草間さかえのレビュー一覧
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BL界のめざましい進化には驚きを隠せません。すごいよ、このジャンル。そして海野センセさすがです。面白かった。
なんと今回のメインキャラは、理工学部経営工学科教授で、お世辞にもカッコいいとは言えないオヤジ教授の春井48歳です。フケ専というBLが当たり前になりつつあるのはうすうす感じていましたが、草間センセにここまで手加減なしにばっさりおじさんを描かれるとさらに実感します。
おちこぼれの避難所と揶揄されている春井の研究室に入ってきたのは、場違いにもほどがある優秀でクール美人の伊瀬。そして春井は偶然彼が書いていた恋文を見てしまうのですが、「好きです。だからやらせて下さい」なんていう、身も蓋もない文章。呆れた春井は、おそるおそる恋文作成を手伝うことに。
春井視点で進むこの話、おかしくて吹き出したり、キュンキュンさせられたり、先はどうなるのか無性に気になって真剣に読み進んでしまいました。春井は、年長で本来ならば先生としての威厳も備えなければならない立場なのに、学生相手に強気に出られずオドオドしてしまい、伊瀬がたまらず助け舟を出してしまうほどの気の弱さです。でも、春井は気が弱いだけじゃなくて優しさもあるし、理系なのに素晴らしくロマンチストです。そんな春井の魅力に気がついて5年間も片想いしていた伊瀬も同じくらい不器用なんですが、優秀でクールなので周囲には全くわかりません。ただのツンツンで絶対嫌われていると誤解されてしまう残念さが、春井の鈍くささと絡んですごく上質なラブコメに仕上がっています。
読み進むうちに、伊瀬はなぜこんなおじさんに?と感じていた疑問がだんだん溶解していき、春井のいいところがこちらにもいっぱい伝わってくるようになります。控えめで研究熱心で乙女なところもあってその歳でまだDT!という、春井のペースがセチガライ世の中にはまるでオアシスのようです…
伊瀬もまた理系な秀才のくせに、情緒的にはなってなくて結構必死なのに春井に気持を伝えるのが下手くそすぎで笑えたけど、ちょっとかわいかった。相手が春井じゃなくても伝わらなさそうで。
春井が、恋文の相手を自分じゃないのだと思ってしまうところもせつなくて、だからこそ最後の伊瀬の積極的な態度が読んでいて本当に嬉しくなりました。そして、結ばれた後の春井の決意がすごく胸を打たれました。恋にあたふたしていても、根底では強さもちゃんと持っていて、伊瀬の目に狂いはなかったと思わせてくれます。 -
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短編集。
担当さんからボツにされたり、到底書けないと思われたものを集めたもの。
…そのコンセプトに惹かれて発売日までドキドキしていました。市内にある大きめの本屋に発売日にいったらなくて、迷った末にネットで注文。
届いた瞬間にがっちり読みました。
「ちょっとだけ!最初のだけ読むだけだからね!」と思って開いたのに、雲田さんの足フェチマンガでスッコーーーンと落ち、15分かけて全部読んじゃいました……。
恐るべしダメBL…。
一人で立つぐらい自立した子なのに、なんだろうこの魔力…。
読んだ感想ですが…「どこがダメなのかさっぱりわからない」という…(笑)
たしかにアンケートはとれないかもしれない、でもこの作品たちが受け入れられる土台は、とっくにBL読者層持ってると思うんですが!!
少なくとも私は入手してから~6回読み返しました。
今すっごい満ち足りてます。
今回収録しきれなかったものもあると聞いてますので、これがシリーズ化してくれることを祈ってます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ草間さん以上に郷愁を感じるBL作家さんはいないんじゃないかと思う。
戦後間もなくの2人を描いた短編2本
(時代背景の描写が細かい上に、南国での日差しの強さと日本の色彩の柔らかさのコントラストがどうしてモノクロの漫画で表現できてしまうのか衝撃な作品)
幼馴染まつわる短編4本
(少しわかりにくい表現もあるけれど、1本目の性に対する目覚めの艶のある描写がたまらない)
短編1本
(茶道の先生と高校生の話。シンプル。どうしてもおまけ感が強い)
とにかく今回は装丁の美しさが印象深い。
購入する前にすでにこの鮮やかな青に目が覚めるようだった。
今までの草間さんになかった色彩の鮮やかさが新鮮 -
Posted by ブクログ
手離しで大絶賛。短編なのにすごく印象的な4組のお話でした。
まずは表題作。あの枚数で、南方戦線の切羽詰った状況と、部下の早川と隊長の竹内が想いあっていることをドラマチックに描き出すテクニックはすごいと思います。
自分の頬を打たせる早川、聴力を失った振りをした竹内。はっきり言葉にしなくても、戦場という二人きりの楽園を見つけていたんですね。すごく、隠微です。
