草間さかえのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ内容(「BOOK」データベースより)
それは7月3日、涙の日と言われる日だった。中古貴金属買取店に勤める座波は、閉店間祭に婚約指輪を売りにきた男性客に気まぐれに夏みかんを振る舞った。無表情で淡々としていた男がふいに「おいしい」と言って涙をこぼし、その出来事は妙に印象に残った。だが数日後、ホテル街で女にひっぱたかれた場面を、伴の客・矢神に目撃され…?愛を見失った男と心を見失った男の、センチメンタル・グラフィティ。
今回も、いい感じのシーンが沢山あって嬉しい。
二人で居るときのシーンで、なんか色っぽいなと思ったのは、これ。
夏みかん食べながら涙する。
風呂上がりにも関わらず、二人してネクタイをキッチリしめる、その後、お互いのネクタイをはずしあう。
後輩君を助ける酒席の一幕はカッコイイ。 -
Posted by ブクログ
草間作品も「草間さかえ劇団員」によって演じ分けられるのだが、それはキャラの描き分けが出来てない、と言う事ではなく、草間作品を構築する上では劇団に属する俳優が演じ分けする手法で事足りている、と言う事だ。一口に絵が上手いと言っても漫画の世界では色んな種類がある。止め絵のクオリティーを求めるあまりに脂の抜けきったポスターの羅列のようになってしまう人もいる。草間さかえさんの絵は非常に「癖」があるのに「上手い」のである。デッサン力が合って、余計な線を整理しながらも漫画に必要な線は入れて行く事で、独特な世界観を構築されている。デッサン力は「動植物」の緻密な描き方を見れば一目瞭然だ。
泉太郎の「闇」さえないかもしれない空虚さと真反対にいる春生のコントラストが非常に気持ちいい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【ネタバレあります】
今までも何となくそれなりの問題?があった4人だけど、今回はそのうちの2人に大変な出来事が!
最初に茨木がトルコで消息不明になります。
テロで爆発したバスで毎朝通っていたはずなので、巻き込まれた可能性が高い、と。全然連絡が取れなくて、京橋先生はすぐにでも現地に行きたかったけれど、身内でもなんでもない立場ではどうすることもできずにただ待つだけという。
最初は、ああ、ネタがつきちゃったのかな?と思ったけど、その後の二人をめぐる楢崎の価値観とかが、この後に起こるまんじの急病でいろいろ変わって行くわけです。
まんじは、机の角に頭をぶつけたけど平気~とへらへらしているので楢崎もそうかとそのまま寝てしまうのだけど、夜中に異様な物音で起きてみたらトイレで吐いた状態で意識を失っているまんじをみつけて、医者としてそれなりに冷静に対応して救急搬送したけど、翌朝、そのことを知った京橋の目からみて憔悴しきった楢崎の姿があって。
それまで、まんじはあくまでも恋人ではなく身体の関係もある同居人、の体を崩さなかった楢崎に心境の変化が訪れて。
もちろん、無駄にプライドの高い楢崎が素直に気持ちを言い表すわけでは無く、最大の譲歩的なセリフが「来年も同じように一緒に桜を観よう」
「それまで何があっても自分から家を出て行くことは許さない」という、上から目線の命令だったのだけど、まんじにとっては、それだけで十分すぎるセリフで。
読んでいてこっちまでジーンときました。
ジーンときたと言えば、トルコから戻って来てしばらくした後に、ちょっと甘いものを食べたいね、といって漁った冷凍庫で見つけたアイスクリームが、実は茨木が行方不明で何も食べられなかった京橋が当時せめてアイスクリームくらいなら食べられるかな、って買ってきたものだった、そしてそれを今茨木が見つけて救って食べさせてくれてる、そんななんでもない幸せに涙するシーンでは私までもらい泣きしました。
はっきりいって、こういうザ・事件です!的なのはどうかな?って思っていたけど、こういう非日常な出来事を通して人間関係って成長して構築されていくのかもしれないな、って思いました。 -
購入済み
え、まさか、終わり??
