橘明美のレビュー一覧

  • その女アレックス

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    30代の美しい(そしてちょっと太りやすい)女性アレックスがおひとり様生活を満喫中。唐突に誘拐され、監禁され、嬲り殺されていく。彼女を探すのは同じく妻を誘拐で亡くした偏屈低身長刑事。間に合いますように、と願っていた。途中までは。アレックスが自力で脱出するまでは。

    衝撃、驚愕、そしてものすごく深い深い悲しみが残り、2回読み返して更に悲しくなった。冒頭の楽しい買い物、おしゃれな食事、ひとりの晩酌。なぜ彼女はひとりなのか。なぜ彼女は恋愛を諦めたのか。なぜかつらを買い、太ったり痩せたりし、健康に気を遣って美しさを保ち、男を誘惑するのか。なぜ監禁されても心配する友人がいないのか。なぜ男を殺すのか。なぜま

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    2025年05月18日
  • その女アレックス

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    とんでもないものを見てしまった、という感覚になった
    不思議な読後感でした
    読む順番は、悲しみのイレーヌ→その女アレックス→傷だらけのカミーユですのでお気を付け下さい

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    2025年05月08日
  • 人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題

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    「日本は少子化問題で崩壊する」と予言している事に驚愕するが頷ける。それは本書にある人口動態での重要ポイント「経済力」「民族性」「社会的エゴイズム」があり、日本の現状は経済の低迷路線の選択と単独民族(単独民族の継承・移民不可)を継続していることだ。「崩壊」の主の理由である少子化問題は既に危険レベルにあり、幾ら労働者不足を科学技術で補おうと、また女性の地位と待遇改善を図ろうと手遅れに近いという。政治政策がこのままでは、日本の経済は成長が不可能で、若い夫婦が労働しても賃金的にも時間的にも子供を育てる環境がさらに失くなっていくと言うことだ。それは国家が増税と新税を繰り返しても、高齢者負担(医療・年金・

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    2025年04月05日
  • 悲しみのイレーヌ

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    ネタバレ

    『その女アレックス』から逆行して読みました。
    既にカミーユに起こったこと、それが彼にどんな影響を及ぼしたのか、結末まで知っているのに怒涛のクライマックスまで一気に突き進むスピード感は凄まじく、引き込まれました。
    何なら私も最後のパトカーに同乗していて、衝撃で頭がクラクラしているような気持ちになりました(笑)

    ……結局のところ、これはシュヴェンヌが獄中で完成させた小説を(手紙とともに)カミーユのもとへ送ってきた、この本はその全貌である、ってことなんでしょうか?
    はたまた、既にそれが出版されていてあなたが読んでいるこの小説はそれですよ、ってことなんでしょうか。
    (だとしたら二重トリックのようで面

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    2025年02月03日
  • 邪悪なる大蛇

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    設定が面白いですし、展開がスピーディーであっという間に読んでしまいました!
    よくよく考えてみると誰1人応援したくなる登場人物がいないのに、なぜだか惹き込まれる不思議な感覚。 でも、読んでいる最中は、次から次に誰かを応援したくなるのはこの作者の見事なところかなと。
    少し古い設定に感じるのは書かれた時代によるものですし、荒唐無稽な点も含めて味だと思います。

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    2025年01月25日
  • 邪悪なる大蛇

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    面白かった〜
    まさかこんなラストだなんて。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。

    そして何より、読みやすいのが嬉しい。
    海外ミステリーって、初心者の私にはちょっとハードル高めだったりするの。
    でもこれは全く問題なし!

    ブク友さん達のレビューから、絶対に読みたかった一冊。
    もちろん私はピエール・ルメートル作品初読みです。



    63歳の殺し屋マティルドは、体重78kgで厚化粧www
    そして、認知症…

    その症状に気付いたのは、マティルドに殺しを依頼しているアンリ、70歳。
    二人は旧知の仲だ。
    マティルドの暴走をなんとか止めようとするが…

    作中何度も〝太った高齢女性〟の描写が出てくるが

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    2025年01月17日
  • 悲しみのイレーヌ

