羽生善治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「決断力」というタイトルながら、テーマは決断力に限らず、筆者の将棋師・勝負師としての人生論が語られている。個人的には、次の一節を心がけたい。
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一つのことに打ち込んで続けるには、好きだということが根幹だが、そういう努力をしている人の側にいると、自然に良い影響が受けられるだろう。さらに、ペースを落としてでも続けることだ。無理矢理詰め込んだり、「絶対にやらなきゃ」というのではなく、一回、一回の集中力や速度、費やす時間などを落としても、毎日、少しずつ続けることが大切だ。無理をして途中でやめてしまうくらいなら、「牛歩の歩み」にギアチェンジしたほうがいいと思っている。 -
Posted by ブクログ
将棋というテーマを語る中で、羽生さんの考え方や将棋の特徴から、様々なことに通ずる見方・考え方を発見できた。
著者は最後まで、『自らで行動や実践を繰り返し経験を積む』ことの重要性を説いている。
また、それを自身の対局の心構えやイメージに照らし合わせ、新しい発見の喜びや出会いの奥深さを説得力をともなって読者に投げかけている。
全体的に、不利な状況や嫌なこと等の『ネガティブ』な要素を、発想の転換によって『ポジティブ』な考え方にしていることも本書の特徴である。
「純粋に好き」・「楽しい」・「嬉しい」・「やってみたい」・「やる気」・「絶好調」等の『ポジティブ』な言葉をキーワードとして、物事を捉え直し、人生で大切なことまでも示していると感じる。
粋で、寛容で、まっすぐで、柔軟な羽生さんの将棋に対する思いと生き方は、読者にポジティブな刺激をもたらしてくれる。
とてもいい本でした。 -
Posted by ブクログ
羽生善治 闘う頭脳
著:羽生 善治
文春文庫 は-50-1
対談集と関連するエッセイでできている不思議な書です
巻頭で勝つために必要な6つのプロセスが提示されます
それは
①目標設定
②情報処理
③自己管理
④コミュニケーション力
⑤大局観
⑥モチベーションの維持
そしてそれに続く7つの力
①思考力
②勝負力
③発想力
④人間力
⑤持続力
⑥考える力
⑦捉える力
羽生をいろいろな角度から眺める書であると思いました
気になったのは以下です。
・試行錯誤によって、自分の戦法の精度を上げていくというアプローチを繰り返しました
・情報過多な時代では、自分にとって必要な情報、知識というのは、日々刻々と変わってゆくものです
だから、迷ったら大胆に捨ててしまい、必要なタイミングで拾いあげればいいのです
・対局の現場で、棋士は「読み」と「大局観」の2つを駆使しています
・将棋では、はっきりと答えがでないものについて考え続ける能力が必要とされています
・エジソンの有名な言葉に、「1%のひらめきと、99%の努力」というものがあります
・うまく能力を伸ばして行くためには、スイッチを次々に切り替えることが必要なのだと思っています
・知識の積み上げの結果つけられる「知恵」の一つに「直感力」があります
そしてもう1つの大切な「知恵」が、「見切り」です
・つまり、将棋の勝負においては、新たな判断の選択肢を「得る」よりも
まさに思考を捨ててしまうこと、判断をある段階で断ち切って決定する「見切り」のほうがむしろ大事なのです
・将棋で一番大変なのは、似て非なる局面をたくさん覚えておかないといけないことなんです
覚えてもちゃんと理解し、その後、意味あるものとして効果的に使えなければ意味がない
わすれた時に、自分がどれだけ理解していたかが分かります
・「ひらめき」:たとえそれが1秒にも満たないような瞬間的な出来事であったとしても、なぜそれを選んだのか、あるいは選ばなかったのかをきちんと論理だてて説明できるものです
・逆に「直感」とは、何故だかわからないけれども、これはやってはいけないとか、こうしなければならないとかというように、理屈では説明することができないものです
・「木を見て森を見ず」とは、部分ばかり見ていて、全体を把握していない、理解していないことの例えとしてよく使われます
・「大局観」は、その逆に、全体を見た時に、今どうなっているのか、どういう流れでここまで来たか、あるいはどういう方向にむかっているのかというような抽象的な、大雑把な概念として捉える見方です
・将棋の世界には、「長考に好手なし」という格言もあります
・連続性や法則性、規則性のあるものは結構簡単に大量に覚えることができます
・ミスを重ねないためには、一息つくことも大事で、例えばちょっとお茶を飲むとか、外の景色を眺めるとか、僅かな時間でいいから一息つくことで、元の冷静さを取り戻すことができます
・もう一つはその瞬間に集中することです
・反省はするけれども、後悔はしない
・プロはスランプになるのが当たり前で、むしろ好調を維持するほうが難しいと思いますね
・師弟とはたんなる上下関係ではない、ということですね
・最善手というものは、人間が考え出すものではなくて、実はもうあらかじめ盤面に提示されているものであって、「手を読む」というのはそれを発見する作業なのです
・後で、詰むか詰まないかの判断を誤ったことは反省しなきゃいけないと思ったんです
つまり、詰んでいて、それを詰ませられなくて負けたならいい、という言い方は変ですけれど、
そもそも詰みのない局面だったわけで、前提の判断が誤っていたのです
目次
はじめに
巻頭ロングインタビュー 勝つための6つのプロセス
特別収録 エッセイ 原点の頃 羽生善治
羽生善治の思考力
羽生善治の勝負力―七冠プレイバック1995‐1996
羽生善治の発想力
羽生善治の人間力
羽生善治の持続力
特別語り下ろし対談 「考える力」と「捉える力」×沢木耕太郎
公開トークライブ 七冠制覇は、自分の力で成し遂げた気がしませんでした×阿川佐和子
ISBN:9784167905835
出版社:文藝春秋
判型:文庫
ページ数:384ページ
定価:660円(本体)
発売日:2016年03月10日第1刷
発売日:2016年05月25日第2刷 -
Posted by ブクログ
2005年に出版された羽生善治の本
中原誠や米長邦雄などの逸話
加藤一二三の継続力などの話題もある
他には若い頃の振り返り
今の自分との違い
将棋だけでなく、他の業界の人にとっても有用な考えが沢山
目先の一勝ではなく、将来のために考える
集中するには余白が必要
これは、ジョン・ハンター「小学四年生の世界平和」で語られてたエンプティスペースの考えにも通じる
余白がないと目の前の事に集中するのもなかなか難しいですからね
熱意を持って将棋に向き合い続けられるのがプロ
瞬間的な力ではなく継続力こそが必要
出版された当時は三冠だったか四冠だったか?
今や無冠で九段と呼ばれている現状ですけど
先の藤井六冠とのタイトル戦にしても未だトップレベルであるのを感じたし
以前の棋風とも違う現代の流れを踏襲しつつ、他の人が指すようなコンピュータの評価値にとらわれない戦法を選んでいるあたり、まだまだ熱意は失われていないのだなぁと感じる
そんな羽生さんを跳ね除ける藤井七冠がものすごい別格という事なんだよなぁと改めて思う