橘明美のレビュー一覧
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ピエール・ルメートル『僕が死んだあの森』文春文庫。
最初から最後まで息が詰まるような重い雰囲気の中で物語は展開していく。主人公の12歳の少年が抱え続ける罪の意識が彼の人生を少しずつ狂わせていく何ともイヤな話だ。
夫と離婚した母親と共に2人きりで小さな村に暮らす12歳の少年アントワーヌは、森の中で隣家の6歳の男の子を誤って殺してしまう。
死体を隠して家に戻ったアントワーヌは大切にしていた腕時計を失くしてしまったことに気付き、愕然とする。そして、小さな村は幼い子供の失踪に騒然となる。
いつ、男の子の死体が見付かり、自分の犯行が発覚するかと怯えるアントワーヌだったが、その3日後に村を嵐が襲 -
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フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇ミステリ作品『傷だらけのカミーユ(原題:Sacrifices)』を読みました。
ここのところフランスの作家の作品が続いています… ピエール・ルメートルの作品は6年前に読んだ『悲しみのイレーヌ』以来なので久し振りですね。
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『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』のヴェルーヴェン警部シリーズ三部作の最終作。
『その女アレックス』に続き、イギリス推理作家協会賞の2015年度インターナショナル・ダガー賞を受賞。
アンヌという女性が二人組の強盗に殴られ瀕死の重傷を負った。
警察からカミーユに電話がかかってくる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後の最後までどんでん返しがあって、優れてミステリーでした。
まずもって読みやすいこと。ここが素晴らしい。
読みやすい文章書くって難しいから。
トリックとか凄くても何がなんだか分からないミステリーいっぱいあるので、まずここだけで半分以上はよく出来てると感じた。
シンプルな文体で読みやすいし、登場人物も魅力的。色んな人におオススメできる。
ノラの二重人格、悪の起源の作者はハリーではなくルーサーなど次々と仕掛けがあって退屈しない。
ノラの死因はなんともしょぼいが…なんとなく真犯人も予想がついた。意識してなのか物語と付かず離れず適度な露出すぎて、あまりにも出来すぎてて絶対トラヴィスじゃんと思っ -