王城夕紀のレビュー一覧

  • ノマディアが残された

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    すごい物語を読んでしまった。王城夕紀さん、未チェックだったんだけど、すごい作家さんじゃないですか?

    私自身のタイミングも良かった。『プロパガンダ戦争(前出)』を読んで難民・移民の現状を垣間見た後での同書だったので、現在の現実が透かして見えるようだった。
    ”複製”やアプリなど、技術的なことはイメージでついていくしかないけど、想像し得る描き方だったので問題なし。
    後ろの参考文献も興味深い。不勉強なため私は1冊もよんでなかったけど。

    王城さんが寡作らしいことが、唯一残念な点です。もっと読みたいし、出版元の中央公論新社さん、こんな大作眠らせておくなんて以ての外ですよ!

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    2025年12月03日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    一作目を祖父にプレゼントされてからしばらく経って、この本を書店の本棚に見た。すぐに手に取ってうちに帰った。終わらないで、終わらないでと何度も読んで、また僕の手の中ではじまる。

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    2025年10月18日
  • 青の数学(新潮文庫nex)

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    僕があまりにも数学が苦手だからって、まず数学に興味を持つ様にと、祖父が中学生の頃に買ってくれた本。結局、数学には全く興味を持てないまま、この小説はなんだか気に入って、何度も読み返している。

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    2025年10月15日
  • 青の数学(新潮文庫nex)

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    数学は問題が解けたときに得られる快感はとても良いが、なかなか解けずにもがき苦しむことがよくある。

    この本は、中学・高校時代に数学につまずいていたときに読んでいた本。

    主人公やその他の登場人物が、それぞれの信念を持って数学の問題に挑んでいく。解いている中で壁にぶち当たることもあるが、それを乗り越えていくところ。苦しさを感じてもなお、挑んでいくところに勇気づけられる本です。

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    2025年06月15日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    数学は、ひとりでもできる。それなのに、なぜ決闘をするのか。そんな疑問が数学に全てを捧げる者たちの間に広がっていた。だんだんと人が去っていく。そんな中、皇は栢山に一ノ瀬の十問で決闘を申し込む。なぜ、と問う栢山に対し、大事なのは、と皇は口を開き「たどり着こうと歩き続ける人間がひとりじゃない、ということだと思う」と答える。研究で悩んでたけど、この本を読んで、面白いことをやるってことはきっと散々な目にあうってことなんだと勇気づけられた。共に闘う仲間がいる。あとは考え続けるだけだ。

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    2025年05月04日
  • 青の数学(新潮文庫nex)

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    栢山は、雪の降るある日、ひとりの女子高生に出会う。そして、彼女が発した「数学って、何?」という一言から、数学にすべてをささげる青春がはじまっていくことになる。この本を読んでいて、数学の問題を解いているときの研ぎ澄まされた感覚や、高揚感を追体験した。まるで自分もその場にいるみたいに。ごはんと寝る以外を数学に費やす合宿は、青春って感じがする。ひーひーいいながらも何かに夢中になることって、そのテンションって楽しいよね。これは数学だけじゃなくて、打ち込んでいる他のことにも言えると思う。第二巻も読みたい。

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    2025年05月04日
  • ノマディアが残された

    nas

    購入済み

    テーマもエンタメ性も最高

    めちゃくちゃ面白いし良い。近未来SFエスピオナージもので難民がテーマ。今年ベストな気がする。攻殻機動隊とか伊藤計劃作品が好きな人は好きなはず。答えのない問題にどうにか答えるという作品が好きなんだけどこの人の作品は毎回それがめちゃくちゃカッコ良くて痺れる。今回も色々やってて英雄の定義も良かったけど課長の動く理由がめちゃくちゃ良かったな。あと世界を変えるのはテクノロジーっていうのがそうだよなって感じで好き。実際は色々要因になるんだろうけど今はその発達が一番速くて他はもう追いつけない気がするんだよな

