橘明美のレビュー一覧

  • 人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題

    Posted by ブクログ

    未来を予測する確実な方法の一つが人口の推移を検討することである。日本の人口は減る一方、将来どうなるかの議論はある程度見慣れているが、世界に目を向けると様々な現象があって、非常に興味深い。例えば、アメリカではいわゆるWASPは減り、ヒスパニックが増えているというのが大勢だが、一部の宗教(ユダヤ教徒やモルモン教徒)は子沢山で、このような人たちが多く住むエリアは平均年齢も生産人口も多い。子供も同じ宗教を信じることが多いだろうから、長い目で身見ると、相対的にも絶対的にも影響力を増す、とか。また、先進国では、3つの指標のどれかを犠牲にする傾向がある。それは「経済力」「民族性」「エゴイズム」であるという。

    0
    2024年05月27日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ヴェルーヴェン3部作の最後、これまたあきれるほどの忘れっぷりで我ながら驚いた。それにしても再読して作品の魅力が倍増したように思う。ルメートルの他の長編も久々に挑戦してみようか。

    0
    2024年01月21日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    昨夜、一気に本1冊読み上げました。
    ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」(文春文庫)。
    身長145センチの警部が主人公で、シリーズ第3作です。
    面白いですよ~!!!
    でも、今日お話したいのはこの本の中にある1つのフレーズです。
    『想像力のない人間はえてして形式にこだわる』
    何かうう~んとうなずかされてしまいます。
    所で、この所寒くて自ら外に出る機会も減り、
    かててくわえて内務大臣の司令であちこち御用達に翻弄されています。
    で、私の実感、『能力のない人ほど惰性に流される』、ジャンジャン!

    0
    2023年12月20日
  • 僕が死んだあの森

    Posted by ブクログ

    小学生、中学生の頃の自分を思い返すと、当時は当然だが未熟で今思い返すと恥ずかしいことばかりある。そんな中で主人公のように事故のような形で人を殺してしまうことが絶対にないと言えるだろうか、そしてあるとしたら、主人公のような人生を歩む可能性もあるのではと思ってしまう。

    人間描写が価値観同じ気がして好き

    0
    2023年11月16日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    HHhH、言語の7番目の機能の著者ローラン・ビネによる歴史改編小説。インカ帝国がヨーロッパを逆に征服していたらという歴史ifもの。章ごとに記述方法がことなる年代記風の作品で、第1章をアイスランド人によるアメリカ大陸進出を読んだときは不慣れな歴史をベースにしていることもあり、つらいかと思ったけれど、コロンブスが登場する第2勝ぐらいから興に乗り始め、インカ帝国がヨーロッパに進出する第3章はめっぽう面白い。歴史的な知識がある方が楽しめるのは間違いなく、自分も完全に楽しめた自信はない。第4章はオマケみたいなものだけれど、セルバンテスとグレコ、モンテスキューの対話はモンテスキューの思想家としての面目躍如

    0
    2023年10月02日
  • わが母なるロージー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ。

    三部作で終わりかと思っていたこのシリーズ2作目と3作目の間の時系列でもう1作品発売されていたことを知り直ぐにゲット。
    作者も述べているが、三部作に比べ短い小説なので三半冊だそう。

    面白くて半日とかからず読み終えてしまった。

    ピエール・ルメートルの作品の良さは読みやすさと描写の細さ。
    翻訳者が上手いのかもしれないが難しい言葉がなくすらすらと内容が頭に入ってくる。
    また、カミーユのコミュニケーションを取る相手に対しての洞察力についての表現がかなり細かく面白い。ルイが右手を使うか左手を使うかの流れが以前からとても好き。
    今回は残酷描写はないので苦手な人で

    0
    2023年09月25日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    三部作の三作目。

