橘明美のレビュー一覧

  • わが母なるロージー

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    カミーユ・ヴェルーヴェンシリーズ四作目
    ただし時系列的には二作目「その女アレックス」と三作目「傷だらけのカミーユ」の間

    今作も二作目と同様主に「なぜ」という動機に焦点があてられた作品

    ある意味犯人は加害者でもあり被害者でもあるという可哀想な立場でもあった

    ラストは案外アッサリ

    ページ数も200ページでお手軽に読める

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    2023年02月19日
  • ハリー・クバート事件 下

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    <どんでん返しに次ぐどんでん返し>という惹句の通り、終盤は事件の真相が二転三転する忙しない展開が続く。これはこれで面白いけれど、どんでん返しを多用することによって、最終的に導き出される真相のインパクトが随分薄れてしまった印象は否めない。上巻でも感じた通り、登場人物が皆一様に素直過ぎるので些か深みに欠けるが、ロバートやマーカスの母といった愉快なキャラクターは十分魅力的に描けていた。難点を差し引いても、刊行当時若干二十八歳の若さでこれだけ書けるのならば、ヨーロッパでベストセラーになったというのも大いに頷ける。

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    2022年08月14日
  • ハリー・クバート事件 上

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    絶賛スランプ中の若手作家が恩師の窮地を救うべく奔走するミステリー小説。舞台はアメリカだが、原書はフランス語のよう。上下巻併せて千頁近いボリュームの割に実にスローペースな展開だが、癖がなくテンポの良い文章で、リーダビリティーは高い。若干拗らせた性格の主人公もキャラクターが立っているが、殆どの登場人物が彼に協力的過ぎて物足りなくもある。ハリーを巡る女性陣の思惑や名著と謳われている作中作が三文ロマンス小説さながらで、その辺りは少々興醒めするかも。下巻はどんでん返しの連続らしいが、どう着地するのか非常に気になる。

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    2022年08月14日
  • ゴールドマン家の悲劇 下

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    時間を絶妙な匙加減で前後しながら語られるゴールドマン家の物語。ウッディが何故あの時ああしなかったのか、という一点が納得できない。それがなければその後の悲劇は起きるはずもなかったと思うが、まぁやむかたなし、でストレス。

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    2022年05月29日
  • ゴールドマン家の悲劇 下

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    上巻で退屈な展開を感じてたが、下巻でワクワクが止まらないみたいに色々な処で書いてあったから、ここからが、と構えて読んだが、、、ハリークバートが良かったので、同じ作者ならと期待したのだが私の思うのとは違ってて残念だった。

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    2022年05月27日
  • 監禁面接

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    読み終わった後に、「何かに似てるな...」と思っていたのですが、ドラマのブレイキング・バッドに似てます(賛否両論あると思いますが)。

    ブレイキング・バッドのほうがよりクレイジーだし、失業が始まりだったわけではないけど、これまで地道に頑張ってきた中年男性が、貧乏がきっかけでどんどん邪の道に逸れていくという所はそっくり。

    人間追い込まれると思いもよらないことをする、という点は鮮やかに描写されていますが、採用面接のために、「流石にそこまでする?!」というツッコミが最後まで消えなかったので、若干評価は低めです。

    でも失業という社会問題については共感するところが多分にあったので(私も今は仕事あるけ

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    2022年05月22日
  • わが母なるロージー

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    久々、のピエール・ルメートル。
    そもそもこの本も、だいぶ前に買ってはいたものの、なんとなく冒頭を少し読んだだけで中途半端に放置していた。(←今思うと、趣がそれまでの三部作とちょっと違っていたからかも。)

    比較的先が読みやすい(※悪い意味ではない)中編。猟奇殺人とか謎解きではなく、犯人が確定している爆弾魔の話なので、重厚ミステリ系を期待していると拍子抜けしちゃうかも。

    長編よりもサクッと読めて、でも節々のブラックユーモアやちょっと気の利いた語り口はいつもの感じのままなので、気軽に楽しめる感じの一冊。気分転換に喫茶店で珈琲片手にどうかしら。

    ラストは、読めていたとは言え、メールの文面にせつな

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    2022年04月17日
  • わが母なるロージー

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    ネタバレ

    久々のピエール・ルメートル作品。

    衝撃を受けた「その女アレックス」シリーズです。

    正しくは「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「傷だらけのカミーユ」の三部作。

    身長145cmのヴェルベーン警部が活躍するシリーズは三部作だと思っていたら、出ました!続編となる本作。

    期待していた割に積読期間は長かったですが、前三作と比較すれば半分程度のページ数、サクッと読み終えた分どうしても前三作と比較した時に物足りなさを感じてしまいました。

    本作は著者が偶然道路脇に空いた穴を見かけ、すでに読み終えた「天国でまた会おう」を執筆中にインスピレーションを受け生み出された作品。

    もうヴェルベーン警部に会

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    2021年11月27日
  • 監禁面接

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    今作は、「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部で構成されている
    そして一部と三部と二部の語り部が変わる
    主役は57歳で四年前から無職の元人事部長アラン
    その彼の努力も虚しく、家族の為に再就職を頑張っているがどんどん空回りと共に生活が落ちていく
    そんな彼にチャンスが? 一流企業の人事担当の募集の審査に通っていくが…
    やはり中高年の失業者が主役なので、何とも気持ちが落ちて行く
    そして、ネタバレになるかもしれないが主役アランが面接に臨むにあたり、借金を重ね、元警察官から数回のレクチャーを受けただけで銃の扱いや元傭兵と対峙できるほど凄腕になるところに嘘臭さが漂う
    そしてフランス人の作者だからか、妻

