浅井晶子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『裏切り』『誘拐犯』『罪なくして』…に続く4作目は『孤独な夜』
わたくしの大好きなドイツミステリの女帝シャルロッテ・リンクの人気シリーズ〜!
主人公のケイト・リンヴィルは優秀な刑事なのに自己評価が低く、特に恋愛については臆病
そんなケイトが慕う元上司のケイレブはアルコール依存症で警察を辞めており、代わりに着任したのはパメラ・グレイボーン警部補だった
そんなある夜、停車中の車の中から女性の刺殺体が発見される
そしてその現場で発見された指紋が、9年前にケイレブが担当した凄惨な未解決事件の現場に残されていた指紋と一致する…
ふたつの事件はどう結びついていくのか?
シャルロッテ・リンクの作品の特徴でもある「特定の人物による回想は要注意!」と気をつけて読んでいるのに、今回もやはり犯人は分からなかった…
そして、今回はこのパターンできたか!だよ…(笑)
でも無関係と思われるような事件が繋がっていき、伏線回収されていく疾走感はたまらない
そしてなんといっても登場人物たちの人間ドラマがこの作品の魅力!
ついつい登場人物たちに感情移入してしまう…
恋愛について一歩が踏み出せないケイトや肝心な時に役に立たないケイレブにはイライラするし…もう友だちくらいの感覚…
でもきっと
それぞれの問題をふたりで乗り越えた先には
「孤独な夜」はないはずよ…(笑)頑張れ!
先日読んだM.W.クレイヴンのワシントン・ポーシリーズはカンブリア州…
ケイト・リンヴィルシリーズはその隣のノース・ヨークシャー州
パメラ・グレイボーン警部補がクリスマスに恋人の待つカンブリアに向かうシーンでは、ポーやブラッドショーにすれ違っていないかな?
もしかしたらその恋人はポーが知っている人物だったりして…
なんて勝手に妄想しちゃってニヤニヤ…
自分が怖い…(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ雪の降り頻る夜、車の中で惨殺された女性。被疑者と思われる男の指紋は、9年前に起きた暴行事件の現場で採取されたものと一致した。ケイトたちは男の行方を追うも、今度は男が死体となって発見される。さらには、消えた介護士の行く先々で関係者が殺害されるという事件まで発生。
これらの事件はどのように繋がっているのか、事件の鍵を握る女性アナはいったいどんな秘密を抱えているのか。最後まで息つく暇なく一気読み。
クリスマスの夜の輝きには似つかわしくない、暗く陰惨な雰囲気が終始漂っている。このシリーズの魅力はなんといっても主人公のケイトにある。新たな上司パメラのもとで事件を追うケイトは、相変わらず孤独を抱えていた。かつての上司ケイレブとの関係にも変化が訪れる。
特にこの作品では、ケイトだけでなく登場人物の多くが何らかの孤独を抱えている点が特徴的。また、前作で迷宮入りしてしまった事件にも大きな進展が見られる。
海外ミステリの中でも特に面白いシリーズ。 -
Posted by ブクログ
相変わらずおもしろかった。
人間の弱い心を克明に描き出すのが本当に上手いね。
登場人物に共感できないのに感情移入させられちゃう。
モノローグやセリフで「寂しい」って言うだけじゃなく、寂しいヤツってこういうことするよなーっていう行動をちゃんと取る。
上手い俳優の演技に近いかもしれない。
今回の重要人物・アナの、嘘を重ねてドツボに嵌っていく過程は臆病者のリアルそのものだったし、
随所でインサートされる犯人の回想も、いかにもありそうな細かいイヤ~なエピソード連発で酷いもんでした(褒めてる)
なるほどこりゃ精神捻じ曲がるわって説得力あった。
事件の真相に迫るステップとか凶行がエスカレートするスピード感とかも熟練の手腕。
(逆に、リンク作品を何作も読んでる身としては「このくだりは手癖でやってない?」と思う箇所も無くはなかったが……)
特に下巻に入ってからは一気読みでした。
続刊も早く読みたいな~~~
今回の内容には関係ないものの、このシリーズ読んで毎回同じこと思うから一回書いときたいこと。
ケイトは日本に来た方が良い。
いきなり移住しろとは言わない。まずは一回、旅行だけでも。
「独身 = 寂しい」って欧米の典型的な強迫観念に囚われすぎ。
おひとり様天国な日本においで。自由を謳歌する中年独身女性の姿を見せてあげたいわ。 -
Posted by ブクログ
ドイツ語圏翻訳者が、ベルリンからポルトガルの限界集落住民10人のところに引っ越した。一番近い人家は1キロ先で、山向かいのS村。ポルトガルにはポルトガル時間というものがあり、家の改修を頼むと1年半やるやると言われつつほったらかされたりする。この時は他に頼み直して修繕した。だがポルトガル人は謝ってくれる。ドイツ人は謝らないので、清々しい気分になれる。
夏には村でお祭りがあり、人口が100人ほどに膨れ上がる。ミサも行われるが、鐘は住民たちがみんな手にベルを持っている。神父さんがギターをパイプオルガンがわりに聖歌を歌う。抽選会でチョリソー2キロが当たる。多すぎてお裾分けしまくる。
庭に葡萄畑があって秋には収穫する。機械を通して潰れた実と果汁にする。1日数回かきまわして、700-800リットルのワインになる。
ポルトガルでは魚をよく食べる。イカもタコも食べる。ドイツのように肉しか食べない場所よりありがたい。 -
Posted by ブクログ
シャルロッテ・リンクの本を読むのは「沈黙の果て」「失踪者」に続いて3作目。
こちらもすごく面白かった!
