岡本隆司のレビュー一覧
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日本の歴史は東アジアよりも西欧の歴史に近似。封建制。日本は儒教を学問として受け入れたが、中国・朝鮮のように体制教学とはならなかった。戦国の下剋上により、下層から成りあがった領主たちが、僧侶・公家など旧来エリートを排撃し、軍事・政治を独占した。織豊から江戸初期にかけて仏教の従属化とキリシタン禁圧により、一種の政教分離が進んだ。西欧の宗教改革の時代とほぼ同じ。マルクス『資本論』曰く、日本はアジアのなかでただ一つ中世を形成した国。土地所有の純封建的組織とその発達した小農民経営。忠実なヨーロッパの中世像。『世界史序説』
明の鎖国。商取引は朝貢という手続きを踏むことを求めた。陸路や海路も交通は遮断。漢 -
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「あなたは中国が好きですか?」
この質問に答えづらい日本人は多いのではないだろうか…
中国の歴史や多くの遺産に魅力的なものが多いのも事実なのだが、実際感情面ではどうだろうか
しかしながら中国はもはや国際社会の中で避けて通れない大国である
どこかの政治家のセリフじゃないが日本は中国から離れるために引っ越しすることもできないのだ
先日読んだ2冊の本にも気になることがあった
■カルロ・ロヴェッリ「科学とは何か」
中国の思想(師を批判することはあり得ない)のせいで科学が発展しづらい国であった
これ以外にも原因となるものがあるような気がする…
■ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」
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日本の歴史を中国との歴史との関連という点から捉えた一冊。本書の目的は中国史・世界史のひろがりの中で、日本とその歴史を体系的に捉えなおすこと、著者も述べています。
歴史をいろいろな視点から見ることのできる本は積極的に読もうと思っていますが、これもその一環です。
日本にとって中国は、古代から大きな影響を受けてきており、古くは遣隋使・遣唐使、日宋貿易や勘合貿易、白村江の戦い、元寇、朝鮮出兵、日清戦争、日中戦争など、いろいろな場面で関係が見えてきました。本書では、そのような表面上の関係ではなく、かなり深いレベルでの考察が多く、かなり興味深い内容でした。
著者は、本書をまとめた結果、今後も大陸・半島と友 -
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蒼穹の昴を読んで李鴻章に興味を持った。
李鴻章といえば歴史の授業では日清戦争後の下関条約の全権だった、くらいの知識しかなかった。
しかしその生涯は実に数奇なもので、斜陽の清王朝時代に生まれ、沈みゆく大国の舵取りを外交面でなんとか支えていた人物と言える。
彼のキャリアは太平天国の乱の鎮圧に始まり、義和団事件後の北京議定書に終わる。
彼が生きている間、辛うじて清という大国は持ち堪え、彼が死去した直後に文字通り崩壊する。
結局は終焉する国の運命を背負いながらも何とか自らの使命を全うした李鴻章を尊敬する。
もし生まれ落ちた時代が違っていたら、もっと華々しい成果を上げていた大人物だ。
ただ、人間の運 -
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湘軍を率いて太平天国の乱を平定したことで知られ、世界史の教科書にも載っている曾国藩の評伝。
傑物ではあるが、失敗もし、地味で真面目な曾国藩の等身大の生涯を実証的に、かつ洗練された筆致で綴っている。世界史の教科書ではあっさりとした記述であるが、曾国藩の湘軍が太平天国軍を破るまでに、かなりの一進一退の攻防があり、曾国藩にしくじりも少なくなかったということを本書で知った。
そして、特に中国においては、社会情勢や立場によって人物評価ががらりと変わるということの事例としても興味深かった。歴史学において人物を取り上げる場合の在り方についても考えさせられ、毀誉褒貶に流れるのではなく、著者のごとく、史料に基づ -
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かなりおもしろかった!!
中国史を何一つ知らないので、全てにおいてなるほど〜!と思えて好奇心が満たされた…。
歴史的出来事を羅列していくのではなく、気候や西洋・日本の動き、世界情勢と絡めて広い視野で話が進んでいくためとても面白いし分かりやすい。中国はその領土の広さゆえ、東西南北で格差が生じ多元化・複雑化していてそれをどう統一していくかがこれまでの、そして現在の課題である、と読み取った。
●●時代と△△時代という呼び名だと全く別物に思えてしまうが、歴史は全て繋がっていて過去の結果が今である、ということを強く感じた。
とはいえかなり端折っている部分もあると思うのでもう少し詳しい本も読んでみたい。ま -
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アヘン戦争から現在までの中国の歴史を初心者にも分かりやすく書かれていると思います。アヘン戦争や太平天国の乱、アロー戦争、第一次国共合作などの単語は知っているが実際どのようなものか簡単に説明することが出来ませんでしたが、この本を読んで大まかなことは理解出来ました。
しかし中国史をある程度学習してきた人にとってこの本は少し物足りないように思います。なぜなら現在、他の中国現代史の本を読んでいるのですが、中国共産党は元々富裕層が基盤として作り上げられ、その後毛沢東の策略により農民を基盤とする集団に変容していったという事実などが抜けているからです -
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地球の寒冷期に中国も欧州も乱世となり、存亡掛けた戦いに全てが投じられるため一般人の生活もテクノロジーの進化も停滞するという。つまり寒冷期に文明が後退するという主張だ。一方で温暖期は食料が満たされ、政権も比較的安定し、生活の安定がテクノロジーの発展に寄与しやすいという。
ーーでは現代はどう見ればよいのか?
温暖期であることに安心して良いのだろうか?地球規模の観点では実は現代は寒冷期の只中という話を聞いたことがある。それを人類の生み出す温室効果ガスによって温暖化に無理やり傾かせているという主張だ。
でもそもそも寒冷期が戦乱を引き起こしてしまうのは、食料の枯渇による内政の混乱が原因だ。この状況は