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高次知的生命体(OT)との偶発的衝突(ファーストコンタクト)。それから2年、人々の日常は、頻発する“時が歪む”異常現象〈渦〉に悩まされていた。最愛の妻・ハルコさんを失った佐藤スバルは、遺された6歳の息子・ハルキとともに、〈渦〉の発生原因を突き止め、解消する“整時士”として働いている。仕事と子育てに追われる日々の中でスバルは、愛と時間の本当の意味を知る。家族の絆に涙する大災厄のその後の物語。
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Posted by ブクログ
久々に手に取る、王城作品。時空の歪みという設定だけなら先例はあるが、内容は『マレ・サカチのたったひとつの贈物』に通じるものを感じる。 ある大災厄に見舞われた人類は、頻発する“時が歪む”異常現象〈渦〉に悩まされていた。この〈渦〉の発生原因を突き止め、解消するのが“整時士”の仕事である。妻に先立た...続きを読むれ、6歳の息子を育てる佐藤スバルも、整時士の一人だった。 本作は4編から構成される連作短編集であり、スバルはそれぞれ〈渦〉の解消に挑むのだが、ハードSF的な厳密さはない。そもそもの発端となった大災厄や〈渦〉について、詳細は語られない。読者の想像に委ねる部分が大きい作品と言える。 一つはっきりしているのは、〈渦〉の原因となるのは「人」であるということ。整時士の任務は、原因となっている人物の特定が大部分を占めると言ってよい。整時士という存在は一般市民にも認知されているものの、誰もが協力的なわけではない。 読んでみればわかる通り、整時士の仕事はケースバイケースなのが難しい。彼らの上部機関は、空いている整時士に割り振るだけだが、現場はお毎回が試行錯誤。原因の本人に〈渦〉の自覚がなく、周囲も気づいていないことが多いのだ。 自分が理解した限りでは、トリガーになるのは人間の感情らしい。無垢な願望だったり、負の感情だったり。整時士は〈渦〉の解消が最終的な任務であり、原因人物さえ判明すれば、必要以上に踏み込まない。当事者の心理は想像するしかない。 やや抽象的な設定において、描かれているのはあくまで人間の心と受け止めたが、ある意味、時空の歪み以上に人間の心の方が謎であると言える。何しろ、スバルの親子関係が大きな謎なのだから。彼の願いが叶えられる日は来るのだろうか。 スバルの物語の続編が読めるかは、本作の反響次第か。人類と〈渦〉のいたちごっこがいつまで続くのかは気になる。
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