在ではブラジルで話されているポルトガル語が世界標準になっていて、ポルトガルで話されているポルトガル語は方言扱いになっているという話。

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    2026年07月29日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    ベルリンの刑事弁護士エーファが関わった9つの事件を綴った連作短編集。1話40ページ前後な上に細かくチャプター分けされてるのでテンポよくサクサク読める。ドイツが舞台なので日本の法律や司法とは違う部分があるのは仕方ないがところどころ首を捻るところがある。

    基本法廷モノだが『逆転裁判』の様に「無罪判決!完全勝利イェーイ!」とはならない。逆に苦々しいビターエンドばかりだし、主人公の心に深い暗黒の影を落とした9番目の事件は紛うことなきバッドエンドである。それでも最後の最後に逆襲の一撃を喰らわせてスカッと終わり、まさに終わりよければ「すべてよし」。訳者あとがきによれば続刊が決まってるそうなので楽しみ。

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    2026年07月17日
  • ポルトガル限界集落日記

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    ドイツ語翻訳家浅井晶子さんのポルトガルの田舎での生活記。
    第一話からとても面白かったのですが、比較的軽めの話で、肩がこらなくて楽しいけどあまり印象に残らないタイプの本かなと思いました。でも、読み進むうちに、ヨーロッパでも貧しいポルトガルでの豊かな生活や地元の人たちとの交流が具体的に活き活きと描かれていて、話にも、そしてポルトガルという国にも惹き込まれました。エピソードのひとつひとつが魅力的で、いつか行きたい!と思いました。
    ところで著者の浅井さんは、話題豊富で話上手な人なんだろうな、という印象。一方のドイツ人のだんなさんは科学者で口下手な人みたい。口下手のほうは自分も同じなので、話上手でおしゃ

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    2026年07月11日
  • ポルトガル限界集落日記

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    ヨーロッパの中でも比較的物価が安くて、蛸や鯵をはじめ海産物が豊かで食べ物も美味しくて、アズレージョで彩られた街並みがたまらなく可愛くて、将来移住したい国ナンバーワンのポルトガル。その国の、しかもかなり過疎の村に移住した日本人(旦那さんはドイツ人だけど)話ということで、読む前から期待大でした。
    言葉も不自由なままのしかもコロナ禍での移住だったようだし、山火事や野生動物、ウチナータイムのようなポルトガル時間との付き合い方、さらには限界集落の将来の不安とかストレス要因はあったと思うけど、今とまっすぐ向き合って今の楽しさをいっぱい感じようとしている人のエネルギーをもらえる一冊だった。

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    2026年07月05日
  • ポルトガル限界集落日記

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    コロナをきっかけにドイツからポルトガルに移住した方のエッセイ
    ドイツに住んでるだけでもすごいな…となるのに更にまた言葉の通じないところへ移住するなんて本当にすごい
    ポルトガル、全然馴染みないけど日本と近いところがあるんだな〜と行ってみたくなった
    何が起こるか分からないこのご時世、自治体から供給されるインフラに頼らずに生きていける基盤を構築しとくのは絶対強いと思う
    コロナ禍に関しては当時から著者と概ね同じような感覚でいたので、アセニョーラの「人間いつかはなにかで死ぬのに、どうしてウイルスで死んだらいけないの?」って言葉にはまじでその通りだわ…ってなった

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    2026年07月04日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    ドイツの法律家で作家さんとなると、真っ先にシーラッハが思い浮かんだ。あちらは淡々とした文章が魅力で、こちらも簡潔な文章ではあるものの、主人公の迷いや苦悩を感じられ、読者も思わず一緒に腹を立ててしまうような、より肉付けがされた物語となっている。

    主人公の女性弁護士エーファは、刑事事件が専門。有能で世間の注目を集めるような大きな事件を担当することも。
    プライベートも割いて仕事に没頭してしまうのは、昔自分の結婚式や新婚旅行で、結果を過信し、対応がおざなりになり、想定外の裁判結果に絶望した依頼人が一家心中をしてしまったから。

