【感想・ネタバレ】先を読む頭脳(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

天才は何がすごいのか? そんな素朴な疑問を、誰もが認める天才棋士・羽生善治をモデルに徹底解明。将棋との出会い、勉強法、対局で大切にしていることなど、本人が明かす驚愕の思考を最新科学がすっきり整理し、ついに能力の秘密が明らかになっていく。常に多くの決断を迫られる将棋だからこそ、その極意は人生の様々な局面にも生きてくるはず。向上心ある日本人のための画期的な一冊。

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Posted by ブクログ

"羽生さんという将棋のプロ、名人、天才といわれている人の思考のメカニズムに迫ろうというのが本書。
羽生さんが語る言葉は、思考を言語化するお手本ともいえる。自らの思考を言葉で表すことはとても難しいこと。そして、その言語化した思考について解説もしてくれるのが本書の特徴。
できる人の思考回路を除き見ることで、我が身にも活用できるものなのか?思考の見える化を志した良書。"

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2018年10月21日

Posted by ブクログ

羽生善治の将棋的世界観を 
認知科学(伊藤)と人工知能(松原)から
科学的にアプローチする。

コンピュータはニンゲンの知的行動を模倣する。
ニンゲンの臨機応変な対応。
的確な判断を直感的にくだす。
経験的な知識を用いて常識的に考える。

羽生善治の『頭脳の回転の速さ』『泰然とした余裕』
的確に、わかりやすく応える。
自分の思考力を極めて客観的にとらえる能力。
→メタ認識。
それを包みかくさず理路整然と説明する能力。
→自己説明能力。

超エキスパートの形成
ステップがある。
『友達から教わる』『興味』『どんどん指す』『道場に通う』
『さらに専門書などを読んで自分で勉強する』
『自分を見つめるメタ認識』
『自分なりの学習スタイル』
『反射思考』『熟考する』
『パターンで理解する』『理解する』
『10代で将棋の骨格が決まる』
『センス』『継続力』『飽くなき情熱』
『熟達化すると言うことは、無意識で処理できる』

コンピュータには、ニンゲンの直感や常識の扱い方がわからない。

考えることは、『新しい課題をみつけつづけること』
→『問題発見能力』

『序盤戦研究』『知識の体系化』『手で覚える知識』
→絶対将棋感。
羽生善治は、どんな将棋でも指しこなす。
『将棋を理論的にとらえることを定着させたのは羽生善治』
それ以前は 対戦相手との駆け引き。
『指運』『勝負勘』

『できるだけ可能性を残す』
『この手を指すぐらいだったら、むしろ指さない方がいい』
『将棋とは 対応する手を見つけるゲーム』
『形勢判断は流れから』
『時間配分とメタ思考』
『発見と創造ーそれがモチベーション』

熟達者の思考プロセス
局面→良さそうな手→先読み→確認→一手。
コンピュータは 膨大に読む。
網羅的検索 ー 直線的検索。
静的評価関数 ー 大局観。
膨大な検査により評価値の高いものを選択 ー 経験に基づく直観

『情報の集約力』
問題局面→局面理解→候補手生成→先読み→評価→次の一手
『流れ形勢判断をする』

『棋は対話なり』
→相手によって指し手は変えない。
『棋風』
『内的な要因と外的な要因』
『負けから学ぶこと』『言語化の重要性』

トッププロの記憶力。
コンピュータの思考方法とトッププロとの思考方法が
まったく違う。
思考方法が どう追いつくかになってくるのか?
思考方法が 変えないと行けないのか

確かに 羽生善治によって
将棋そのものの闘い方が 大きく変化している。
その変化に対して、一番良く見えているのが
羽生善治なのかもしれない。

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2016年03月13日

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本当に頭のいい人は、難しい内容を平易な言葉で
とても分かりやすく話すんだなと思った

将棋の歴史や奥深さ、また羽生さん自身の強さの秘密についてなど
ページ数はそんなに多くないけれど内容の濃い1冊
将棋のルールはまったく知らないけど、かなりおもしろかった

あと、数学大嫌いなド文系の私ですが、
認知科学という分野にはすごく興味がわいた!

