【感想・ネタバレ】ハリー・クバート事件 下のレビュー

あらすじ

大作家ハリー・クバートの代表作『悪の起源』は、34歳のハリーと15歳のノラの愛を下敷きにしていた! 少女殺しの嫌疑をかけられた恩師ハリーの無実を証明すべく、青年作家マーカスは師直伝の小説作法を実践し独自の調査をもとに『ハリー・クバート事件』を書き上げ、再びベストセラー作家となったが。次々に判明する新事実、どんでん返しに次ぐどんでん返し、世界40か国以上で刊行され、眠れぬ夜を過ごす人々を続出させたスイス発のメガヒット・ミステリ。アカデミー・フランセーズ賞、高校生が選ぶゴンクール賞同時受賞の傑作。/解説=川出正樹

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

大傑作、文句なしの大傑作である。
人生で三本の指に入る一冊かもしれない。
それぐらいの衝撃を受けた物語であった。

次々と当時の事の真相が顔を見せ始めてくる下巻。
ノラを殺したのは誰か?この一点が主要テーマなのだが
そこから枝分かれした謎が幾つも出てくる展開。
どんでん返しとは一度起こればいいものだというこちらの決めつけを
軽く裏切ってくる、何度も何度も巻き起こるどんでん返し。
ページを捲る手は一切止まる事なく、半日で読み終えてしまった。

読み始めた時からは想像もできなかった結末。
そしてちゃんと広げた風呂敷をすべて綺麗に畳み掛ける後半。
どれもエキサイティングでハラハラしっぱなしであった。

この物語には人間を揺るがす感情がすべて込められていた。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

気づけて良かったー!読めて良かったぁ!
めちゃくちゃ面白い!上下巻とも読むのをやめられない。そしてとても読みやすいのに、先は全く読めない。惜しいのはカバーデザインが個人的には好きくない(文庫)もう少し、今風に変更したらまた売れるのではないかしらん?あーひさびさに面白かったー。この作家さんの別の昨日も読んでみよう。

0
2025年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一気読み!
残り100ページくらいになっておおよそ解決したかな?少し謎が残されてるけど…ってとこからの怒涛の展開、意外な真実と真犯人。
アメリカ田舎町の描写も良くて古い海外ドラマを見てるような感じで好き。
ノラの恋が本物で良かった。幸せになってほしかったけど。そこだけが残念。
あとどうでもいいけどマーカスのお母さんが一番頭おかしいと思うけど典型的なユダヤ人みたいに書かれてて嘘だろおい…ってなりましたw

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2022年06月12日

購入済み

本当に面白いと言える本

ミステリーと言うと最近は過激で猟奇的な内容が多く読後の後味の悪い物に辟易していましたが、この物語は海外ドラマを見ているように止まらなくなりました。どの登場人物にも魅力があって会話が面白く、ストーリーはページをめくる度に謎と驚きで読んでいる時間が本当に楽しかった。

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2020年04月30日

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下巻に入るやノラはハリーとの許されぬ恋の果てに横恋慕した男に殺されたことが明らかになりハリーは釈放された。物語はフィナーレを迎えると思いきや、繰り返すどんでん返し。真犯人は違うのか?ノラは何者なんだ?登場人物のそれぞれの人となりが二転三転する。立っては投げられ攻めては返されを繰り返すかわいがりのような展開に読者として心身ともにボロボロにされ、最後まで騙され続ける(^。^)

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2017年11月04日

Posted by ブクログ

アメリカはニューハンプシャー州の田舎町オーロラで33年前に失踪した美少女の白骨遺体が、町に在住の国民的大作家ハリー・クバートの自宅の裏庭から発見され、彼は殺人容疑で逮捕されます。彼の教え子であり、デビュー作がベストセラーとなった作家(ただし二作目が書けずに悩んでいる)でもあるマーカス・ゴールドマンは、自身の恩人であるハリーのために、事件の真相を探ることにします。

現代と過去を行きつ戻りつしつつ、次第に明らかになっていく事件の全貌、と思いきや次々にそれらが覆されるどんでん返しの連続に、1000ページ近いボリュームもあっという間の面白さです。

