王城夕紀のレビュー一覧

  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    続編で完結編。

    「数学は、数学自身で自分が無矛盾である、と証明することができない。数学は自分が確かに無矛盾だ、とは絶対に言えない。と、いうことが証明されてしまった」
    この一文がズシンときました。
    数学にはトキメキがあるなあ…。

    足元が崩れていくような心地になりながら、それでも数学をやる。主人公に...続きを読む
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    数学の神秘的な世界
    そしてそんな世界に魅せられた高校生達の心情を

    多彩に美しく表現し
    詩のように楽しめる本
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    数学を通して、作者の青春の定義が凝縮されたような小説だった。

    レーヴェンハイムとスコーレムの証明のくだりが、数学だけではない、すべてのものに当てはまることなんじゃないかと思った。進み続ければ、見えない景色が見える。それを知りたいと思うことに、理由をつけることってできるのか。つまり、数学とは、進み続...続きを読む
  • 天盆
    面白かったです。
    H×Hを彷彿とさせられました。
    なんとなく天地明察も。
    家族の絆の物語と天盆を究める物語。
  • 天盆
    デビュー作と読後に知り、今後チェックすべき作者が一人増えた気がする。

    天盆(将棋ような?)が人々の娯楽でもあり、また政を司る人を選ぶ科挙制度を持つ時代、一人の童が歴史に挑む。
    凡天の家族はなんて素敵なんだろう。物語の終わり方には寂しさも感じるが、どこか空の下で、家族揃ってまた百楽門食堂を開いていて...続きを読む
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物
    私たちは量子という波であり
    他の波に留められなければ
    粒子として存在できない。

    出会いのすべてが偶然だが
    それは必然でもある。

    誰かが必要とするから
    出会いたいと強く願うから
    その波に反応して
    私という波は粒子として顕在化する。

    この一冊の本を通じて とてつもなく
    大きなことを教えられたよう...続きを読む
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物
    量子力学をテーマにしたSF仕立てですが、生きるっていうことを追求していくような話になってる。全世界的にテロと経済崩壊が連鎖していく未来像が、なんだかとてもリアルに感じる。いつどこに跳ぶかわからない主人公のごとく、物語もあちこちに跳ぶ。そして徐々に結末に向かって収束していく。なかなかスリリングで目が離...続きを読む
  • 天盆
    なんて素敵な家族だろう。
    理由なんて、ないものの方が強いのかもしれない。
    その後も、彼らが家族として過ごしていてくれていたたらいいな。
    お父さんもお母さんも、兄弟みんなも、とても愛しい!
  • 天盆
    初夕紀。将棋を模した盤戯“天盆”。初めにパッと浮かんだのが、H×Hの“軍儀”。最期の凡天vs白斗は、王vsコムギのようであり、vsネテロのようでもあった。大変楽しゅうございました^^
  • 走る?
    14人の新進気鋭の作家たちが、Number Doに寄稿した「走ること」に関する短編集。走る気になる作と、ならない作があるが、作家さんたちがランナーという訳ではないので仕方ない。でも、その著者なりの「走る」ということの考え方がなんとなくわかり面白かった。
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    【収録作品】緑の公準/秋の素数/冬の無限/雪の公理
     数学、という世界の話ではあるけれど、何かを求めてあがいている人に共通の話でもある。
  • 伊藤計劃トリビュート
    ページ数のボリューム感に感動した…気に入ったのは「未明の晩餐」「ノット・ワンダフル・ワールズ」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」
  • 伊藤計劃トリビュート
    文句なく面白かった。伊藤計劃と同時代のSF作家はこういう世界を作る ということがよく知らされたと思う。第三世界、AI、ドローンなど共通アイテムを持ちながら、それぞれが興味をそそられつつ読んだし、短編ながら充足感があった。
    長編が気に入らなかった某作家が、意外にもここではめっぽうひきこまれるものを読ま...続きを読む
  • 伊藤計劃トリビュート
    読んでてダルくなる話が多いなと思ったのは私の読解力のせいとして…。未明の晩餐とフランケンシュタイン三原則はとても素敵な香りがしました。
  • 伊藤計劃トリビュート
    収録作のどの作家の作品も読んだことがない
    と思うけど、トリビュートという縁で知ったからには
    少し手を出してみようか、と思うくらいに
    どの作品も面白く読める。
    勿論、伊藤計劃という対象があってのことだけど。
  • 伊藤計劃トリビュート
    SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
    というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋...続きを読む
  • 伊藤計劃トリビュート
    伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。

    伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。

    テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計...続きを読む
  • 青の数学(新潮文庫nex)
    とある数学の才能を持つ高校生が、同じ数学好きの同年代の人たちと数学で競い合う。数学で競うのはどうしてだろう、と疑問を持ちながら数学を解き続ける。
    なぜ、なぜ、なぜ、が飛び交う高校生たちの苦悩も感じられた。それこそが青春なのか。

    数学の内容はあまり触れず、ぼんやりとした世界観の中で人たちが自分の疑問...続きを読む
  • 青の数学(新潮文庫nex)
    大学でかなり数学に苦しめられたので解けるというメンタルで立ち向かえるのは高校生の特権だな〜と、失ったものを回顧。自分は数学が得意だと信じて疑わなかったあの頃がひたすら懐かしくなった。
  • 青の数学(新潮文庫nex)
     数学は、中世の時代から競い合うことで発展してきた歴史があり、本作は、そんな数学の問題に真剣勝負を挑む若者たちの物語です。

     主人公は高1男子・栢山。冒頭、天才女子高生・京香凜と出逢い、「数学って、何?」と問われ困惑‥。栢山は高校入学後、本格的に数学と向き合っていきますが、この問いが繰り返し通奏低...続きを読む