高畠純のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間を知りたいという、一風変わったきつねが、白駒山の仙人のところでくらし、
人に化けることを学んでいく。
狐の好きな言葉で言うと、修行する、若いきつね白狐魔丸の成長日記。
山を降り、故郷を目指す折り、
源平の戦に巻き込まれ、人が戦い殺し合うことを疑問に思いながら、仇討ちなる人の感情を知っていく。
きつねの真面目なキャラクターと、飄々とした仙人とのやりとりがおかしく、また語り口もやさしくて、とっても読みやすい。
きつねをからかいながら、さらりと大切なことを教えていく仙人さながら、読み手をぐいぐい引き込む。
尾っぽが化けきれないきつねに、仙人が、尾は「空」だと解くところもとても良かった。
修行したがるきつねに対して仙人の言うセリフもいい。
「滝にうたれて、ああ、おれは苦しい修行をしているんだと思って、気持ちよがっているのは、温泉につかって、ああ、いい湯だ、といっているのと、変わりない。」
戦の描写は辛いところもあるけれど、人情を学ぶ白狐魔丸と一緒なら、ゲームみたいに人が死ぬ感覚とは違う大切なものがわかるはず。
ちょっと、アーサー王伝説を思い出しながら(斉藤洋さんも訳している)騎士道も武士道も、どこか貫いたものは同じで、かっこいい。
この本は、本が苦手な子にも進められるんじゃないかと思うし、私のように日本史が苦手な人も楽しめるのだー -
Posted by ブクログ
ネタバレ武士の世に生きていたら自分はどう生きただろうか。
主人のために死を選ぶ事ができるのだろうか。
白狐魔丸と仲良くなった武士たちは大体みんな死んでしまって、なんだか虚しさが残る。
戦の理由は大抵権力争いで、人が死なないだけで大なり小なり諍いは現代でも起きている。
いつの世も争いばかりでイヤになる。
白狐魔丸は楽しんで修行をしている。
確かに自分の成長を実感しながらの鍛錬は楽しい。
自分も修行したくなった。何をしようか。
白狐魔記を読むと、昔勉強した歴史を思い出す。
今なら教科書の内容よりももう少し深く歴史を学べる気がするし、学びたいとも思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ仙人さまと白狐魔丸のやりとりにいちいちもえる。
お師匠様弟子のこと、めっちゃ大切にしとるやん!
狐目線が自然で嫌みなく素直なとこがいいよね、と思ったら、ルドルフの作者なんだからさもありなんですよね、と。
あと日本史には疎いので、勉強になります。ムー的説もこの作品に限り納得です。
そして2巻目にして、正体わかりましたね!いやぁ素敵な距離感。これからも関わってくると期待します。しかしそこまで気に入られたとは時輔と雅姫の出会いとか、どんなエピソードがと気になります。
狼との距離感も素敵で。
というかこの文章雰囲気は高尚です。こういった酒脱な?雰囲気をだせる作家は尊敬してしまいます。
手元に置きたいけど、単行本は厳しい。新書サイズか文庫ででてくれないのかな。 -
Posted by ブクログ
5巻になる本書はシリーズの中では長い方で、天草の乱を中心に比較的短い期間の出来事をほとんど時間を飛ばさないでじっくりと描いています。シリーズの中でもこの巻は超能力バトル的描写が多めです。これまでの巻では超能力者がほとんど歴史の傍観者に留まっていたのに対し、ここでは歴史の流れ自体に関わっていることもあって、超能力ものとして楽しいです。特に前半の超能力の修行のシーンが、私はなんだか好きでした。またフィクションとはいえ、日本史を習うときにはごく簡単に通り過ぎてしまう天草の乱が細かく描写され、実情とはかけ離れているかもしれないにしても想像をすることができたのも嬉しく思いました。時貞の未熟で不遜な性格には納得感を感じました一方で、彼の動機、狙い、周辺の人間との関係などもう少し描写して欲しかったように思いました。このシリーズではすべてのシーンが白狐魔丸の一人称描写なので、描写しきれない部分だったのかなと思います。特に泣かされたり笑わされたり、はらはらさせられるようなところはありませんでしたが、息子も普通に楽しんだようです。