王城夕紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋、次が柴田勝家かな。機械による戦争というか殺戮への反発、中国辺境のムスリムテロリストとか伊藤計劃好きそう、と思いました。どうもファンタジー系は苦手みたいで伏見完と仁木稔はちょっと苦手。王城夕紀と長谷敏司は単独でおもしろいけど、前2人も含め伊藤計劃あまり関係ない印象。
伴名練は屍者の帝国のスピンアウト -
Posted by ブクログ
ネタバレ伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。
伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。
テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。
個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。
で -
Posted by ブクログ
ネタバレ青の数学もうちょい続くかと思いましたが今作で完結のようですね。
結論面白かったです。
前作ではわりと順調に見えていた栢山が前半はスランプに陥ります。なんかもう無。数学ないとこんなに無なのかお前って感じです。スランプから脱してからの疾走感は前作同様とても気持ち良かったです。
度々出てくる回想にはミスリードがあり、ある一文ですべてひっくり返ります。お見事でした。
数学とはなにか?終盤にわかりますが、まあ納得。
すっごい人出てくる割に主人公がだいぶ浮いてんな、あんまり深い関わりないなと思っていましたが(高校生の青春の醍醐味的な)、あーこれは数学とはなにか?の答えを書くための人たちだったのかあと。腑 -
Posted by ブクログ
土瓶さんの本棚から
「数学は複雑で明快」
数学と論理でできている「数学世界」というのがあるらしい
高校生栢山たちを夢中にさせる数学の世界が、私にも感じることができるならこんな熱い青春(高校生活)もいいなぁと思った(私は高校3年間は運動部だった)
「戦うことを舐めている人に勝たせるつもりはない」天才たちが繰り広げる決闘
熱くて…熱くて
数字は日々追っているのですが、数学とは離れた生活をしている私には、ちょっと錆びた脳内を使った心地よいだるさが残った作品だった
読めない名字の登場人物が多いこの作品
私の名字が出てきた時にはやっぱり嬉しかった
読みにくい名字の人のあるある、できれば間違わず -
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Posted by ブクログ
五科目の中で数学が一番好きだったことから、気になって読んでみました。
作者独特の言い回しに最初は少し苦戦しましたが、後半はスラスラと読み進めることができました。
ただ数学の問題を解き、競い合うのではなく、「なぜ数学をするのか」「数学とは何か」「なぜ競い合うのか」といった問いについて、主人公たちが考えを巡らせていく物語。
出でくる主人公のキャラが濃く、アニメ化したらそのキャラが一層際立って面白いだろうなと読みながら思っていました。
ゴールドバッハの予想、なんて美しいんだろう。
そして、久しぶりに数学の問題集を開いてみようか、なんて思ったりもしました。
読みながら、大学受験のとき、 -
Posted by ブクログ
数学が好きな者が集うネット上のコミュニティ、E2(Eの2乗)。ここでは、腕自慢達が日々数学で決闘している。そこを舞台として、各々が 数学とは? 決闘とは? と自問自答しつつ難問を解いていく青春物語。
栢山という列記とした主人公がいながらも、まるで群像劇のように展開されていた。
数学に対する姿勢や矜恃が、それぞれのキャラクターごとに活き活きと描かれている部分がすごく好みだった。
登場人物が皆それぞれ全力で突き進む姿に、自分も何か没頭できるものを見つけたい・全力を尽くしたいと感じた。
特に、栢山の「何もしないで、好きなものなんて見つかるわけねえじゃん。一生見つかんねえよ」という言葉が心に残った