王城夕紀のレビュー一覧

  • マレ・サカチのたったひとつの贈物

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    “出会いと別れ”

    少し前のイチオシ本。
    ネット社会の今だからこそ読んでほしい。

    少し複雑な文章構成からなる
    少し不思議な「量子病」を持つ稀の物語。

    世界中を飛びまわる彼女が、出会いと別れを繰り返す。
    ある時、自分の存在をネットに移住させる提案を受けるも悩んでしまう。
    旅をしながら彼女が出した答えに、ネット社会を生きる私たちもなにか感じるものがあるはず。

    私は、人とのリアルな付き合いに恋しさを感じた。

    『別れあってこそ、出会いがあるのだ。』
    『出会え。別れたって、また、出会え。』
    出会いと別れの、どうしようもない大切さを感じた。

    もっともっと時間を作りたい。。

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    2023年02月23日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    高校時代からずっと、自分のやりたいことと言うのがわからなかった私には、とても刺さる本だった。

    何より詩的な表現がいいし、大きな山場というものが無いものの、心に刺さり、わけも分からず泣いてしまいそうになる小説だった。

    表現もストーリーの進め方もとても好みだったので、王城先生の他の小説も読んでみたいと思う。

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    2022年05月11日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    好きなことを、好きの気持ちだけでどこまで続けられるのか。最大限の努力でも辿り着ける場所には限りがあるから、みんなが葛藤しながら選び続けている。
    文体が特徴的で、初めは少しそっけなく冷淡な空気を感じていた。しかし後半になって一気に印象がかわった。難解な問題が解けたとき、悩みの突破口が掴めたとき、この文体が最高に生きる。高揚感と一気にフル回転する思考をリアルに表現している。

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    2021年11月26日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    前作からの続きで結末を迎える本書。
    数学を題材にしているものの、テーマとしては「なぜやり続けるのか」を掲げているように感じた。
    様々な意見を受けながら、オリンピックが開幕している。
    世界のトップアスリートの活躍を数多く見ることができ、感動を与えられている点では、開催できたことを喜ぶべきだと思う。
    トップアスリートには彼らなりの悩みが、自分たちには理解することができない悩みがあるのではないかと思う。
    自分が人生をかけて努力してきたことに順位や記録という結果が残る。
    国の代表としてやり続けていけばいくほどその先が見えなくなることがあるのではないだろうか?世界のライバルと戦ってさらに高い壁の存在に気

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    2021年08月01日
  • 天盆

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    かつてどこかにあった国「蓋」。そこでは盤技「天盆」を制するものが国を動かす。天盆に魅入られた少年凡天が、歴史を変える天盆に挑む。

    天盆とは将棋に似た架空の遊戯。しかしその大会で勝ち進んだものは、政治の世界での立身出世が約束されているという。その設定からして面白いのです。天盆の細かいルールーは書かれていません。しかし駒が盤上を動き、相手を攻め牽制し駆け引きが行なわれ勝敗を決する、その様子が活き活きと描写され手に汗を握ります。
    これはもう表現力の勝利でしょう。具体的でない描写で、盛り上がりだけを見せる。しかしその反面、具体性だけでキャラクターを書き分けることもするのです。

    主人公凡天は13人き

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    2021年06月24日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    2冊目にしてようやく京(かなどめ)をすっと読めるようになった。
    京さん、最初に出てきた時にはこの本をミステリーだと思っていたのもあって主人公と組んで活動する人だと勘違いしていたが、ある意味ずっと主人公と共にいたのか。

    主人公が自分の道を見つけたのは嬉しいが、シリーズもこの巻で終わるのが寂しい。
    もっと栢山や新開、庭瀬たちと一緒にいたかった。そう思わせられる作品に出会えて、私は幸せだ。

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    2021年02月23日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    登場人物名に数字が入っているのが好き。

    終盤のタイトル回収の流れも好き。

    「たどり着く場所があるかは分からないけど、進み続けない限り答えは分からない。」
    それを教えてくれる一冊だと思います。

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    2021年01月23日
  • 青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)

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    登場人物たちの一言一言がとても深い。そして共感できる。
    全身全霊をかけてなにかに挑むということは苦しいけれど、だからこそ偉大なのだと思った。
    数学好きにはたまらない青春小説。悩みながらも進み続ける人間同士の"本気"のぶつかり合いに、興奮を抑えられなかった。

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    2020年12月29日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    伊藤計劃って名前のせいなのか?
    この8人の作家による中篇集は、それぞれがかなりの攻撃力を持っている。
    またまた、それぞれが異なる作風で僕をアタックする!
    早逝した怨みを晴らそうとしているようだ。
    たまらん!

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    2019年11月27日
  • 天盆

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    独特の言い回しなんで、好みが分かれる気もする。自分のイメージは石川啄木。あくまで個人の感想です。
    この言い回しから繰り出される言葉の数々がなかなかに強力で、いちいちうまい感じで出てくるもんだから、もう、ね。個人的には小勇を子供らが助けに行って暴動が起きる下りが強烈だった。映像無しでここまでやるのは相当やで。
    しかし傍から見れば娯楽にうつつを抜かしてる間に国が亡びるんだから、ろくでもない。
    でもそれが良い。

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    2018年12月08日
  • 天盆

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    「天盆」という名の(将棋に似た?)盤戯。幼い頃、天盆に魅せられた凡天。彼は 大好き という気持ち一つで強くなっていく。父と母、十二人の兄弟たちのことも大好きな彼は貧しいけれども幸せな家族の中にいる。父母の覚悟、兄弟の思いやりも美しい。