毎回ジェイクにイライラさせられてきた本作(笑)。が、別れて清々ガイと幸せに!とも行かず(当然正当な攻め様ポジはジェイクだし実はガイもショボかった。。(笑))。。ジェイクのノーマルさを主張するため結婚やアドリアンと付き合いつつも(別れてからも)SMつながりのBFと続いていたりと余りに自分のことばかりな素行に再びムカッ腹。彼の葛藤や苦悩を確かに理解出来ないけどそれ差し引いても酷いんじゃないか、と。。でもそんなジェイクの最後の決断と取った行動でそれらの嫌悪感も簡単にひっくり返されましたが。。惚れた腫れただけでなくこのウエスタンな人々独特の時にドライだったり独立心のやたら強い個性、無論本当に男性の目から見て構築された世界観だからこそ、甘いだけでは済まされないでも深いところに絆を感じられる後味が好きですね。アドリアンの問題呼び込み体質(笑)も絶好調ですが、ジェイクの最終決断によってもお続編はない匂いが。。せめて2人に蜜月を〜と思うのは私だけ?
-
Posted by ブクログ
月村センセのラブコメじゃない作品もすてきです。地味な恋愛ものかもしれないけれど、地味でもぐっとくる味わいはさすがだと思いました。
母親のネグレクトによって小学6年で育った町から離れ、東京で学生寮を営む祖母にひきとられ暮らしている芙蓉。その学生寮に、なんと小学生の時片想いしていた西澤が下宿人としてやってきます。
再会ものはいいですね。
芙蓉は野に咲く可憐な小花のような男の子です。おとなしくて、目立たなくて、でもよく見ればすごくかわいいし、一生懸命働いて尽くしてくれる…みたいな。
タイトルがいいです。懐かしい響きのある言葉ですよね。
雑草や野の花に詳しい芙蓉にぴったり~
…そしてイラストが草間さかえセンセ。レトロなかんじがもうぴったり。というか、「草」つながりってことでしょうか???
だとしたらすごいわ編集部。
芙蓉が恋愛に対しても自分自身についても自信無さげで、大丈夫かなと心配させられますが、西澤が思った以上にステキな王子で安心させられました!さわやかなんだけど、ちょっと執着系ww芙蓉は一生手放してもらえないと確信です。
手つなぎやキスに、ものすごくときめきました。ドキドキです…!
こういう素朴な恋愛展開が新鮮で、胸に沁みる今日この頃。
あとがきに親近感持ってしまいました。メルヘンで良いと思います!
また読み返したくなるストーリーでした。 -
Posted by ブクログ
隊長と部下、戦時下のストイックな規律と上下関係から生まれた純愛。
南方戦線での状況下、たびたび問題を起こしては処罰される部下・早川と、厳しい隊長の竹内。
二人の間にはある秘密があって…。
そして時代は終戦を迎え、復員船で祖国に戻った二人は共に暮らすようになるが――。
男同士の情愛の儚さを、当時の風景を濃密なタッチとともに描いた表題作とその続編。
ほか読み切り5篇を収録した、ファン必携の作品集。
収録作品:「どこにもない国」「パラダイムロスト」「1と2の間」「0と1の間(前編)」「0と1の間(後編)」「0か1の世界」「もののことわり」「遠き島より」 -
Posted by ブクログ
ホテルを舞台にしたお仕事もの。働く大人の男同士の恋愛という何とも言えないドキドキ感を、肌身に感じるまでの心理描写でたっぷり楽しむことができました。
草間さかえセンセのイラストも、物語をさらに味わい深いものにしていて、とてもよかったです。
ハイスペックなのに残念なイケメンの天宮が、美しくて上品で完璧なコンシェルジュと評判の朧谷に心惹かれていく様子を、最上のラグジュアリーを提供しなければならない仕事内容を絡めながら描き出していて、ストーリーに引っ張り込まれました。
腐女子のハートをギュッとつかむテクに長けているかわいセンセです…
高級ホテルというだけで興味津々ではありませんか。そこできびきびと働くホテルマン、制服…そしてゴージャスで美味しい食事!ステキなホテルライフにうっとり。
「玉村」の鯛ちらしを一度でいいから食べてみたいです。
でも、その裏には優秀なホテルマン達の並々ならぬ尽力があるんですね。
華やかで厳しい仕事に身を置く天宮と朧谷の、意外に不器用な恋愛と地味な私生活に親近感を覚えつつ、二人がはやくくっつかないかな~とヤキモキさせられました。
公私のギャップが何ともいい感じの二人にニヤニヤしてしまいました。
指輪の件もありきたりなようで、そこに天宮と朧谷のラブラブ感が限りなくにじみ出ていて、すごくゴチソウサマな気持ちになりました。
とても楽しめたお話でした。