少女の失踪(殺人)と田舎町での人間模様という点では、過去にも「ツイン・ピークス」のローラ・パーマー殺人事件や、「ミレニアム 第一部」のハリエット・ヴァンゲル失踪事件がありましたが、本作も、被害者の15歳の少女ノラ・ケラーガンとともに、今後忘れられない作品になりそうです。

被害者のノラ自身が最も謎に満ちていて、彼女の本性はどういった人物なのかが最後まで気になりますし、彼女を取り巻くオーロラの人々も、事件を探っていく中で、様々な側面が見えてきて、みんなが怪しく思えてきます。
オーロラの町では部外者であるマーカスの目は、読者と同じ視線であり、彼と一体となって事件を追うスリルをひしひしと感じることができます。

ただ緊迫した場面ばかりでなく、ラブコメといってもいいほどの滑稽ないくつかの恋愛模様が描かれたり、マーカスと離れて暮らす母親との電話での会話では、「全く母親ってやつは」と思わせるようなやりとりにイラっとしたりクスッと笑ったりと、メリハリもしっかり効いてます。

オビにも書いてあるとおり、読み始めたら徹夜を覚悟した方がいい傑作だと思います。いい本に巡り会えました。

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2017年06月20日

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ついさっき、下巻を読み終わった。ちょっとしたロス状態に陥っている。

なんせ下巻もものすごく面白くて、ページをめくる手が止まらず(ページめくるのも、じれったくなるぐらい)寝てる時と風呂以外のほとんどの時間、この本に費やしていた。

謎だらけのノラ事件と、ベストセラー本、悪の起源、オーロラの町の人々。。。アミューズメントパークの巨大迷路に迷い込んだかの様な、出口の見えなさ。何これ?どうなってんだ!え、なんだって?!あれ、こいつじゃない。じゃあ、誰なんだよ!って頭の中で推理してたけど、私はまんまとこの著者に騙されていたし、ミスリードしまくってた。

そして全てが白日の下にさらされた時、それぞれがちょっとしたボタンのかけ違い、思い込みで起こった悲しい悲しい事なんだと分かって、胸がヒリヒリと痛んだ。師と弟子の別れのシーンにも。師はその後、どこでどう過ごしたんだろうか。。。

オマケで、主人公のマーカスと彼の母親との電話のやりがシリアスな本書の中で唯一、ちょっとしたお笑いコントになってて面白かったし、一緒に事件を追っかける警官のガロウッドはマーカスと憎まれ口を叩きあいながらも、相棒としてのキャラクターになっていく過程が良かった。

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2017年05月02日

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ネタバレ

疎遠になっていた作家師弟が、かつて師匠作家が関係した事件に巻き込まれ、
弟子作家が刑事とともに数々の謎を解決しながら師弟愛を取り戻すとともにベストセラー作家になるお話。
ボリュームはあるが、作品の持つ勢いとリズムの良い訳文のおかげでとてもサクサク読める。
上巻の帯に「どんでん返しに次ぐどんでん返し」と書かれていたので覚悟はしていたが、終盤の怒涛のどんでん返し連発にページをめくる手が止まらない。
とても面白い小説に出会えて良かった、と思える作品。
愛だの何んだのは特に刺さらなかったが、嘘で練り固めた師匠の魂を、弟子が友人として解放していく展開にはグッと来た。
原作者もさることながら、訳者の橘明美さんが手がけた作品は今後も追いかけていこうと思う。

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2017年03月07日

Posted by ブクログ

上巻・下巻一気読み。作家が主人公なので余計に入り込めたのかもしれない。上巻のラストが読みにくかったのだけがちょっとマイナス。アメリカの田舎らしさと、閉塞した世界や、ユダヤ人じゃないかと疑って豚肉を食べるか確かめたりとか細かいところも面白い。

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2017年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやあ、ディーバーのようなどんでん返しの結果でした。
結構、良かったです。 ただ物語が、説明のような話が長かったのはちょっと助長のような気もしますが、全てプロットだったので仕方ない。久々の星5つ。

