羽生善治のレビュー一覧
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羽生名人はとても分かりやすく対局中の思考の流れを言語化しているのに、対談相手の吉増剛造氏はそのせっかく分かりやすかった言葉を「翻訳しますね」と言いながら見当はずれな俗物的なものに置き換えていく。一冊通して感じたのは羽生さんの言葉の本質に迫る鋭さと、雑音のような吉増さんの…なんて言うんだろう。自分語り? 自分を語っているわけじゃ無いんだけど…美しいものを自分の縮尺で置き換えて納得しているんだけどその縮尺がすごくペラペラしたものに見える。詩人だというのに言葉の選択に鋭さがないし、とにかく羽生さんのセリフを読んでへぇーと思い、次の吉増さんのセリフを読んではあ?と思う、の繰り返しでした。
途中でこの人は一体どんな詩を書くの?と気になって検索しましたが…私にはあれは詩じゃないかな。一篇の中に綺麗な一説があって、その周りを適当なもので飾り立てているような感じ。
羽生名人の思考の流れにはますます興味が湧いたので、他の対談かエッセイを探します。 -
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将棋やったこともないし、ルールなんてもちろん知らないし、そもそも羽生さんの存在は知ってるけどなぜそんなに凄いと言われているのかすらよくわからない…そんな「3ない」の私でも読み通せるほどには、いろんなことを砕いて説明してあって比較的読みやすかったかなあと思います。
久しぶりに小説以外の本を読むのも、頭のいい気分転換になる。
一番興味深かったのは、羽生さんは「メタ認知」の能力に大変優れているのではないか、という考察。
自分を客観視して、何が足りないのか、それを埋めるためには何が必要か、ということを冷静に考える能力に長けていると。
これはどの職種にも関係なく、優れた人、成功する人に共通する特徴なんだろうなと思ったりした。 -
Posted by ブクログ
今最も有名な将棋棋士といえば、藤井聡太。しかし、棋界のレジェンドと呼べるのは羽生善治を筆頭に長い将棋史の中でも数人しかいません。羽生が登場したとき、100年に一人の逸材といわれていましたが、50年も経たずに藤井聡太が現れたのは、AIの功績かもしれません。
羽生善治が初めて打ち立て未だに破られない記録は数えきれないほどあります。その羽生をして、破られていない大山康晴の記録があります。その1つが、タイトル戦連続登場の記録です。羽生23期(3年)に対して大山50期(10年)。昔はタイトル数も今より少なかったので、よりすごい記録ですね。
とはいえ、その怪物大山の記録をことごとく塗り替えたのが羽生善治です。
そんな天才、羽生善治の思考方法や素顔に迫ろうとする企画本です。各対談を通じて、羽生が決して将棋バカではなく様々な好奇心と興味を示し、自分の言葉で語る姿は社会人としても立派な人物だとわかります。
奥さんとの馴れ初めやデートなどプライベートな部分や、対局の夕食休憩には1時間離れたレストランでのサンドイッチを食べるルーティーンだとか、勝ちの見えてきた終盤での手の震えについても語られます。
前人未到の記録を作ったということもさることながら、羽生以前には「将棋は人間の総合力」という「道」としてのイメージを、単なる「ゲーム」だと一人で刷新した功績は「年功序列」や「盤外戦」とは決別した現代将棋の基礎を作ったのではないでしょうか。もちろんその過程では、A級順位戦初参戦の羽生が4冠タイトル保持者ではあったが順位戦上位の中原や大山の上座に平然と座ったことで叩かれたりもしましたが、きちんと勝負に勝つことでその後は誰も何も言わなくなったのが、1993年の「上座事件」です。
また、チェスのボビー・フィッシャーが日本で拘束されたときに、嘆願書を小泉首相宛に出すなど行動の人でもありました。
羽生善治(はぶ・よしはる)
1970年埼玉県所沢市生まれ。二上達也九段門下。1985年、プロ四段になる。史上3人目の中学生棋士。1989年に初タイトルとなる竜王を獲得。1994年、A級初参加で名人挑戦者となり、第52期名人戦で米長邦雄名人を破って初の名人に。将棋界の記録を次々と塗り替え、1996年には谷川浩司王将を破って、前人未到の七冠独占を達成。どんな戦型も指しこなすオールラウンダー。2014年には4人目となる公式戦通算1,300勝を史上最年少、最速、最高勝率で達成。2017年、第30期竜王戦を制し、すでに保持していた永世名人、永世王位、名誉王座、永世棋王、永世王将、永世棋聖を合わせ、「永世七冠」の資格を獲得した。最近は将棋界だけでなく、AI知能との未来についての対談・取材を精力的にこなす。広く財界の人々との対談からその考え、生き方を広めていく活動も続けている。将棋界のスーパーヒーローである。 -
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ネタバレ棋士羽生善治と山中伸弥教授の対談本。表紙とタイトルが読者煽りすぎててあまり好きではないけど、第5賞「人間にできるけどAIにできないことは何ですか?」の選択肢を絞る大局観、経験を基にした直感力で勝つ確率を上げるの凄いわかる気がする…。経験に支配されず固定概念を作らないようにするのが大事!山中教授も元々整形外科医で、研究に没頭し始めたりと、無知だからこそ怖いもの知らずで飛び込めるのは成功者あるあるだなあ。慣れ親しんだ行動様式を変えると全身から不快感を感じるけど、飛び込んで概念壊してく教授好きー(しんいち)。ウルドさんの本でもあったけど、ポスドクの研究テーマ見つけるの大変だなあ。無意味に意味がある、は勇気づけられる。