橘明美のレビュー一覧

  • わが母なるロージー

    Posted by ブクログ

    ルメートルのヴェルーヴェン三部作を読んでからだったせいか、途中で展開が読めてしまった。

    それでも最後のシーンと最初のシーン、投げ出された男の子とヴェルーヴェンをシンクロさせるところや、犯人が拘った終わりの形は切なさがあって他に終わり方はなかったのか、と悲しみがあった。
    アレックスに似ているかも。

    0
    2024年06月09日
  • 僕が死んだあの森

    Posted by ブクログ

    いやいや、毒がある。その癖読みやすいからもう勘弁して欲しい。
    ひょんな事から手を染めた殺人、そして流れていく殺人者の人生。だが彼はそれが明らかにされるのではないか、気が気ではなかった……。
    人生とは偶然という名の必然と神の悪戯によって成り立つ。綱渡り、いいや、これはもっと細い。まるでワイヤーを渡るかのようなスリルがある。

    0
    2024年05月30日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    カミーユは、いつになったら落ち着けるの?
    これ以上カミーユに悲劇がおきるの?
    傷だらけって!?
    3部作の3作目。
    今回の暴力シーンは、よく生きていられたなと思った。
    ずっとアンヌの怪我の様子が描かれていたから余計に生々しく痛々しかった。

    カミーユに安らぎを。

    0
    2024年05月19日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    インカ帝国がヨーロッパを征服する歴史改変小説

    歴史の転換点の多くは偶然性に依るのだから、JDの名著「銃・病原菌・鉄」とは真逆の世界線が起こっていてもおかしくはない

    史実とフィクションが入り混じり、妄想か拡がる
    前作「HHhH」といい、文学界の新鋭だなー

    0
    2024年05月05日
  • 監禁面接

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    物語の構成がシンプルと見せかけて、興味を引く緻密な仕組みになっている。もうやめてー!と家族が叫ぶのも聞かない主人公。人間の暴走って怖すぎる。こんな家族絶対いらない(涙)

    0
    2024年02月17日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    なぜだか早い段階で犯人がわかってしまったのは残念だが、自分のディテクティブスキルがあがったということでよしとしよう。

    0
    2024年02月06日
  • わが母なるロージー

    Posted by ブクログ

    シリーズ三作を読んでからかなり間があいてから読んだ。ミステリー色はあまりない。毒親とそれに苦しむ子供。束縛が強すぎて、大人になっても親に子供扱いされているし、擬似恋人みたいに考えてる親のエゴが怖いし、苦しい。誰に焦点があたるかで、見え方が変わるのが面白い。

    0
    2024年01月22日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

     ヨーロッパ(スペイン)人によるアメリカ大陸発見と侵略の歴史を逆転し、インカ人がヨーロッパを征服するという歴史改変小説で、逆転パロディみたいな話。第一部〜第二部は、前日譚でごく短く、本書のほとんどを第三部の「アタワルパ年代記」が占めている。
     おそらく大半はカール五世の事績をアタワルパに置き換えて語っているのだと思うけれど、この時代のヨーロッパ史に通暁しておらず、なんとも言えない。詳しければもっと楽しめたのかも。「年代記」というように、記述もわりと淡々としていて、あまり心躍る感じでもなかった。強いて言えば、セルバンテスがメインで、エル・グレコやモンテーニュもでてくる第四部が一番面白かったかな。

    0
    2024年01月20日
  • 監禁面接

    Posted by ブクログ

    期待していたほどではなかった。監禁面接というタイトルほど、監禁も面接もしていなかったし、そこに重きは置かれていなかったような気がしたし、原題の「黒い管理職」にあるほど、それぞれの闇が注目されることもなく…世間に暴かれ、裁かれることもなく…

    一部を読み終えるのが、大変苦痛で。でもあのルメートルだからすごい伏線があるのかもしれないって頑張って読んだ。

    無職の主人公が冷静になったり、やけっぱちになったりして、状況がコロコロ変わるのがおもしろいのかもしれない。
    結末はややご都合主義な感じもした。
    シャルルは本当に聖人だった。

    0
    2024年01月10日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    ヴェルーヴェン三部作コンプリート。……なんだけど、残念なことに前作たちを凌ぐ衝撃がなかった。

    妻イレーヌを殺されて五年、ようやく立ち直ったカミーユに新たな出会いが訪れる。そのアンヌが強盗事件に巻き込まれて重症を負う。愛する人を二度と亡くしたくない想いから、職場にはアンヌのことを隠し、私情に駆られて逸脱した捜査をするカミーユ。その行動がカミーユ自身を危機に追い込んでいく中、アンヌを執拗に狙う犯人の目的とはーー

    犯人がアンヌを執拗に襲撃するのは顔を見られたからと思っていたのが、その裏に驚きの目的があって、カミーユはまんまとやつの狙い通り行動することになる。それがわかってきた頃には読むのは止まら

    0
    2024年01月09日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    フランス版ジョン・マクレーン(?)と言ってもいい位不運な主人公のカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作完結編。

    シリーズの中では、一番残虐なシーンが少ない作品でしたが、面白さも比例するような感じに思われます❗最後に意外などんでん返しがあるものの、個人的にはシリーズ中で一番つまらない作品でした❗

