橘明美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
顧問との壁打ちの後、本棚からお借りして。
世界情勢を時事ニュースで追っているだけではなく、本書の人口データから読み解く視点を持ち、自分で考えることが大切だと。
戦争やデモなどは高齢化社会では過激化しないとの指摘には大いに同意。それを考えるとアフリカでのビジネスは要注意か。経済成長とのリスクバランスをどう見極めるか、などと思い巡らせる。
でも最も刮目したのは、最終章の以下の箇所。日本やばいです。
【犠牲となる選択はなにか】
先進国が近代後の人口動態に向かうとき、各国はそれぞれに「トリレンマ」とでも呼ぶべき選択をしている。トリレンマとは二律背反ならぬ三律背反のことだが、ここでは3つの選択肢のうち2つを選び、もう1つを犠牲にするという意味で使わせていただきたい。3つの選択肢とは経済力、民族性、エゴイズムのことだ。「経済力」とは、わたしたちがいまや普通だと思っている好調な経済成長のことであり、「民族性」とは、ある特定の民族集団が、自分たちが祖国と見なす地域で優位を保つことであり、「エゴイズム」とは、狭義では、家族の形成より個人的計画を優先することである。
(中略)
このトリレンマを説明するのに最適な国として、日本、イギリス、イスラエルを取り上げる。
いずれも3つの選択肢のうちのひとつを犠牲にして残りのふたつを享受している国である。まず日本は、経済力を犠牲にして、民族性とエゴイズムを維持している。すでに述べたように、日本は国を開いて大規模な移民を受け入れる準備ができていない。日本人の大多数は多文化主義を歓迎しておらず、これは民族性を選択しているからだ。と同時にエゴイズムも選択しているので、子供を持つことに消極的な日本人は少なくない。子供を持ちたいと思っても、仕事と子育ての両立を思いとどまらせようとする文化、家事と介護のほとんどを女性に押しつけようとする文化に行く手を阻まれてしまう。このような状況では、多くの女性が結婚や子育てより自立を優先させるのはむしろ当然のことだろう。そして民族性とエゴイズムを選択することによって、日本は力強い経済成長を犠牲にし、世界にも例がないペースで政府債務を積み上げてきた。生産年齢人口の減少と、それに続く総人口の減少が経済成長の重い足かせとなっていて、どのような経済介入をもってしても修復の見込みがない。
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Posted by ブクログ
【2026年36冊目】
最愛の妻であるイレーヌを失ったカミーユ警部は、ブランクを経て難解な事件を解決に導くまでに回復していた。女性と関係を持つことなど考えもしなかったが、ある日一人の女性と運命的な出会いを果たし、少しずつ関係性を構築し始める。だが、そんなカミーユに寄り添う新しい女性が強盗犯に暴行されるという悲劇が発生してしまいまい――悲しみのイレーヌ、その女アレックスに続く三作目完結編。
一体全体、カミーユが何をしたっていうんです?作者さんの実生活にカミーユという名の人がいて、よほどいけ好かないとかそんな恨みつらみでも込めてるんですか?と聞きたくなるような悲劇。可哀想通り越して、最早お祓いに行けと言いたくなってくる。
相変わらず見事なプロットで、二日目の途中からおや?と思わされ始め、三日目でひっくり返されました。そ、そう来たか〜!なお、ちゃんと真相はカミーユが整理してくれるので混乱してても大丈夫です。
なんというか、どうして、という気持ちが強い。カミーユ、泣いてもいいんだよ?
三部作の中では、やはりその女アレックスが一番好きですが、完結作も見事な起承転結でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ悪夢の積読消化シリーズ!
十二冊目でおじゃる。
おじゃる?(笑)
はいっ! 出ました〜!!
ヽ(=´▽`=)ノヤッタネ
約1年半振りの★4。
ちょっと甘いかもしれませんが、まあいいでしょう。
オマケです。正月だし。
これは凄いわ。
技術と発想の勝利。
普通の警察物かと思ってたら、その普通部分だけでも充分おもしろいんだけどね。なんせ超グロい連続見立て殺人。女性を拷問し、損壊しまくるシリアルキラー。
それがさらにドン!
そういう仕掛けかーいって驚く!
大胆だねー。
この分量と配分。明らかになるタイミングの妙。
いいね(≧∇≦)b
「その女アレックス」のときもそうだったけどこの作家さんガランガランします。ドンデンの返し方のレベルが違うわ。
あんまり書くとネタバレもいい加減にせえよってなるからアレなんだけど。
この手のは無くはない手法だけど強い。
うまいこと不親切に書いてるもんだから気づかずに読み終えてる人もいるんじゃないかなー?
いい意味での詐欺。
アマチュアの詐欺は騙すだけだけど、一流のプロは騙されたことにも気づかせない、みたいな。
読み終えたとき「えっ!? どっからー?」って読み返したくなります。
はい警告!
↓ネタバレ大ヒントで〜す!
401ページまで読んだら必ず13ページまで戻って見比べて下さい。21ページにも。
「あっ!!」ってなります。
そして混乱します。そこが良い!
402ページの一文を読んだら399ページの一文まで戻って下さい。
そこで気づくでしょう。
今まで読んでいたものの正体に。
足元がグラグラします。
気持ちいーい!
これは鏡花水月だね。BLEACHの。
「いつからだ! いつから鏡花水月を使ってやがった」
「逆にいつから使ってないと思っていたのかね」
みたいなー(笑)
ただ難を言えば、ちょっと悪役が物足りないな。
ビックリはビックリだったけど、もうちょっと深彫りしてもらいたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「その女アレックス」を先に読んだクチです。
ですので、この話の結末は分かっていました。
だから、前半のカミーユと、イレーヌの幸せそうなやり取りのシーンは読んでいて辛かったです。
この作者の本、これで三冊目やけど、どれも最後をモヤモヤしたままにして終わらせますね…まあ、それがまた、持ち味というか、クセになるというか、何だかんだで受け入れてる自分がいますけど。
「ミステリがこれほどもてはやされるのは、人々が無意識のうちに死をもとめているからです。そして謎を。」
このセリフは、なるほどなぁ、と思いました。
確かにそう言う一面はあるかも。
このシリーズ、あと一つあるらしいので、ここまで読んだら最後の一冊まで付き合ってみようかと思います。
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Posted by ブクログ
ヴェルーヴェン警部三部作の完結編。
カミーユは一作目で最愛の妻を失い、二作目ではなんとか職務に復帰し、今作ではアンヌという恋人を作れるまでに回復している。
そのアンヌが武装強盗に巻き込まれて瀕死の重傷を負うところから始まるが、数日前に親友のアルマンも病死しており、冒頭からすでに傷だらけのカミーユ。
その後も執拗にアンヌの命を狙う強盗犯を追うカミーユだが、アンヌを守るために過去の傷をえぐることにもなったりと、とにかくカミーユが不憫で仕方がない。
作者には人の心とかないのか!と言いたくなるくらい傷だらけ…
今作でも巧みなミスリードで読者を驚かせてくれたし、一作目の因縁にもケリがつけられたと言える内容で読み応えがあった!完結編とあるけど、その後のカミーユについて気になるし、せめて心穏やかに暮らせるようになってほしいな…