    一作目は脳がざわざわし、二作目は爽快感、三作目はなんとも言えぬ複雑な感情を抱いた。

    翻訳者の匙加減もあると思うが、海外の作品としてはかなり読みやすい。作者が心情や状態について本当に小説らしく紡いでるのもあると思う。

    冒頭でアルマンの葬儀で死んだことに衝撃だったが、今作の犯人はマレヴァルだったことだ。
    登場人物一覧にいるマレヴァルに疑問は感じたがこんなにしっかり絡んでいたとは。

    タイトル通り傷だらけのカミーユで終わってしまった。

    三部作全てどんでん返し的な要素満載で楽しめたので今作で簡潔なのが寂しい。
    個人的にはシリーズ物としてカミーユ、ルイ、ル・グエンの物語をもっと

    0
    2023年08月18日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    いわゆる歴史改変小説で、インカ帝国が滅びずにヨーロッパにやってきて、あれよあれよと、というていでお話は進行する。年代記風の文体で書かれていて、まさに見てきた風な内容で、華麗に逆転の歴史が展開するのは見事としか言いようがなく、まぁ荒唐無稽ではあるのだけど、あながちそうとも言い切れない感が醸し出されているので、歴史好きほどクスリとかニヤリとかしながら楽しめると思う。

    0
    2023年06月18日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    インカ帝国は1533年にピサロ率いるスペイン軍によって滅ぼされた。が、もし、インカ帝国軍が海を渡り、逆にスペインを征服していたらどうなるか?が描かれた歴史改変小説。

    僕は世界史が苦手で知識がほとんどない。歴史の知識があればあるほどこの小説を楽しむことができただろうと思うと、残念で仕方ない。

    ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」にヒントを得て描かれたそうなので、もしこれから読まれる方がいらっしゃいましたら、こちらも参照されるとより楽しめるかもしれません。

    0
    2023年06月05日
  • 監禁面接

    Posted by ブクログ

    2023.06.03
    もし、「ワタシが今リストラされたら4年後にちょうどアランと同じ状況になる。」
    読み終えてそんなことを思わず考えてしまった。ルメートルにしては流血量が少ないため、そんな妄想を呼び起こす。
    しかし、解説で諸田さんが述べているように、カミーユのシリーズとどちらが「怖い」かというとなかなか判断に迷う。
    違うステージの怖さだからである。血を流すことだけが「怖さ」を表現するものではないとわかる良作。

    0
    2023年06月03日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    カミーユが今作でものっぴきならない状況に巻き込まれながらも、真実へと向き合い続ける精神力に感服した。
    そこにある真実がまた、予想していたものよりさらに切なく、胸が締め付けられた。
    登場人物の視点の切り替えが細やかにされていて、読んでいて飽きがこなかった。

    0
    2023年05月28日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    自分にとってはHHhH以来のローラン・ビネ作品。とても面白い。

    ラテンアメリカに大型の家畜になる哺乳類や鉄を使う文明が伝わっていたらどうなれたか、という高度な知的遊戯のような歴史改変物語。気高いアタワルパの物語はなんとなしに痛快感がある。それは宗教が多くの人の命を奪った歴史を知っているからだと思うけど、ヨーロッパの行った暗い歴史に対するヨーロッパの人々の思いとはどういうものなのか。この小説がヨーロッパでも高く評価されるのをみると、ちょっとよくわからない。

    0
    2023年05月23日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「HHhH」の著者の新刊と言うことしか知らないまま読んでみた。大帝国インカが寡兵の探検隊に滅ぼされた理由とされる「銃・病原体・鉄」をヨーロッパによる征服以前からインカ帝国が手にしていたらどうなっていたか、ある種の架空戦記モノ。
    インカから漂着してヨーロッパを制圧したアタワルパの物語が中心でおまけみたいにその前後談かあるんやけど、やはりカール5世やフランソワ1世、ヤコブ・フッガーやロレンツォ・メディチといったヨーロッパ史のオールスターみたいな中で異物たるアタワルパが大暴れするところがええよね、と思いつつも、おまけでええからその後の近世、近現代史も読みたいと思ったり。