    #感動する #カッコいい #アツい

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    2024年09月30日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    シリーズの1巻が面白すぎたので、2巻も読んじゃった。相変わらず作者の言葉選びが好きです。
    恋愛小説を読んで恋がしたくなるように、この本を読んだら無性に数学がやりたくなるはず。
    正直、もっと早い時にこの本に出会いたかった。

    私の高校には東大数学科出身の若い数学の先生がいて、読みながらずっとその先生のことを考えていました。院で研究をやりながら教師をしていて、もし先生だったらどういう読み方をするんだろうと。
    その先生の一番好きな定理は、この本にも出てくるカントールが提唱した連続体仮説。そんな先生がこの本をどう読むのか知りたい。
    もう高校を卒業しちゃったし、すでにその先生も辞めてしまったそうなので会

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    2024年04月17日
  • 青の数学(新潮文庫nex)

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    本の装丁とかがラノベっぽかったのであまり期待していなかったのだが、思わぬ誤算でめちゃくちゃ面白かった。
    私は正直数学があまり得意な方じゃないけど、それでも読み終わった時には数学を解きたくなっていた。恋愛小説読み終わった後に恋愛したくなるのと同じ感覚。
    不思議。

    著者はきっと数学科卒とかなんだろうなあ…と著者紹介を見たら、なんと普通に早稲田の一文卒。
    めちゃくちゃ文系。
    でも逆に、その輪の外にいるからこそここまでのものが書けるのか、とへんに納得もした。
    数学の魔力に取り憑かれている当事者だったら、ここまで冷静に伝わりやすく面白く、数学の計り知れなさを書けないかもしれないな、と。
    シリーズもので

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    2024年01月14日
  • 青の数学(新潮文庫nex)

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    比喩などの表現技巧が沢山、登場人物の名前が難しくてそっちに気が取られるという印象が大きい。これらと数学というテーマとのある種の矛盾を感じたりもしながら、もっと早く読んでおけばよかったと思った。数学ができない人生(苦手だから高校序盤で諦めていた)だったから、来世では登場人物たちみたいな青春を送りたいと強く思うし、なぜかジェラシーをも感じてしまう。出てくる数学ワードや問題にほんの少しでも馴染みを感じるられるから、全くできなくても進学校で高校数学の授業を受けておいてよかったと思えた。

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    2023年12月29日
  • 青の数学(新潮文庫nex)

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    「数学」を中心につながる高校生たちの物語。幼い頃に師と交わした約束を果たし、数学の世界へと足を踏み入れ、学生生活を過ごす主人公が、様々な人と出会い、E2というインターネット上のサイトに足を踏み入れる。そこで数学とは?数学で競う意味は?などの哲学的な疑問の答えを探りながら、数学を学ぶことを朧げながら掴んでいき、物語が展開される。後半ではE2に集ったライバルたちが合宿で顔を合わせ、切磋琢磨しながら、自分たちが数学を続ける理由を見つけ、トップを目指していく。E2が数学の才能を持った者たちの集まる場であることは確かでも、彼らが解いているものは、まだ「数学」ではなく「青の数学」。数学の面白さと、数学の決

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    2023年08月15日
  • 青の数学(新潮文庫nex)

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    数学に全てを賭ける少年少女の物語。完璧文系脳の私でも楽しめる、寧ろ今まで無縁だった世界に触れられて嬉しい。まるでスポーツ小説を読んでるかのように胸が熱くなる!数式分からんとかそんなの気にならんくらい小説に浸れる。

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    2023年07月22日
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物

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    “出会いと別れ”

    少し前のイチオシ本。
    ネット社会の今だからこそ読んでほしい。

    少し複雑な文章構成からなる
    少し不思議な「量子病」を持つ稀の物語。

    世界中を飛びまわる彼女が、出会いと別れを繰り返す。
    ある時、自分の存在をネットに移住させる提案を受けるも悩んでしまう。
    旅をしながら彼女が出した答えに、ネット社会を生きる私たちもなにか感じるものがあるはず。

