王城夕紀のレビュー一覧

  • マレ・サカチのたったひとつの贈物
    SF。ファンタジー。近未来。
    SFマガジン2015年6月号の新刊紹介から。
    "量子病"により、世界中をワープし続ける主人公。
    SFとしては、ワープの原理がどうこうではなく、近未来の社会や人間の生活の移り変わりを描いた、ディストピア小説風。
    ワープすることにより多くの人々との出会いを経験する、主人公の...続きを読む
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物
    量子病という創造の産物を媒介に世界各地の貧困、不条理、不公平を体験していく主人公。その中で、人の優しさ、哀しみも同時に感じていく。ネットでは決して味わえない出会いと別れ。
    現実はどこに向かうのか。
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    ある意味文字通りの“青春小説”。

    数学に文字通り青春を掛ける高校生たちの物語の続巻だが、青春とは何かがここまで深掘りされて問われるとは思わなかった。そう考えると、「青」の意味するところは自明なのかもしれない。

    結果、前巻に比べて数学そのものよりも、彼ら、彼女らの生き様がクローズアップされている。...続きを読む
  • 青の数学(新潮文庫nex)
     「読売中高生新聞」というところがやっている「君に贈る本大賞」というのがあって、それの2018年度の結果発表のリーフレットに載っていた本。1位は『君たちはどう生きるか』、2位が『星の王子さま』、3位は『蜜蜂と遠雷』と続いているが、おそらくランク外で「数学先生編」というところで、数学の先生がおすすめし...続きを読む
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    続きが気になったので一気読み。圧倒的青春小説だった。うん、なんかキラキラでまばゆい(笑)

    数学に関わる人々の想いが苦悩も含めてとても美しい。自分は数学は苦手ですが美しい数式とか証明を見るのは好き。理解出来ているかは又別の問題ですが…

    というわけで一巻で投げかけられた問題が二巻終わりで解答として出...続きを読む
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物
    うーん。天盆のインパクトがあまりにも強すぎて期待しすぎてしまった感。とはいえ読後感は非常に清々しい◎
    現代へのウィットの効いた風刺はハートに心地よく、マレとジャンの再会を願わずにはいられない。

    別れたって、何度でも出会えばいい。

    二人がもう一度、あの部屋で、出会えますように。
  • 天盆
    面白いしさくさく読める。温かくて優しい物語だけど、意外な驚きや胸に突き刺さるようなところは、、なかったかもしれない。
  • 天盆
    「青の数学」が面白かったので手にとってみた。

    天盆とは日本でいう将棋みたいなもの。
    物語の終盤まで天盆にのめり込み、子供ながら無類の強さへ成長していく末子の凡天の向かうところと、家族の絆(とくにあのだらしなく見える父がね)に感動。

    凡天が天盆を制覇した後のドラマチックな展開を期待し過ぎたのかもし...続きを読む
  • 天盆
    架空の盤戯と、架空の国と、色々1冊に入れ込んでいるからお腹いっぱい。試合展開は集中してもなかなか想像が追いつかず…
    でも、少勇はダメおやじなんだけど芯はかっこいいなぁと思った。凡天に対しては天盆ラブしか特徴がなく、なんの感情移入もできなかった。
  • 走る?
    未読の作家のたくさんつまったオムニバス。それぞれの作家の傾向と実力の片鱗がうかかわれて楽しい読書だった。
    走るということは苦しいけど楽しい。そんなテーマに集まった作家たちの目の付け所がみどころか。
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    (1)より面白く読んだ。才能の違いを、あるとわかっていながら、追いつけない追い越せないと嫌というほど認識しながら、それでもその場所であがくことをやめられない。これぞ青春だよなぁ、という感じ。
  • 走る?
    Number Doに連載されていた
    「走る」をテーマにしたアンソロジー

    ある意味読書の対極にあるものが題材ということで、
    なかなかおもしろい切り口だなと思い。

    14本の短編のうち、良かったのベスト3は
    「パン、買ってこい」 中田永一
    「ベランダと道路」 柴崎友香
    「リスタート」 恒川光太郎
    です...続きを読む
  • 走る?
    「走る」をテーマに14人の作家が競作。
    日々のランニングのモチベーションが上がるような疾走感あふれる作品が収録してあるのかと思いつつ手に取りましたが、そこは実力派の先生方。凡人の思い通りにはいきません。思わず膝を打ち、唸ってしまうような「走る」小説が並び、裏切られました(喜)

    14本どれもが個性的...続きを読む
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)
    1冊目のテーマが、「青春とは割り切れないもの」として素数が中心だった。本作は、「青春に正解はないが、限りなく近づくことはできる」ということで微分を取り上げているのだろうか。1作目より淡々としているが、青春という年齢ではないがいろいろ考えさせられる。コミュニケーションのプランニングも、正解かどうかはわ...続きを読む
  • 伊藤計劃トリビュート
    藤井太洋「公正的戦闘規範」★★★
    伏見完「仮想の在処」★★★★
    柴田勝家「南十字星」★★
    吉上亮「未明の晩餐」★★★
    仁木稔「にんげんのくに」★★★
    王城夕紀「ノット・ワンダフル・ワールズ」★★★
    伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」★★★★★
    長谷敏司「怠惰の大罪」★★★
  • 伊藤計劃トリビュート
    いろんな作家さんの短編集。
    伊藤計画っぽさとかは問うていないらしい。
    伊藤計画らしいのもあれば、全く違うものも。
    影響を受けて書いた作品というところでまとめてもこれだけ幅のある短編になるんだなあと感心しました。

    個人的には、「怠惰の大罪」という作品が面白く、「公正的戦闘規範」という作品が伊藤計画っ...続きを読む
  • 伊藤計劃トリビュート
     今は亡き伊藤計劃。
     彼に贈る儚さに満ちた物語。
     サイコパスまんまだなぁ、とか、ブレードランナーだなぁ、とか、ディックだなぁ、とか。
     藤井さんのゲームの大元が、っていうのは実際ありそうだなー、とか。
     殆どが、血にまみれ肉にまみれ、痛々しい箇所もありますがそれもご愛嬌。
  • 伊藤計劃トリビュート
    「未明の晩餐」「仮想の在処」「フランケンシュタイン三原則」がよかった。「ノット・ワンダフル〜」は露悪的すぎて感心しないけど、後期クィーン的問題なのはよかった。