羽生善治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2017年に書かれた本だが古さを感じさせない普遍性がある。そこが羽生善治さんの本質を見抜く力であり凄いところだと思う。
・人工知能は関係のあることを選び出すことが苦手。フレーム問題。爆弾付きのバッテリーがある時に、①爆弾ごと運び出す、②副次的に発生しうる全ての事象を考慮に入れてスタックする、③爆弾とバッテリーに関係あるかどうかを無数に考えてスタックする、ことでいずれも爆発する。
・ロボットは分散学習が可能であり、複数のロボットに別のことを学習させ統合することで、飛躍的に開発速度が高まる。ロボットの運動が人間に追いつき追い越すことも可能かもしれない。
・一つのゲームで学習した知識を他のゲームに -
Posted by ブクログ
ひたむきに挑戦し、多くの挫折を経験しながらも非凡な成果を世に残した人物には皆「ある共通の価値観」が備わっているように思えた。
それは「手放せば始まる」ということだ。
本書において羽生氏は「所有」という概念について述べている。これは私個人としても非常に重要視しているテーマであり、まさにフローとストックという考え方の根幹を成すものである。
ここで言う所有(ストック)とは、単に「持っている」という表層的な意味に留まらない。
羽生氏が述べるには「所有している」という事実が人間に満足感を与え、人によってはさらなる渇望や期待を増幅させるものとなる。
それは例えば「コレクションしたい」という欲望であれ -
Posted by ブクログ
そもそもiPS細胞について理解出来ていなかったので
概要を理解出来ただけでも満足だった
iPS細胞は万能細胞とも言われており、名前の通りざっくり言うと何にでもなれる細胞ということだ。
この万能細胞自体は人間が生み出せるものではなく、受精卵の時にのみ万能細胞としての機能があるために、分化した細胞を初期化して未分化の状態(受精卵の状態)に戻す仕組みであると理解した。
バイオ3Dプリンターなる存在も初めて知るものだったが、今でもサイフューズという会社がバイオ3Dプリンタを用いた開発を行っており未来の創出の可能性を感じた。
この本自体はもう7年ほど前のものではあるがまだまだ今に通ずる話が書いてあ -
Posted by ブクログ
「決断力」というタイトルながら、テーマは決断力に限らず、筆者の将棋師・勝負師としての人生論が語られている。個人的には、次の一節を心がけたい。
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一つのことに打ち込んで続けるには、好きだということが根幹だが、そういう努力をしている人の側にいると、自然に良い影響が受けられるだろう。さらに、ペースを落としてでも続けることだ。無理矢理詰め込んだり、「絶対にやらなきゃ」というのではなく、一回、一回の集中力や速度、費やす時間などを落としても、毎日、少しずつ続けることが大切だ。無理をして途中でやめてしまうくらいなら、「牛歩の歩み」にギアチェンジしたほうがいいと思っている。 -
Posted by ブクログ
将棋というテーマを語る中で、羽生さんの考え方や将棋の特徴から、様々なことに通ずる見方・考え方を発見できた。
著者は最後まで、『自らで行動や実践を繰り返し経験を積む』ことの重要性を説いている。
また、それを自身の対局の心構えやイメージに照らし合わせ、新しい発見の喜びや出会いの奥深さを説得力をともなって読者に投げかけている。
全体的に、不利な状況や嫌なこと等の『ネガティブ』な要素を、発想の転換によって『ポジティブ』な考え方にしていることも本書の特徴である。
「純粋に好き」・「楽しい」・「嬉しい」・「やってみたい」・「やる気」・「絶好調」等の『ポジティブ』な言葉をキーワードとして、物事を捉え直し