    私は、人とのリアルな付き合いに恋しさを感じた。

    『別れあってこそ、出会いがあるのだ。』
    『出会え。別れたって、また、出会え。』
    出会いと別れの、どうしようもない大切さを感じた。

    もっともっと時間を作りたい。。

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    2023年02月23日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    高校時代からずっと、自分のやりたいことと言うのがわからなかった私には、とても刺さる本だった。

    何より詩的な表現がいいし、大きな山場というものが無いものの、心に刺さり、わけも分からず泣いてしまいそうになる小説だった。

    表現もストーリーの進め方もとても好みだったので、王城先生の他の小説も読んでみたいと思う。

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    2022年05月11日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    好きなことを、好きの気持ちだけでどこまで続けられるのか。最大限の努力でも辿り着ける場所には限りがあるから、みんなが葛藤しながら選び続けている。
    文体が特徴的で、初めは少しそっけなく冷淡な空気を感じていた。しかし後半になって一気に印象がかわった。難解な問題が解けたとき、悩みの突破口が掴めたとき、この文体が最高に生きる。高揚感と一気にフル回転する思考をリアルに表現している。

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    2021年11月26日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    前作からの続きで結末を迎える本書。
    数学を題材にしているものの、テーマとしては「なぜやり続けるのか」を掲げているように感じた。
    様々な意見を受けながら、オリンピックが開幕している。
    世界のトップアスリートの活躍を数多く見ることができ、感動を与えられている点では、開催できたことを喜ぶべきだと思う。
    トップアスリートには彼らなりの悩みが、自分たちには理解することができない悩みがあるのではないかと思う。
    自分が人生をかけて努力してきたことに順位や記録という結果が残る。
    国の代表としてやり続けていけばいくほどその先が見えなくなることがあるのではないだろうか?世界のライバルと戦ってさらに高い壁の存在に気

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    2021年08月01日
  • 天盆

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    かつてどこかにあった国「蓋」。そこでは盤技「天盆」を制するものが国を動かす。天盆に魅入られた少年凡天が、歴史を変える天盆に挑む。

    天盆とは将棋に似た架空の遊戯。しかしその大会で勝ち進んだものは、政治の世界での立身出世が約束されているという。その設定からして面白いのです。天盆の細かいルールーは書かれていません。しかし駒が盤上を動き、相手を攻め牽制し駆け引きが行なわれ勝敗を決する、その様子が活き活きと描写され手に汗を握ります。
    これはもう表現力の勝利でしょう。具体的でない描写で、盛り上がりだけを見せる。しかしその反面、具体性だけでキャラクターを書き分けることもするのです。

    主人公凡天は13人き

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    2021年06月24日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    2冊目にしてようやく京(かなどめ)をすっと読めるようになった。
    京さん、最初に出てきた時にはこの本をミステリーだと思っていたのもあって主人公と組んで活動する人だと勘違いしていたが、ある意味ずっと主人公と共にいたのか。

    主人公が自分の道を見つけたのは嬉しいが、シリーズもこの巻で終わるのが寂しい。
    もっと栢山や新開、庭瀬たちと一緒にいたかった。そう思わせられる作品に出会えて、私は幸せだ。

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    2021年02月23日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    登場人物名に数字が入っているのが好き。

    終盤のタイトル回収の流れも好き。

    「たどり着く場所があるかは分からないけど、進み続けない限り答えは分からない。」
    それを教えてくれる一冊だと思います。

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    2021年01月23日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    登場人物たちの一言一言がとても深い。そして共感できる。
    全身全霊をかけてなにかに挑むということは苦しいけれど、だからこそ偉大なのだと思った。
    数学好きにはたまらない青春小説。悩みながらも進み続ける人間同士の"本気"のぶつかり合いに、興奮を抑えられなかった。

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    2020年12月29日