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    2021年09月11日
  • わが母なるロージー

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    中編です。数日間の出来事を時間単位・分単位で追っていく構成で読みやすい。犯人と警官の緊張感のある駆け引きが楽しめました。

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    2021年08月21日
  • 奴隷のしつけ方

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    ネタバレ

    ケンブリッジ大学ジェリー・トナー氏による古代ローマ貴族が当時の奴隷について語る形式の本。語り口調の文章は取っ付き易く、内容も興味深い。
    奴隷を度々卑下しながら「奴隷とは運命次第で自分が身を置くかもしれない身分なのにそれでも奴隷を軽蔑できるだろうか」など理想と現実の乖離を感じる。
    女奴隷が産んだ自分の子は「自分の血を引いた奴隷」扱いのようだが、もしかして売りに出すこともあったのだろうか。
    おもしろい本だが、分かりづらい箇所がいくつかあった。例えば、女奴隷を解放し主人の正式な妻とすることが書かれている。一方「皇帝の奴隷や解放奴隷が特別な地位にあることは、クラウディス帝によって法的にも認められた。ク

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    2021年06月14日
  • ムーブ ユア バス

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    資本主義社会でのし上がっていくにはというテーマだったので、今の私にはちょこっと合わなかったかも

    でも、組織や個人が成長する方法を知るという面では視野が広がった!

    当たり前のことを当たり前に
    一生懸命は正当に評価して見返りを

    向上心と行動力だいじ

    ただ、ライダーであれ人格否定はだめ

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    2021年06月05日
  • わが母なるロージー

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    パリで爆破事件が発生。出頭してきた犯人は、残り6つで毎日爆発と脅迫。交渉にヴェールヴェン警部を指名、場所を教える条件は拘留中の母親の釈放・金・オーストラリア移住と身分証。交渉の結果、3日目に母と二人、飛行場に向かうタクシーに乗り込む。

    3部作を読み終えて、もっと読みたくなったときに、ちょうどいい。砲弾が埋まっているというフランスの状況も興味深かったです。

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    2021年05月22日
  • 監禁面接

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    ネタバレ

    映画を見ているような内容だったなぁ。
    本当にあっても、おかしくない話。
    ハッピーエンドとは思えないけれど、アランが自由になれただけ良いと思おう…

    そういえば、ハッピーエンドなんて、ルメートルに求めてはいけないんだった!

    そして、まさか涙ぐむシーンがあるとは思わなかった!(シャルル)

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    2021年03月09日
  • 奴隷のしつけ方

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    古代ローマの貴族が、奴隷の所有、管理等について、自分の意見を開陳するという体裁で書かれた本。
    語り手が教養ありすぎで、一般的な意見のように見えない。普通に書いた方が良かったんちゃうかな。

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    2021年03月03日
  • 監禁面接

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    ピエール・ルメートル『監禁面接』文春文庫。

    ノンストップ再就職サスペンスとは一体どんな物語なのだろうか。同じようなテーマの作品で、ダグラス・ケネディの『仕事くれ。』があったのを思い出す。

    これまでの作品に比べると、全く面白くない。美味しい話には裏があるという教訓を再確認出来たのが唯一の成果。4年もぷらぷらしていた57歳のおっさんが一流企業から声が掛かる訳が無いし、就職試験で拉致監禁なんて有り得ないということに気付かぬ愚かさ。

    リストラにより職を追われ、実業4年目となる57歳の主人公、アラン・デランブリは再就職のエントリーを繰返しながら、製薬会社の倉庫のバイトで糊口をしのいでいた。ある日、

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    2021年01月27日
  • わが母なるロージー

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    ネタバレ

    アルマンが出てこなかったのが悲しい。アルマンがいろんな人からものをかっさらってくとこが好きなんだけど。短くてサクッと読めた。ストーリーは普通。

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    2021年01月27日
  • わが母なるロージー

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    ーカミーユ警部復活ー

    パリで爆発事件が発生した。警察に出頭した青年は、爆弾はあと6つ仕掛けられていると告げ、金を要求する。カミーユ警部は青年の真の狙いは他にあるとにらむが…


    【その女アレックス】からファンだったカミーユ警部にまたお会い出来るなんて光栄です!!

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    2021年01月24日
  • 監禁面接

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    ピエール・ルメートルの長編。

    時期的には、「死のドレスを花婿に」の翌年、「その女、アレックス」の前年に刊行された作品。

    今ひとつ主人公に共感できず。
    他の作品と比べると、ストーリーもイマイチ。
    だから、翻訳されるのが、他作より遅かったのかな?

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    2021年01月12日
  • 監禁面接

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    ネタバレ

     モノローグでテンポのいい筆致のため一気に読み進められるけど、リアリティがなくていまひとつ。

     フィクションだから非現実的なこと自体は否定しないけど、何となくの印象で言うと、こうしようという設定が先にあって、そのおぜん立てをするために無理なストーリを前に持ってきているような感じ。私立探偵のメスタクや元警察特別介入部隊警部のカミンスキーはその後の展開のために必ず必要になってくるけど、彼らを登場させるまでの設定があまりにも雑すぎる。

     アランがロマンと共謀してエクシャル・ヨーロッパの裏金を盗んだという話も設定が雑すぎるし、裏金を追っているフォンタナや捜査をしていたはずの警察、検察がロマンのこと

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    2021年01月06日