あらすじ
B&Bの娘の失踪と発見。娘は頑なに口を閉ざしなにも語らない。謎に満ちたこの事件と、遺体で発見された少女の事件に関連はあるのか? 事件はそれだけではなかった。母親に虐待を受け腕にひどい火傷を負った少女の行方不明事件と、父親にがんじがらめに束縛されていた少女失踪事件。どの少女も十四歳だった。ケイトはB&Bの夫婦に真相解明を懇願されるが、管轄外の刑事が口を出すわけにはいかず、密かに調査を始める……。すべての事件の真相は誰の予想もはるかに超えるものだった! ドイツ・ミステリの女帝が贈る超人気シリーズ、第二弾。/解説=吉野仁
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まさか!という真相、結末に読むのが止まらない。
何よりもケイトとケイレブ、不完全でな彼らがメインキャストなのが逆に魅力的。それは他の登場人物も同じで、欠けたものを抱える人たちが物語に深みを与えてる。
あっという間の下巻、次のシリーズも読まなければ!
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ケイト·リンヴィルシリーズの2作目。
読み応え十分、そして真相の意外性も。
ヒロインが地味で冴えないタイプという設定もあって、ストーリーも重くなりがちなのだけれど
それを上回る充実の読後感。
次作も楽しみ。
不良少女マンディの行動力と生命力の強さに拍手
Posted by ブクログ
ウゲォーヌ(人間には発音できないタイプの音)
いやーマジかー
すげー結末だったわー
この結末全く頭の片隅にもありませんでした
そう書くとネタバレになっちゃうかな
うーん、お見事だったわー
ミスリードが巧み
ということでミステリーとしてもかなり上質だったんですが、やっぱり主人公の女性刑事ケイトよね
はっきり女性としての魅力なしって書かれちゃってるという新しいタイプのヒロイン
恋愛経験ほぼゼロの41歳は、やっぱりけっこう拗らせちゃってるわけです
そんなもん自分に自信なんか持てません
あらゆる場面で自分なんか…
自分なんかが誰かに愛されるわけがない
自分なんかが事件を解決できるわけがない
そんなんグズグズ言いながら真相に迫っていくので途中かなりイライラもする
でもそんなケイトだから事件を解決できたんじゃね?って思えもする
なんやねんこいつって正直思う
苦手なタイプやわ〜
でもケイトのこの先を見たい!とも思う
なんやねんこいつ
Posted by ブクログ
ドイツの人気作家がイギリスを舞台に描くシリーズ。2作目後半。ベストセラー。
ケイト・リンヴィルは、スコットランドヤードの巡査部長。
実家を片付けるために休暇を取り、近くの宿に泊まったら、その家の娘アメリーが失踪。
ケイトが刑事と知った母親デボラに頼りにされることに。
管轄外なのは1作目と同様、しかも今度は自分の家族の事件でもないのですが…
スカボロー署のケイレブ・ヘイルは知り合ったばかりの頃のようには拒否的でなく、ケイトを認めていることは示すのだった。
アメリーは不可解な状況で発見される。
しかも、アメリーを海から救い上げた男性は、両親にたかってくる。
少女の行方不明事件は他にも起きていて、放っておけなくなったケイトは独自に調べ始めます。
家出したマンディは家庭が荒れていて気が強く、他の少女とは違うタイプだが、やはり事件に巻き込まれる。
このマンディの破壊的な態度は問題ありありだけど~痛ましくもあり強さに目を瞠る思いもします。
ケイトはやや小柄で、瘦せっぽちで、地味で暗い。内気がこじれて仕事先での失敗に縮こまり、悪循環に陥っていました。
記者と名乗って探索中に知り合ったデイヴィッドに誘われ、意外や恋仲に。まともに相手をしてくれる男性に初めて巡り合ったケイトは、信じられない思いで幸福をかみしめるが…
それぞれ事情があり、苦悩を抱えた人物たち。
それがどう、どれぐらいヤバいのかっていう‥
意外な要素と、迫力の展開。
少しずつながら吹っ切れていくケイト。
頑張れ~!と言いたくなります☆
25年5月30日、レビュー。
Posted by ブクログ
アレックス・バーンズが犯人ではないのは明らかですが、犯人以上にムカつく嫌なやつです!一方で、親にも原因があるとは言え、子どもの身勝手さに、親が気の毒にもなりました。中盤から徐々につながり出したところから、サスペンス的な要素も加わり、緊迫感も適度にあり、おもしろかったです!ただ、後半はやや冗長に感じました。次作でケイトはどうなるかが楽しみです!
