あらすじ
数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山(かやま)は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の1人、二宮。京香凜(かなどめかりん)の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第2弾。
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Posted by ブクログ
登場人物名に数字が入っているのが好き。
終盤のタイトル回収の流れも好き。
「たどり着く場所があるかは分からないけど、進み続けない限り答えは分からない。」
それを教えてくれる一冊だと思います。
Posted by ブクログ
前作ほどの衝撃は受けなかったが、1・2巻合わせた物語としての完成度は非常に高い。
数学とは何か?、何故数学をするのか?という何度も繰り返された問いに各々が自分の答えを出す。どれも正解ではなく、不確かなものであるが、それが本人にとっての「公理」、届かずとも限りなく近づくための道標である。作中で栢山の見つけた数学の本質がまさに自分が数学をやる意味なんだという結末にはカタルシスを覚えた。
数学に限らず、理不尽で不合理な世の中を生きる上での1つの回答であることは間違いないと思う。
Posted by ブクログ
一青春ってなんだかわかるか。
-青春ってのは何かを諦めるまでの季節のことだ。だから終わった後にしか気づけない。終わった時に初めて気づく。自分が今まで青春の中にいたのだと。
1番衝撃だったシーン……青春は季節なんだ…!
王城夕紀さんの文体はとても読みやすく、表現が豊かで心地よく、登場人物たちの感情や情景を自然に感じられます。
物語は数学の問題そのものよりも、数学とは何かを考えることや、数学と青春、哲学的な思索が混ざり合う物語で、数学がわからなくても楽しめました。
数学世界、、とても面白かったです!
Posted by ブクログ
パイセン本。今回は登場人物の会話や心情よりも数学やその哲学的な問いを掘り下げるような論考の要素が強いと感じ、若干の読みにくさを感じた。でも題名が「ユークリッド・エクスプローラー」だから、【知の幾何学的世界を探索するもの】といった意味だとすれば、作中の栢山やその他の高校生たちの迷いの描写にも納得できる。よく考えてみれば、この頃って確かにいろんなことを考えて堂々巡りしてそれでも答えは出なくて、だけどどこかで折り合いをつけてって感じだったように思う。なので、数学に青春を捧げる若者たちの成長譚として大変楽しめた。
Posted by ブクログ
続編。数学を青春として、数学と向き合い、どっぷり漬かりながら成長していく物語かな。具体的に数式は出てなかったし、数学の決闘も結論だけしかないので素人でも楽しく読める。ただ、会話の描写だったりで、語り部がコロコロ変わるのでちょっとわかりづらかった。それはともかく、「京香凜」は数学を司る神なのかと思った。多分違うけど。あと、タイトルに「2」と入っているけど、「3」はないだろう。というか、単に1冊に収まらなかったから2をリリースしただけっぽい。
Posted by ブクログ
「やり続けていれば、いつか着く。」という言葉が、印象的だった。自分を見失い始めていた私に、ぴったりな小説だった。私も早く、着きたいと思った。
Posted by ブクログ
前作はストーリーは面白かったのに登場人物が多くゴタゴタとした印象を受けていましたが、(2)は活躍する人物が絞られておりより濃い物語となっている印象を受けました。
とくに皇と二宮の対決はまるで甲子園を見ているかのような熱を持っているように感じました。
本作の最も大きな謎である「京の数列」の答えはとても衝撃的なものであり、とても共感できるものでした。
前作から引き続き『青の数学』は数学という概念を的確に捉えているなと感じ読んでいて楽しく、為になる作品だと私は感じます。
Posted by ブクログ
京(かなどめ)の数列に解はない。全くのランダムで規則性はない。
とのことだったが、素因数分解するとかなり大きな素数が因数になってる数が多いんだよな。だから何だ、と言われればそれまでだが、おそらく意図的にそういう数字を選んでるのだろう。
本書において素数というのが重要なキーワードになってるのは確か。
中三数学で習うように「素数とは1と自分自身でしか割れない数」という定義は簡単で分かりやすいが、それが無限に存在し、いつ現れるか、どういった法則で現れるかが分からない。分かりやすい部分と非常に分かりづらい部分の両面があるが故に人は素数に魅了されるのか。