あらすじ
スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが何者かに自宅で惨殺されたためだった。伝説的な名警部だった彼は、刑務所送りにした人間も数知れず、彼らの復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。すさまじい暴行を受け、殺されていた父。ケイトが愛し尊敬してやまなかった父は、なぜ殺されなければならなかったのか? ケイトにかかってきた父について話があるという謎の女性の電話……。ドイツ本国で160万部超の大ベストセラーとなった傑作ミステリ!
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Posted by ブクログ
吐露できない気持ちのほとんど全てを共有しました。表に出すことをあきらめていた気持ちばかりです。自分にはどうしようもない渦に巻き込まれて、気づいたら大切な家族まで巻き込んでいて、全力で抜け出そうとしたのに精一杯心を尽くしたのに、また選択を間違えたことに絶望する……その気持ちを、行動を、自分自身では言語化することができなかった部分まで詳らかに書き込まれていました。
そして、その全てが集約された最後の文。
そうだ、私の手に、私の人生は、今、ある。そう思わせてくれる小説でした。
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決定的な何かはまだ起きていないけど、取り返しのつかないことが起こりそうな嫌な予感がずっとある感じ。まだまだ回収できていない伏線が下巻でどうなるのか楽しみです。
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読みやすくておもしろいので、すっかりお気に入りとなったドイツの作家さん。3部作の1作めということで、どんな人が主人公なのかと思いきや、出来の悪いスコットランドヤードの女性刑事。この刑事が、今後シリーズを通して、どう成長するのか?しないのか?が、無性に気になります。ストーリーは、いろんな人のストーリーが同時並行的に進む感じですが、中でもステラのパートは、ハラハラしますが、なぜその選択をするか、イライラもさせられます。それほどストーリーが巧みに感じました。下巻が楽しみ!
Posted by ブクログ
父の惨殺。事件は娘の知らなかった父の一面を明かしてゆく。
スリルな展開も面白いけど、娘で刑事のケイトや事件を捜査するケイリブなど、人間の弱さを抱えた登場人物の描写が胸に響く。
普通のサスペンスと一味違う。好きな本だなあ。続編も読みたい。
Posted by ブクログ
奥さんが調子悪くてさ
でもってこんなとき頼りになる上のお姉ちゃんが残業でさ
もう十年以上ぶりにお父さんが晩ご飯作ったんですよ
まぁ、ご飯炊いてお味噌汁作って魚焼いただけなんだけどね
いやなんかやっぱたいへんだわ
仕事終わって帰ってご飯作って後片付けしてってもう本なんか読んでる時間ないもの
ねー
そりゃーイラッとするわなー
疲れて帰ってきてご飯作ってる間のんきにアホみたいに本ばっか読みやがって月に何十冊も(お前な)
感謝感謝感謝(上っ面感)
はい、サスペンス!
これちょっとすごいよ
ひと言で言うと、上手い!
サスペンスの上巻(前半)に求められるものを完ぺきな形で提供してきやがりました
それ何かと言えば「不穏」です
もうね、出てくる人出てくる人みんな程度の差はあれど愚かなんよね
全員間違いを犯してるのよ
分かるかなー?
で、読む方は見えてる訳じゃないですか?
いやそっち行っちゃダメなんだって!
でも行っちゃうのよ!
当たり外れが見えてるの
でも全員外れの方に行くのよ
これぞサスペンスですよ!
だから言ったじゃん!が58個くらいあった(適当)上巻から下巻へ
「志村、後ろー!」
Posted by ブクログ
ドイツの作家シャルロッテ・リンクの長篇ミステリ作品『失踪者〈上〉〈下〉(原題:Die Betrogene、英題:Cheated)』を読みました。
シャルロッテ・リンクの作品は、3年以上前に読んだ『失踪者』以来ですね。
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〈上〉
元警部の父親が惨殺され打ちのめされたロンドン警視庁女性刑事の悲しみ。
最後の最後まで読者は裏切りの数々に翻弄されることになる。
スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが何者かに自宅で惨殺されたためだった。
伝説的な名警部だった彼は、刑務所送りにした人間も数知れず、彼らの復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。
すさまじい暴行を受け、殺されていた父。
ケイトが愛し尊敬してやまなかった父は、なぜ殺されなければならなかったのか?
ケイトにかかってきた父について話があるという謎の女性の電話……。
ドイツ本国で160万部超の大ベストセラーとなった傑作ミステリ!
〈下〉
人里離れた農場で起きた監禁事件と、元警部殺しはどう関わるのか?
父親の元警部の死について話があるとケイトに電話をかけてきた女性の死!
それはケイトと地元警察との間に軋轢を生んだ。
休暇中のケイトには捜査権はない。
その頃、ロンドンのシナリオライターが、バーンアウト寸前でヨークシャーの人里離れた農場に妻子とともにこもることになった。
そんな彼らの前に五歳になる養子の息子の生みの母が、恋人という得体の知れない男とともに現われるが、彼の正体は? 浮上するケイトの父親殺しと彼の関係。
本国で9月刊行後3か月でその年のペーパーバック年間売り上げ1位となったドイツミステリの女帝の傑作!
