橘明美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは傑作かもしれない。
少なくとも上巻を読んだ現時点では文句なしの傑作である。
デビュー作でベストセラー作家となったマーカスは二作目が書けずに苦しみ、
大学の恩師で国民的大作家ハリー・クバートに助言を求める。
だが、そのハリーが33年前に失踪した少女ノラの殺害容疑で逮捕されてしまう。
師の無実を信じるマーカスは独自の調査を開始。
そして師に教えられた小説作法31条に従い、
一冊の本にまとめ上げることにする。師の無実を晴らすため。
一体、少女は誰に殺されたのか?
そんなあらすじ。もうページを捲る手が止まらなかった。
次から次へと明らかになる真実。
そして我々が想像していた人物像が崩れていく瞬間など
仕掛けもふんだんに盛り込まれていて飽きがない。
久々に傑作に触れた、そんな喜びがあった。
何より、ハリーがマーカスに授けた小説作法31条。
そのどれもが作家でもない我々にもしっかり響く金言ばかりなのである。
下巻にも大いに期待したい。 -
Posted by ブクログ
「日本は少子化問題で崩壊する」と予言している事に驚愕するが頷ける。それは本書にある人口動態での重要ポイント「経済力」「民族性」「社会的エゴイズム」があり、日本の現状は経済の低迷路線の選択と単独民族(単独民族の継承・移民不可)を継続していることだ。「崩壊」の主の理由である少子化問題は既に危険レベルにあり、幾ら労働者不足を科学技術で補おうと、また女性の地位と待遇改善を図ろうと手遅れに近いという。政治政策がこのままでは、日本の経済は成長が不可能で、若い夫婦が労働しても賃金的にも時間的にも子供を育てる環境がさらに失くなっていくと言うことだ。それは国家が増税と新税を繰り返しても、高齢者負担(医療・年金・保険)は若い層とは既に大差があり追いつけない、と言うことだ。日本の若い層は真剣に無策で自己主義的な国政を改善していかない限り日本の将来は明るくならないどころか、真っ暗闇に突然覆われるかもしれない。あるいは、外国移住した方が災難(極重税)に遭わずに済むかもしれない。更に気になるのは、国内の「米」の現状。政府の減反に次ぐ減反政策で農業人口の減少と老齢化など「米」不足と高騰化は政府とJAの思惑通りだが、国民にとって愚策でしかない。
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Posted by ブクログ
面白かった〜
まさかこんなラストだなんて。:゚(;´∩`;)゚:。
そして何より、読みやすいのが嬉しい。
海外ミステリーって、初心者の私にはちょっとハードル高めだったりするの。
でもこれは全く問題なし!
ブク友さん達のレビューから、絶対に読みたかった一冊。
もちろん私はピエール・ルメートル作品初読みです。
63歳の殺し屋マティルドは、体重78kgで厚化粧www
そして、認知症…
その症状に気付いたのは、マティルドに殺しを依頼しているアンリ、70歳。
二人は旧知の仲だ。
マティルドの暴走をなんとか止めようとするが…
作中何度も〝太った高齢女性〟の描写が出てくるが、いざ標的が現れると秒でマグナム弾を正確にぶち込む!
それは美しく無駄のない動き。
冴えわたる五感。
こうした動きは身体が覚えているのだろう。
その場面は、若く美しい殺し屋の姿かと錯覚してしまう。
また、マティルドのアンリに対する少女のような恋心が滑稽で悲しい。
愛しいアンリのもとへ業務用バンを走らせるマティルドの頭の中は、走馬灯のように様々な思い出が巡る…
あぁ、それにしてもいったい何人死んだのだろう。
人はこんなにもあっけなく、この世から消えていくのだ。
その直前まで抱いていた希望や何気ない日常は、パタンと終わりを告げる。
制御不能の殺し屋
恐ろしすぎる
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Posted by ブクログ
おもしろかった‼︎
主人公と同世代の私…思い当たること続々。
やったこと次々忘れる、前のことが思い出せない、まあいいか、と次へいく。
私の忘れるのは洗濯機に洗剤入れたかな?とか、炊いたご飯冷凍したかな?とか、かわいいものだけど、主人公は殺人の武器を始末したかな?とか、死体を処理したかな?とかなので、恐ろしい!