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    ネタバレ

    殺され方がどれも残酷で、正直言って好みの本だった。映画しか見たことないけど『羊たちの沈黙』が好きな人は好きなんじゃないかな。

    バッドエンドはあんまり読んだことないけれど、結末も救われなくてカミーユが本当にかわいそうだったけれど、本としては面白かった。

    犯人も、まぁ身近にいる人なんだろなって感じはしたけど、お前かっていう衝撃感もあって良かった。

    続きも楽しみ。

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    2025年01月13日
  • 邪悪なる大蛇

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    絶望感と理不尽がスピーディに繰り広げられます

    認知症の殺し屋という設定の段階でもう優勝決定ですよね

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    2024年12月31日
  • 人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題

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    人口が未来を語るという意味では、日本はかなり重症なことがデータを持ってして理解することができた。もちろん単純な話ではないが、現状の少子高齢化と将来の人口予測は随分以前からわかっていたことであり、対策もできはずだ。日本は少子化の進行を少しでも遅くために、民族性とエゴイズムを捨てる覚悟がなかった。民族性とは移民を受け入れることで、エゴイズムとは女性に偏りがちな子育てを改めず、仕事と子育ての両立を思いとどまらせようとする文化のこと。子供を持つことに消極的なことは仕方ないと思わざるを得ない。

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    2024年12月30日
  • 邪悪なる大蛇

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    おもしろかった‼︎
    主人公と同世代の私…思い当たること続々。
    やったこと次々忘れる、前のことが思い出せない、まあいいか、と次へいく。
    私の忘れるのは洗濯機に洗剤入れたかな?とか、炊いたご飯冷凍したかな?とか、かわいいものだけど、主人公は殺人の武器を始末したかな?とか、死体を処理したかな?とかなので、恐ろしい!
    笑えるし、身震いするほど恐ろしい。さらに別の認知症患者が絡んできて、予測不能、まさに奇想天外な方向へと終盤なだれこむ。
    私のような高齢読者には思い当たるところありありだし、若い人は若い人で、えっ?こうなるの?と驚きの連続だと思うし、唯一無二のここにしかないルメートルワールドです‼︎

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    2024年12月26日
  • 邪悪なる大蛇

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    63歳の現役凄腕の殺し屋マティルドに少しずつ認知症の兆しが見え始める。
    覚えていないことが増え、殺しも必要以上に過激になっていく。
    彼女に殺しを依頼しているアンリは危機感を抱くのだが、マティルドはかつて抱いていたアンリへの恋心が甦り、暴走は加速してゆく。

    最初から最後までマティルドから目が離せない。
    残酷すぎる殺しも躊躇わずに成し遂げるのは、やはり凄腕だからなのか…
    冷酷さと殺しの技術を兼ね備えた彼女に誰も敵わないのか…
    刑事すらものともせず、この暴走を止められる者はいるのか…と。

    いた…死を恐れていない人間が、死の意味がわからない人間がいた。

    ラストの惨劇は衝撃的であり喜劇ですらあった

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    2024年12月10日
  • 悲しみのイレーヌ

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    ネタバレ

    割と序盤で結末が分かってしまった...なんならタイトルで察しがつくというか
    第一部/第二部の仕掛けや文体・描写が良いので大した欠点にもならなかったが

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    2024年11月25日
  • 邪悪なる大蛇

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    主人公のマティルドは63歳の未亡人で田舎で犬と悠々自適な生活を送っている。
    職業は殺し屋。
    若い頃はレジスタンスの美貌の闘士で、当時の司令官アンリから指示を受ける形で殺しを請け負っている。
    そんな彼女に認知症の症状が現れ、殺し方が不必要に残虐になったり、ターゲットを勘違いしたり、組織との連絡方法や銃の処理を忘れたりと、任務に支障が出始めた。
    マティルドを昔から密かに慕っていたアンリはそんな彼女の異常に気づき手を打とうとする…


    歳をとってボケ始めた暗殺者のおばあちゃんというとコミカルな雰囲気だけど、思い込みが激しく感情も制御できず、生来の残虐さをあらわに暴走する凄腕の殺し屋ってところが怖すぎ

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    2024年10月12日
  • 邪悪なる大蛇

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    ネタバレ

    いろんな目線で話が進んでいき、テンポも良いのであっという間に読んでしまった。感情移入したところで主要人物があっさりと死んでいくのもルメートルらしく面白い。最後どうなるのかと思ったらスッキリ、といったラスト。認知症の殺し屋が認知症の老人に制されるといった発想も面白い。