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2016年02月06日

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ネタバレ

チャンクという考え方が良かった
今は米長邦雄さんがコンピュータに負けたのだが、それを予言した本でもある

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2012年04月29日

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「自分は選択の幅をたくさん残しながら、相手の手は限定されるように指していって、ゲームが進むにつれて、最終的に相手には戦略的に有効な手がないという場面だすのが、理想的な指し方となるのです」

 これはあらゆるゲーム(囲碁・チェス・戦争・外交・経営・政治等々)について言える、まさに究極的な考え方ではないかと思う。あらゆるゲームの手段、戦略は相手がどういう手を使っても、それに対して互角か勝つ状態を作ることを方向として持っている。

 またそれはゲーム内における戦略オプションをいかに豊富に持つかということだけでなく、時にはルールさえも変更することをも考慮に入れるべきものである。

 ゲームに弱いプレイヤーとはつまるところ下手に動いて、自ら戦略オプションを減少させることをいう。つまり、ゲームにおいて考えることは、
・自分の戦略オプションが増えるように行動すること
・相手の戦略オプションが減るように行動すること
のいずれかでしかない。

 ほとんどのゲームにおいて、詰めろの局面までが読めない段階では「防御は最大の攻撃」である。相手の出すカードを見てから、自分の出すカードを選ぶ方が有利になるからだ。例外と言えるのは、ゲームの構造上、戦略オプションを獲得できる地点(ポジション)が明らかな場合は先制攻撃が有利になる。いわゆる天王山である。

 問題はそのポジションが定点なのか動点なのかということである。つまりポジションが明示的、限定的であるならば先制攻撃はクリティカルヒットになる。しかし、それが暗示的、発生的であるならば後手が有利になる。発生条件が後手で決定することが多いからである。そのためにはゲームのルールとルールの可変性を見極めることが決定的に重要である。

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2012年04月28日

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人から教わり、興味からどんどん実践し、道場に通い、専門書などで自分で勉強するという学習プロセス。
ある分野を掘り下げて、考え続けること。

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2011年09月28日

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将棋の話なのですが、これは勉強というか色々なことを学ぶことに応用がきく内容だと思いました。かなりお薦めの本です

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2011年03月01日

Posted by ブクログ

本当に頭のいい人は、難しい内容を平易な言葉で
とてもわかりやすく話すんだなと思った

将棋の歴史や奥深さ、また羽生さん自身の強さの秘密についてなど
ページ数はそんなに多くないけれど内容の濃い1冊
将棋のルールはまったく知らないけれど、かなりおもしろかった

あと、数字大嫌いなド文系の私ですが、
認知科学という分野にはすごく興味がわいた!

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2011年02月20日

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将棋を取り上げていますが、内容は脳科学よりだと思います。

なぜ、将棋でコンピュータ相手に人間が勝てるのか不思議に思って買いました。

だって、コンピュータが全パターン予想すれば人間が勝てるわけないでしょ?

本書を読めば、人間の不思議、特に脳の不思議に興味を持つのではないでしょうか。

脳科学的に重要だと思ったのは下記1点のみでした。

「人間はある事柄を理解するとき、その事柄を自分がすでに持っている知識に照らし合わして、なんらかのマッチングをとって解釈している」

この点は非常に重要だと思います。
上記のように、すでに持っている知識に照らし合わせるのであれば、すでに持っている知識が多いと照らし合わせる数が増えます。そして、照らし合わすことができた数だけ記憶に残る可能性が高くなると思うのです。したがって、大人になったからといって記憶力が低下するという見解はこの側面からは考えにくいです。なんせ、人間の脳の容量は無限に近いと言われていますから。

このように考えると、大人になってからの勉強の仕方を変えたりしなければいけないのかとも考えさせられます。

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2011年02月19日

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羽生さんが何を考えているのかを科学的に考察していく本。センスと継続力...羽生さんのすごさには感服させられました。

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2010年05月07日

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超おもしろかった!
羽生さんの頭の中を覗かせていただき勉強になったなぁ
やっぱり、何かを習得していくには見よう見まねでパターンを自分の中に作ることが土台で、そのうえで熟考して自分らしさを作っていくもんなんだなぁ。

シンプルなんだけど、よく迷ってしまう自分の選択方法。
これ読むと、「やっぱそうだよね」と納得する面が多くて、
じゃぁ20代半ばのあたしはどう生きていこうか、と人生にも応用できると思います。

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2009年12月10日

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至る所に考えるヒントが散りばめられています。スポーツにも仕事にも役立つ考え方を学べると思います。とくにメンタル面で学ぶところが多いです。

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2009年10月13日

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とても面白く読めました。
将棋って自分ではやらないので、トッププロがどのように考えているのかなんて、まったく理解もできない世界。それが読みやすく解説されていて、興味深かったです。