定年退職した元警部の父が自宅で殺害され、一人娘のケイトが長期休暇を取って実家に帰ってくる。
自身も刑事であるケイトが父を殺した犯人を探そうとするが他にも事件が起きて…
まずケイトの自己評価が低さにびっくりする。
父を亡くしたショックもあるんだろうけど、とにかく暗い性格なので主人公としては珍しいというか、そこが新鮮だった。
続きが気になるハラハラさと、物語がどう転がっていくのか楽しみでぐいぐい読んでしまった。
シリーズものということでこれは2作目もすぐ読まなくちゃ! -
Posted by ブクログ
ネタバレドイツの作家さんはほとんど初めてかも。(ミヒャエル・エンデくらいかな)
この作家さんは法律家でもあるとあって、とにかくリアリティがすごい。
まるで自分がその事件そのものの目撃者かであるように感じさせてくれて、気づけば没入している。
内容としてはいくつかの事件にまつわる短編を読み進めるうちに、主人公エーファの暗黒の瞬間が浮き彫りになってくる、という連作短編集の構成。
ひとつひとつの物語についても考えさせられるし、全体を通してみたときにエーファの弁護士人生の暗黒の瞬間が浮き彫りになっていくところが、読みたいのに読みたくない何とも暗い気持ちにさせてくれる。
人は誰でも間違えるし、時にはとんでもない間違いをおかしてしまうこともある。裁判はその一瞬の側面を切り取って裁かなければならないのだな…と改めて重く感じたし、人間は多面的であるので悪人や善人と簡単にカテゴライズすることもできない、もどかしいところを絶妙に突いてくる本だなと。
訳者のあとがきにも似たような表現がありましたが、後半はもう流れがわかってくるので「ああ〜そっちじゃないエーファ!そっちじゃない!」ってもう見てられない状態に。
見てられないと思いつつ、読む手を止められないのが匠の技ってやつでしょうか。
一冊読み終えた頃にはすっかり人間不信になってしまったけど、なんとも言えない読後感がクセになる。
本国では続編がでているとか。絶対に読みたい!! -
Posted by ブクログ
連作短編集は、せっかくどっぷりハマった世界から離れることなく、違った角度から短編ごとに楽しめるのでそもそも好きなのだが、これはまた、ものすごく面白いじゃないですか!
最初の「正当防衛」で掴まれました。
そして、主人公の弁護士エーファがここまで事件に真剣に向き合うのはなぜか、それが短編の最後に投げかけられる。なにか、あるんだね、最後に明かされるんだね、と思いつつ次々読み進む。
どの事件も、判決が出た後に、思いがけないことが起こる。コントロールできないものがいつも残される。
どの事件も専門家ならではの、法律の穴があり、そうきたか!と唸らされるのだけど、「強姦」は特に、おー、そんな方法が!と驚かされた。
この小説、とっても読みやすいのがすごいと思う。読みやすさと安易さは仲良しだけど、この作品は、この質にしてこの読みさすさ。作家もよければ、翻訳家も優秀なのだと思う。
他の本を脇に置いて一気読みでした。