橘明美のレビュー一覧
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ネタバレ展開が読めない作品と聞いていたので、冒頭からアレックスは信用できない語り手かも…と色々疑いながら読み始めたが、まさか連続殺人鬼が獲物の身内に手を噛まれた構図から始まっていたとは思わなかった。
全編を通してアレックスは嘘を語っている訳ではないが、本当に吐露したい思いはモノローグでも発さなかったので、動機や目的がぼんやりしたまま最終章へ向かう。そこで浮かび上がってくる彼女の人生があまりに惨く、殺人は肯定できないが、環境が人をつくる典型だと感じた。
カミーユ警部サイドの同僚との掛け合いや、母親の肖像画を巡るエピソードにはほっと息をつけたが、正直それでは相殺できないくらい事件の全体像がどろどろでグロテ -
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著者はイギリス・ロンドン出身の人口学者。人口動態に影響を与えるテーマ(乳児死亡率、人口増加、都市化、出生率、高齢化、高齢者の増加、人口減少、民族構成の変化、教育機会の拡大、食料入手可能性の向上)に沿ってデータやエピソードもとに解説している。
1つ面白いと思ったのは、人口の高齢化によって世界的に暴力的紛争が減少していると指摘した点。血気盛んな若者ではなく中年が多数を占める世の中では、自分の身を賭してまで世の中を変えようとする気概が生まれないのかも知れない。
以前読んだ「2050年 世界人口大減少」も本書の中で紹介されており、サハラ南の人口増加がそれほどでもなく、世界の人口は今世紀末ではなく今世紀 -
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ネタバレ前回の読書会でお借りした本、その2。
読み始めたら止まらない系の小説。
暴力描写が結構エグいので、
万人にはおススメできないけど、
登場人物のキャラクターも話の構成も
本当に面白かった。
以下、ネタバレ。
3部構成になっていて、
1部ごとに主要キャラクターである
アレックスに対する印象が変わる。
2部くらいまでは、
TBS系のドラマ「アンナチュラル」
を思い出したりして
(あれより1部で遭遇した「酷い目にあう理由」
がどうしようもない悪意由来なので
かなりヘビーだが)、
ほうほう、なるほど、なるほど…、
と思いながらどんどんページをめくっていった。
1部の監禁されているシーンは、
翻 -
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フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇ミステリ作品『僕が死んだあの森(原題:Trois jours et une vie)』を読みました。
ピエール・ルメートルの作品は2年前に読んだ『炎の色』以来ですね。
-----story-------------
『その女アレックス』で世界中を驚愕させた鬼才ルメートルが放つ、極上の心理サスペンス。
あの日、あの森で少年は死んだ。 ――僕が殺した。
母とともに小さな村に暮らす十二歳の少年アントワーヌは、隣家の六歳の男の子を殺した。
森の中にアントワーヌが作ったツリーハウスの下で。
殺すつもりなんてなかった。
いつも一緒に遊んでいた犬が死んでしまったこ -
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「その女アレックス」を読む前に
カミーユ・ヴェルーヴェン警部
シリーズ第1作を。
これがなかなかにヘビー。
ハヤカワ ミステリマガジン
21世紀翻訳ベスト!
第4位はピエール・ルメトールの
「その女アレックス」。
この作品を読む前に
カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ
第1作にして、デビュー作の
「悲しみのイレーヌ」を読む。
フランスのミステリ小説界に
鮮烈な印象を与えた本作。
フランスでの発刊は2006年。
奇しくも翻訳ミステリベスト!
第2位のジェフリー・ディーヴァー
「ウォッチメイカー」と同年。
作者のピエール・ルメトールは
テレビドラマの脚本家から転身し、
この作品が第1作。 -
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ネタバレ前作でちらっと出てきたアンヌが大変な目に。またしてもカミーユの大事な人が…と同情するが、あまりにも次から次に下手を打つのでひたすらストレスフルだった。
先が読めなくてハラハラはするが、これまでのような驚きの展開というほどではなくて、少々物足りない。
しかもその後どうなったのか気になる終わり方ですっきりしなかった。
カミーユは優秀な刑事ではあるんだろうけど、よくよく考えるとシリーズ通して結局一度も殺人を未然に防げてはいないのよね。3作とも面白かったけど、最後くらいは勧善懲悪にしてほしかった。
強盗はすべて仕組まれた展開だったわけだけど、万年筆のインクが漏れて云々は結局なんだったの?予約した時計を -
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ネタバレ不穏なタイトルにずっとハラハラしながら読んでいて、カミーユが最初の広告を出した時点で結末を確信、悲劇に向かって進んでいくのを苦い気持ちで読み進めていたのだけど、唐突に迎えた第一部の終わりには唖然。
このどんでん返しは面白かった。
実際の捜査はどんな感じだったのかが気になる。
この手の仕掛けのミステリは嫌いじゃないけど、とにかく犯行の残虐さが突き抜けているから、二度と読み返したくはない。
『その女アレックス』でネタバレされてるから絶対にこちらから読むように言われてそうしたのだけど、タイトルがすでにネタバレじゃない…?
