岡本隆司のレビュー一覧

  • 琉球・台湾とつなげて学ぶ 日中全史

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    江戸時代、薩摩の新規での支配を受けながら、日本の事実上の支配を隠しつつ清への朝貢を続けていた(薩摩も隠す)。

    琉球王国は中国と日本と東南アジアの連結点となり貿易で繁栄したが、明の時に倭寇という名で日本以外も含む海賊が中国、東南アジア沿岸で勢力を伸ばし、明は鎖国政策に切り替え、琉球の力も弱まった。

    台湾は日本人の血が半分は言った鄭成功が現地人を支配し、清とは違う支配を樹立した。

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    2026年09月19日
  • 君主で読み解く世界史

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    東洋史の岡本先生と西洋史の君塚先生との対談の第二弾。君主をテーマに、古代から現代までの歴史を語る。
    東洋と西洋での、共通点(最初期の君主は自然や宗教などの超自然的な裏付けが必要である点など)や相違点(覆いかぶさる存在として、西洋はキリスト教で中国は儒教・漢文である点など)を、大局的な視点から話し合われていた。こういう語り合いができる事こそが、歴史の楽しみの1番の醍醐味なんだと思った。(自分もそういう極地に達したいし、そういう歴史仲間が欲しいが、おそらく無理か。)
    漢字が表意文字で非常に優れており、中国の官僚制度も優れていたが故に、統一が保たれて19世紀まで世界のトップに君臨できていたが、逆にキリスト教が完璧ではなく、十字軍の失敗・ペストの流行などからキリスト教の権威が失墜したことで、ヨーロッパの分立・競走の促進が生じ、19世紀にヨーロッパが逆転した、という事か?(これは本文を参考に個人的に至った考えだが)。宗教改革時のラテン語から各国語への翻訳が固有のアイデンティティを生んだ、という点は、その後の国民国家誕生にとって重要なんだと思った。

    対話形式の読みやすさがあり、東洋・西洋を比べながら進行する事で理解しやすくなっていると思う。岡本先生と君塚先生の両先生だからこその、良い対談本だった。第三弾も希望。

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    2026年09月07日
  • 二十四史―『史記』に始まる中国の正史

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    史記に始まる、正史とされた中国史書について、その起源からの歴史をたどり、各書の特徴や意義の変遷を追う内容。現代に連なる歴史認識の在り様や、清史をめぐる政治対立など興味深い点が多かった。

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    2026年07月20日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    【読もうと思った理由】
    中国の歴史というものをほぼ知らなかったため、知るための最初の一歩として手に取りました。

    【感想】
    中国の歴史を古代から通して学ぶことが出来て、さらにはどうしてこの時代にここで文明が生まれたなど、そういった背景も一緒に知ることができて、とても面白かったし、学びになることが多かったです。
    また、同じアジア、かつこんなに日本と近い国なのに、辿っている歴史が全然違うんだなぁというのも良く分かりました。知っているようで全く知らなかった中国のこと、この本をきっかけに、もう何冊か読んで、もっとよく知ってみたいと思いました。

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    2026年07月16日
  • 物語 江南の歴史 もうひとつの中国史

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    ネタバレ

    20260528-0609 出だしから読みやすい。「一つの中国」というのは昔も今もバーチャルなのかもしれない。毛沢東も湖南人だった。中国五千年の歴史を江南の視座から読み解くのはなかなか刺激的だった。多様多元的な中国を中国自身が纏めあぐねているのではなかろうか、というのは著者の視点だが、一国二制度といいつつ香港を大陸側に包摂してしまおうとする中国共産党政府の意図もわかるような気がする。そして、台湾はやはり「中国」なのだろうか。

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    2026年06月09日
  • 帝国で読み解く近現代史

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    まず帝国=悪がウィルソン大統領から来たというのが、なるほどだった。だいたい近現代のおかしいと思うことにはアメリカという珍妙な国家が絡んでいる。

    帝国の定義を多民族統治の形態としたとしても、古代以来の帝国と、近代のヨーロッパの帝国は完全に違う形態だし、現代のロシアや中国、アメリカもまた違う。
    言いはじめれば、シナ王朝とローマ帝国、オスマントルコなどイスラム帝国も違うが。
    私見では、皇帝と臣民だけを考え、民族、宗教をその他の要素とするのが純粋な帝国ではないか。
    ヨーロッパの植民地は、国民国家が大きくなっただけで帝国ではないだろう。
    オスマントルコは、皇帝の妻が他民族ばかりで、親衛隊のイェニチェリも他民族というのは帝国の典型か。
    ソ連邦もスターリンはグルジア人であり、それに近いのかも。