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2016年12月15日

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下巻は目まぐるしい展開
事件が解決したかと思えばのどんでん返し…
何度ひっくり返ったことか…(笑)

しかし、ノラの身の回りに起きたことが「あのパターンはなしだよ!」って思っていたことが的中してしまったので、それはちょっと残念…
でもそれを差し引いても、最後までおもしろく読めました〜
これはぜひ映像化してもらいたい作品!
映画ではなく、ドラマで…
明るい『ツイン・ピークス』みたいな感じ…(笑)

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2024年08月24日

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ネタバレ

最後の最後までどんでん返しがあって、優れてミステリーでした。

まずもって読みやすいこと。ここが素晴らしい。
読みやすい文章書くって難しいから。
トリックとか凄くても何がなんだか分からないミステリーいっぱいあるので、まずここだけで半分以上はよく出来てると感じた。
シンプルな文体で読みやすいし、登場人物も魅力的。色んな人におオススメできる。

ノラの二重人格、悪の起源の作者はハリーではなくルーサーなど次々と仕掛けがあって退屈しない。

ノラの死因はなんともしょぼいが…なんとなく真犯人も予想がついた。意識してなのか物語と付かず離れず適度な露出すぎて、あまりにも出来すぎてて絶対トラヴィスじゃんと思ってしまった。ある意味セオリー通りすぎるのかと。

でも面白かったです。

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2022年10月24日

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高校生が選ぶゴンクール賞受賞作品って何?と思ったけど、どんでん返し満載で、スゴく面白かった。謎自体は普通だけど、最後まで集中して楽しめた。おすすめです。

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2022年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このミス海外編2015年版6位、本屋大賞翻訳小説部門2015年版2位。ベストセラー作家ハリー・クパートのヒット作の創作に絡んだ15歳少女との恋愛やその少女の失跡と白骨死体の発見。ハリー・クパートの無実を証明すべく弟子のマーカスが調査しその結果を出版するお話。
上下2冊のボリュームがあってちょっとしんどいところもあるが全体的に読みやすく一気読み系の本。真相にたどり着くまで結構どんでん返しがあってちょっとついて行くのがしんどいところもあるけど、終盤盛り上がってくる。勢いあるし楽しめます。

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2022年09月23日

Posted by ブクログ

4.2
容疑者が、二転三転、四転五転…(笑)
衝撃のドンデン返しによってまた混迷…

上巻に散りばめられた布石を拾い集め、
一つ一つ繋げてゆく…

下巻はかなり楽しめる。



処女作でベストセラー作家となり、一気にセレブの仲間入りを果たした主人公・マーカスが、ライターズブロックにより書けなくなる。

昔の恩師・ハリーを頼って行った田舎町で、偶然恩師の過去を知ってしまう。
三十代半ばのハリーと15才の娘・ノラの恋を…

そして、三十三年前のある事件によって忽然と姿を消したノラの遺体が、ハリーの自宅の庭で発見された事で、ハリーは瞬く間に尊敬される大作家からゲスの殺人鬼へと堕ちてゆく。

次々と明かされてゆくノラの知られざる顔


当時、ハリーに片想いしていたハンバーガー屋の娘、そして、なんとかして娘とハリーを結びつけようとする見栄っ張りの母親。

その娘に想いを寄せる警察官。

ノラの事件の捜査を担当した署長。

地元の大富豪とその運転手。

捜査線上に現れては消えてゆく容疑者達…
ノラ失踪事件の真実は…


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2021年06月17日

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ネタバレ

デビュー作がヒットした後、次作が書けなくて苦しむ作家、マーカス・ゴールドマンは、恩師ハリー・クバートのもとを訪れアドバイスを得るが、小節を書くには至らない。
そんな時、ハリーの家の庭から白骨死体が発見される。
それは、30年以上前にハリーの前から姿を消したハリーの恋人、ノラのものだった。
誰がノラを殺して、ハリーの家の庭に埋めたのか。
ハリーが逮捕され有罪が濃厚になったとき、マーカスはハリーの無罪を証明するため事件を調査し、その過程を本として出版することにした。

