橘明美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スイスの作家ジョエル・ディケールの長篇ミステリ作品『ハリー・クバート事件〈上〉〈下〉(原題:La verite sur l'affaire Harry Quebert)』を読みました。
スイスの作家の作品を読むのは初めてですね。
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驚異のメガヒット! 徹夜の覚悟なしに読み始めないで下さい!!
〈上〉
デビュー作でベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、第二作の執筆に行き詰まっていた。
大学の恩師で国民的作家のハリー・クバートに悩みを打ち明け助言を求めていたが、その師が、33年前に失踪した美少女ノラの殺害容疑で逮捕されてしまう。
庭からノラの白骨死体が発見されたのだ! 恩師の無実を信じるマーカスは、事件について調査し、一冊の本にまとめ上げるが……。
年末ベストランクインの傑作、待望の文庫化。
〈下〉
少女殺しの嫌疑をかけられた大作家ハリー・クバートの無実を証明すべく、青年作家マーカスは師直伝の小説作法(各章扉に掲載)を実践し『ハリー・クバート事件』を書き上げ、再びベストセラー作家に。次々に判明する新事実、どんでん返しに次ぐどんでん返し……。
世界32か国以上で翻訳出版され、眠れぬ夜を過ごす人々を続出させた驚愕のメガヒット・ミステリ。
アカデミー・フランセーズ賞、高校生が選ぶゴンクール賞同時受賞の傑作。
*第4位〈週刊文春〉2014ミステリーベスト10 海外部門
*第6位『このミステリーがすごい!2015年版』海外編
*第9位『ミステリが読みたい!2015年版』海外篇
解説=川出正樹
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2012年(平成24年)に刊行された作品です。
デビュー作の大ヒットで一躍ベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、第2作の執筆に行き詰まり、大学の恩師で国民的作家ハリー・クバートに悩みを打ち明け助言を求めていた……しかし、そのハリー・クバートが、33年前に失踪した美少女ノラ・ケラーガン殺害の容疑で逮捕されてしまう、、、
彼の家の庭に埋められていたノラの白骨死体が発見されたのだ! 師の無実を信じるマーカスは、事件について独自に調べはじめ、それを師に教えられた小説作法に従って、一冊の本にまとめあげることにしたのだったが……驚異の新人による傑作!
大作家ハリー・クバートの代表作『悪の起源』は、34歳のハリーと15歳のノラの愛を下敷きにしていた! 少女殺しの嫌疑をかけられた恩師ハリーの無実を証明すべく、青年作家マーカスは師直伝の小説作法を実践し独自の調査をもとに『ハリー・クバート事件』を書き上げ、再びベストセラー作家となったが……次々に判明する新事実、どんでん返しに次ぐどんでん返し、世界40か国以上で刊行され、眠れぬ夜を過ごす人々を続出させたスイス発のメガヒット・ミステリ。
33年前に失踪した美少女ノラの遺体が恩師ハリーの自宅の庭から見つかり、主人公マーカスが真相を追う物語なのですが、二転三転する展開が続き、読み進めるほどに点と点がつながっていく感覚が心地良かったです……次々と判明する新事実とどんでん返しの連続により、序盤から散りばめられる細かな違和感や、登場人物たちの言動のズレが、終盤に向けて見事に一本の線に収束していき、伏線がきれいに回収されていく構成が見事で、上下巻で1,000ページ近いボリュームながら一気に読ませる力がある作品でした、、、
マーカスとハリーの師弟関係や警官ガロウッドとの関係性はもちろんですが、町の住人たちも一癖も二癖もありながら、どこか憎めない存在として描かれており、登場人物も魅力的……特に被害者のノラは危うさと純粋さを併せ持つ存在として強く印象に残り、彼女の魅力が物語全体の推進力になっている印象ですね。
舞台となるニューイングランドの架空の街オーロラの雰囲気も良く、静かな田舎町の空気と、そこに潜む閉鎖性が物語に深みを与えていました……ミステリとしての完成度と物語の吸引力が両立しており、最後に全ての謎が解き明かされた後に胸に残る切なさが心に残る、満足度の高い一冊、、、
もっと読んでいたかった……と思えるような作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物全員のキャラが立っていてとても良かった。
何が何でも家族を幸せにしたいがため、ダーティーな手段や、ハイリスクな行動すらも必要経費として取ってしまうアランに周りが振り回されるのが主なストーリーの流れだった。
前半はアランの凄まじい就活の準備に描写が裂かれる。50代後半の自分が、周りの若いエリートを蹴落とすにはこれくらいやらなければならないという覚悟のもと、実の娘から金をせしめる場面の緊迫感はもの凄い。ここまでやるか⁈とは思うが、採用側がアランに「頑張れば受かる」というような期待を持たせる行動をし続けたのがそもそもの元凶であると私は思う。
そんなアランの執念が、最悪の形で裏切られる場面は正に物語の転換点であった。物語の流れの大前提を揺るがす展開に、え?じゃあこれからどうすんの?と読んでいて思わずにはいられなかった。
後半はアランのぶっつけ本番の大計画が始動する。予想していなかった展開にも臨機応変に対応するアランの動きがとても痛快だった。
最後のビターエンドはこれまで好き放題やってきたアランの結末としてとても納得できた。アランは結局、自分の家族に自分が思う『幸福』を押し付けていたに過ぎなかったのだ。それに気づけないまま終わる彼の人物像は最初から最後まで一貫していてブレがない。
総じて、読んで損はない大傑作だったように私は感じた。 -
Posted by ブクログ
大傑作、文句なしの大傑作である。
人生で三本の指に入る一冊かもしれない。
それぐらいの衝撃を受けた物語であった。
次々と当時の事の真相が顔を見せ始めてくる下巻。
ノラを殺したのは誰か?この一点が主要テーマなのだが
そこから枝分かれした謎が幾つも出てくる展開。
どんでん返しとは一度起こればいいものだというこちらの決めつけを
軽く裏切ってくる、何度も何度も巻き起こるどんでん返し。
ページを捲る手は一切止まる事なく、半日で読み終えてしまった。
読み始めた時からは想像もできなかった結末。
そしてちゃんと広げた風呂敷をすべて綺麗に畳み掛ける後半。
どれもエキサイティングでハラハラしっぱなしであった。
この物語には人間を揺るがす感情がすべて込められていた。