    近現代の悲劇は、国民国家肥大化の似非帝国が世界に広がったことと、その結果ナショナリズムが盛り上がり、更にそれを焚き付けるアメリカが力を持ったこと。
    宗教にはまだ信仰を選べるが、民族は選べない分ナショナリズムはタチが悪い。
    帝国とは民族という縛りから逃れる一つの知恵だったのだが、現代では完全に壊れてしまった。
    それでも各種事情で必死で取り繕っているのがロシアや中国。しかし、民族自決という幻想が収まらない限り、難しい道となりそうだ。

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    2026年05月24日
  • 中国の論理 歴史から解き明かす

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    日本が「嫌中」一色の中、日本人は日本人の常識で中国をはかっているが、実はそんな単純な話ではないのだと、中国の歴史から見ていく。そんな一冊。

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    2026年04月22日
  • 二十四史―『史記』に始まる中国の正史

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    『史記』、『漢書』、『三国志』など、基本的に歴代王朝ごとに(断代史)、紀伝体で編纂された中国史の根本史料である「正史」を統べた「二十四史」について、その歴史、各書の特徴や意義等について紹介。
    『史記』、『漢書』、『後漢書』、『三国志』まではともかく、『晋書』以降の正史についてはほとんど知らなかったので、二十四史の各書の来歴や内容について、また、中国における「史学」の進展についていろいろと知ることができ、とても興味深かった。
    毎度ながら、著者の東洋史学者ならでは拡張高い文体も味があってよかった。

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    2026年03月21日
  • 中国史 見るだけブック

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    中国史にあまり触れてこなかった身ですが、スッと内容が入ってくる入門書にふさわしい本でした。
    ただルビが振られていない人物名や地名などもあり、そこだけが残念。ただそれは他書やネットで調べればいい話か。近現代史からは読みやすくなった印象です。

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    2026年03月03日
  • 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

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    流れがわかって面白かった。
    短い本なので、全体的にさらっと扱った感じ。
    もう少し文化や生活面の描写もあると良かったかなぁ。

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    2026年01月26日
  • 中国史とつなげて学ぶ 日本全史

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    audibleにて。日本の文化の多くは中国経由で入ってきてるから、中国史とつなげて日本史を見る視点はとてもいいと思った。特に日本の富国強兵の時代と清朝の没落の時代は比べごたえのある局面だと思う。

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    2026年01月25日
  • 倭寇とは何か―中華を揺さぶる「海賊」の正体―(新潮選書)

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    倭寇の本質として「華夷同体」という構造を見出し、「倭寇」的なものは、狭義の倭寇収束後も中国史の中でたびたび立ち現れているということを論じている。
    近世・近代中国史を「倭寇」という観点で読み直すような試みで、知的面白さがあった。
    著者の文章を悪文と指摘する向きもあるようだが、個人的には、昭和以前の歴史家のような、漢文の教養を感じさせる味のある文体だと思う。

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    2026年01月08日
  • 二十四史―『史記』に始まる中国の正史

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    あるようでなかった本。中国正史24の全体の概略を記す。だいたいわかっていた話が少し。大半は初めて知る。正史とは言っても皆それぞれ事情が異なる。
    手元に置く辞書のような本になるか。
    付録の日本の訳書、解説書の解説がいい。ただあまりに訳書が少ない。残念なことである。

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    2025年12月16日
  • 倭寇とは何か―中華を揺さぶる「海賊」の正体―(新潮選書)

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    華夷同体を視座にして倭寇どころか習近平まで貫き通した、なかなかワクワクさせられた本。
    しかし、もう少し読みやすくできたのではないか

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    2025年12月02日
  • 教養としての「中国史」の読み方

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    日本人と中国人の考え方の違いを指摘しながら、中国の歴史を紐解く。中央集権の制度、単位、儒教について、民族と文化の変遷など。特に面白かったのは科挙の徹底化(初期は登用の目的だけだったが、次第に官吏になるためには全員科挙に合格しなければならなくなったこと)が結果として貴族がいなくなって、皇帝の権力が増す結果を招いた事とか、清の時代になって民衆に命じたことは辮髪になることくらいだったけれど、それは満州人の少なさを目立たせないためだったとか、満州人が漢人化していって漢語をしゃべるようになったこととかだ。

