浅井晶子のレビュー一覧
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強制収容所の生還者、捕虜、強姦、虐待など過酷な体験からのサバイバーが自らの体験を言葉にする大変さ、言葉の重さ、沈黙に触れている。話の文脈もバラバラだったり、言葉に詰まりながらの語りは当たり前で、彼らとそうした体験を持たない聴き手との断絶を意識しながら、彼らの傍らにいて切れ切れの言葉を聴いていく、聴き...続きを読むPosted by ブクログ
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上下巻に分かれているので、まとまった時間が取れないと読めないなぁと暫く積読になってた本作、漸く読めました。
もっと早く読めばよかったと後悔するくらい面白かったです!
ドイツの作者さんとのことですが、舞台はイギリス。ヨーロッパの作品らしく、全体的にどこか湿っぽいミステリーに仕上がってます。
ケイト...続きを読むPosted by ブクログ -
全体的に当たり前のことを書いているだけなんだけど、具体性と詳細さで細やかな部分まで主張を伝えてくる。当たり前のことに詳細に気づくことの難しさを感じるし、そういうことをきめ細やかに内省させてくれる。そして自分で気づき続けなくてはならないことを教えられる。のだが、こういう本を読む人にはたぶん少なからずそ...続きを読むPosted by ブクログ
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今年読んだ中では最大のヒット、いやー面白かった!
上下巻ありながら一気読み。
登場人物みんないろんな事情を抱えてるしそれが全て解決したわけではないし、今後もそれぞれがその重荷を背負って生きていかないと行けないんだろう。そこまでは作品内では描かれてはないので想像するしかないけど。シリーズ化してるそうな...続きを読むPosted by ブクログ -
読書備忘録673号。
★★★★★。
作者の実力が遺憾なく発揮されたミステリー。
時代も舞台もばらばらな場面が入れ替わり繰り広げられ、徐々に全体像を描いていく手腕。しかし、そこに間違いなく感じる違和感。そして巧妙に仕組まれたミスディレクションの罠。さすがとしか言いようがない。
★5つに飢えていたので...続きを読むPosted by ブクログ -
後半からどんどん面白くなった。家族、同僚も知らないまま抱えてる秘密に怯える様子が上手く描いてあった。上巻のプロローグ的な場面の回収が全てをまとめていた。Posted by ブクログ
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凄惨な殺人事件。その被害者は元警部でその娘はスコットランドヤードの刑事ケイト。このケイトの造形がとてもいい。孤独で同僚とも打ち解けることが出来ず落ちこぼれのように思われている。そのケイトの父が殺害されたことで地元警察に協力する。でもそこでもなかなか上手くいかない。次第に見えてくる父の秘密と殺人が終わ...続きを読むPosted by ブクログ
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子供たちが誕生日パーティーに招いたのは、かつてのカンボジアを共に生き延び、この地で共に暮らしていた1人の女性。
一体なぜ、疎遠になってしまったか。
回想と現在を行き来しながら語られていく。
最初は、カンボジアの描写が辛くて辛くてページが重くて、違和感に気づけなかった。
あるところで、あれ?と違和感...続きを読むPosted by ブクログ -
久々に、シリーズの次作を読みたいと思うキャラ、ケイト。スコットランドヤードの刑事なんてどんなエリートかと思うのに、そこでのおちこぼれという…。対人ダメダメで恋人も友人もおらず、自己評価も低い。なんだか身につまされ、どう生きていくのかと気になる。
ケイレブも、アルコールのせいというもっともらしい理由...続きを読むPosted by ブクログ -
16年振りに再会した元恋人の作家と国語教師
二人の会話と回想に加え、作中でお互いが披露する物語を通じて、二人の過去と現在を行ったり来たりする。
帯にミステリーとあったが、所謂「探偵、刑事」物ではなく、すれ違った愛する二人のやり取りで進むストーリーが新鮮だった。
表現が合ってるか分かりませんが、文...続きを読むPosted by ブクログ -
吐露できない気持ちのほとんど全てを共有しました。表に出すことをあきらめていた気持ちばかりです。自分にはどうしようもない渦に巻き込まれて、気づいたら大切な家族まで巻き込んでいて、全力で抜け出そうとしたのに精一杯心を尽くしたのに、また選択を間違えたことに絶望する……その気持ちを、行動を、自分自身では言語...続きを読むPosted by ブクログ
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ドイツクラウスニッツに到着した難民達のバス、アメリカニューヨーク州スタテンアイランドで脱税たばこを売っていたと疑われて警官に取り囲まれたエリックガーナー、共に一方的な他者の憎しみが描かれている。バスの中の難民一人一人の境遇があるにも関わらずな難民として不可視な存在として全てを排除しようとしているので...続きを読むPosted by ブクログ
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読み終えた後、3回以上、メイ家の章を中心に読み返して、やっと状況が理解できました。
口数の少ない上の弟、これがキムなのですね。
パーティーの場面から、ずっと明言が避けられ、まるで、キムが語っているかのように物語が進み、ずっとずっと騙されながら読み進めました。
カンボジアに暮らす、2つの家族、
オー...続きを読むPosted by ブクログ -
クメール・ルージュのあまりの残忍さ凄惨さに、何度も途中で読むのを止めようかと思ったほど。しかし、(訳者あとがきにもあるように)ピースが足りない感がずっとあって、中程からはもう一気読み。終わりのほうで、そうだったのかー!とか、だから〜〜〜だったのか…とかやっとピースがはまり、また子世代の若者たちの明る...続きを読むPosted by ブクログ
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本邦初訳となる前作『国語教師』で度肝を抜かれた作者の最新作。50歳の誕生日を迎えるキムに、末息子が用意したサプライズとは……。多数の登場人物、様々な場所、過去や現在が頻繁に入れ替わり何が起きているのか把握しづらいが、クライマックスですべてが明らかになり呆気にとられた。うーん、これは再読したい。Posted by ブクログ
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唐突に提示される父親の誕生日パーティーへの誘いのメール。
まさに前作『国語教師』の始まりような感じだったので、似たような話かと思いきや、まさかの負の歴史の悲劇と教訓、罪と後悔の物語。
物語への吸引力、読後の胸に残る思いは間違いなく星5つ級。
だが、クメール・ルージュ時代の描写が辛すぎる。
辛すぎて...続きを読むPosted by ブクログ -
それは言葉にできるからとカロリン・エムケは信じる。とても言葉にできない体験も、時間や聞く人への信頼などによって言葉になることもある。聞くこと、伝えることの大切さを説いて素晴らしい。他者の苦しみ、故郷などの体験から語られる文章にも感銘を受けた。彼女の弱者に向ける視線と本質を見極め言葉にする力にこれから...続きを読むPosted by ブクログ
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読書備忘録550号。
★★★★★。
物語はメールのやりとりから始まる。
クサヴァー・ザントなる男性から、マチルダ・カミンスキなる国語教師へ。どうやら、学生時代恋人の間柄だったようだ。
クサヴァーは売れっ子作家で、マチルダが教師を勤める学校で創作ワークショップにゲスト講師として招待されるという構図。ク...続きを読むPosted by ブクログ -
かつて恋人どおしだった作家のクサヴァーと国語教師マチルダ。
マチルダの勤めるギムナジウムで開催を希望した「生徒と作家の出会い」ワークショップで2人は偶然の再会を果たすことになる。
再会までのメール、過去の2人の過ごした時間、再会後の2人の会話、2人の語る自作の物語で構成される本書は結末に至るまでの...続きを読むPosted by ブクログ