Posted by ブクログ
この作品はミステリ小説ではありますが、途中に手掛かりが忍ばせてあり、読者はそれをもとに犯人を推理しながら読むという形式のものではありませんでした。
後半次々と明らかになった事実は、登場人物が感じると同じくらい唐突に表れ、推理する間もなく犯人を明らかにします。
そしてその真相は…確かに予想外。
でも私は、誘拐された少女たちよりも、誘拐した犯人のことよりも、誘拐されなかった少女の闇が気になりました。
彼女の家庭はいささか借金が重めではあり、そのため両親の中が必ずしも良いとは言えませんが、それでも子どもを思う気持ちは本物です。
なのに、あそこまで徹底して親を拒否するに至った経緯がわからないので、もやもやしました。
ちょっと常軌を逸した行い、ふるまいも気になります。
主役であるケイトにも、悲劇とある種の喜劇が訪れます。
これを機に彼女が、誰もがコンプレックスを抱えながら隠して生きていることに気づき、あまり自分を否定しないで生きてほしいと思いました。
好悪の情は理性とは違うし、ましてや恋愛感情は、というところはありますが、第三者としてみている分には、ロンドンから故郷に戻ってきて、ケイレブと一緒に事件を捜査するのが一番いいような気がします。
彼は彼女の能力を高く評価していますし、彼も問題を抱えていることをケイトは知っているので、一方的な優越感や劣等感にさいなまれることはないのではないでしょうか。
もしどうしてもロンドンに戻るのであれば、コリンとの茶飲み友達付き合いを通して、自分がそれほど卑屈になる必要はないことを日々実感すればいいし。
次作はまだ訳されていないようなので、縁があったら前作を読んで、なぜケイトがかくも自己評価が低いのか探ってみようと思います。
Posted by ブクログ
CL 2024.3.13-2024.3.15
マンディの苦境が読んでいてほんとに辛い。
アメリーの両親の絶望感も。
少しでも感情移入するとこっちまでどうかなってしまいそうな精神的に危うい人ばかりだった。
それでもケイトが少しずつ前を向いていけそうなラストがよかった。
ケイトもケイレブも全然カッコいい刑事じゃないけど、なんだか惹きつけられる。
Posted by ブクログ
兎に角めちゃ面白く一気読みした。スコットランドヤードの女性巡査部長が休暇中に遭遇した少女誘拐事件。過去の事件と相似点ある事で主人公ケイトの隠密操作が始まる。
二転三転する事件の真相と、ケイトの恋愛。各人物像が素晴らしくて、ミステリーそのものも練られていて隙がない。大満足な作品。
Posted by ブクログ
〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ第二弾。少女が行方不明になったところから物語はどんどん広がっていく。過去の行方不明事件にまで捜査の目は向き、いくつもの辛く残酷なものが見えてくる。事件の捜査や二転三転する展開の驚きの面白さはもちろんなんだけれど、主人公ケイトの造形がこのシリーズの読みどころでもある。ロンドン警視庁の刑事でありながら、孤独で人とうまく関係を作っていけない。この性格が今作もポイントとなってきたりして面白い。この先も邦訳されていってほしいシリーズのひとつ。
Posted by ブクログ
シャルロッテ・リンクは、好きな作家です。スコットランド・ヤードのケイト・リンヴィルを主人公とする第二弾が、今作です。正直、上巻を読んだ段階では、前作「裏切り」に及ばないと思いましたが、最後まで読み終えて見ると、前作以上の出来だと思います。
この本の素晴らしさは、勿論、ミステリーとしての出来の良さ(誘拐犯が明らかになった瞬間、やられたと思いました。誘拐犯との対決シーンも手に汗握ります。)も
有りますが、事件が解決した後に、ケイトが知ることになるもう1つの真実を経てのエンディングの場面です。
ケイトとケイレブ・ヘイル警部、デボラ・ゴールズビー、コリン・ブレアという、何れも孤独を抱える登場人物が、小さな一歩を踏み出そうとしている所、何が有っても人生は進んで行くのだから、ちょっとだけでも勇気を持って進んで行こうというメッセージに有ります。
☆4.7次作も楽しみです。
Posted by ブクログ
「誘拐犯」下巻。
前回、上巻で何も起こらなさすぎて…とこぼし、
下巻はどうなることかと心配したが、
スリリングな展開、来ました!
なかなかに楽しめた。
読みながら、いったいこの誘拐犯の犯人は誰なのか?と考えていた。
容疑者候補はたくさん出てくるものの、
犯人らしき人物が見当たらないので
後半どんな展開になるかと思ったら…なるほど、
そういうことだったのか!な結末。
今回、不幸な主人公ケイトにようやくしあわせが訪れるか?というのも見どころ?の一つであったのだけど、
そこもまた納得のエンディング。
なんだかんだ文句言いつつ
このネガティヴヒロインの行く末が気になり
次作も読んでしまうんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
・あらすじ
前作から3年後、実家処分のためにスカボローへ戻ってきたケイト。
滞在したB&Bの一人娘アメリーが行方不明となり、同時期に過去誘拐された少女サスキアが遺体で発見されるという事件が起こった。
結局アメリーは海で発見されるが事件の事を決して話さず捜査は難航する。
また機能不全家族のもとから逃げだし行方不明となったマンディ。
それぞれの少女行方不明事件には関連があるのかケイトは独自に調査を始める。
・感想
相変わらず孤独に苦しむケイトとアルコール依存症に苦しむケイレブがいて更に出てくる登場人物皆が病んで歪んでる。
特にマンディの攻撃性が強すぎてそりゃ生き難いだろうなって感想。
あれほど他人を拒絶してハリネズミの様に攻撃してたら誰も助けてくれなくなるのは当たり前なんだけど、でもそうすることでしか自分を守れないという矛盾というか思い込みはああいう環境に育った人なら持たざるを得ない殻なんだろうな。
ケイトの孤独感や低すぎる自己肯定感による卑屈さは個人的には共感出来ないしイラッとするけど、終盤の吹っ切れたケイトは良かった。
みんなそれぞれに何かに依存してる登場人物ばかりだったな。
事件については無関係と思われていた事件が終盤で収束していく系で、前回同様中盤までは停滞感があるけど後半は一気読みした!面白かった。