【感想・ネタバレ】文明交錯のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年10月02日

HHhH、言語の7番目の機能の著者ローラン・ビネによる歴史改編小説。インカ帝国がヨーロッパを逆に征服していたらという歴史ifもの。章ごとに記述方法がことなる年代記風の作品で、第1章をアイスランド人によるアメリカ大陸進出を読んだときは不慣れな歴史をベースにしていることもあり、つらいかと思ったけれど、コ...続きを読むロンブスが登場する第2勝ぐらいから興に乗り始め、インカ帝国がヨーロッパに進出する第3章はめっぽう面白い。歴史的な知識がある方が楽しめるのは間違いなく、自分も完全に楽しめた自信はない。第4章はオマケみたいなものだけれど、セルバンテスとグレコ、モンテスキューの対話はモンテスキューの思想家としての面目躍如という感じ。セルバンテスがモンテスキュー夫人に恋するくだりはドン・キホーテそのもの。
他の作品も読みたい。

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Posted by ブクログ 2023年06月18日

いわゆる歴史改変小説で、インカ帝国が滅びずにヨーロッパにやってきて、あれよあれよと、というていでお話は進行する。年代記風の文体で書かれていて、まさに見てきた風な内容で、華麗に逆転の歴史が展開するのは見事としか言いようがなく、まぁ荒唐無稽ではあるのだけど、あながちそうとも言い切れない感が醸し出されてい...続きを読むるので、歴史好きほどクスリとかニヤリとかしながら楽しめると思う。

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Posted by ブクログ 2023年06月05日

インカ帝国は1533年にピサロ率いるスペイン軍によって滅ぼされた。が、もし、インカ帝国軍が海を渡り、逆にスペインを征服していたらどうなるか?が描かれた歴史改変小説。

僕は世界史が苦手で知識がほとんどない。歴史の知識があればあるほどこの小説を楽しむことができただろうと思うと、残念で仕方ない。

ジャ...続きを読むレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」にヒントを得て描かれたそうなので、もしこれから読まれる方がいらっしゃいましたら、こちらも参照されるとより楽しめるかもしれません。

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Posted by ブクログ 2023年05月23日

自分にとってはHHhH以来のローラン・ビネ作品。とても面白い。

ラテンアメリカに大型の家畜になる哺乳類や鉄を使う文明が伝わっていたらどうなれたか、という高度な知的遊戯のような歴史改変物語。気高いアタワルパの物語はなんとなしに痛快感がある。それは宗教が多くの人の命を奪った歴史を知っているからだと思う...続きを読むけど、ヨーロッパの行った暗い歴史に対するヨーロッパの人々の思いとはどういうものなのか。この小説がヨーロッパでも高く評価されるのをみると、ちょっとよくわからない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月11日

「HHhH」の著者の新刊と言うことしか知らないまま読んでみた。大帝国インカが寡兵の探検隊に滅ぼされた理由とされる「銃・病原体・鉄」をヨーロッパによる征服以前からインカ帝国が手にしていたらどうなっていたか、ある種の架空戦記モノ。
インカから漂着してヨーロッパを制圧したアタワルパの物語が中心でおまけみた...続きを読むいにその前後談かあるんやけど、やはりカール5世やフランソワ1世、ヤコブ・フッガーやロレンツォ・メディチといったヨーロッパ史のオールスターみたいな中で異物たるアタワルパが大暴れするところがええよね、と思いつつも、おまけでええからその後の近世、近現代史も読みたいと思ったり。

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Posted by ブクログ 2023年07月15日

エル・グレコとセルバンテスがモンテーニュの館に居候する件のサイコーなことよ。
太陽神の九十五か条の提題も良かったなあ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月24日

そもそもの世界史の素地が無いのに読み始めている。
かつて『銃・病原菌・鉄』を読んだときに、何故、インカ帝国がスペインに滅ぼされたのか、納得していたので、この本がフィクションとは分かっていたけれどうっかり集中してしまって、楽しい読書時間となった。

何しろ、整合不整合も分からないままの読書なので、本気...続きを読むで楽しいとは言い難い、恥ずかしいけれど。
こういった本が世間の方々にもっと認めて頂けたのなら紙の書物、こんなに危機感を感じることはないのかも~
老婆心ながら、余計なことまで考えてしまったを

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

インカ帝国がヨーロッパを征服する歴史改変小説

歴史の転換点の多くは偶然性に依るのだから、JDの名著「銃・病原菌・鉄」とは真逆の世界線が起こっていてもおかしくはない

史実とフィクションが入り混じり、妄想か拡がる
前作「HHhH」といい、文学界の新鋭だなー

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Posted by ブクログ 2024年01月20日

 ヨーロッパ(スペイン)人によるアメリカ大陸発見と侵略の歴史を逆転し、インカ人がヨーロッパを征服するという歴史改変小説で、逆転パロディみたいな話。第一部〜第二部は、前日譚でごく短く、本書のほとんどを第三部の「アタワルパ年代記」が占めている。
 おそらく大半はカール五世の事績をアタワルパに置き換えて語...続きを読むっているのだと思うけれど、この時代のヨーロッパ史に通暁しておらず、なんとも言えない。詳しければもっと楽しめたのかも。「年代記」というように、記述もわりと淡々としていて、あまり心躍る感じでもなかった。強いて言えば、セルバンテスがメインで、エル・グレコやモンテーニュもでてくる第四部が一番面白かったかな。
 この話のとおりに歴史が進んでいたら、今ごろルーヴルのピラミッドはメキシコ風の太陽神殿だったんですかね(パリはメキシコ人によって陥落)。宗教的・人種的寛容などについて、いろいろと考えさせられる本ではあった。知識を深めてから、再読してみたい(時間ないけど)。

 ※この版元は校正が甘いのか、誤植がちらほらと。註番号が抜けていたりするのは、さすがにいかがなものかと思いましたわ。

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Posted by ブクログ 2023年09月14日

新大陸から旧大陸の征服は、疫病の力を使えないので、どうしても現実感に欠けてしまう(新大陸人が免疫を持っていたとしても、その点で対等になるだけで、史実のコンキスタドールのような少人数で多数を征服するのは不可能。)。

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Posted by ブクログ 2023年09月03日

まさにJ・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』への挑戦とでもいうような、インカ帝国がヨーロッパ(キリスト教世界)を侵略していく歴史改編小説。ただ、こちらの歴史の方が、宗教に寛容で、民衆に重税を課すこともなく、実際の歴史よりもマシだったのではないかと思わざるを得ない。

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