【感想・ネタバレ】青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)のレビュー

あらすじ

数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山(かやま)は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の1人、二宮。京香凜(かなどめかりん)の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第2弾。

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一作目を祖父にプレゼントされてからしばらく経って、この本を書店の本棚に見た。すぐに手に取ってうちに帰った。終わらないで、終わらないでと何度も読んで、また僕の手の中ではじまる。

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2025年10月18日

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数学は、ひとりでもできる。それなのに、なぜ決闘をするのか。そんな疑問が数学に全てを捧げる者たちの間に広がっていた。だんだんと人が去っていく。そんな中、皇は栢山に一ノ瀬の十問で決闘を申し込む。なぜ、と問う栢山に対し、大事なのは、と皇は口を開き「たどり着こうと歩き続ける人間がひとりじゃない、ということだと思う」と答える。研究で悩んでたけど、この本を読んで、面白いことをやるってことはきっと散々な目にあうってことなんだと勇気づけられた。共に闘う仲間がいる。あとは考え続けるだけだ。

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2025年05月04日

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シリーズの1巻が面白すぎたので、2巻も読んじゃった。相変わらず作者の言葉選びが好きです。
恋愛小説を読んで恋がしたくなるように、この本を読んだら無性に数学がやりたくなるはず。
正直、もっと早い時にこの本に出会いたかった。

私の高校には東大数学科出身の若い数学の先生がいて、読みながらずっとその先生のことを考えていました。院で研究をやりながら教師をしていて、もし先生だったらどういう読み方をするんだろうと。
その先生の一番好きな定理は、この本にも出てくるカントールが提唱した連続体仮説。そんな先生がこの本をどう読むのか知りたい。
もう高校を卒業しちゃったし、すでにその先生も辞めてしまったそうなので会う機会はないだろうけど、いつか会えたらこの本をお勧めしてみたい。

簡単なものでもいいから、数学の問題集買って解いてみようかな。数学は、どんな形でもどんな場所でもやり続けていけるんだもんね。

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2024年04月17日

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高校時代からずっと、自分のやりたいことと言うのがわからなかった私には、とても刺さる本だった。

何より詩的な表現がいいし、大きな山場というものが無いものの、心に刺さり、わけも分からず泣いてしまいそうになる小説だった。

表現もストーリーの進め方もとても好みだったので、王城先生の他の小説も読んでみたいと思う。

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2022年05月11日

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好きなことを、好きの気持ちだけでどこまで続けられるのか。最大限の努力でも辿り着ける場所には限りがあるから、みんなが葛藤しながら選び続けている。
文体が特徴的で、初めは少しそっけなく冷淡な空気を感じていた。しかし後半になって一気に印象がかわった。難解な問題が解けたとき、悩みの突破口が掴めたとき、この文体が最高に生きる。高揚感と一気にフル回転する思考をリアルに表現している。

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2021年11月26日

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前作からの続きで結末を迎える本書。
数学を題材にしているものの、テーマとしては「なぜやり続けるのか」を掲げているように感じた。
様々な意見を受けながら、オリンピックが開幕している。
世界のトップアスリートの活躍を数多く見ることができ、感動を与えられている点では、開催できたことを喜ぶべきだと思う。
ップアスリートには彼らなりの悩みが、自分たちには理解することができない悩みがあるのではないかと思う。
自分が人生をかけて努力してきたことに順位や記録という結果が残る。
国の代表としてやり続けていけばいくほどその先が見えなくなることがあるのではないだろうか?世界のライバルと戦ってさらに高い壁の存在に気づく。その差に驚き、唖然とし、努力自体をやめたくなるときもあるのではないだろうか?
「どうせだったら一番遠くにあるものに。」このモチベーションを持ち続けることが努力の最大のエネルギーになっていると感じた。各国の代表が、お互いのパフォーマンスを見せ合うことで、そのモチベーションをさらに保ちつづける。
スポーツは地球規模で進歩していくのかもしれない。

