【感想・ネタバレ】青の数学2―ユークリッド・エクスプローラー―(新潮文庫nex)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年04月17日

シリーズの1巻が面白すぎたので、2巻も読んじゃった。相変わらず作者の言葉選びが好きです。
恋愛小説を読んで恋がしたくなるように、この本を読んだら無性に数学がやりたくなるはず。
正直、もっと早い時にこの本に出会いたかった。

私の高校には東大数学科出身の若い数学の先生がいて、読みながらずっとその先生の...続きを読むことを考えていました。院で研究をやりながら教師をしていて、もし先生だったらどういう読み方をするんだろうと。
その先生の一番好きな定理は、この本にも出てくるカントールが提唱した連続体仮説。そんな先生がこの本をどう読むのか知りたい。
もう高校を卒業しちゃったし、すでにその先生も辞めてしまったそうなので会う機会はないだろうけど、いつか会えたらこの本をお勧めしてみたい。

簡単なものでもいいから、数学の問題集買って解いてみようかな。数学は、どんな形でもどんな場所でもやり続けていけるんだもんね。

0

Posted by ブクログ 2022年05月11日

高校時代からずっと、自分のやりたいことと言うのがわからなかった私には、とても刺さる本だった。

何より詩的な表現がいいし、大きな山場というものが無いものの、心に刺さり、わけも分からず泣いてしまいそうになる小説だった。

表現もストーリーの進め方もとても好みだったので、王城先生の他の小説も読んでみたい...続きを読むと思う。

0

Posted by ブクログ 2021年11月26日

好きなことを、好きの気持ちだけでどこまで続けられるのか。最大限の努力でも辿り着ける場所には限りがあるから、みんなが葛藤しながら選び続けている。
文体が特徴的で、初めは少しそっけなく冷淡な空気を感じていた。しかし後半になって一気に印象がかわった。難解な問題が解けたとき、悩みの突破口が掴めたとき、この文...続きを読む体が最高に生きる。高揚感と一気にフル回転する思考をリアルに表現している。

0

Posted by ブクログ 2021年08月01日

前作からの続きで結末を迎える本書。
数学を題材にしているものの、テーマとしては「なぜやり続けるのか」を掲げているように感じた。
様々な意見を受けながら、オリンピックが開幕している。
世界のトップアスリートの活躍を数多く見ることができ、感動を与えられている点では、開催できたことを喜ぶべきだと思う。
...続きを読むップアスリートには彼らなりの悩みが、自分たちには理解することができない悩みがあるのではないかと思う。
自分が人生をかけて努力してきたことに順位や記録という結果が残る。
国の代表としてやり続けていけばいくほどその先が見えなくなることがあるのではないだろうか?世界のライバルと戦ってさらに高い壁の存在に気づく。その差に驚き、唖然とし、努力自体をやめたくなるときもあるのではないだろうか?
「どうせだったら一番遠くにあるものに。」このモチベーションを持ち続けることが努力の最大のエネルギーになっていると感じた。各国の代表が、お互いのパフォーマンスを見せ合うことで、そのモチベーションをさらに保ちつづける。
スポーツは地球規模で進歩していくのかもしれない。

0

Posted by ブクログ 2021年02月23日

2冊目にしてようやく京(かなどめ)をすっと読めるようになった。
京さん、最初に出てきた時にはこの本をミステリーだと思っていたのもあって主人公と組んで活動する人だと勘違いしていたが、ある意味ずっと主人公と共にいたのか。

主人公が自分の道を見つけたのは嬉しいが、シリーズもこの巻で終わるのが寂しい。
...続きを読むっと栢山や新開、庭瀬たちと一緒にいたかった。そう思わせられる作品に出会えて、私は幸せだ。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月23日

