羽生善治のレビュー一覧
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ネタバレ将棋界最強の棋士である著者が、勝負に対する考え方をまとめた本であり、天才棋士の頭の中を垣間見た心境。
当初は、感情の起伏もなく、常に冷静でコンピューターのような思考回路なのではという勝手なイメージを持っていたが、「プロといえども感情の起伏はある。ポカをやらかせば自分自身に腹が立つし、予想外の手を指されれば動揺する。」と述べているところなど、著者の為人に触れることができ、大変興味深く、また著者を身近に感じることのできる本であると思う。
しかし、やはり凡人とは大きく違うと痛感させられるのは、将棋にとどまらない広範で重層な識見と、それらを支える知的探究心である。
例えば、集中力の深さというテー -
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「自分は選択の幅をたくさん残しながら、相手の手は限定されるように指していって、ゲームが進むにつれて、最終的に相手には戦略的に有効な手がないという場面だすのが、理想的な指し方となるのです」
これはあらゆるゲーム(囲碁・チェス・戦争・外交・経営・政治等々)について言える、まさに究極的な考え方ではないかと思う。あらゆるゲームの手段、戦略は相手がどういう手を使っても、それに対して互角か勝つ状態を作ることを方向として持っている。
またそれはゲーム内における戦略オプションをいかに豊富に持つかということだけでなく、時にはルールさえも変更することをも考慮に入れるべきものである。
ゲームに弱いプレイ -
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読み終わった、、といいものか、どうか。。。多分いけない(笑)
この本で、というか、羽生さんの印象は、変わらない。さすがは、当代きっての天才、いや『人物』です。かれは、幼少のころから、頭角を現し、長く、本当に、ナガク、トップランナーです。言っていることも、納得の、ことが、多い、稀有な、トップランナーです。
彼を中心というか、周りの方々も、渋い、ひとが多く。。。彼の心境の変化、というものが、言葉や、態度や、棋風に表れ、表現され、みんなの心に届き、あらゆる、変化、となって、世の中をよき方向に『押し上げる』ことの可能性を持った、可能性の人、かな・笑
印象の変わったのは、むしろ、茂木さん、この対談 -
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Posted by ブクログ
将棋の羽生さんと海洋冒険家の白石さんの対談。2010年。一見共通点のなさそうな二人の対談。一流の人はお互いに通ずるものがあるようだ。
二人とも小さな頃に興味を持ったことをずっと続けて、気がついたら今の位置にいた、らしい。外野の音を気にせずに興味のあるものに傾いていくと、そして、ある種の運が舞い込んできたときにそれをタイミングよくつかめると、道を究めるような一流の人間になれるようだ。本書の中では風、もしくは、風向きと表現していた。納得できるポイント。
また、本書の中で印象的だったのは、将来の自分の夢、期待するものとして、羽生さんが言った内容。夢を描いてそれを成し遂げる自分も良いが、予想できる -
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将棋を取り上げていますが、内容は脳科学よりだと思います。
なぜ、将棋でコンピュータ相手に人間が勝てるのか不思議に思って買いました。
だって、コンピュータが全パターン予想すれば人間が勝てるわけないでしょ?
本書を読めば、人間の不思議、特に脳の不思議に興味を持つのではないでしょうか。
脳科学的に重要だと思ったのは下記1点のみでした。
「人間はある事柄を理解するとき、その事柄を自分がすでに持っている知識に照らし合わして、なんらかのマッチングをとって解釈している」
この点は非常に重要だと思います。
上記のように、すでに持っている知識に照らし合わせるのであれば、すでに持っている知識が多いと照 -
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”考える”ということをテーマに棋士 羽生善治と脳科学者 茂木健一郎が対談した貴重な一冊。
この対談に棋士 羽生善治の対局の真髄が見えたような気がして、非常に興味深かった。
対談形式の本というのは話がはずむほど、各論良し、総論悪しになることが多い。本書においても茂木氏は自身の持ち味を発揮し、話を予期せぬ方向に拡散する。しかし、羽生氏は常にテーマに応じた的確なポイントに話をシンプルに打ち返してくる。まさに、水平に広げる茂木 VS 垂直に深める羽生という構図で対談が進んでいくのだ。
特長的なのは、羽生さんは将棋盤の上を逸脱する話は、一切しないということだ。それなのに、話はあらゆる方向に広がってい -
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忙しければ忙しいほど脱線しまくりで
別のことをしたくてしたくてたまらなくなる、って経験
ありません?
僕はついに本まで買って、読んでしまうわけだ。
「自分の頭で考えるということ」
(茂木健一郎×羽生善治著 大和書房)
昨日(9月9日)かな?
グーグルは検索語句を入力し終える前の、
最終的に検索をクリックしなくても、語句を入力していくと
的確な情報を予測し、表示するサービスを始めるとの
ニュース発表があったばかりだ。有料ながらアメリカから始め、
数ヵ月後にはヨーロッパでもこのサービスを開始するようだ。
ヤフージャパンもこの世界ではグーグルに委ね、
「全検索」の世界では一人勝ちの様相を呈し