浅井晶子のレビュー一覧

  • 国語教師
    淡々とした語り口ながらたまにぞくっとする言い回しがあったり。読み進めて行くうちに、マティルダが精神を病んでいるような印象を受け、クサヴァーは鈍感なダメ男かと思いきや、ラストは全く予想していない展開だった。
    てっきりマティルダがクサヴァーの息子を復讐のために誘拐してドロドロの展開かと思っていたのだが、...続きを読む
  • 悪徳小説家
    主人公は作家として世の中に認識されているが、書いてない。妻(ひきこもり)がタイプライターに向かって毎日何かを入力している。溜まると車庫に移動。それを勝手に持ち出している。浮気して子供出来た。仕方なく修羅場と向かい合う。が妻いなくなる(死亡?)浮気相手もいなくなる(死亡?)たまたま寄宿舎で同室だった男...続きを読む
  • 世界収集家
    読書っていうのは旅なんだよな。作家の力量でポイと未知の真っ白空間に放られ、読む側は、ここはどういう所で、どういう人達が生活していて、何が起こっているんですか?と探索してゆく。単純なことのように思えて力量がないために、やたら説明ばかりの小説もあるけど、久々に「シンプルでいて、とりとめのない異物」を手に...続きを読む
  • 失踪者 下
    ドイツのベストセラー、後半。
    5年前に行方不明になったエレインはどうなったのか?

    ロザンナは5年前に結婚して、ジブラルタルで暮らしていました。
    義理の息子を育て、幸せもあったが、結婚後も仕事はするはずだったのに何のかのと家庭に縛りつけたがる夫に阻まれ、ついにイギリスでの仕事の依頼を引き受けることを...続きを読む
  • 失踪者 上
    二件の残忍な殺人事件と、解決されていない5年前の失踪事件。
    かつて雑誌記者だったがヒロインが事件の特集記事を書くことになり、再び事件が動き出す。

    一人称を多用し、章が変わるごとに新しい登場人物が現れ、それらの人々が少しずつ事件に絡んでいくさまは面白い。一方で心理描写が細やかな割には事件の動きが遅い...続きを読む
  • 失踪者 下
    上巻の終わりから第二部の終わりにかけては非常に面白かったのだが、第三部になり、ちょっとだれてきて、最後はやっぱりそこに落ち着くのかみたいな感じでちょっと残念。
  • 失踪者 上
    5年前に突然失踪した女性の謎を、その関係者が調べていく。いろいろな視点がめまぐるしく変わり、時々混乱もするが、ここまではなかなか面白い。下巻に期待。
  • 失踪者 下
    ストーリーとしては非常にシンプル。元ジャーナリストの女性が、5年前の失踪事件を取材するというもの。幼馴染が失踪したのは自分の結婚式に出席する道中だったため、主人公はある種の責任を感じながらの取材となる。

    複雑なトリックも、凄惨な描写も、奇抜な設定もなく、日常生活がそのまま事件につながっていく展開に...続きを読む
  • 世界収集家
    リチャード・バートンは以前から気になっていた.千夜一夜物語やカーマ・スートラを翻訳し,ナイル川の源流を求めて探検し,アラブ人に化けてメッカに巡礼したという,何だか分からないがすごい人物である.
    そのバートンを主人公にして,一応史実は踏まえて書かれたフィクション,といったところか.とはいえ,バートンの...続きを読む