王城夕紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本当に大好きな本の一つ。
自分にはない世界や感覚に触れることができる読書は幸せだと改めて感じさせてくれた作品。
タイトルの通り「数学」を題材にした青春物語だが、この作品は数学を通した先にある「人の感情」がとても面白い。
一人ひとりの心理描写がとても丁寧で、苦しさや焦り、嫉妬、憧れ、諦めきれない思いまでもが、美しい文章で静かに描かれている。文章そのものにも透明感があり、ページをめくるたびにその世界へ引き込まれていく。
数学の話になると難しい部分もあるが、数学が分からなくても、登場人物たちの感情に心動かされることができる素敵な作品だと思う。
特に心に残ったのは、「恋焦がれるほど好きなも -
Posted by ブクログ
「天盆」「マレ・サカチ」「青の数学」と
独創的な世界観が特徴的な王城さんの新作SF。
バイ・タイム~by-time~〈余暇〉
地球外生命体(OT)とのコンタクトが成ってしまった地球の
とある町が舞台。
その“副作用”とも言える時空的な現象《渦》に対応する
“整時士”であり、6歳児の父でもある佐藤スバルが主人公となる。
最後まで読むと、少なくともこの作中のエピソードとして
ある1点が《渦》の原因として共通していて、
1話目の展開のしかたはかなり作為的には感じるところ。
そのほかは子の成長を見守る父の物語としても、
《渦》の謎を追うミステリー形式の物語としても、
まだ広がりをもっていってほ -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に手に取る、王城作品。時空の歪みという設定だけなら先例はあるが、内容は『マレ・サカチのたったひとつの贈物』に通じるものを感じる。
ある大災厄に見舞われた人類は、頻発する“時が歪む”異常現象〈渦〉に悩まされていた。この〈渦〉の発生原因を突き止め、解消するのが“整時士”の仕事である。妻に先立たれ、6歳の息子を育てる佐藤スバルも、整時士の一人だった。
本作は4編から構成される連作短編集であり、スバルはそれぞれ〈渦〉の解消に挑むのだが、ハードSF的な厳密さはない。そもそもの発端となった大災厄や〈渦〉について、詳細は語られない。読者の想像に委ねる部分が大きい作品と言える。
一つはっきり -
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ネタバレ伊藤計劃を追悼する8篇。どれも短編としては濃密な設定で、長編小説としても読んでみたいと思わせるものばかりだった。以下は特に面白かったものを示す。
藤井大洋「公正的戦闘規範」
伊藤計劃、「虐殺器官」を彷彿とさせるような重厚な戦闘シーンが魅力。偵判打というゲームが、実際の戦闘ドローンの操縦になっていた、という設定に恐怖した。
吉上亮「未明の晩餐」
孤高のシェフと孤児二人、死刑囚の最後の晩餐専門シェフというなんともいいキャラ設定。感動。
伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」
切り裂きジャックの独白。ナイチンゲールがフランケンシュタイン博士に改造された屍者で、なんやらこうやら -
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すごい物語を読んでしまった。王城夕紀さん、未チェックだったんだけど、すごい作家さんじゃないですか?
私自身のタイミングも良かった。『プロパガンダ戦争(前出)』を読んで難民・移民の現状を垣間見た後での同書だったので、現在の現実が透かして見えるようだった。
”複製”やアプリなど、技術的なことはイメージでついていくしかないけど、想像し得る描き方だったので問題なし。
後ろの参考文献も興味深い。不勉強なため私は1冊もよんでなかったけど。
王城さんが寡作らしいことが、唯一残念な点です。もっと読みたいし、出版元の中央公論新社さん、こんな大作眠らせておくなんて以ての外ですよ! -
購入済み
テーマもエンタメ性も最高
めちゃくちゃ面白いし良い。近未来SFエスピオナージもので難民がテーマ。今年ベストな気がする。攻殻機動隊とか伊藤計劃作品が好きな人は好きなはず。答えのない問題にどうにか答えるという作品が好きなんだけどこの人の作品は毎回それがめちゃくちゃカッコ良くて痺れる。今回も色々やってて英雄の定義も良かったけど課長の動く理由がめちゃくちゃ良かったな。あと世界を変えるのはテクノロジーっていうのがそうだよなって感じで好き。実際は色々要因になるんだろうけど今はその発達が一番速くて他はもう追いつけない気がするんだよな
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Posted by ブクログ
シリーズの1巻が面白すぎたので、2巻も読んじゃった。相変わらず作者の言葉選びが好きです。
恋愛小説を読んで恋がしたくなるように、この本を読んだら無性に数学がやりたくなるはず。
正直、もっと早い時にこの本に出会いたかった。
私の高校には東大数学科出身の若い数学の先生がいて、読みながらずっとその先生のことを考えていました。院で研究をやりながら教師をしていて、もし先生だったらどういう読み方をするんだろうと。
その先生の一番好きな定理は、この本にも出てくるカントールが提唱した連続体仮説。そんな先生がこの本をどう読むのか知りたい。
もう高校を卒業しちゃったし、すでにその先生も辞めてしまったそうなので会 -
Posted by ブクログ
本の装丁とかがラノベっぽかったのであまり期待していなかったのだが、思わぬ誤算でめちゃくちゃ面白かった。
私は正直数学があまり得意な方じゃないけど、それでも読み終わった時には数学を解きたくなっていた。恋愛小説読み終わった後に恋愛したくなるのと同じ感覚。
不思議。
著者はきっと数学科卒とかなんだろうなあ…と著者紹介を見たら、なんと普通に早稲田の一文卒。
めちゃくちゃ文系。
でも逆に、その輪の外にいるからこそここまでのものが書けるのか、とへんに納得もした。
数学の魔力に取り憑かれている当事者だったら、ここまで冷静に伝わりやすく面白く、数学の計り知れなさを書けないかもしれないな、と。
シリーズもので -
Posted by ブクログ
「数学」を中心につながる高校生たちの物語。幼い頃に師と交わした約束を果たし、数学の世界へと足を踏み入れ、学生生活を過ごす主人公が、様々な人と出会い、E2というインターネット上のサイトに足を踏み入れる。そこで数学とは?数学で競う意味は?などの哲学的な疑問の答えを探りながら、数学を学ぶことを朧げながら掴んでいき、物語が展開される。後半ではE2に集ったライバルたちが合宿で顔を合わせ、切磋琢磨しながら、自分たちが数学を続ける理由を見つけ、トップを目指していく。E2が数学の才能を持った者たちの集まる場であることは確かでも、彼らが解いているものは、まだ「数学」ではなく「青の数学」。数学の面白さと、数学の決