高畠純のレビュー一覧
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漢字
フリガナ
文字の大きさ 小
長さ 長い(221ページ)
出版年 1996年
内容 仙人の元で人に化身する術を身につけたきつねが、源義経や佐藤忠信と関わりをもち、人の生き方に触れていく。
感想 徹底した「きつね目線」で、特に、食べるためではないのに人を殺す武士の人の生き方を、不可解に思ったり、批判したり、部分的に理解し始めたりするところが面白い。「武士は最低の部類の人間」と最初は考えるが、義経や忠信の人間的魅力に触れて、だんだんとわからなくなっていくきつね。善悪や正邪をはっきり決めず(決められず)考え続ける姿は、読者にも様々なことを思わせる。歴史が好きなら子どもでも読めるし、大人の読書にも -
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ペンギンとキリンの手紙のやり取りがとても素敵です。
お互いの姿かたちを知らないので手紙で説明し、質問のやり取りをします。
私の特にお気に入りは、キリンから体の色を聞かれたペンギンの返信です。
「色のことですが、色というのはふしぎなものです。
ぼくのすむクジラ岬やふるさとのペンギン島のまわりは海です。ひるまは青です(はれていれば)。でも朝や夕方はちがいます。夜もちがいます。
だけど、どんな色をしているときでも、バケツですくうと色が消えます。ふしきです。
だけどもしかすると、ふしぎなのは色じゃなく海のほうなのかもしれません。
いや、ひょっとするとバケツがふしぎなのかもしれません。
ところ -
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サメってちょっと、見た目がこわいよね。でも、サメ次郎は、じつは気が小さくて、とってもやさしいんだ。
自分のことが分かってもらえないのは、かなしい。でも、分かってくれる人はかならずいる。サメ次郎にとっては、それがカメ次郎で、それからクジラ海のみんなだ。
このシリーズは、どの本を読んでも、「ああ、いいお話だったなあ」って、幸せな気持ちになる。サメ次郎に友達ができてうれしい。
それから、なんといってもザラシーとアザラシ配達員のかたいきずな。ザラシーがアザラシ配達員に向けて書く手紙には、あのクジラ岬オリンピックの出来事も書かれていて、なつかしさと感動がよみがえってきて、ほろり。 -
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クジラのくーぼーから、オットセイのせいちゃんへの手紙を届けるのは、アザラシのザラシー。
今作は、見習い配達員になったザラシーの成長をえがいているよ。『わたしはクジラ岬にすむクジラといいます』を読んだ人なら知っている、あのザラシーだよ! ほら、クジラ岬オリンピックでダントツびりだったところをアザラシ配達員に助けられた、あのザラシー。
このシリーズは他の巻とのつながりがあるから、読めば読むほど面白さが増すし、感動も深くなるし、何より一人一人の登場人物のことがどんどん好きになるんだよなあ。
みんなが好きなのはだれかな? この本を読めばきっとザラシーになるかもね。先生は、ザラシーを見守っているア -
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さあ、この本でも、クジラ海のゆかいななかまたちがかつやくするよ! ものづくりが大好きなカメ次郎はお店をオープンするし、クジラ海郵便局ではお手紙教室が開かれます(なんと先生はアフリカにすむキリン!)。この2つの出来事が楽しくえがかれていくよ。
カメ次郎は、ひどいことをしてきたガメ太郎の気持ちを理解してあげるんだ。
「ひょっとして、あんさんも、ものを作ることがお好きで?」カメ次郎がききました。
「はい! 好きです! 大好きです! うまくないけど•••」108P
キリンさんは、ペンギンさんとの文通を振り返って、あのときのうれしさを語る。
「でも、想像ってすごいです。心の中ではどこにだっていけ -
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「おいらは1匹ラッコです。でもたまにはおきゃくさんがきてもいいかなとおもってるんだ。」
自分のことを「いっぴきラッコ」とよぶつよがりなプカプカのもとに、ある日「いっぴきウミガメ」のカメじろうがやってくる。このカメじろうがちょっとあやしい。
「いったいなにものなんだろう」「なにをかくしているんだろう」と、ぎもんをもちながら読んだ。そのこたえは、とってもすてきだった!
ふたりがともだちになる様子を見ていると心がぽかぽかしてくるよ。それにしても、日記に自分のことを書いてくれるって、すごくうれしいよなあ。
このシリーズは、手紙や日記がすばらしい。
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カメくんとイモリくんは、お隣同士のなかよしさんでした。しかしある日、大雨が降ってイモリくんの家が、二人が住む川岸から遠く離れたヒキガエル池まで流されてしまい、引っ越しを余儀なくされてしまいました。
「イモリくんは、池のくらしに、なれたかな。」
一年経った夏の日、カメくんとイモリくんは再会しました。
ルビは振ってあるものの、思ったより文字が小さくてボリュームのある話だなと最初に思いました。
読み始めると、全く気にならないくらい、可愛くて優しいお話で、読みながらほっこりしました。
ある程度二人の関係に慣れて愛着が湧いてきた頃に、家が流された時のお話が挟まれ、その構成の良さに、なるほどこれはい -
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カメくんとイモリくんは突然の大雨でヒキガエル池に引っ越して冬が来て春になろうとするころに遊びに行く話です。さわの動物たちの冬の様子も楽しいです。最後の演奏会もとっても大盛り上がりになりました。カメくんとイモリくんが実のなるきのたねをまいたところで、ユスラウメの木が、どの実のなる木よりも早く、うすもも色の花を咲かせました。
いっしょに実を食べたい絶対その方がおいしいと思うんだとイモリくんからの手紙で終わりました。
ユスラウメは私の住んでいた家にあった木でなつかしく私の誕生日の頃になっていたから忘れられないです。作者のいけだけいさんの滋賀県にもきっと庭にユスラウメがあったのでしょうね。 -
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なんで、しまうまがぜんいんおんなじきもちになるのかがふしぎだった。
ぞうのこどもがかわいかった。あめやひざしをよけたりするだけじゃなくて、きけんなときも、おとうさんやおかあさんのおなかのしたにかくれるよ。
ひとつひとつのおはなしがぜんぶおもしろかった。
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夜明け、朝、お昼まえ、お昼、昼さがり、お昼と夕方のあいだころ、夕方、そして夜。サバンナの一日を、いろいろな動物たちの視点から描いた作品。サバンナに生きている動物たちの愉快な暮らしぶりがぷかぷかと心に浮かんできて、遠いサバンナにいる動物たちが知り合いになったかのような心もちになった。
シマウマの群れをびっくりさせようといたずら