羽生善治のレビュー一覧
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将棋における「先を読む頭脳」を研究している。前半は主に「将棋脳」とでも言うべきか、将棋に長けた人達の思考方法を研究している。後半は主にコンピューター棋士の発達の仕組みの研究だ。
将棋は他の似たようなゲーム(チェスなど)に比べて「取った駒を使える」のが独特のルールで、それが指し手の複雑さになり、チェスに比べてコンピューター棋士が強くなる速度が遅れた。その性能はソフトよりもハード、計算速度の早さで決まるものらしい。
羽生氏は「コンピューター棋士は指し手の読み込みは早いが、人間味のある指し方はできない。それができるようになれば面白い」と語っている。コンピューター棋士の研究だけに留まらず、人工知能 -
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ネタバレ
なにかを成し遂げた人の言葉は重いし響くなと思った。その辺の人が言ってたら素通りしてしまいそうなことでも!
特に印象に残ったのを2つ。
·子供の頃から小さなことでも「何かを成し遂げた」経験はすごく大事だということ。自分の中に「努力と成果のモノサシ」があることで不安な時間にも耐えて努力することもできれば、自分には向いてないと諦めもつく。
·どんなことでも前例がある。自分が置かれてる状況や悩みは既に誰かが経験してるケースがほとんど。どうやってそこから脱出するかはじっくり探せば絶対に見つかる。
特に後者については今ものすごく悩んでいてそこから脱出する術もわからず、諦めかけている皆に読んで欲 -
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▼目的
・上司のお勧めの本。物事を対極的に捉えることで動作に余裕が生まれるのではと考えたから。
・「テンパるのは自己位置を把握していないから」という格言に近しい考え。
▼エッセンス
⭐️物事に取り組む前に、一呼吸付き、戦局の全体像を俯瞰すること。
・そして何通りもの手を考えること。
・プロ棋士は数千ものパターンの手を考えるが、どれが適切かは、直感で大体分かってしまう。瞬間で3手に絞れる。その直感は経験によってのみ磨かれるのだとか。
・リスクにきちんと向き合い、リスクに伴う恐怖や不安に打ち勝つことが永久的にリスクを取り続ける王道。
・1番手強い敵は漠然とした不安。
・最も良いパフォーマンスを発 -
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ネタバレ山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長と、羽生善治棋士の対談形式になっています。
科学と将棋の世界でのAIの位置づけや今後どのようになっていくのだろうかというお話が、それぞれの専門の立場で語られて非常に興味深かったです。
帯に書いてあるような「10年後、100年後の世界の予言」は出てこないのですが・・・。
本書の中で、「将棋で言えば、現状、AIは過去のデータを基にその場その場で一番いい手を指してくるのに対し、今日は攻めて行こうとか、持久戦でいこうといった「対局の流れ」から次の手を指すことはできない」というのが印象的でした。(もちろん今は流れを読むような研究も進められているようですが。)
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山中先生は当然として、羽生さんの知識というのか教養の深さに驚きました。AIについて、かくも深く知っているとは。
シンギュラリティは、私は来ないと思っているのですが、そういうことよりも、大切なのは、人間を特徴付ける一つである「知能」とは何なのかを考えてみること、そしてまた、人間とは何なのかを考えてみることだと、この本を通して思いました。
本書の最後の方で、山中先生の「生物って本当にすごいです、人間にしてもよくこんな精妙なものができたなと思います。例えば進化論が説明するような偶然の産物だけで本当に僕たちはできているのかなと感じる時もあります。」との言葉が一番心に響きました。 -
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羽生さんのような、いわゆる“凄い”人が何をもって判断しているか、羽生さんなりに自己分析された本です。
個人的にですが、半分は共感できますが半分は共感できない、そんな内容でした。
羽生さんはこの本を40代前半で記されているので、その年代に近い方々には、“自分を信じて判断してね”といった内容は響くと思います。
一方、現在20代の自分には、その判断材料となる経験が浅く、またその経験の積み方にも不安があり、どうにも納得できませんでした。
20代向けの自己啓発は大体、
・熱中できることを見つけろ
・熱中できることに集中できる環境に身を置け
・挑戦あるのみ
と書いてありますが、羽生さんはそれを前提とし