    このシリーズは、全体的に残虐で、読んでいて気持ちが憂鬱になりがちになりますが、先の展開が気になって、不思議と最後まで読んでしまう、魅力のある作品です♫

    0
    2024年01月08日
  • 監禁面接

    Posted by ブクログ

    三部構成「そのまえ」「そのとき」「そのあと」。
    主人公は57歳失業者、元人事部長。愛する家族のために求職中。ある企業の採用試験にうまく進みだしたことで、貧しいながらも平和だった一家がジェットスター並みの展開に飲み込まれる。
    読者は「そのとき」の章で、ちょっと、いったい、主人公はどうなっちゃったの!と慄くことだろう。
    元同僚のシャルル、妻のニコルの存在が良い。
    「その女アレックス」を読んだことはあるが、本作が同じ作家だってことは知らずに読んだ。なるほど、途中からページターナーっぷり発揮している。

    0
    2024年01月08日
  • 僕が死んだあの森

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    そうよ、あのルメートルよ!と覚悟はできていたはずなのに、またしても絶望の底に叩き落とされました。

    プレイステーションを持っていないせいで友達のいない12歳のアントワーヌ。そんな彼に唯一なついていた6歳のレミを故意ではないとはいえ殺してしまった。いつバレるのだろうかと、私たちはアントワーヌと共に緊張を強いられることになります。

    しかしバレない。ずっとバレない。その年も、10年以上が経過しても。けれど、バレていなかったわけではないと知ったら。

    彼のことは好きになれません。でも、彼がこの先どう生きていくのかは気になる。確かにあの時、あの森で死んだも同然。

    0
    2023年12月13日
  • 傷だらけのカミーユ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作完結編。つらいけど面白かったです。
    カミーユ、こんな仕打ち(?)受けるほどの事したっけ、という思いが拭えません。今回の真犯人も逆恨みだろう……「えっ貴方なの!?」ってとてもびっくりした。
    アルマンが食道癌で退場したのも悲しいし、ヴェルーヴェン班もうルイしかいない。カミーユもいなくなるんだろうし……ル・グエンが上司のままなら違ったかもだけど、彼は昇進したからカミーユの上司はミシャールっていうわからない人になってる。
    北欧の警察小説の上司、だいたいこういうわからない人だからそういう風土なのかな。特捜部Qもそうだ。

    カミーユの傷だらけの暴走に心を痛めながらも、ちゃん

    0
    2023年12月02日
  • 僕が死んだあの森

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ピエール・ルメートル安定のイヤミス感。

     ラストに分かる、コワルスキー氏と母親の関係性、そして事の全てを知っていたという事実、自身の出生…。

     始めに可愛がっていた犬の死、その死に耐えられず意図せず自分を慕っていた子供を殺してしまうシーンは読んでいて胸が苦しくなりました。

     エミリーとの事は自業自得すぎて、こればかりは軽率すぎるとしか…絶対に妊娠したやろ…と先が読めました。この事さえなければ、アントワーヌが思い描いた未来に進めただろうに…。

     色々後味が悪いですが、おもしろかったです。 

    0
    2023年11月11日
  • その女アレックス

    後半の展開、トリックを崩すのは面白かったけど、前半は分かりづらかった。

    #怖い

    0
    2023年10月07日
  • わが母なるロージー

    Posted by ブクログ

    第一次大戦時にフランス東部の農地に降り注いだ砲弾の不発弾が、この物語を形作る道具になっている。カミーユ作品の番外編だが、「天国でまた会おう」「炎の色」執筆で得た材料から拾ったという意味でも大戦関連作品番外編でもある小作品。短いから一気読みできる。
    パリで爆破事件が発生し、出頭した青年、ジャンはあと7発が次々に爆発するから、その情報とひきかえに自分と母親ロージーを釈放してオーストラリアに逃がせという。ロージーは、以前ジャンの恋人を轢いて収監されていた。
    原題はRosy&John。歌のタイトルからつけられたジョンという名前に、息子はジョンと書いてジャンと読む、とこだわる場面がある。母親への

    0
    2023年10月07日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    新大陸から旧大陸の征服は、疫病の力を使えないので、どうしても現実感に欠けてしまう(新大陸人が免疫を持っていたとしても、その点で対等になるだけで、史実のコンキスタドールのような少人数で多数を征服するのは不可能。)。

    0
    2023年09月14日
  • 文明交錯

    Posted by ブクログ

    まさにJ・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』への挑戦とでもいうような、インカ帝国がヨーロッパ(キリスト教世界)を侵略していく歴史改編小説。ただ、こちらの歴史の方が、宗教に寛容で、民衆に重税を課すこともなく、実際の歴史よりもマシだったのではないかと思わざるを得ない。

    0
    2023年09月03日
  • 監禁面接

    Posted by ブクログ

    フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇ミステリ作品『監禁面接(原題:Cadres noirs)』を読みました。
    『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。

    -----story-------------
    『その女アレックス』の鬼才ルメートル、最新作。
    徹夜必至。一気読み保証。

    どんづまり人生の一発逆転にかける失業者アラン、57歳。
    愛する妻と娘たちのため、知力と根性とプライドをかけた大博打に挑む!
    鬼才のノンストップ再就職サスペンス!

    リストラで職を追われたアラン、失業4年目。
    再就職のエントリーをくりかえすも年齢がネックとなり、今は倉庫での

    0
    2023年08月16日