登場人物名に数字が入っているのが好き。

終盤のタイトル回収の流れも好き。

「たどり着く場所があるかは分からないけど、進み続けない限り答えは分からない。」
それを教えてくれる一冊だと思います。

0

Posted by ブクログ 2020年12月29日

登場人物たちの一言一言がとても深い。そして共感できる。
全身全霊をかけてなにかに挑むということは苦しいけれど、だからこそ偉大なのだと思った。
数学好きにはたまらない青春小説。悩みながらも進み続ける人間同士の"本気"のぶつかり合いに、興奮を抑えられなかった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年07月01日

前作ほどの衝撃は受けなかったが、1・2巻合わせた物語としての完成度は非常に高い。

数学とは何か?、何故数学をするのか?という何度も繰り返された問いに各々が自分の答えを出す。どれも正解ではなく、不確かなものであるが、それが本人にとっての「公理」、届かずとも限りなく近づくための道標である。作中で栢山の...続きを読む見つけた数学の本質がまさに自分が数学をやる意味なんだという結末にはカタルシスを覚えた。

数学に限らず、理不尽で不合理な世の中を生きる上での1つの回答であることは間違いないと思う。

0

Posted by ブクログ 2018年10月13日

子供の頃にあった全能感。
自分の世界の狭さと、この世の世界の広さを知って、色々なことを諦めていくうちに青春って終わったんだと思う。

「青春とは、何かを諦めるまでの季節なことだ。」

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年12月17日

青の数学の続編であり、完結編。

青春とは何か。
人は、何かに熱中していたとしても、自分よりも才能を持つ人に出会った時、それまでの熱中が嘘のように我に返り、続けることをやめてしまう。
この、熱中→諦めという一連の季節こそが、青春なのだ。

では、才能とは何か。
それは、考え続け、やり続けられる能力で...続きを読むある。
例え誰かに負けたとしても、熱中し続ける。また挑みにいく。この能力が、才能である。

本書はそんな青春真っ盛りの高校生が、数学を通じて成長する話。
青の数学が面白かったという人には絶対おすすめ。

0

Posted by ブクログ 2017年10月29日

栢山君が数学に取り組みながら考えること感じたことは、何かに取り組んでいる人が考えたり感じたりすることと通じていると思う。学問でもスポーツでも芸術でも何でも。
今 自分が集中している(楽しんでいるだけかも)音楽という世界もやり続けていればいつかどこかに着くのだろうか。

0

Posted by ブクログ 2022年07月14日

数学に全てを賭け数学で決闘する若者たち。
決闘自体は描かず、決闘へと向かう心持ちと結果を受けての本人と周りの反応が示される。数学以外でも成り立つのではないかと思わされるが決してそうではない。数学の魅力と魔力が描かれている。数学でしか成し得ない世界。
物語が完全に前巻の続きのため、登場人物の説明が一切...続きを読むなく、しかも大人数出てくるために、これは誰だっけと混乱しました。登場人物表が欲しい。
これから読む方は1巻から続けて読むことをお勧めします。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年07月07日

「やり続けていれば、いつか着く。」という言葉が、印象的だった。自分を見失い始めていた私に、ぴったりな小説だった。私も早く、着きたいと思った。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月22日

前作はストーリーは面白かったのに登場人物が多くゴタゴタとした印象を受けていましたが、(2)は活躍する人物が絞られておりより濃い物語となっている印象を受けました。
とくに皇と二宮の対決はまるで甲子園を見ているかのような熱を持っているように感じました。

本作の最も大きな謎である「京の数列」の答えはとて...続きを読むも衝撃的なものであり、とても共感できるものでした。
前作から引き続き『青の数学』は数学という概念を的確に捉えているなと感じ読んでいて楽しく、為になる作品だと私は感じます。

0

Posted by ブクログ 2019年07月30日

シリーズ2作目
というか、これで完結なのか?
キフユというか柊先生が何者なのかよくわからないんだが…?

あと、思い立って数学を勉強したところで、そんなに急激に成長するものなのか?
元々素質があったって事か?

