松浦寿輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「BB / PP」(松浦寿輝)を読んだ。
短篇集。
表題作の「BB / PP」はかなりグロテスクで、それは私に映画「エクス・マキナ」(監督 : アレックス・ガーランド)を思い出させる。
それ以外はどれもモノクロームの写真を眺めているような静けさを纏い、あるいは色褪せた古い写真を眺めているようなもの悲しさを纏い、読んでいる途中にふと意識が何処か別のところ(かつて自分が通り抜けてきた分かれ道であったり、わずかの間住んだ外国の路地裏であったり)へさまよう。
それほど陰鬱なストーリーではないので眉間に皺は寄らない。(表題作は別!)
なかでも「四人目の男」はけっこうスリリングで良いね。
最後 -
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Posted by ブクログ
講演会で江國香織さんがオススメしていた旅エッセイ。旅エッセイというと旅行先で起きた事件を面白おかしく綴っているものが多いイメージだけどこれは旅行先で筆者が味わったひたすら寂しい気持ちが綴ってある。読んでると「何やってるんだ…」ってなんかいたたまれない気持ちになる。読んでて台湾に行く時に飛行機のエンジントラブルで乗る予定だった便が欠航になった時を思い出した。言われてみれば旅行での楽しい記憶よりそういう寂しい気持ちになった時の記憶のほうが明確に残ってる。他人の寂しい気持ち知る機会なんてあんまりないからそういう意味では新鮮な作品、でも知らない土地の知らない人の寂しい話だからちょっと読み辛さはあった。
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Posted by ブクログ
ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着