「パラダイムロスト」では、戦後のどさくさに他人の家に住み着く図太い家族のエピがリアリティ感抜群。ご近所の絆も優しさあふれていて懐かしい感じがいっぱい。
そして、なんといっても濡れ場が素晴らしすぎた。浴衣姿に和の艶がにじみ出てましたね…
そして、「1と2の間」から続く、バレー部の話も好き。愛すべきキャラが多数登場です。モロオカだけが悪人。哲男がアホのコで純粋でいいコ。正良は彼によって救われること間違いなしです。しかし、正良が最強エロかった。
でも何と言っても一番胸にキュンときたのは、みっちゃん。いいです。無口で怖そうなのには隠されたわけがあったんですね。彼の気持ちにはっきりと気づいたあとの鶴田もいいです。策を練って、彼の嫉妬を煽って誘っちゃうあたり、鶴田も相手への恋愛感情に気づいたんだなーと思わせました。本音を語らないまま高校からずっとすごしてきたみっちゃんの気持ちが成就して、よかったと思わせるエンディングです。
どれも短編ですが、深くてじっくり読める作品です。 -
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ただのしょたえろかと思えば、意外に純情!まあ、ぐちょぐちょだけど。
「何が悲しゅうて この歳で夢精か」「キスくらいさせろ!」「一緒に逃げよう どこでもいい」おっさん必死。普通に考えたらただの変態だけども、なんかかわいいな。さすが草間さかえ氏。しょたがあんまかわいくないからかな(笑)
表題作「てびき」シリーズ、「散髪唱歌」(やおい的ご都合主義!いい意味で)、「ピンナップ・スタア」(切ない、儚い、美しい、そしてえろ)、「雨のち晴れ、ところにより雪」(攻さんの言う人間関係のこつは正しいけど難しいよね。これくらい、悲壮感のない大人な受が好き)、「ばんごはん」(がちしょたえろ。なのに家族愛のオチがあったかい)収録 -
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ちょっとレトロなムードで哀感漂わせつつ、胸キュンあり、笑いありで、奥行きあるドラマが描ける草間センセ。
年下わんこ攻眼鏡×バツイチリーマン眼鏡。
という二人の設定、背景は読み進むうちに明らかになります。そうやって、読み解いていくのが毎回楽しみ。
二人だけの世界に、周りが絶妙に絡んでほのぼのしたり、クスリと笑わせる場面が続出。
セリフやちょっとしたエピソードに味があって、印象的なのも素敵です。
気に入ったのは、「俺は好きだ」って意味でかわいいって言ってます、と照れながら朝倉が言うところ。
男にはちょっと微妙な言い回しに、こめられた想いが感じられて、ぐっときます。
笑ったのは、元妻が「私を仏壇みたいに扱う」とこぼしたセリフ。ものすごくわかりやすくて、篠田にぴったり。大事にして手を合わせるけど、形だけであんまり心が伴ってないかんじ。不器用な篠田の雰囲気が滲んでる。
そして、一番ツボったのは、会社の女の子の「おかず全部真ん中がないのよね」
すごい!この一言でどれだけ篠田が朝倉にラブラブか分かっちゃいます。胸がキュンキュンしましたよ。端っこマニアではありません。おいしそうなところのみ彼にあげちゃうお弁当作りは、いい年の男のクセに恋する乙女思考です!
こういう、細々としたところにドキリとするものがあって、タダモノではないと痛感させられる作家さんです。
カバー下の、飼犬ゴローの犬も食わない話、うけました。 -
Posted by ブクログ
主役のふたり以上に、脇役の個性が強い作品が多いなあというのが全体の感想。なのでBL的恋愛以外の部分に楽しみがあっていいですね。まぁ、ガチBLなんですけど。
「イロメ」わんこ系生徒×眼鏡の先生。このひとの絵は、美しい訳じゃないけどえろい。そこがいい。
「花いちもんめ」高一×高二(但し3留で二十歳)。この先輩は美人系なんだろうな、現実的な「キレイな顔」を描ける絵柄。そこがいい。あと妹ちゃんが気の強そうな美人で大変好みです。
「うらはら」「あつくてつめたい」堅物無自覚童貞×わんこ系たらし。なんか、このふたりは長いこと入れずに戯れてそう。女知っててガチゲイじゃないたらし君は、いくらめろめろに好きでも受けられるのかな。逆はもちろん無理だろう、頭の容量オーバーでフリーズするわ。あと友人たちがかわいい。上手く表現できないんだけど、善良で等身大でばか、みたいな。
「カオス」わんこ系元生徒×先生。ひげにコンプレックスをもっている先生(あんまり描かれてないけど)(あとひげコンプってホモでもGIDでもない男のひとでももってる(私の夫も割とそう)と思うんですが、この先生はどういうカテゴリにいるんだろ?)。イロメのふたりも出ているよ!普段常識人でちゃんとしてるひとが、自分のことになるとめろめろって萌えますね、しかも体育会系アホの素質もあるってね。あ、イロメの先生の話です。事務の杉浦さんが好きです。