羽生善治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
羽生名人による「直感力」について書かれた本。棋士として感じていること、今までの経験、出来事など、言いたいことを飾ることなく述べている。気楽に読める一冊。
「調子を測るバロメータは「見切る」ことができるかどうか」p27
「直感を磨くためには、無駄と思われることが大いに役立つことがある。」p39
「何が何でも思い切ったことをしてやろうとしていたのが、昔の若い頃だった。しかし、それでは冒険をすることが第一義になってしまう。あの頃は、「やってもよう」「やってやろう」が目的だったのかもしれない。今は、過去に誰かが通ったとか結論のあるなしといったことを中心に考えるのではなく、自分が行けると思うかどうか、自分自身の判断や意志に重心を置くようになってきた」p110
「人は必ず、アウトプットしながら考え、それを自分にフィードバックしながら、インプットされた知識や情報を自分の力として蓄積していく(インプットばかりしていてはダメ)」p117
「「あきらめてはいけない」と言うのは簡単だが、必ずしもあきらめないことがいいわけではない。時には潔くあきらめることも必要だ」p130
「私は、1年間で50~60試合くらいの対局をしているが、今日はノーミスで100点満点だったと思えるような対局は、よくて1年に1回とか2回」p139
「私はこれまで公式戦で、合計1600局くらい対局をしてきているが、中で一度、うっかり「一手詰」を見逃して負けたことがある。あれは2001年、竜王戦挑戦者決定戦の三番勝負の一局目だった。そのときは、30秒か40秒もの間、私は全く気がつかなかった。「血の気が引く」という表現があるが、それに気づいたときは、そんななまやさしいものではなくて、血が逆流したような感じだった。そんな状況に気づいた瞬間、私も慌てたが、対戦相手の木村一基さんも、おどろくほどの慌てようだった」p140
「ある時点でミスをしてしまうと、それまで築いてきた作戦や構想、方針といったものがすべて崩れてしまい、もう一度最初からやり直さなくてはいけない」p143
「(ミスをしたときは)(その場で)反省をしないこと。(反省は後でするもの)」p145 -
Posted by ブクログ
二人の会話を読んでいると、今のところはまだ人間はAIを制御できており、AIが人間を超えてくるのはまだ先のように感じた。しかし話していたように、近年AIの進歩は目覚ましく、数年後も想像できないようなスピードで進化しているためいずれ人間の役割が問われる時代が来ることも確かである。現段階ではAIは「優秀な部下の一人」であり、それを利用するか否かは人間が決めるところと言っていた。AIは確率論的には正しいデータを持ってくるかもしれないが、人間は必ずしも確率に縛られた決断をするというわけでもない。AIから見れば無謀とも思えることに挑んでいき、時にはデータ通り失敗することもある。しかし時にはAIにも予想できなかった結果が起きることもあるだろう。そこに夢やロマンをかけて挑戦していくという点が感情を持った人間と持っていないAIとの違いかもしれない。