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2021年08月01日

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2冊目にしてようやく京(かなどめ)をすっと読めるようになった。
京さん、最初に出てきた時にはこの本をミステリーだと思っていたのもあって主人公と組んで活動する人だと勘違いしていたが、ある意味ずっと主人公と共にいたのか。

主人公が自分の道を見つけたのは嬉しいが、シリーズもこの巻で終わるのが寂しい。
っと栢山や新開、庭瀬たちと一緒にいたかった。そう思わせられる作品に出会えて、私は幸せだ。

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2021年02月23日

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ネタバレ

登場人物名に数字が入っているのが好き。

終盤のタイトル回収の流れも好き。

「たどり着く場所があるかは分からないけど、進み続けない限り答えは分からない。」
それを教えてくれる一冊だと思います。

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2021年01月23日

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登場人物たちの一言一言がとても深い。そして共感できる。
全身全霊をかけてなにかに挑むということは苦しいけれど、だからこそ偉大なのだと思った。
数学好きにはたまらない青春小説。悩みながらも進み続ける人間同士の"本気"のぶつかり合いに、興奮を抑えられなかった。

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2020年12月29日

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ネタバレ

前作ほどの衝撃は受けなかったが、1・2巻合わせた物語としての完成度は非常に高い。

数学とは何か?、何故数学をするのか?という何度も繰り返された問いに各々が自分の答えを出す。どれも正解ではなく、不確かなものであるが、それが本人にとっての「公理」、届かずとも限りなく近づくための道標である。作中で栢山の見つけた数学の本質がまさに自分が数学をやる意味なんだという結末にはカタルシスを覚えた。

数学に限らず、理不尽で不合理な世の中を生きる上での1つの回答であることは間違いないと思う。

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2019年07月01日

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ネタバレ

一青春ってなんだかわかるか。
-青春ってのは何かを諦めるまでの季節のことだ。だから終わった後にしか気づけない。終わった時に初めて気づく。自分が今まで青春の中にいたのだと。

1番衝撃だったシーン……青春は季節なんだ…!
王城夕紀さんの文体はとても読みやすく、表現が豊かで心地よく、登場人物たちの感情や情景を自然に感じられます。
物語は数学の問題そのものよりも、数学とは何かを考えることや、数学と青春、哲学的な思索が混ざり合う物語で、数学がわからなくても楽しめました。
数学世界、、とても面白かったです!

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2025年10月06日

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気に入って何度も読み返す本の一つである青の数学の続編。

数学の世界や心情が美しく詳細に描写されていて読むとすごく引き込まれる。

また、主人公や登場人物の葛藤や挫折から再び歩み始める、スイッチが入る瞬間があるのだが、その場面を読むと私も頑張ろうと思わせてくれる勇気を与えてくれる本。

やり続けていれば、いつか着く。
やり続けることは苦しい。 あれほど 向かっていたものに再び向かっていく力を失う時もある。 なぜそんなことをしているのかわからなくなる時もある。 限界 にぶつかったように前に進めなくなる時もある。 正しい方向に進んでいるかどうかわからなくなる時もある。 でも希望は目の前にあったのだ。 ただ歩き続ける。 どこまでも歩き続ける。私たちはそれができる。

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2025年09月04日

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ネタバレ

パイセン本。今回は登場人物の会話や心情よりも数学やその哲学的な問いを掘り下げるような論考の要素が強いと感じ、若干の読みにくさを感じた。でも題名が「ユークリッド・エクスプローラー」だから、【知の幾何学的世界を探索するもの】といった意味だとすれば、作中の栢山やその他の高校生たちの迷いの描写にも納得できる。よく考えてみれば、この頃って確かにいろんなことを考えて堂々巡りしてそれでも答えは出なくて、だけどどこかで折り合いをつけてって感じだったように思う。なので、数学に青春を捧げる若者たちの成長譚として大変楽しめた。

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2025年06月09日

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青の数学2
2022.07.27

続編として読んだ。後半の短文ながら生き生きとした描写は臨場感が得られたし、読みながらドキドキできた。数学に興味が少しでもあるならばぜひ読んでほしい!

