あらすじ
モントクレアのゴールドマン家の息子であるぼくは、ボルティモアの裕福なゴールドマン家に憧れていた。身体の弱い息子ヒレルと、伯父たちが引き取ったスポーツ万能のウッディという少年は兄弟のように暮らし、ぼくもそこに加わってトリオのように過ごしていた。そこに難病を抱えた少年スコットがヒレルたちの学校に転校してきた。彼の姉が美少女アレクサンドラだった。ぼくたちトリオの関係は少しずつ危ういものになっていく。そして、スコットの死、伯母の死。少年たちの成長、挫折、恋、葛藤。そして親族間の行き違い……。悲劇の真相とは?
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Posted by ブクログ
著者の二作目をずっと待っていた。前作『ハリー・クバート事件』の面白さが忘れられなかった。待ってた甲斐があった今作。誰もが憧れるような伯父の電話から事態は始まり時間が前後しながら進む。裕福な伯父一家に羨望と嫉妬を覚えるマーカス。伯父の家族のヒレルとウッディ。三人の固い結びつきとアレクサンドラという女性の存在。青春小説の要素がとても鮮やかで、その輝きが増せば増すほどミステリー色が後半につれて強くなって様々な事件や悲劇を起こす。それぞれが守りたいものとすれ違いや誤解。過去にあった本当のこと。それを受け止めることの絶望感。たくさんの感情に揺さぶられっぱなしで結末まであっという間。多くの人に読んでもらいたい作品。
Posted by ブクログ
回想が長くて思いっきり引っ張りまくって最後まで読まないと悲劇の真相に辿りつかないというw
好みは分かれそうですが私は面白かったです。こういう一族の年代記っぽいの、『心臓を貫かれて』とか『赤朽葉家の伝説』とか好きなんで。
みんなどこかで軌道修正出来たはずなのに毎回ダメな方の選択肢を選び続けて崩壊へまっしぐらって感じです。
アレクサンドラはいわゆる天然のサークルクラッシャーみたいなものかw
とりあえずアニタとコリーンが一番不憫。
最後はまあ落ち着くとこに落ち着いたってことで良い終わり方だったと思います。
Posted by ブクログ
時間を絶妙な匙加減で前後しながら語られるゴールドマン家の物語。ウッディが何故あの時ああしなかったのか、という一点が納得できない。それがなければその後の悲劇は起きるはずもなかったと思うが、まぁやむかたなし、でストレス。