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2019年01月02日

Posted by ブクログ

まだコンピュータが人間を将棋で破ることができなかった時代の話で、懐かしくもある。
羽生さんのメタ認知的な能力、言語化能力はやはり高い。また、脳科学者が羽生さんとその他のアマチュア棋士とで脳の働きを研究した結果なども出ていて面白い。棋士の記憶力が圧倒的というより、棋理に適う直観というものがあって、ランダムな指し手とかは覚えるのが難しいよう。

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2018年08月07日

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羽生さんと脳科学者お二人の共著。羽生さんが自身の将棋観、子供のころからのトレーニングなどについて語り、それを科学的な視野から二人の科学者が解説していく。
将棋における序盤、中盤、終盤の考え方、他のボードゲームと将棋の違い、大局観の重要性、コンピュータの発想と人間の指す将棋の発想の違いなど興味深い話が満載で、ビジネスにも生活にも非常に参考になる。中でも、羽生さんが他の著作でも強調されている大局観の重要性については、あらためて共感しました。
将棋好きにはたまらない1冊ですが、そうでなくても十分に参考になる。それは、第一人者の羽生さんがここまで自分の思考をオープンにし、研究材料として提供する姿勢があればこそ。羽生さんという極めて稀な人材を得た将棋界のなんと幸せなことか。

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2011年11月22日

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羽生名人のたおやか且つしなやかな思想を科学的な視点から解説した一冊。将棋を使った様々な実験結果なども載っていて面白い。

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2011年04月21日

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「良い手を見つける」「形勢判断する」といった、先を読む力たるや脱帽でした。数十手先を読む、ビジネスの世界にも応用出来る内容が書かれていると感じました。

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2011年01月30日

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これ面白いね。天才が頭の中で何考えているか、という問を人工知能、認知科学の視点から明らかにした本。この本の中で沢山出てくる言葉が、大局観、つまり全体を見渡す力、単なる視野の広さだけではなく直感力も含むことなんだけれど、この部分非常にわかり易く人類特有の理解力の一端に触れたようや気がした。サッカーでいうと中田が持ち合わせている能力、瞬時にフィールド全体を見渡して情況を理解する能力なんだろうな、と。

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2010年09月30日

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人工知能とかの話が全然興味なかったけどちゃんと読めばそれらしい事を言っているのがわかった。

そしてやっぱり注目すべきは羽生さん。説明がとにかく分かり易かった。だから逆に天才オーラが消えていたwww

話すの中で感じた大事な事は、物事を形で認識する事、若い内に経験を積む事、そして考え続ける根気。

天才はそれ相応の蓄積がやっぱりある。持って生まれたセンスは本当に少ないんだろうな。。。

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2010年07月06日

Posted by ブクログ

迷いが生じる、あいまいである。
だからこそ直感が生まれる、直観は経験の中で磨かれる。
羽生さんの強さんの源がありそうです。

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2010年04月11日

Posted by ブクログ

天才は何がすごいのか?そんな素朴な疑問を、誰もが認める天才棋士・羽生善治をモデルに徹底解明。将棋との出会い、勉強法、対局で大切にしていることなど、本人が明かす驚愕思考を最新科学がすっきり整理し、ついに能力の秘密が明らかになる。

タイトルに惹かれて衝動買いした身としては、少し期待外れでした;;でもでも、羽生さんの将棋への姿勢や考え方がとてもおもしろかった!それを勉強や対人関係に活かすのは可能だと思う!将棋がわかればもっと楽しめるのだろうなあと思った一冊でした。

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2010年02月06日

Posted by ブクログ

けして、賢くなるためのハウツー本ではありません。学術的な視点から羽生さんの思考法を研究しているものです。何より人がどんな風に考えているのかが記述されていることが興味深いです。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

将棋の事はよく知らないのですが楽しく読めました。
五感で感じる事の素晴らしさを再確認。
言葉という決まりの中で表せる事ってほんの一部なんだろうなと思った。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

将棋やったこともないし、ルールなんてもちろん知らないし、そもそも羽生さんの存在は知ってるけどなぜそんなに凄いと言われているのかすらよくわからない…そんな「3ない」の私でも読み通せるほどには、いろんなことを砕いて説明してあって比較的読みやすかったかなあと思います。
久しぶりに小説以外の本を読むのも、頭のいい気分転換になる。