まぁでもそれがないとイレーヌが出てくる時の緊張感がなくなって、ただの退屈なシ -
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読んだ本 わが母なるロージー ピエール・ルメートル 20250709
カミーユ・ヴェルーヴェン3部作の4作目がありました。作者の言だと、中編だから3.5部作だとのこと。3部作のどれもがあまりにも凄惨で読むのが苦痛だったんですが、3冊コンプリートしている以上、読まざるを得ないでしょう。
ということで覚悟を持って読んだんですが、結構普通に面白かったです。連続爆弾魔がカミーユや政府を脅かすんですが、その背景をカミーユが暴いでいく。結構息詰まる本格的なサスペンスで、残虐さがなくてほっとしたような、あれって言うような。
ラストも悲しいけど、景色としての後味の悪さはなかったかな。 -
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ネタバレ古代ローマ等の文献をつぎはぎし、奴隷管理についてHOWTO本風に仕上げてある。キケロやセネカ、プルタルコスなどで読んだ覚えのある話も多かった。奴隷は人間であり資産でもあり、管理の観点からその扱いは一様に残酷なわけでもないようだが、奴隷のむち打ち専門の業者の存在、奴隷の証言には拷問が必須だったり、主人に子供を産まされて子供ごと奴隷として働かされるなどぞっとする話もあった。
単に現代の視点からローマの奴隷制について書くのではなく、奴隷は自由人より劣った存在であり、厳しく使役して当たり前であるという概念を内面化した当時のローマ貴族が書いているという設定なので、読みやすく面白い。 -
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カミーユ・ヴェルーヴェンシリーズの番外編的な作品。
時系列で並べると三番目らしいのだけど、
日本ではアレックスが1番に発売されてしまったせいで
全作品通しての読み心地はなんだか微妙な感じになってしまったかな。。
できれば四作を順番通りに読みたかったなー、と言うのが今作を読み終えた素直な感想。
犯人は複数の爆弾を仕掛けており、
警察とのらりくらりとしたやり取りをする場面は
日本で有名なあの作品を想起させる。
ただこちらは中編小説なこともあり、そこまで話は膨らまなかった。
カミーユ、最後まで報われることがなかったなー。
唯一、猫とのひとときは癒された。 -
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三部作完結編。
イレーヌを失った悲しみを幾分か克服できたのか、
アンヌという恋人が出来たカミーユ。
でも冒頭からそのアンヌが宝石強盗に襲われ重傷を負う。
周囲に恋人だと言えないまま事件をひとりで解決しようとするカミーユだったが。。
最初の段階で引っかかる部分があり、
あ、これはミスリードさせようとしてるなと感じた。
中盤で犯人が確定し、あとはカミーユがどのように事件の幕を引くのかだけが気になり読み終えた。
なのでどんでん返しもなく、意外性もなく終了。
三部作としてはちょっと尻すぼみな感じだなぁ、と感想を書こうとしたら…
なんとスピンオフ的な一冊が出版されている!
相棒はいつもスマートでおし -
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続いてもワタクシの第二の故郷おフランスから
フランスが産んだ鬼才ピエール・ルメートルの最後のミステリーと銘打たれた『邪悪なる大蛇』です
「最後の」って言っていますが、実はルメートルが最初に書いたクライムノベルということです
晩年歴史小説に軸足を移したルメートルがファンからもうクライムノベルは書かないの?ってしつこく言われて、そういえばタンスの中にひとつ仕舞ってあったなと思い出し、ちょっと直して出版したという代物
まぁ言わゆるタンス預金ですな(違うわ!)
物語を一言で言い表すなら、(解説にあった通り)「残酷な喜劇」ということになるんでしょうな
初期の認知症を患った凄腕の殺し屋のおばあちゃん