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    2025年11月20日
  • 教養としての「中国史」の読み方

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     とてもわかりやすくて、専門外の人に中国という国を知ってもらうにはいい本だと思います。なにしろこの本は中国史を
    1. 中国のはじまり
    というところでは、中国という国は時代によってその範囲も主体も変化しており、バラバラだからこそいつも一つの中国を目指していることを明らかにしています。そして皇帝というのは天子と同じことなので二人いては困ること、そして儒教抜きに中国史は語れないことを丁寧に説明しています。
    2.交わる胡漢、変わる王朝、動く社会
    では、5胡といわれる遊牧民族と漢民族の関係、ほとんどの時代に遊牧民によって建国されてきた経緯をわかりやすく説明してくれます。中国史のわからないところはここいら辺がモヤモヤしているのですが、唐宋変革についてもわかりやすい。
    3.現代中国はどのようにして生まれたのか
    明と清はなぜ長く続いた理由だとか、アヘン戦争までの経緯とかとてもgoodです。現代でも変わらない二元構造であり、毛沢東はこの2元構造を破壊しようとし、鄧小平はこの2元構造を利用して経済発展させようとしたこと。そんなことを通して現代の中国を説明しています。
    全体として秀逸なのは、論点の区分です。中国全体をわかりやすく説明してくれてます。

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    2025年11月02日
  • 教養としての「中国史」の読み方

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    この本は、歴史の本質を知れるものだった。人物や戦いの名は必要最低に抑え、どうして、なぜの真髄にページを割いている。
    中国は中国である限り、儒教に縛られている限り変わることはない。西側の、日本の尺度では、分かり合うことはできないようだ。「士と庶」「官民乖離」「コミュニティへの強い帰属意識」「一つの中国の本当の意味」などがキーワードだが、著者は中国と付き合うには「荘子」の「君子之交淡如水、小人之交甘如禮」で行くのが望ましいと締める。実際、鎖国時代はもっとも上手くいっていたと。それは裏を返せば、日本にいる彼らの横暴を止めるには……

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    2025年10月26日
  • 教養としての「中国史」の読み方

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    470ページあるがやや大きめの文字でスラスラ読め、著者の伝えたいことがわかりやすい。
    歴史の細かい事件ではなく、中国人の考え方・行動に影響を与えている事象(中華思想、儒教、エリートと非エリート、等)を説明している。
    特に以下の記述は、中国人の行動理解に有益。
    ・中国の賄賂は必要悪
    ・中国には、合法、非合法、善悪の境界はない
    ・中国の主権は国民にはない
    例えば、中国では法律は人民の上、共産党の下。
    つまり日本では当然視される法治主義は、西洋で生まれた思想であり、日本では適合し当然視されるが、政治システムの歴史の異なる中国では日本と違っても当然との主張は新鮮で、考えさせる。民主主義等の思想も同様である。

    中国人の考え方とその成り立ちをざっくり知りたい人にお勧め。事象のさらに詳しいことは、興味に応じて読後にそれぞれの専門書に当たるのが良いと思います。

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    2025年10月12日
  • 二十四史―『史記』に始まる中国の正史

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    ネタバレ

    『史記』『漢書』『三国志』『後漢書』『宋書』『南宋書』
    『魏書』『梁書』『陳書』『北斉書』『周書』『隋書』『書』
    『南史』『北史』『旧唐書』『旧五代史』『五代史記』
    『新唐書』『梁史』『金史』『宋史』『元史』『明史』

    中国の正史。後継王朝が前王朝の正史を作る。作るにしても前王朝が滅んだ状況によって資料がなかったり、後継王朝がさっさと滅んだり、色々問題があったりする正史。

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    2025年09月19日
  • 二十四史―『史記』に始まる中国の正史

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    20290901-0914 中国の歴史書を史記から清史に至るまで概略を解説。著者の語り口がとても良い。まるで講義を受講しているようであった。一つの王朝が終わるとそれを継ぐ王朝がその継続性を正当化するためにも前代の王朝の歴史を書くということか。だとしたら,清帝国を継承するのは中華民国(台湾)?それとも中華人民共和国?現在の中国は「王朝」ではないので、そのような観点で歴史書を作成する必然性はないのだろうか。対して我が国は、東大史料編纂所で史料編纂を行っているという。これは「国史」を作成しているということなのだろうか。1000年くらいいわゆる「史書」を作成していなかったのだから、気の遠くなる作業だよなあ。

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    2025年09月26日