一番興味深かったのは、羽生さんは「メタ認知」の能力に大変優れているのではないか、という考察。
自分を客観視して、何が足りないのか、それを埋めるためには何が必要か、ということを冷静に考える能力に長けていると。
これはどの職種にも関係なく、優れた人、成功する人に共通する特徴なんだろうなと思ったりした。

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2023年05月15日

Posted by ブクログ

将棋における「先を読む頭脳」を研究している。前半は主に「将棋脳」とでも言うべきか、将棋に長けた人達の思考方法を研究している。後半は主にコンピューター棋士の発達の仕組みの研究だ。

将棋は他の似たようなゲーム(チェスなど)に比べて「取った駒を使える」のが独特のルールで、それが指し手の複雑さになり、チェスに比べてコンピューター棋士が強くなる速度が遅れた。その性能はソフトよりもハード、計算速度の早さで決まるものらしい。

羽生氏は「コンピューター棋士は指し手の読み込みは早いが、人間味のある指し方はできない。それができるようになれば面白い」と語っている。コンピューター棋士の研究だけに留まらず、人工知能の研究などにおいても同様だろう。どんなにコンピューターが強くなってもプロ棋士という職業は無くならないことが伺える。「揺さぶりをかける」「戦法を変える」など、相手との心理戦は、人間同士の勝負の大きな魅力だ。

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2021年02月25日

Posted by ブクログ

天才であることは言うを待たずだが、言語化能力と言い、自己認識力と言い、神は幾つの才をこのお方にお与えになったのかと思わざるを得ない。
この本は最終的には脳科学へのフォーカスが目的だったのかもしれないが、結局偉人とはどういう人物を指すのか?をご本人が説明してくれたということかな。いやいや凄い人物と同時代を生きさせてもらえるなと改めて思った次第で。

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2018年01月21日

Posted by ブクログ

二人完全情報確定ゼロ和ゲーム。勝敗が明確で、情報が完全公開され、不確定要素を含まぬゲームという事だ。駒の役割が限定的である以上、どんな打ち手にも必ず勝てる道がある。しかし、その解析は天文学的数値の世界に入らざるを得ない。その世界で勝負しているのがプロの棋士たちであるが、そこにコンピューターが挑む。

複雑な相互作用や役割の無限性を許容するなら、人間社会も同じような解析が成り立ち得るか。いや、無限性といいつつ、個々の反応は、ある常識という想定可能な範囲に留まるのであるから、まるで社会は盤上のように。従い、このことが勝ち組を生み、出来る奴は出来るというカラクリが生まれる。この個々の反応を読む力が感受性であり、感受性と論理性を備えた人間は、多くの課題に王手をかけ、解決する力を持つ。

将棋という世界の盤上は、それより遥かに限定された中で、お互いの感性と論理を戦わせる場だ。完全論理とは、網羅するシステムだが、コンピューターが勝つためには、その完全な網羅が必要だろう。人間には不可能だ。網羅ではなく、感応力で情報の行間を理解するようにならねば。

2022年8月に再読。棋士は学校にも通常に通えず、だからと言って必ずプロとして大成するわけでは無い厳しい世界である事を再認識。しかし、どこまでいっても視聴者を必要とする娯楽に過ぎず、かつ、そのゲーム性はコンピュータに打ち破られる。ゲームにAIが参入し、いずれ人間のプレイヤーが居なくなるのだろうか。人間の不完全性を楽しむ所に娯楽性があるのではないのか。

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2014年10月06日

Posted by ブクログ

自分の好きな人の一人である、羽生さんの本です。
少し前にコンピューターとプロ棋士が対局して、プロ棋士が負けたのが話題になったのを思い出しました。
チェスの世界ではコンピューターが人間と同等以上の戦いができるのに対して、将棋は「取った駒を使える」というルールによってゲームが奥深くなり、コンピューターはトッププロには及ばないと言われていたのも昔の話になりました。
本書で羽生さんはコンピューターが強くなるのを「楽しみ」と感じている様に思いました。いつも相手の得意戦法を拒まないスタイルもそうですが、男らしい!の一言です。

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2013年07月13日

Posted by ブクログ

私にとっては、かなり知っていることが多かった。
将棋とチェスのルールの違いによる特徴、また勝負に関する考え方の違いは興味深かった。

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2010年03月14日

Posted by ブクログ

将棋の羽生さんからヒントをもらおう!
の本

とても面白いんだけど、将棋の基礎知識がないのでむずかしくって、
途中で断念。

でも確かに、ヒントはもらえる本。

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2009年10月28日

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