    0
    2023年05月11日
  • その女アレックス

    購入済み

    ブラボー

    ブラボーとしか言えない素晴らしい

    0
    2022年11月04日
  • 奴隷のしつけ方

    Posted by ブクログ

    風変わりなスゴ本。

    奴隷のしつけ方というマネジメント本というよりは、古代ローマ時代の奴隷制度について生々しく語ったという仕立てで読み易い。奴隷を資産、物として扱い、時に足の骨を折り、目を潰し、ウツボの生き餌にしようとし、女奴隷には我が子を生ませようと好き勝手に振る舞いながらも、一部で感情移入して金品を与えたり、奴隷身分を解放してあげたり、師弟愛のような奴隷との家族感情を育む一面もあって、この辺りは現代人の感覚では容易に理解し難い。もっと理解に苦しむのは、奴隷に生ませた子も奴隷だという事。まさに、唯我独尊、欲望の真骨頂、ファミリアという独裁国家だ。

    現代人も欲望の奴隷だとか、資本主義の奴隷な

    0
    2022年10月29日
  • ハリー・クバート事件 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一気読み!
    残り100ページくらいになっておおよそ解決したかな?少し謎が残されてるけど…ってとこからの怒涛の展開、意外な真実と真犯人。
    アメリカ田舎町の描写も良くて古い海外ドラマを見てるような感じで好き。
    ノラの恋が本物で良かった。幸せになってほしかったけど。そこだけが残念。
    あとどうでもいいけどマーカスのお母さんが一番頭おかしいと思うけど典型的なユダヤ人みたいに書かれてて嘘だろおい…ってなりましたw

    0
    2022年06月12日
  • ゴールドマン家の悲劇 下

    Posted by ブクログ

    著者の二作目をずっと待っていた。前作『ハリー・クバート事件』の面白さが忘れられなかった。待ってた甲斐があった今作。誰もが憧れるような伯父の電話から事態は始まり時間が前後しながら進む。裕福な伯父一家に羨望と嫉妬を覚えるマーカス。伯父の家族のヒレルとウッディ。三人の固い結びつきとアレクサンドラという女性の存在。青春小説の要素がとても鮮やかで、その輝きが増せば増すほどミステリー色が後半につれて強くなって様々な事件や悲劇を起こす。それぞれが守りたいものとすれ違いや誤解。過去にあった本当のこと。それを受け止めることの絶望感。たくさんの感情に揺さぶられっぱなしで結末まであっという間。多くの人に読んでもらい

    0
    2022年04月03日
  • わが母なるロージー

    Posted by ブクログ

    久しぶりにヴェルーヴェン警部、カミーユにお会いしました。相変わらず良いですね。ルイも変わらず良い。翻訳物は読みにくい作品に出会うことままありますが、このシリーズ、橘明美さんの翻訳版は間違いないですね。満喫。カミーユシリーズ、もう終わりだというのは悲しい。また描いて欲しい。

    0
    2021年08月26日
  • その女アレックス

    Posted by ブクログ

    本作を読み進める上で、アレックスの人物像が2転3転どころか5転はしたと思う。狂気的であり、賢く、哀れなその女に同情していいのかわからず、複雑な心境で読んだ。
    警察側の個性がすごく豊かで、緊迫感ありユーモアありのやりとりがとても面白かった。
    ラストがあまりに衝撃的で、少し考えないと状況を読み込めなかった、面白い!
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕

    0
    2025年04月14日
  • わが母なるロージー

    購入済み

    カミーユ大好き

    悲しみのイレーヌ、その女アレックス、傷だらけのカミーユと順番通り読んでいたつもりが
    こんな中編があったとは。。傷だらけのカミーユの前だから、アンヌの名前がちらほら。。わが母なるロージーは爆弾だけに時間軸で話が進み、ハラハラドキドキで読み進めました。最後はそうするしかなかったのかな、と思いながら切ないラストでした。

    #ドキドキハラハラ

    0
    2021年04月25日