下巻の3分の1くらいまでは予想できた。
でもその後、二転三転する事件の真相を知りたくて、寸暇を惜しんで読みました。
そのくらい、面白かったし、結末はやはり衝撃ではありました。

しかし、二転三転する原因は、捜査の詰めの甘さであったり、作品ができてもいないのに高額の契約金で縛り、強引に出版に持ち込む出版業界の拙速のせいであったり、とにかくじっくり証拠固めをするなんてことが全くないせいだというのが、ちょっとなあ。
実際に私が事件に巻き込まれたとして、思いつきと悪意とこじつけで犯人にされたらたまらんなあと思ってしまった。

それにしても、誰もがみんな秘密を抱えていて、誰もがみんな正直ではない。
秘密を守るために手段を選ばないなんて、人としての浅ましさばかりが最後に残ってしまった。
いや、面白かったんだよ、本当に。

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2020年12月08日

Posted by ブクログ

いやーーどんでん返しに続くどんでん返しでびっくりして何度かゆっくり読み返す箇所もあり。
見事に予想を裏切られた。
そして悲しい。
ハリーとマーカスの年齢を超えた友情も好きです。

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2020年07月09日

Posted by ブクログ

上巻で色々引っ張っておきながら下巻で、勢い、やる気、面白さなど一気に失速する上下巻セットというのも多数存在するのだが、これはっ!期待を裏切る面白さ!しかも読めば読むほど面白さが加速する、マジで貴重な本だぞ。
そんでね、自分がこの本で好きな所はね、主人公の母親がメッチャ「おかん」な人なんですよ。家でおかんアート(毛糸のドアノブとか)(キューピーのドレスとか)絶対作ってそうなおかんっぷりなんですよ。結局、愛って存在は結構うっとおしいもんなんじゃないのか?失った物に限って、美化してしまう物なんじゃないのか?

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2019年05月13日

Posted by ブクログ

これはかなり読み応えがありました。舞台は米国ですが なんというかとても凝った構成で、また時代の流れをうまく表現した傑作と思います。

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2018年01月03日

Posted by ブクログ

下巻も一気読み。まるで映画やドラマを見てるようで面白かったし 翻訳が「アレックス」シリーズと同じ方だったので違和感なく読めた。ただ上下巻で1000ページほどになる長編なので途中でまどろっこしく飛ばし読みしたくなる箇所もあったが..とても面白いのだが 個人的には 後半の怒濤の展開..は あまりにひねり過ぎのような気もしたし 読み終えても結局ノラが どんな少女だったのか ノラの人間性の真実は?というと いまひとつ納得できない部分が残る。ただそれを差し引いても「面白さ」という点では群を抜いていたと思う。

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2017年01月27日

Posted by ブクログ

推理小説として読んでしまうと、盛り込みすぎでどうなの?と思ってしまうだけど、これはミステリーではないとの解説を読み納得。
色んな不幸な出来事が重なった結果という感じだった。
でも、真犯人には同情できないけど。
ノラ殺害の真犯人とは別に、ハリーの謎かけの落とし所も納得でき、全体として良かった。

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2016年11月16日

Posted by ブクログ

<どんでん返しに次ぐどんでん返し>という惹句の通り、終盤は事件の真相が二転三転する忙しない展開が続く。これはこれで面白いけれど、どんでん返しを多用することによって、最終的に導き出される真相のインパクトが随分薄れてしまった印象は否めない。上巻でも感じた通り、登場人物が皆一様に素直過ぎるので些か深みに欠けるが、ロバートやマーカスの母といった愉快なキャラクターは十分魅力的に描けていた。難点を差し引いても、刊行当時若干二十八歳の若さでこれだけ書けるのならば、ヨーロッパでベストセラーになったというのも大いに頷ける。

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2022年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻を読み、上下巻に分かれている理由が分かった。
モヤモヤする内容ではあるが、一読した人の感想を聞きたくなる本だった。

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2017年04月05日

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