あらすじ
ドイツ犯罪小説最優秀作品シリーズ、初邦訳!
名門フンボルト大学の法学部を出ながら、破産寸前の法律事務所を共同経営する弁護士ヨアヒム・フェルナウ。
ある日、ヨアヒムが窃盗の罪で弁護を担当したホームレスの若者が、裁判所の前で老女に銃撃される。ホームレスはとっさに逃げるが、老女はその場で発作を起こして倒れてしまう。
老女はマルガレーテという名で、ポーランド国境の小さな町ゲルリッツから巡礼にやって来たメンバーの一人だった。だがホームレスとは面識がなく、なぜ彼女が彼を撃ったのかはわからなかった。
ヨアヒムは老女に頼まれゲルリッツの家へ行き、机の引き出しに入った葉巻の箱と着替えを持ち帰ろうとする。と、そのとき、電話が鳴った。
泊まるつもりでいたヨアヒムは電話の男に誘われるまま食事に出かけるが、家に戻ると葉巻の箱が消えていた‥‥。
やがて、東西ドイツ統一直後のゲルリッツでの出来事、ヨアヒムを連れ出した男の存在、過去の悲劇的な交通事故など、多くの事柄と老女の銃撃の繋がりが見えてくる。
ドイツで770万人が視聴した超人気ドラマの原作にして、エリザベート・ヘルマン作品の初邦訳!
ミステリとして、人間ドラマとして非常に巧く構成された傑作である。
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Posted by ブクログ
ドイツの法曹ミステリー。
いや、タイトルは「最終法廷」だし、主人公は弁護士なんだけれど、法廷内が舞台ではなく、むしろ「探偵ミステリー」という感じかも。
不可思議な事件、依頼人の死。仕事のない貧乏弁護士フェルナウが、奇妙な事件の真相が知りたいと調査を始め、その謎がどんどん大きくなっていく。すべて謎が解けた、と思いきや、いろいろなドンデン返しが波のように押し寄せて、うわーー、どうなっちゃうのーー?的に面白いミステリーでした。
超美人の検察官や、弁護士事務所の相棒(ちょっと変人?)や、ケチな犯罪者の依頼人や、たくさんの登場人物たちが出てくるのだけど、なんとなくみんな愛すべきキャラクタ。
どうやら本国ではシリーズ物として書かれているようだし、ドラマ化もされているらしい。
確かに、キャラクタたちが生き生きしているし、なんというのか、ちょっとヌケていて、ツッコミながら見られるドラマになりそう(もしかしたらかっこいい感じになっているのかもしれないけどー)。
ところで、最近、法曹ミステリーを立て続けに読んでいるから、その方向からこの本を手にしたと思われるかもしれませんが、実は、
「表紙買い」
なのでした。表紙を描いているのが、光嶋フーパイさん。
そう、ノルウェーのミステリー、警部ヴィスティングシリーズの表紙を描いているイラストレーターさん。
警部ヴィスティングシリーズを手に取ったのも、表紙の男性が超イケオジだったからだったわけで、結局のところ、光嶋フーパイさんが表紙を描けば、私という読者が釣れるというわけですね(笑)。
質の良い海外ミステリーのお仕事が光嶋フーパイさんにいっぱい流れますように〜。