    強い凡天を見て思い浮かべるのは中学生でプロ棋士になった彼ですね。やっぱり

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    2018年07月06日
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物

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    ネタバレ

    量子病、といういきなりどこかにワープしちゃう病気にかかった女の子を主軸に書かれてる。

    SFファンタジーなんだけど、どこか現実の現代の未来がこうなってもおかしくないなって思えるくらいには、いい意味で想像に易いファンタジーで入り込みやすかった。
    あと、細かく章が分けられてて、それが唐突なワープ感を上手いこと描写しててすげ〜って思った。

    SNSとか、カップルアプリとか、出会いを求める人間に比例してツールも増えて、その繋がりが切れないツールや仕組みも同時にたくさんあって、それって離れ難いから作られたものだ。
    おじいさんは「別れなど、なぜ、なくてはいけない。」って言った。
    同じ事を思った人が仕組みを

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    2018年05月29日
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物

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    量子病??? そもそも"量子"って何? よくわからないままに読み進めても、面白かった。稀が出会う人たちとの会話が、語られる言葉が一つ一つ心に残る。
    ポッ ポッ ポッ ポッ ポッ
    思い出したのは ………
    百億の昼と千億の夜
    スター・レッド
    銀の三角

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    2018年05月28日
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物

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    ネタバレ

     本作は、『天盆』に続く王城夕紀さんの第2作だという。読み始めてすぐ感じた。『天盆』とはタイプが大きく異なる作品だ。『天盆』が明快かつ連続的な物語ならば、本作は哲学的かつ断片的な物語だ。それには理由がある。

     主人公の坂知稀(まれ)は、「量子病」という奇妙な病に冒されていた。自らの意思と関係なく、世界中をワープし続ける。いつ跳ぶか、どこに跳ぶか、予測する術はない。稀のワープに伴い、物語も跳ぶから、断片的になるわけである。各節は短く、それほど長い作品ではないのに、実に148節から構成されている。

     跳ぶ先々での出会いが、一期一会のときもあり、何度も会うときもある。なぜか戦乱やテロの真っ只中に

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    2018年04月03日
  • 天盆

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    天盆はその国、背景、舞台となるゲームすべてが架空のものなのに、なぜか光景が浮かんでくる物語です。
    白黒はっきりの世界観がここちよく、大好きなものに一生懸命打ち込む気持ち、大きな権力にも負けない気持ち、家族が信じあう気持ちがストレートに描かれているので、スポーツの試合を見終わったあとのようなさわやかな読後感もあり。
    真夏の暑さや疲れを忘れて楽しみたい方におすすめです。  (将棋はニガテ)

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    2017年09月17日
  • 天盆

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    なんだこれ!Σ( ̄□ ̄;)話にグイグイ引き込まれた!(^o^;)天盆(将棋っぽい盤戯)に夢中になり、家族愛に心が震える(;゜∇゜)あぁ誰かにオススメしたいけれど、近くにファンタジー好きがいない(T-T)

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    2017年09月12日
  • 天盆

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    なんじゃこりゃおもしれええええええ。この家族全員が愛おしすぎて貧乳が破裂するところだよ。父上が格好悪いのに格好良過ぎてなんかもうどうしたらいいのこれ。とにかくこの一言に尽きる。
    「誰かのために戦う奴に勝てるわけがない」

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    2017年09月09日
  • 天盆

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    ネタバレ

    「青の数学」愛読者としては
    手に取らないわけにはいかない。

    驚いた。これが…デビュー作???

    数ページ読み進めただけで、この国の人々や
    時代背景の設定、ここの登場人物の名前と
    キャラクターが、びしびし頭に入ってくる。
    ファンタジーは登場人物がやたらに多く、
    国名なども架空だから、設定そのものを
    消化するだけに一度通読しなくてはならない
    場合だってあるのに。

    それだけじゃない。映像が脳裏に浮かんでくる。
    いきいきと街が周りに浮かび上がってくる。

    凄すぎるよ…この筆力。圧巻だ。

    天盆の対局を経て、凡天の対戦相手たちが
    精神的な成長を遂げてゆくさまは
    どこか「蜜蜂と遠雷」に似て清々しい。

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    2017年08月22日
  • 天盆

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    ネタバレ

     『青の数学』シリーズの王城夕紀さんの作品である。文庫化を機に手に取ったが、この熱量は『青の数学』に匹敵するだろう。設定上の共通点は多い。数学に打ち込む栢山。本作の主人公が打ち込むのは、「天盆」という盤上遊戯。ゲームである。

     架空のゲーム「天盆」とは、将棋に近いイメージだろうか。具体的なルール説明や図は、一切出てこない。それなのに、これほどまでに対局の熱気が伝わってくるのは、なぜなのか。具体的数式をほとんど出さずに、数学の熱気を演出した著者ならではの手腕である。『青の数学』シリーズのファンなら、はまるだろう。

     テーマが架空のゲームなら、時代や舞台も架空。三国志時代の中国を連想する。本作

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    2017年07月27日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    いかにも伊藤計劃トリビュートらしい中編集。
    戦争をAIから取り戻す「公正的戦闘規範」、AIが推奨される選択肢を掲示する世界「ノット・ワンダフル・ワールズ」が特に面白し、伊藤計劃らしさがある。
    分厚さもありSFはじっくり読み込んでしまうので時間がかかったが非常に面白かった。

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    2017年04月22日