笑えるし、身震いするほど恐ろしい。さらに別の認知症患者が絡んできて、予測不能、まさに奇想天外な方向へと終盤なだれこむ。
私のような高齢読者には思い当たるところありありだし、若い人は若い人で、えっ?こうなるの?と驚きの連続だと思うし、唯一無二のここにしかないルメートルワールドです‼︎ -
Posted by ブクログ
63歳の現役凄腕の殺し屋マティルドに少しずつ認知症の兆しが見え始める。
覚えていないことが増え、殺しも必要以上に過激になっていく。
彼女に殺しを依頼しているアンリは危機感を抱くのだが、マティルドはかつて抱いていたアンリへの恋心が甦り、暴走は加速してゆく。
最初から最後までマティルドから目が離せない。
残酷すぎる殺しも躊躇わずに成し遂げるのは、やはり凄腕だからなのか…
冷酷さと殺しの技術を兼ね備えた彼女に誰も敵わないのか…
刑事すらものともせず、この暴走を止められる者はいるのか…と。
いた…死を恐れていない人間が、死の意味がわからない人間がいた。
ラストの惨劇は衝撃的であり喜劇ですらあった。
言葉を失くすとは…このことかと実感。
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Posted by ブクログ
主人公のマティルドは63歳の未亡人で田舎で犬と悠々自適な生活を送っている。
職業は殺し屋。
若い頃はレジスタンスの美貌の闘士で、当時の司令官アンリから指示を受ける形で殺しを請け負っている。
そんな彼女に認知症の症状が現れ、殺し方が不必要に残虐になったり、ターゲットを勘違いしたり、組織との連絡方法や銃の処理を忘れたりと、任務に支障が出始めた。
マティルドを昔から密かに慕っていたアンリはそんな彼女の異常に気づき手を打とうとする…
歳をとってボケ始めた暗殺者のおばあちゃんというとコミカルな雰囲気だけど、思い込みが激しく感情も制御できず、生来の残虐さをあらわに暴走する凄腕の殺し屋ってところが怖すぎる。
マティルドが考えていた事、やろうとしていた事を次のページではころっと忘れてしまって、結果最悪の事態が繰り返されていく様は読んでいてハラハラするのに面白くて止められない。
しかもボケてしまっていても殺しに関しての技術や集中力が衰えていないのが最悪に拍車をかけてしまっている。
ラストは皮肉だったなぁ… -
Posted by ブクログ
六十三歳にして現役の凄腕殺し屋マティルド。しかし老いは容赦なく忍び寄り、彼女は自覚しないうちに認知症の症状に侵されていた。少しずついろんなことを忘れ、忘れたことも忘れ、自分の異変に気付かないままに残酷な殺しをやり遂げるマティルド。彼女の行動に危惧を覚えた司令官のアンリは、やがて苦渋の決断をすることになる。スリリングでハードボイルド、さらにブラックなユーモアも魅力的な、これはまさに残酷な喜劇といいえて妙です。
部屋が片付かない。凶器の始末を忘れる。標的を間違える(この間違え方が酷い!)。いろいろやらかしながらも、殺しの腕自体はまったく鈍っていないがゆえに、マティルドの危険さがとんでもないです。彼女の暴走は傍目には楽しくも思えるのだけれど、まさかあの人もこの人も巻き込まれてしまうとは。そのあたりの物語は普通なら悲劇といえるのかもしれないけど、あまりに淡々として、読み口はまったくもって喜劇なんだよなあ。
マティルドとアンリの、お互いに愛情を持ちながらも決して結ばれることのない関係も絶妙。さて、彼らの対決はいったいどうなってしまうのか。どうなっても行きつく先は悲劇……になりそうなのですが。いやいや、このラストはやはり喜劇としか思えませんでした。そして認知症に陥ってしまった人の切なさが、少し尾を引く感じもします。 -
Posted by ブクログ
★5 認知症の症状が出始めた凄腕の女殺し屋… 純真無垢な彼女の恐ろしい犯罪小説 #邪悪なる大蛇
■あらすじ
