佐藤青南のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SNSの裏アカウントを特定するインターネット上専門の探偵である潮崎真人と、彼によって裏アカウントが特定され就職試験に落ちた大学生の灰原茉百合のバディもの。
ある日、茉百合が見つけたアカウントの主が殺人犯ではないかという疑惑が浮上する。
今の時代ありそうな物語で、SNSの怖さを改めて感じた。主人公の職業もそうだし、ネット上の恋人から貰った写真の流用とか、SNSで繋がった相手が実は危ない人だった……とか。何となく投稿した写真や情報からこんなにも簡単に特定されるのか、と。
茉百合のしたたかさにはしてやられた。
終盤は怒涛の展開から予想外の結末を迎える。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾。
県警本部の通信指令室を舞台とした連作ミステリー。
プロローグで「万里眼」に復讐を誓う不気味な人物の存在が描かれ、「万里眼」こといぶきに危機が迫っている中、いつも通り、謎の通報の真相を見破っていくいぶきとそれを見守る指令室のメンバーと捜査一課の和田。
徐々に怪しい人物がいぶきに近づいていることが各章で描かれているが、何となく話が恋愛要素に寄り過ぎていて、どちらをメインで描きたかったのか、いまいち分からなかったのが残念。
この作者さんのシリーズものは、あまり長く続かないので、次回あたりでいぶきと早乙女の恋愛話が決着して、終わるのかなぁ。恋愛パートより、本来の謎解きパートを多めにし -
Posted by ブクログ
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初の佐藤青南さんの小説
主人公は企業から依頼された応募者の
SNS調査業務が生業。
誰にでも見せる表の顔や建前を発信する
メインのアカウントではなく、
愚痴や本音を吐き出すための裏の顔(裏アカ)を
見つけ出して生計を立てる。
やけにリアリティがあって、
就活の時期だったら現実味が色濃すぎて、
ゾッとして怖気付いたかも知れません。
SNSで趣味嗜好が合う人と知り合って、
相互フォローしたがために殺人鬼に目を
つけられるなんて、楽しいだけではない
SNSの怖い一面を改めて意識させられました。
屑を自覚する主人公が、逃げ癖や諦め癖、
行き当たりばったりで生きてきた人生から
嘘と正面切っ -
Posted by ブクログ
ある警察の通信指令室、つまり110番通報に対応する部署に新しく配属された早乙女廉。彼は何故か奇妙な通報を受けやすい質でその度に隣の席の先輩、君野いぶきに助けてもらうが、彼女は通話の対応だけで事件を解決すると名高い「万里眼」だった。始めは「自宅が盗まれた」とか「冷蔵庫の大根が1cm減った」といった奇妙な通報に対する解決が一捻りあってなるほどー、となったけど章が進むに従って捻りがなくなるしお互いを憎からず想っているはずの二人の態度が堂々巡り過ぎていらいらした。廉がにぶちん過ぎるんじゃ!いぶきの拗ね方もこれは…可愛いつもりなのか?謎とは違う所で評価してしまった。残念。
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音喜多・鳴海のシリーズ1作目。
2作目の「人格者」から読んでしまったので、なかなか意志の疎通が出来ない音喜多と鳴海に、ちょっとイライラした部分もあったが、2作目の「人格者」とは違い、公園で殺害された身元不明の男性の素性を明かしながら、並行して長崎県五島市での少年・少女の様子が描かれる。
捜査の進み具合はサクサクっという感じではないが、別パートで描かれる弥生と亘の物語は、どこか東野圭吾の「白夜行」を思わせる内容だった。
弥生がピアノをやっていたこと、弥生と亘を繋いだのが、昼休みの連弾であったことから、このタイトルが付けられたと思うが、2つの物語が混じり合いながら進む様子は、作品自体も「連弾」にな