王城夕紀のレビュー一覧
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本の装丁とかがラノベっぽかったのであまり期待していなかったのだが、思わぬ誤算でめちゃくちゃ面白かった。
私は正直数学があまり得意な方じゃないけど、それでも読み終わった時には数学を解きたくなっていた。恋愛小説読み終わった後に恋愛したくなるのと同じ感覚。
不思議。
著者はきっと数学科卒とかなんだろうな...続きを読むPosted by ブクログ -
比喩などの表現技巧が沢山、登場人物の名前が難しくてそっちに気が取られるという印象が大きい。これらと数学というテーマとのある種の矛盾を感じたりもしながら、もっと早く読んでおけばよかったと思った。数学ができない人生(苦手だから高校序盤で諦めていた)だったから、来世では登場人物たちみたいな青春を送りたいと...続きを読むPosted by ブクログ
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「数学」を中心につながる高校生たちの物語。幼い頃に師と交わした約束を果たし、数学の世界へと足を踏み入れ、学生生活を過ごす主人公が、様々な人と出会い、E2というインターネット上のサイトに足を踏み入れる。そこで数学とは?数学で競う意味は?などの哲学的な疑問の答えを探りながら、数学を学ぶことを朧げながら掴...続きを読むPosted by ブクログ
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数学に全てを賭ける少年少女の物語。完璧文系脳の私でも楽しめる、寧ろ今まで無縁だった世界に触れられて嬉しい。まるでスポーツ小説を読んでるかのように胸が熱くなる!数式分からんとかそんなの気にならんくらい小説に浸れる。Posted by ブクログ
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“出会いと別れ”
少し前のイチオシ本。
ネット社会の今だからこそ読んでほしい。
少し複雑な文章構成からなる
少し不思議な「量子病」を持つ稀の物語。
世界中を飛びまわる彼女が、出会いと別れを繰り返す。
ある時、自分の存在をネットに移住させる提案を受けるも悩んでしまう。
旅をしながら彼女が出...続きを読むPosted by ブクログ -
「数学って何?」
数学に熱中し全てを賭けぶつかり高みへを目指す少年少女の物語。
同作者の『天盆』もそうだったが、何かに一心不乱になる姿に心動かされる。それぞれのアプローチを見せ、対象への想いに集約した物語展開が、数学の魅力と底知れなさを垣間見せる。Posted by ブクログ -
高校時代からずっと、自分のやりたいことと言うのがわからなかった私には、とても刺さる本だった。
何より詩的な表現がいいし、大きな山場というものが無いものの、心に刺さり、わけも分からず泣いてしまいそうになる小説だった。
表現もストーリーの進め方もとても好みだったので、王城先生の他の小説も読んでみたい...続きを読むPosted by ブクログ -
出だしの一文で掴まれた。こんなの久々。随所に出てくる比喩表現が好みである。場面展開がうまいところもあればよくわからないところもあるが、それも含めて、時々脱輪寸前の、とっても青春な感じ。
「学生時代苦手だったはずの数学にこんなにも魅了される」Posted by ブクログ -
青の数学
「考えつづけなければ、閃かない。
そして、閃きは決して何もないところからは
湧いてこない。」
1.購読動機
数学が好きではなかった私が、読者レビューを通じて、数学に興じる高校生たちの世界を覗いてみたくなったから。
2.主人公たち
数学オリンピックに出た、または出るほどの数学得意な...続きを読むPosted by ブクログ -
好きなことを、好きの気持ちだけでどこまで続けられるのか。最大限の努力でも辿り着ける場所には限りがあるから、みんなが葛藤しながら選び続けている。
文体が特徴的で、初めは少しそっけなく冷淡な空気を感じていた。しかし後半になって一気に印象がかわった。難解な問題が解けたとき、悩みの突破口が掴めたとき、この文...続きを読むPosted by ブクログ -
数学と青春という文系の自分は考えられないテーマだからこそ、数学に対してこんなにも熱く、深く探究できるものなのか、とすごく感心しました。勉強って捉え方次第では楽しいんじゃないかな?僕も数学してみようかな、なんて思わせてくれるそんな作品でした。個人的にはサイダーの描写が好きです、この後サイダーに一時期ド...続きを読むPosted by ブクログ
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前作からの続きで結末を迎える本書。
数学を題材にしているものの、テーマとしては「なぜやり続けるのか」を掲げているように感じた。
様々な意見を受けながら、オリンピックが開幕している。
世界のトップアスリートの活躍を数多く見ることができ、感動を与えられている点では、開催できたことを喜ぶべきだと思う。
ト...続きを読むPosted by ブクログ -
2冊目にしてようやく京(かなどめ)をすっと読めるようになった。
京さん、最初に出てきた時にはこの本をミステリーだと思っていたのもあって主人公と組んで活動する人だと勘違いしていたが、ある意味ずっと主人公と共にいたのか。
主人公が自分の道を見つけたのは嬉しいが、シリーズもこの巻で終わるのが寂しい。
も...続きを読むPosted by ブクログ -
登場人物名に数字が入っているのが好き。
終盤のタイトル回収の流れも好き。
「たどり着く場所があるかは分からないけど、進み続けない限り答えは分からない。」
それを教えてくれる一冊だと思います。Posted by ブクログ -
登場人物たちの一言一言がとても深い。そして共感できる。
全身全霊をかけてなにかに挑むということは苦しいけれど、だからこそ偉大なのだと思った。
数学好きにはたまらない青春小説。悩みながらも進み続ける人間同士の"本気"のぶつかり合いに、興奮を抑えられなかった。Posted by ブクログ -
前作ほどの衝撃は受けなかったが、1・2巻合わせた物語としての完成度は非常に高い。
数学とは何か?、何故数学をするのか?という何度も繰り返された問いに各々が自分の答えを出す。どれも正解ではなく、不確かなものであるが、それが本人にとっての「公理」、届かずとも限りなく近づくための道標である。作中で栢山の...続きを読むPosted by ブクログ -
子供の頃にあった全能感。
自分の世界の狭さと、この世の世界の広さを知って、色々なことを諦めていくうちに青春って終わったんだと思う。
「青春とは、何かを諦めるまでの季節なことだ。」Posted by ブクログ