63歳の女殺し屋であるマティルドは、かつては冷酷非道の凄腕であったが認知症の症状が出始めていた。昔ながらの上司アンリから指示を受けながら仕事を続けるも、徐々に捜査の手が及び始める。アンリはマティルドを心配するが、肝心の本人はアンリへかつて抱いていた恋心が蘇ってしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
人間だれしも元気で健康的な生活を続けたと思ってる。しかしながら時間というのは残酷で平等、着実に老化や寿命はやってくるんです。社会の裏側で生きていた殺し屋が、認知症を患うとどうなってしまうのでしょうか。
恐ろしくもユーモラスに、全ての読み手に救われない感情を突きつけてくるという… 残虐性の中にも悲しみが果てしなく押し寄せてくる犯罪小説です。いやー凄かった。
本作一番の読みどころは、主人公の女殺し屋マティルドの魅力。そう、表紙でこちらを睨んでいる彼女です。銃をむけないでよ、こわっ
でも彼女は素直にまっすぐな性格で、ワンちゃんを愛する心根の優しいマダムなんです。(絶対に近寄りたくないけど)
しかしそんな彼女は、認知症で既に短期記憶が曖昧になり始めている。殺し屋の仕事なんて、誰がターゲットなのか、凶器は処分したのか、仲間との連絡方法はどうするのかなどなど、理解していないと、殺しの仕事なんてこなせないよね…
何が怖いって、本人は何も問題ないと思っており、女学生のように天真爛漫にロマンスすら期待している。それでも殺気の嗅覚や殺戮のテクニックは超一流で、身体が覚えてるんです。こ、こわい… 物語だから面白く読めるけど、これ現実だったらマジでイヤなんだけど。確かに殺し屋に定年制度なんてないよなぁ。
そんな彼女が恋心を抱くのが、若かりし頃からの仕事仲間のアンリ。彼女に仕事を依頼する立場なんですが管理する側としては心配なはず。それでも彼は紳士的で優しいんすよ~、これがモテる中年ですね。メモしなきゃ ...〆(。_。*)メモメモ
彼女とこのナイスミドルがどう絡んでいくのか、本書一番の痺れポイントですよ!
さて物語が進むにしたがって、それはもうハチャメチャになってきて、どんどん読んじゃうんです。怖くて悲しい、でもこんなにも面白いエンタメがあるのかってくらい。さすがはルメートル先生、読者を楽しませるプロですね。終盤の緊迫感と怒涛の展開もお見事で、読み応えも抜群でした。
■ぜっさん推しポイント
誰しも年齢を重ねていくと、次第に衰えて弱っていく。この頃私も目が見えづらくなり、メガネの度数を変えました。いつまで読書を楽しめるか心配です。みなさん身体は大事にしましょうね。
三つ子の魂百までと言いますが、人間の本質ってのは変わらないし、変えられない。自分の知識や経験、学んできたことっていうのは、体の中に沁みついているものなんですね。一日一日を大切に生きたいと思わせてくれる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
未来を予測する確実な方法の一つが人口の推移を検討することである。日本の人口は減る一方、将来どうなるかの議論はある程度見慣れているが、世界に目を向けると様々な現象があって、非常に興味深い。例えば、アメリカではいわゆるWASPは減り、ヒスパニックが増えているというのが大勢だが、一部の宗教(ユダヤ教徒やモルモン教徒)は子沢山で、このような人たちが多く住むエリアは平均年齢も生産人口も多い。子供も同じ宗教を信じることが多いだろうから、長い目で身見ると、相対的にも絶対的にも影響力を増す、とか。また、先進国では、3つの指標のどれかを犠牲にする傾向がある。それは「経済力」「民族性」「エゴイズム」であるという。日本は経済性を犠牲にして「民族性」と「エゴイズム」を獲得している。だから、移民を受け入れず、少子化対策も親の自由であり、経済成長が厳しい状況。イギリスは民族性を犠牲にし、移民を受け入れて、わずかではあるが経済成長を図っている。将来日本はどうなるのか、とても参考になる一冊。