あと、京の数列
そんなオチなの?
「数列に解なし」とかってのと違った意味でこれはなくね?...続きを読む
まぁ、それが数学だと言われてしまえばそうなのかもしれないけど・・・

なんか、スッキリしない読後感なんだよなぁ

0

Posted by ブクログ 2019年07月19日

続編で完結編。

「数学は、数学自身で自分が無矛盾である、と証明することができない。数学は自分が確かに無矛盾だ、とは絶対に言えない。と、いうことが証明されてしまった」
この一文がズシンときました。
数学にはトキメキがあるなあ…。

足元が崩れていくような心地になりながら、それでも数学をやる。主人公に...続きを読むとっての「数学とは何か」が示される完結編。

心象風景が多く、詩的な文章だが、深く数学の自分の世界に潜っていく感覚を追体験できて面白かった。
作者の数学に対する憧れ、恐れを強く感じる。
主人公にとってそれは数学であったけれども、他の人にとってはまたその人独自の大切なものがあるのだろう。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年06月28日

数学の神秘的な世界
そしてそんな世界に魅せられた高校生達の心情を

多彩に美しく表現し
詩のように楽しめる本

0

Posted by ブクログ 2019年06月22日

数学を通して、作者の青春の定義が凝縮されたような小説だった。

レーヴェンハイムとスコーレムの証明のくだりが、数学だけではない、すべてのものに当てはまることなんじゃないかと思った。進み続ければ、見えない景色が見える。それを知りたいと思うことに、理由をつけることってできるのか。つまり、数学とは、進み続...続きを読むけることだ!

0

Posted by ブクログ 2017年08月12日

【収録作品】緑の公準/秋の素数/冬の無限/雪の公理
 数学、という世界の話ではあるけれど、何かを求めてあがいている人に共通の話でもある。

0

Posted by ブクログ 2023年12月02日

青春ってのは、何かを諦めるまでの季節のことだ。だから終わった後にしか気づけない、終わったときに初めて気づく。自分が今まで青春の中にいたのだと。(本書より)

人はなぜ数学を続けるのでしょうか。

壮大な発見をしながら早世したガロア
数学の天啓を受けたラマヌジャン
無限に魅入られたカントール
二千年の...続きを読む時を超えたユークリッド
数学が無矛盾ではないことを証明してしまったゲーデル

数学が確かではないなら
それまで発見された功績は無意味なのでしょうか?

ここでは偉人の言葉をお借りしましょう。

「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に立っていたからです。」―ニュートン

本書最大のテーマ。
数学とはいったい何なのでしょうか。

「数学を学ぶことは不滅の神々に近づくことである」―プラトン

「数学というのは闇を照らす光である」―岡潔

「万物の根源は数なり」―ピタゴラス



何かを諦めたとき青春が終わるなら、
諦めない限り、
それは続くのでしょう。

つまり
数学とは
青春だったのです。
Q.E.D
証明終わり

ほんとか!?

0

Posted by ブクログ 2022年09月13日

数学は自由だとか、美しいとか、続編となる2巻目は説明が少なくなって数学を賛美するファンタジー的、あるいは哲学ですらある。実際に数式や図形は出てこないから、イメージで数学をどう捉えるかを読み手に問うているのだろうか。数学の決闘をすることの面白さが今ひとつわからないまま終わったのは自分だけではあるまい。

0

Posted by ブクログ 2022年06月27日

一巻から間を開けずに読んだこともあり、一続きの話しという感じで読んだ。評価や感想も前作とさほど変わらない。
ただ、これで完結と言われると、そうなの?という感じ。もう少し続きがあってもいいなー。

0

Posted by ブクログ 2022年01月15日

数学に青春を賭ける高校生を描く青春小説、第2巻。1巻で、純潔に数学に挑む少年少女に惹かれて続編を。
数学を言葉で表現する事は大変だろうなと想像します。その中で無限級数のくだりは、文学的だなあと思いました。“近づく事はできても届くことはできない。”
2巻は、数学に賭けるというよりは、悩める高校生達の心...続きを読む情を描く方に重きが置かれていまして、その表現が、時折、詩的になっていってしまうんです。言葉は美しいのですが、読者としての年齢制限に引っかかってしまった感じ。
登場人物が多めで名前とバトルネームもあり、かと言って、群像劇になる程それぞれの描き込みがあるわけでないので、読み分けできなくなる。
それでも、高校生には、読んでいただきたいなあ。