    だが、依頼人は弁護人に真実を語るとは限らない。時には利用され、有罪の人物

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    2026年06月25日
  • 暗黒の瞬間

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    裏表紙の著者紹介を見ると、エリーザ・ホーフェンという方は刑事法を専門とする現役のライプツィヒ大学法学部教授兼ザクセン州憲法裁判所判事となっています。

    主人公エーファ・ヘアベアゲンは六十代の刑事弁護士、夫ペーターは仏文学者の大学教授という設定です。
    彼女が弁護士として扱った九つの事件それぞれを法律ミステリーの短編として描いていますが、それぞれが微妙に彼女の心情に影響するという仕立てになっています。
    ①正当防衛
    ②生かしておく
    ③少年兵
    ④塩
    ⑤人食い
    ⑥遺稿
    ⑦強姦
    ⑧自白
    ⑨シュテファン・ハインリヒ

    最初は、ちょっと読みにくかったのですが、読み進むにつれて加速していき、最後の方では頁を繰る

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    2026年06月09日
  • ポルトガル限界集落日記

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    翻訳家の著者はドイツ人で科学者の夫と共にポルトガルの人口10人の集落へ移住する。

    同じEU圏内でありながらドイツとポルトガルの違いの大きさに驚く。

    人びとの大らかさと親密さ、食に対するこだわりに惹かれていく。

    「そうこともあるよ。」

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    2026年06月07日
  • ポルトガル限界集落日記

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    ポルトガルの情報に接する機会はほぼないので、とても新鮮で全てにへー、そーなんだーって新発見ばかりの内容でとても面白かったです。
    時代の移り変わりにしんみりしながらも、逞しく強かにのんびりと、、、。

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    2026年05月26日
  • 罪なくして 下

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    ひゃー!ここで終わるのー!
    の『罪なくして』…
    やっぱりシャルロッテ・リンク
    最高〜!裏切らない…(笑)

    あのケイトがスコットランド・ヤードを辞め、ヨークシャーのスカボロー署へ移籍することに…
    そうあのケイレブの下で働くのだ!
    ケイレブは信頼する上司であり、ケイトがかつて恋心を抱いた相手でもある…
    ところがケイトはスカボローに戻ってくる列車内で事件に巻き込まれる
    そしてケイレブは事件の責任を問われ、定職に…
    そして二人に恐ろしい事件が降りかかる

    前作に比べるとどんでん返し〜
    の衝撃は少なかったけど、とにかく目の離せない展開
    読みながら苦しく悲しくなる場面は多かったけど、とにかくぐいぐい引き

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    2026年05月23日
  • 暗黒の瞬間

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    CL 2026.5.13-2026.5.16
    女性弁護士が主人公の連作短篇集。
    となれば正義を明らかにする、もしくは鮮やかな逆転劇とかを期待するが、もうひとつその先に「暗黒」に転落する瞬間が描き出される。

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    2026年05月16日
  • 暗黒の瞬間

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    ベルリンで刑事事件を専門とする女性弁護士エーファが扱った9つの事件の顛末。それぞれの事件の設定も、驚きの展開と判決・関係者のその後も、うまく考えられていて良かった。ところどころに表れる法律を遵守する大変さも良いと思った。「疑わしきは被告人の利益に」については、頭では分かっていても被害者としては納得できないであろう事がよく分かった。
    次作が楽しみだ。

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    2026年05月05日
  • 裏切り 上

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    主人公ケイトの自己評価の低さやまわりの人が彼女に対して感じるているマイナス評価がとても辛辣で、そこまで言うか!という感じが今まで読んだミステリーの中には無かったというか、新鮮だった。ページターナーという感じの前半で引き込まれて、ハラハラしてよかった。

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    2026年05月05日