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2025年05月29日

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ネタバレ

続編。数学を青春として、数学と向き合い、どっぷり漬かりながら成長していく物語かな。具体的に数式は出てなかったし、数学の決闘も結論だけしかないので素人でも楽しく読める。ただ、会話の描写だったりで、語り部がコロコロ変わるのでちょっとわかりづらかった。それはともかく、「京香凜」は数学を司る神なのかと思った。多分違うけど。あと、タイトルに「2」と入っているけど、「3」はないだろう。というか、単に1冊に収まらなかったから2をリリースしただけっぽい。

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2025年05月25日

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数学に全てを賭け数学で決闘する若者たち。
決闘自体は描かず、決闘へと向かう心持ちと結果を受けての本人と周りの反応が示される。数学以外でも成り立つのではないかと思わされるが決してそうではない。数学の魅力と魔力が描かれている。数学でしか成し得ない世界。
物語が完全に前巻の続きのため、登場人物の説明が一切なく、しかも大人数出てくるために、これは誰だっけと混乱しました。登場人物表が欲しい。
これから読む方は1巻から続けて読むことをお勧めします。

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2022年07月14日

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ネタバレ

「やり続けていれば、いつか着く。」という言葉が、印象的だった。自分を見失い始めていた私に、ぴったりな小説だった。私も早く、着きたいと思った。

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2020年07月07日

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ネタバレ

前作はストーリーは面白かったのに登場人物が多くゴタゴタとした印象を受けていましたが、(2)は活躍する人物が絞られておりより濃い物語となっている印象を受けました。
とくに皇と二宮の対決はまるで甲子園を見ているかのような熱を持っているように感じました。

本作の最も大きな謎である「京の数列」の答えはとても衝撃的なものであり、とても共感できるものでした。
前作から引き続き『青の数学』は数学という概念を的確に捉えているなと感じ読んでいて楽しく、為になる作品だと私は感じます。

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2020年03月22日

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シリーズ2作目
というか、これで完結なのか?
キフユというか柊先生が何者なのかよくわからないんだが…?

あと、思い立って数学を勉強したところで、そんなに急激に成長するものなのか?
元々素質があったって事か?

あと、京の数列
そんなオチなの?
「数列に解なし」とかってのと違った意味でこれはなくね?
まぁ、それが数学だと言われてしまえばそうなのかもしれないけど・・・

なんか、スッキリしない読後感なんだよなぁ

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2019年07月30日

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続編で完結編。

「数学は、数学自身で自分が無矛盾である、と証明することができない。数学は自分が確かに無矛盾だ、とは絶対に言えない。と、いうことが証明されてしまった」
この一文がズシンときました。
数学にはトキメキがあるなあ…。

足元が崩れていくような心地になりながら、それでも数学をやる。主人公にとっての「数学とは何か」が示される完結編。

心象風景が多く、詩的な文章だが、深く数学の自分の世界に潜っていく感覚を追体験できて面白かった。
作者の数学に対する憧れ、恐れを強く感じる。
主人公にとってそれは数学であったけれども、他の人にとってはまたその人独自の大切なものがあるのだろう。

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2019年07月19日

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数学で青春を描くとこうなるのか。

確かに文章は少々読みにくい箇所がある。誰が話しているのか分かりにくかったり、長さの割に登場人物が多かったりする。
また過去回想が急に挟まるので、文庫として読むには目滑りする感は否めない。

だが心が非常に高揚したし、素直に面白かった。

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2025年04月29日

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数学も物理も底なし沼みたいにハマったら抜け出せないだろうなと思う。
数学の美しさを感じる部分は共感するところもあった。
思ったより大きな展開はなかったが、すっと爽やかな読後感。

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2024年08月28日

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『マレ・サカチ〜』に続き、王城作品四作目。数学を通した青春小説。もっと(数学に)踏み込んだ内容を記述してほしかったが、そうすると難しすぎるんだろう…。抽象的な表現がとても多いが、数学の美しさみたいなものは感じられたかなぁ…。星三つ半。

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2024年05月05日

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青春ってのは、何かを諦めるまでの季節のことだ。だから終わった後にしか気づけない、終わったときに初めて気づく。自分が今まで青春の中にいたのだと。(本書より)

人はなぜ数学を続けるのでしょうか。

壮大な発見をしながら早世したガロア
数学の天啓を受けたラマヌジャン
無限に魅入られたカントール
二千年の時を超えたユークリッド
数学が無矛盾ではないことを証明してしまったゲーデル

数学が確かではないなら
それまで発見された功績は無意味なのでしょうか?