0

Posted by ブクログ 2021年08月11日

登場人物みんな達観しててみんな自分の考えを格言みたいに綺麗に言い切ってみんな悟り開いちゃってる感じがなんか親しみもてなくて楽しめなかったです。また難問解くシーンで、解いてる人物の感覚を光とか風景に例えて描写しているが、クライマックスでそういうシーンがあるくらいなら印象に残って良いと思うけど、数回でて...続きを読むくるから「こればっかだな」と感じてしまった。私が数学できなかったからノれないのかも

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年04月06日

京(かなどめ)の数列に解はない。全くのランダムで規則性はない。
とのことだったが、素因数分解するとかなり大きな素数が因数になってる数が多いんだよな。だから何だ、と言われればそれまでだが、おそらく意図的にそういう数字を選んでるのだろう。
本書において素数というのが重要なキーワードになってるのは確か。
...続きを読む中三数学で習うように「素数とは1と自分自身でしか割れない数」という定義は簡単で分かりやすいが、それが無限に存在し、いつ現れるか、どういった法則で現れるかが分からない。分かりやすい部分と非常に分かりづらい部分の両面があるが故に人は素数に魅了されるのか。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月05日

ストーリーとしての深みはありがちな青春物語。特徴的なのは散りばめられた数学雑学が楽しいことと、数学を様々な角度から考察していてそこが興味深い。
特に数学がある前提の上に論理的に正しいことを積み上げているだけで実は普遍的な正しさを保証しているものではない。という考察が新しい発見だった。

0

Posted by ブクログ 2018年11月18日

ある意味文字通りの“青春小説”。

数学に文字通り青春を掛ける高校生たちの物語の続巻だが、青春とは何かがここまで深掘りされて問われるとは思わなかった。そう考えると、「青」の意味するところは自明なのかもしれない。

結果、前巻に比べて数学そのものよりも、彼ら、彼女らの生き様がクローズアップされている。...続きを読むそれは、道は違えど自分が葛藤してきたものでもあり身につまされるが、やや冗長に感じたのも確か。個人的には数学的逸話をもっと浴びたかったかも。とはいえ、作中の青春の定義には納得感あった。

0

Posted by ブクログ 2018年08月31日

続きが気になったので一気読み。圧倒的青春小説だった。うん、なんかキラキラでまばゆい(笑)

数学に関わる人々の想いが苦悩も含めてとても美しい。自分は数学は苦手ですが美しい数式とか証明を見るのは好き。理解出来ているかは又別の問題ですが…

というわけで一巻で投げかけられた問題が二巻終わりで解答として出...続きを読むてきたのでここで終わりなんだろうか。個性豊かなキャラクターが多いから続きもありそうな感じもするけど。黒崎君は数学研究に入らないのかな。

0

Posted by ブクログ 2017年09月10日

(1)より面白く読んだ。才能の違いを、あるとわかっていながら、追いつけない追い越せないと嫌というほど認識しながら、それでもその場所であがくことをやめられない。これぞ青春だよなぁ、という感じ。

0

Posted by ブクログ 2017年07月26日

1冊目のテーマが、「青春とは割り切れないもの」として素数が中心だった。本作は、「青春に正解はないが、限りなく近づくことはできる」ということで微分を取り上げているのだろうか。1作目より淡々としているが、青春という年齢ではないがいろいろ考えさせられる。コミュニケーションのプランニングも、正解かどうかはわ...続きを読むからないが、限りなく正解に近いプランを立てるという意味では共通しているのではと感じる。数学で青春ものはむずかしいのだろうが、数学の問題の内容は一問も出てこないので、その分気楽に読めるのだと思う。昔、数学好きだった身としてはちょっと消化不良かも。

0

「男性向けライトノベル」ランキング