訳者あとがき=浅井晶子
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2015年(平成27年)に刊行されたスコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィル・シリーズの第1作です。
ヨークシャー警察の元警部リチャード・リンヴィルが自宅に侵入した男によって惨殺された……尊敬し憧れ、唯一心を許していた父の死を知ったロンドン警視庁に勤める娘・ケイトは長期休暇を取り故郷に戻った、、、
警察は、かつてリチャードが刑務所に送り込んだ連中のうちの誰かによる復讐との線で捜査を進めていくが、一番の容疑者とされる男デニス・ショーヴの行方はわからないままだった……捜査はなかなか進展せず、ケイトは苛立ちを募らせる。
捜査責任者であるケイレプ・ヘイル警部は、長い間アルコール依存症の治療のため休職しており、この事件で復帰したばかり……ケイトはケイレプの刑事としての能力に疑念を抱く、、、
そんなとき、メリッサ・クーパーという女性が、ケイトの父親のことで話があると連絡してくる……生前の父から聞いたこともない見知らぬ人物だが、ケイトは早速彼女に会う約束を取り付けるが、そこから事件は新たな展開を見せ、ケイトは衝撃的な事実を知ることになる……。
家族が死亡し、何年ぶりかで故郷に帰った主人公が事件の真相をつきとめていくというミステリの定番的な展開に、仕事で神経をすり減らし医師の勧めで2週間ほど妻子とともに人里離れたヨークシャーの農場にこもることとなった脚本家ジョナス・クレインのもとに、養子である5歳の息子サミーの生みの母テレーズ(テリー)・マライアンが現れ、思わぬ事態が巻き起こるというエピソードが、さまざまな視点人物によって描かれ、やがてひとつの物語として収斂していく展開が愉しめました……意外性とスリリングな展開も愉しめましたね、、、
裏切りの衝撃、驚愕の展開……面白かったです。
主人公が個人的に問題を抱えているところも興味深いところ、、、
スコットランド・ヤードの刑事であるケイトは39歳で独身……人付き合いが苦手で恋人も友人なく、仕事に自信が持てず、職場では周囲から疎んじられて浮いた存在、そんな振り切ったヒロイン像も良かったなー 本シリーズ、ぜひ、続篇も読んでみたいですね。
Posted by ブクログ
ドイツの国民的人気作家シャルロッテ・リンクの作品。
なぜか舞台はイギリスが多く、これもそうです。
ヨークシャーで退職した元警部リンヴィルが殺され、一人娘のケイトが休暇を取って戻ってくる。
ケイトは、スコットランド・ヤードの刑事だった。捜査に参加は出来ないが、じっとしてはいられない。
捜査に当たる警部ケイレブらにいささか邪魔にされながらも、諦めることは出来なかった。
内気な性格で友達もいないケイトにとって、毎週電話していた父親は、唯一の心の支えだったのだ。
仕事柄、犯人は恨みを持つ犯罪者ではないかと思われたが‥
一方、スランプに陥っているシナリオライターが妻子とともにヨークシャーの農場に引っ越して来た。
子どもは養子で、実母と名乗る人間から連絡があり‥?
事件とどう絡むのかはなかなかわからないが、不安な状況がじりじりと描かれます。
地味で暗いケイトは、女刑事としては異色。
本来は優秀だったのに、最初の頃の二つ三つのつまずきですっかり自信を失い、今では署内でもほとんど無視されるような存在だった。
この設定からの展開が面白いですね。
Posted by ブクログ
スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが惨殺されたためだった。名警部だった彼は、刑務所送りにした人間の復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。激しい暴行を受け自宅で殺されていた父。いったい誰が、なぜ……?
初めて読む作家。もう一つの事件が同時並行で描かれる。どうなる、後半。
Posted by ブクログ
いいですねー、この書きっぷり。ベースとなる事件にサイドストーリーがかぶさる、どうなっていくのかページを捲る手が止まらず、ゾクゾクします。いろんなことが浮かんできて、その中の一つが的を射るかも。でも、驚愕のラストに期待します。さあ、下巻!
Posted by ブクログ
スコットランドヤード刑事のケイトと父親の惨殺事件。片や子を巡る実母と養父母の不穏な出来事。どうなるのかハラハラして読み進めたら少し道筋が見えそうになった所で上巻が終わる。早く下巻が読みたいと思える作品。
Posted by ブクログ
ケイト・リンヴィル シリーズ第1作!3作目『罪なくして』がおもしろかったので、これも読んだ。
女性作家だからバイオレント系、スリル系ではないはずという想定で読んでいるが、そうでもない。
それでも、バイオレンスシーンがつぶさに描写されているわけではないので、実は心理的スリルでそう感じるのかも。ひーやひやさせられっぱなしの上巻だった。
『警察・スパイ組織解剖図鑑』にある本書の紹介に「主人公ケイト・リンヴィルの自己肯定感の低さ…!」とあるが、本当にそのとおり。『罪なくして』は、そうでもないように思えたが、本書で確認できた。
登場人物の他人への批判的なものの見方や自省的な考え方(つまり根暗)が、実に自分好み。ただし、ケイトの他人に思うところはちょっとというところもあった。
養子になった子どもが出てきて問題の種になるミステリーって、最近読んだよ。このケイト・リンヴィル シリーズの第3作だった。こちらの第1作に続いて、第3作も養子と養子を迎えた夫婦が登場していたということだ。
ケイト・リンヴィルはヨークシャー州で養子に関する仕事でもしていたのか?調べてみたいところだが、とりあえず、保留。
Posted by ブクログ
ドイツ製の刑事サスペンス。
多彩な人物の視点で、猟奇的な2件の殺人事件を追う。
それぞれのキャラが丁寧に描き込んであり、一見無関係な人々が徐々に結びついていく展開は面白い。
若干話がもたつく場面もあるが、後半の展開に期待できる。