ここでは偉人の言葉をお借りしましょう。

「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に立っていたからです。」―ニュートン

本書最大のテーマ。
数学とはいったい何なのでしょうか。

「数学を学ぶことは不滅の神々に近づくことである」―プラトン

「数学というのは闇を照らす光である」―岡潔

「万物の根源は数なり」―ピタゴラス



何かを諦めたとき青春が終わるなら、
諦めない限り、
それは続くのでしょう。

つまり
数学とは
青春だったのです。
Q.E.D
証明終わり

ほんとか!?

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2023年12月02日

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数学は自由だとか、美しいとか、続編となる2巻目は説明が少なくなって数学を賛美するファンタジー的、あるいは哲学ですらある。実際に数式や図形は出てこないから、イメージで数学をどう捉えるかを読み手に問うているのだろうか。数学の決闘をすることの面白さが今ひとつわからないまま終わったのは自分だけではあるまい。

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2022年09月13日

Posted by ブクログ

一巻から間を開けずに読んだこともあり、一続きの話しという感じで読んだ。評価や感想も前作とさほど変わらない。
ただ、これで完結と言われると、そうなの?という感じ。もう少し続きがあってもいいなー。

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2022年06月27日

Posted by ブクログ

数学に青春を賭ける高校生を描く青春小説、第2巻。1巻で、純潔に数学に挑む少年少女に惹かれて続編を。
数学を言葉で表現する事は大変だろうなと想像します。その中で無限級数のくだりは、文学的だなあと思いました。“近づく事はできても届くことはできない。”
2巻は、数学に賭けるというよりは、悩める高校生達の心情を描く方に重きが置かれていまして、その表現が、時折、詩的になっていってしまうんです。言葉は美しいのですが、読者としての年齢制限に引っかかってしまった感じ。
登場人物が多めで名前とバトルネームもあり、かと言って、群像劇になる程それぞれの描き込みがあるわけでないので、読み分けできなくなる。
それでも、高校生には、読んでいただきたいなあ。

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2022年01月15日

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登場人物みんな達観しててみんな自分の考えを格言みたいに綺麗に言い切ってみんな悟り開いちゃってる感じがなんか親しみもてなくて楽しめなかったです。また難問解くシーンで、解いてる人物の感覚を光とか風景に例えて描写しているが、クライマックスでそういうシーンがあるくらいなら印象に残って良いと思うけど、数回でてくるから「こればっかだな」と感じてしまった。私が数学できなかったからノれないのかも

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2021年08月11日

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ネタバレ

京(かなどめ)の数列に解はない。全くのランダムで規則性はない。
とのことだったが、素因数分解するとかなり大きな素数が因数になってる数が多いんだよな。だから何だ、と言われればそれまでだが、おそらく意図的にそういう数字を選んでるのだろう。
本書において素数というのが重要なキーワードになってるのは確か。
中三数学で習うように「素数とは1と自分自身でしか割れない数」という定義は簡単で分かりやすいが、それが無限に存在し、いつ現れるか、どういった法則で現れるかが分からない。分かりやすい部分と非常に分かりづらい部分の両面があるが故に人は素数に魅了されるのか。

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2021年04月06日

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ネタバレ

ストーリーとしての深みはありがちな青春物語。特徴的なのは散りばめられた数学雑学が楽しいことと、数学を様々な角度から考察していてそこが興味深い。
特に数学がある前提の上に論理的に正しいことを積み上げているだけで実は普遍的な正しさを保証しているものではない。という考察が新しい発見だった。

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2020年02月05日

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