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    2024年10月08日
  • 邪悪なる大蛇

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    六十三歳にして現役の凄腕殺し屋マティルド。しかし老いは容赦なく忍び寄り、彼女は自覚しないうちに認知症の症状に侵されていた。少しずついろんなことを忘れ、忘れたことも忘れ、自分の異変に気付かないままに残酷な殺しをやり遂げるマティルド。彼女の行動に危惧を覚えた司令官のアンリは、やがて苦渋の決断をすることになる。スリリングでハードボイルド、さらにブラックなユーモアも魅力的な、これはまさに残酷な喜劇といいえて妙です。
    部屋が片付かない。凶器の始末を忘れる。標的を間違える(この間違え方が酷い!)。いろいろやらかしながらも、殺しの腕自体はまったく鈍っていないがゆえに、マティルドの危険さがとんでもないです。彼

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    2024年09月15日
  • 邪悪なる大蛇

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    ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!
    ピエール·ルメートルは、やっぱりスゴい。11打数11本全てホームラン。
    彼にとって最後のミステリ作品と言っても、感慨に浸っている隙さえ与えないハイスピードな展開。

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    2024年09月05日
  • 邪悪なる大蛇

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    ★5 認知症の症状が出始めた凄腕の女殺し屋… 純真無垢な彼女の恐ろしい犯罪小説 #邪悪なる大蛇

    ■あらすじ
    63歳の女殺し屋であるマティルドは、かつては冷酷非道の凄腕であったが認知症の症状が出始めていた。昔ながらの上司アンリから指示を受けながら仕事を続けるも、徐々に捜査の手が及び始める。アンリはマティルドを心配するが、肝心の本人はアンリへかつて抱いていた恋心が蘇ってしまい…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    人間だれしも元気で健康的な生活を続けたと思ってる。しかしながら時間というのは残酷で平等、着実に老化や寿命はやってくるんです。社会の裏側で生きていた殺し屋が、認知症を患うとどうなってしまうの

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    2024年08月24日
  • 邪悪なる大蛇

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    「僕が死んだあの森」で、筆を折ったと言われていたルメートルが、最後のミステリーとして出版した「邪悪なる大蛇」。ルメートルファンにとっては、涙が出るほどに嬉しいサプライズ!!

    「現実の人生では理不尽なことが次々と起こるのに、なぜ小説家は手加減しなければならない?」と言うルメートル。そんな手加減なぞ俺様がするわけがない、とばかりに、この作品はカバーにあるとおり「アタマからラストまで、ひたすら加速する最悪と最速のスパイラル」だ。酸鼻の極みのルメートルミステリーでありながら、彼らしい喜劇性も含まれる。

    あー、これで本当にルメートルミステリーとはお別れなのだな。たまらなく寂しい。

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    2024年08月15日
  • 僕が死んだあの森

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    心の拠り所を目の前で喪い、衝動のままに12歳の少年アントワーヌは6歳の子を殺害してしまい・・・・・・おやおや、なんとショッキンな展開。

    一瞬にして自分の人生が狂ってしまう絶望、12歳の少年が背負うには重過ぎる十字架。

    隠したレミの死体がいつ見つかり、どのタイミングでアントワーヌが逮捕されてしまうかというハラハラ感やアントワーヌの抱える地獄のような苦しみ・怯えなどがたまらなく、神か悪魔か・・・運命の悪戯が介入しているかのようなストーリー展開も面白かった。

    一夜の過ちとか何しとんねん、アントワーヌ・・・・・・。

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    2024年07月14日
  • 僕が死んだあの森

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    ルメートルデビューでした。
    吸い込まれるように一日で読み切ってしまった。

    途中で先の展開が気になって数ページめくったら「白旗を掲げた」と書いてあって、見なきゃ良かったなとカンニングした自分を一瞬呪ったけど、思ってたのとは全然違った。これが2011年の章の話。
    2015年の最後のページでは思わず「うぁーーー」と声が出た。

    こんなに集中して本を読んだのはかなり久しぶりな気がする。しばらくルメートル特集になりそう。

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    2024年05月28日