橘明美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み終わった後に、「何かに似てるな...」と思っていたのですが、ドラマのブレイキング・バッドに似てます(賛否両論あると思いますが)。
ブレイキング・バッドのほうがよりクレイジーだし、失業が始まりだったわけではないけど、これまで地道に頑張ってきた中年男性が、貧乏がきっかけでどんどん邪の道に逸れていくという所はそっくり。
人間追い込まれると思いもよらないことをする、という点は鮮やかに描写されていますが、採用面接のために、「流石にそこまでする?!」というツッコミが最後まで消えなかったので、若干評価は低めです。
でも失業という社会問題については共感するところが多分にあったので(私も今は仕事あるけ -
Posted by ブクログ
久々、のピエール・ルメートル。
そもそもこの本も、だいぶ前に買ってはいたものの、なんとなく冒頭を少し読んだだけで中途半端に放置していた。(←今思うと、趣がそれまでの三部作とちょっと違っていたからかも。)
比較的先が読みやすい(※悪い意味ではない)中編。猟奇殺人とか謎解きではなく、犯人が確定している爆弾魔の話なので、重厚ミステリ系を期待していると拍子抜けしちゃうかも。
長編よりもサクッと読めて、でも節々のブラックユーモアやちょっと気の利いた語り口はいつもの感じのままなので、気軽に楽しめる感じの一冊。気分転換に喫茶店で珈琲片手にどうかしら。
ラストは、読めていたとは言え、メールの文面にせつな -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々のピエール・ルメートル作品。
衝撃を受けた「その女アレックス」シリーズです。
正しくは「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「傷だらけのカミーユ」の三部作。
身長145cmのヴェルベーン警部が活躍するシリーズは三部作だと思っていたら、出ました!続編となる本作。
期待していた割に積読期間は長かったですが、前三作と比較すれば半分程度のページ数、サクッと読み終えた分どうしても前三作と比較した時に物足りなさを感じてしまいました。
本作は著者が偶然道路脇に空いた穴を見かけ、すでに読み終えた「天国でまた会おう」を執筆中にインスピレーションを受け生み出された作品。
もうヴェルベーン警部に会 -
Posted by ブクログ
今作は、「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部で構成されている
そして一部と三部と二部の語り部が変わる
主役は57歳で四年前から無職の元人事部長アラン
その彼の努力も虚しく、家族の為に再就職を頑張っているがどんどん空回りと共に生活が落ちていく
そんな彼にチャンスが? 一流企業の人事担当の募集の審査に通っていくが…
やはり中高年の失業者が主役なので、何とも気持ちが落ちて行く
そして、ネタバレになるかもしれないが主役アランが面接に臨むにあたり、借金を重ね、元警察官から数回のレクチャーを受けただけで銃の扱いや元傭兵と対峙できるほど凄腕になるところに嘘臭さが漂う
そしてフランス人の作者だからか、妻 -
Posted by ブクログ
ネタバレケンブリッジ大学ジェリー・トナー氏による古代ローマ貴族が当時の奴隷について語る形式の本。語り口調の文章は取っ付き易く、内容も興味深い。
奴隷を度々卑下しながら「奴隷とは運命次第で自分が身を置くかもしれない身分なのにそれでも奴隷を軽蔑できるだろうか」など理想と現実の乖離を感じる。
女奴隷が産んだ自分の子は「自分の血を引いた奴隷」扱いのようだが、もしかして売りに出すこともあったのだろうか。
おもしろい本だが、分かりづらい箇所がいくつかあった。例えば、女奴隷を解放し主人の正式な妻とすることが書かれている。一方「皇帝の奴隷や解放奴隷が特別な地位にあることは、クラウディス帝によって法的にも認められた。ク -
Posted by ブクログ
ピエール・ルメートル『監禁面接』文春文庫。
ノンストップ再就職サスペンスとは一体どんな物語なのだろうか。同じようなテーマの作品で、ダグラス・ケネディの『仕事くれ。』があったのを思い出す。
これまでの作品に比べると、全く面白くない。美味しい話には裏があるという教訓を再確認出来たのが唯一の成果。4年もぷらぷらしていた57歳のおっさんが一流企業から声が掛かる訳が無いし、就職試験で拉致監禁なんて有り得ないということに気付かぬ愚かさ。
リストラにより職を追われ、実業4年目となる57歳の主人公、アラン・デランブリは再就職のエントリーを繰返しながら、製薬会社の倉庫のバイトで糊口をしのいでいた。ある日、 -
Posted by ブクログ
ネタバレモノローグでテンポのいい筆致のため一気に読み進められるけど、リアリティがなくていまひとつ。
フィクションだから非現実的なこと自体は否定しないけど、何となくの印象で言うと、こうしようという設定が先にあって、そのおぜん立てをするために無理なストーリを前に持ってきているような感じ。私立探偵のメスタクや元警察特別介入部隊警部のカミンスキーはその後の展開のために必ず必要になってくるけど、彼らを登場させるまでの設定があまりにも雑すぎる。
アランがロマンと共謀してエクシャル・ヨーロッパの裏金を盗んだという話も設定が雑すぎるし、裏金を追っているフォンタナや捜査をしていたはずの警察、検察がロマンのこと