あらすじ
世界的ベストセラー作家のヘンリー。妻のマルタとは愛し合っていたものの、編集者ベティと愛人関係にあった。しかし彼には、それ以外にも決して明かすことのできない重大な秘密があった。新作が残り20ページまで書き上がったとき、ベティから妊娠したことを告げられる。彼女との待ち合わせ場所に車で赴いたヘンリーは、魔がさしてアクセルを踏み、相手の車を崖から海に突き落としてしまう。しかし、帰宅したヘンリーを驚愕の事実が待ち受けていた……。真実と嘘がちりばめられた、巧緻きわまる長編ミステリ。
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Posted by ブクログ
いやあ、これは面白かった。ピカレスクものになるんだろうけど、型にはまらないユニークな一篇だ。主人公は実に悪いやつなんだが、なぜか共感させられてしまう、その書き方が秀逸。「悪」って一体何なのかと考え込んでしまう。ラストはもう一つスッキリしない感じもするが、まあいいか。
Posted by ブクログ
確かに、「太陽がいっぱい」と比べたくなる。(主人公の人物造型、××が×から出てくる、あたり。)
結末がちょっとどうなのという感想をちらほら見かけるが、私は嫌いじゃないなー。
この虚無感、殺伐とした感じ、クールな感じが、50年代風に思えて、時々出てくる携帯やカーナビなどの小道具に、あ、そうか現代だったのか…とハッとする。
好みです。